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附属書D
(参考)
検討が必要な項目に関する予備的指針
D.1 波長1 300 nmにおける実効帯域(EMB)
波長分散特性によって,ある一波長におけるDMD測定値を他の波長のDMD値に変換することができ
る。これによって,波長850 nmにおけるDMD値から1 300 nmの実効帯域を予測できることがある。予
備的工学分析によって,波長850 nmにおいてEMBが2 000 MHzkm以上とする附属書Aの要求事項を満
たす光ファイバは,波長1 300 nmにおいて500 MHzkm以上のEMBとなる。
マルチモード光ファイバ及びシングルモード光ファイバの両方で,波長1 300 nmのレーザ送信器を使用
する場合がある。波長1 300 nmのシングルモード光ファイバ励振用(例えば,1000BASE-LX)に設計した
送信器にOFL法だけで帯域が保証されたマルチモード光ファイバを使用する場合,IEEE Std. 802.3では,
マルチモード光ファイバの帯域を確実に保証するために,オフセット励振用モード調整パッチコードの使
用を規定する(附属書F参照)。
オフセット励振用モード調整パッチコードは,シングