37
C 6823 : 2010
上部平板
下部平板
図I.1−マイクロベンド発生装置
I.3 手順
試験は一般に2 m3 mの光ファイバを用いて行う。ゴムシート上の円に沿うようにループに光ファイ
バを設置する。光ファイバを,幅3 mm以下の3本の小さいテープで固定する。光ファイバの重なり合い
を避けるために,光ファイバが,ゴムシートが切り取られている部分で出入りしていることを確認する。
ワイヤメッシュ又は他の負荷装置を設置する前に,規定の波長で光パワーを読み取る。上部平板を下ろし,
被測定光ファイバにワイヤメッシュを静かに当てる。60秒後に規定の波長で光パワーを測定する。負荷を
1 kg増加し,約60秒後に光パワーを測定する。測定終了後,負荷,上部平板及びワイヤメッシュを取り外
す。マイクロベンド損失試験による耐久効果を確認するときは,再度光パワー測定を行う。
I.4 損失の算出
マイクロベンド損失は,式(I.1)によって求める。側圧Pはワイヤメッシュの下の光ファイバに与える負
荷(単位 : N)を光ファイバ長(単位 : mm)で割った値とする。
Lm (I.1)
P
ここに, Lm : マイクロベンド損失 [(dB/km) / (N/mm) ]
懿 マイクロベンド損失による損失増加 (dB/km)
P : 側圧 (N/mm)
――――― [JIS C 6823 pdf 41] ―――――
38
C 6823 : 2010
附属書J
(規定)
マイクロベンド損失試験 : 方法D−斜め巻付け法
J.1 概要
この附属書は,シングルモード光ファイバのマイクロベンド損失の温度依存性の試験手順を示す。この
方法では,被測定光ファイバに対し,広い温度範囲にわたって挿入損失増加を与える。
J.2 装置
J.2.1 固定径石英ドラム
装置は,直径が固定された石英ドラムで構成する。ドラムの組成は光ファイバの膨張係数と一致する必
要がある。曲げ損失の影響を最小にし,マイクロベンド効果を最大にするため,ドラムの最小直径を111 mm
とする。ドラムの寸法例を図J.1に示す。
2mmピッチ
111mm
200mm
図J.1−石英ドラム
J.2.2 温度制御試験用恒温槽
この試験は,内部に試料を収納することができ,試料周辺の空気の流れが制限されない温度制御試験用
恒温槽で行う。恒温槽は,上限及び下限温度をカバーする十分な制御温度範囲をもち,試験中は設定温度
±2 ℃に保たなければならない。光ファイバの両端は,測定ができるように恒温槽の接続口から出し,接
続口は,設定温度を保てるように十分密閉する。
――――― [JIS C 6823 pdf 42] ―――――
39
C 6823 : 2010
J.3 手順
J.3.1 試料準備
長さ2.5 kmの光ファイバを用意する。それより短いと値の再現性がなく,それより長くても測定精度は
よくはならない。被測定光ファイバを石英ドラムに巻張力70 g±5 g,巻取りピッチ(近接する巻付けた光
ファイバとの距離)2 mmで巻き付ける(図J.1参照)。次の層の光ファイバは,左右反対の方向へ巻き付
ける。したがって,光ファイバは一層ごとに巻方向が反転する。張力のかかった光ファイバの近接する層
との重なり合いによって,マイクロベンドが発生する。正確で再現性のある値を得るために,次に示す条
件とするのがよい。
− 巻張力=70 g±5 g
− 最下層巻取り幅=200 mm
− 巻取りピッチ=2.0 mm
− 巻取り幅減少率=0.5 mm/層
− 巻取り速度=1 m/s2 m/s
J.3.2 試料事前設定
被測定光ファイバは,JIS C 60068-1の5.3に規定する標準状態(温度15 ℃35 ℃,相対湿度25 %
75 %,気圧86 kPa106 kPa)に設定した恒温槽内に12時間以上置かなければならない。恒温槽の接続口
から引き出した光ファイバの両端の長さは,恒温槽内の光ファイバ長の10 %を超えてはならない。損失測
定を行えるように,光ファイバの両端を試験装置に接続する。損失試験は,カットバック法(附属書A参
照),OTDR法(附属書C参照)又は伝送パワーによる光損失モニタ法(附属書E参照)を用いて行う。
J.3.3 温度サイクル
試料を低温サイクルにかけたときの損失を測定する。温度サイクルの例を,図J.2に示す。温度は,−
60 ℃のような低温を含んでもよい。
連続的又は各設定温度の終了時点で測定を行う。
図J.2−温度サイクルの例
J.4 損失の算出
室温で温度変化を与えた後のマイクロベンド損失は,温度変化を与える前の光ファイバ固有の損失から
の光ファイバの損失の増加を示す。測定値は,損失の絶対値又は基準値からの損失の変化として報告する。
注記 既知のケーブル構造における光ファイバの性能は,被測定光ファイバと基準光ファイバのマイ
――――― [JIS C 6823 pdf 43] ―――――
40
C 6823 : 2010
クロベンド性能とを比較することによって推測できる。特定のケーブル構造において性能が既
知となる光ファイバを基準光ファイバとして使用することができる。石英ドラムでの評価にお
いて低いマイクロベンド損失を示す光ファイバは,ケーブル内においてもよい性能となると推
測できる。
――――― [JIS C 6823 pdf 44] ―――――
41
C 6823 : 2010
附属書K
(規定)
曲げ損失試験 : 方法A−マンドレル巻き法
K.1 装置
装置は,個別規格で定めた直径(例えば,シングルモード光ファイバは60 mm又は75 mm,SGIマルチ
モード光ファイバは75 mm)のマンドレル及び損失試験装置で構成する。伝送パワーによる光損失モニタ
法(附属書E参照)又はカットバック法(附属書A参照)のどちらかを使用し,各光ファイバの適切な入
射条件に注意して,規定波長(例えば,850 nm,1 300 nm,1 550 nm又は1 625 nm)ごとの曲げ損失を測
定する。
K.2 手順
光ファイバにねじれを与えないように,光ファイバをマンドレルに緩く巻き付ける。巻き回数,マンド
レルの直径及び損失を測定する波長は,個別の規定による。望ましい値を,次に示す。
− 巻き回数 : 100回
− マンドレル直径 : シングルモード光ファイバは60 mm,SGIマルチモード光ファイバは75 mm
− 波長 : シングルモード光ファイバは1 550 nm又は1 625 nm,SGIマルチモード光ファイバは850 nm
又は1 300 nm
注記 直径を小さくしたマンドレル(20 mmからおおむね32 mm以下)を使用すると損失した光が
光ファイバ試料に散乱して戻ってくることがある。この現象は見かけの損失と波長との関係
において不自然な変化を引き起こす。そのような径の小さなマンドレルを使用する場合は,
損失と波長との関係を測定するとよい。このデータを滑らかな曲線で補間することによって,
規定した波長における正確な損失を決定することができる。
曲げ損失の測定には,次の二つのどちらかの方法を使用する。
− 伝送パワーによる光損失モニタ法 : 直線状態から曲げ状態へ変化したときの光ファイバの損失増加を
測定する。
− カットバック法 : 曲げ状態での光ファイバの全損失を測定する。曲げによって誘発された損失を決定
するために,光ファイバの損失係数とマンドレルに巻いた光ファイバの長さとを乗じた値を差し引く
ことによって,正確な曲げ損失を求める。
マンドレルに巻かれていない光ファイバ部分及び基準カットバック部分には,測定結果に重大な変化を
与える曲げが起こらないようにする。マンドレルに巻かれていない光ファイバは,曲げ直径が280 mm以
上の束とするのがよい。曲げ損失を発生しない大きな直径のマンドレルから必要な直径のマンドレルに巻
き付け直すこともできる。この場合,曲げ損失は,光ファイバの固有の損失を補正することなく,伝送パ
ワーによる光損失モニタ法を用いて直接決定する。
――――― [JIS C 6823 pdf 45] ―――――
次のページ PDF 46
JIS C 6823:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60793-1-1:2008(MOD)
- IEC 60793-1-40:2001(MOD)
- IEC 60793-1-46:2001(MOD)
- IEC 60793-1-47:2006(MOD)
- IEC/TR 62221:2001(MOD)
JIS C 6823:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
JIS C 6823:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC6820:2018
- 光ファイバ通則
- JISC6822:2009
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―寸法特性
- JISC6825:2009
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性
- JISC6825:2020
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性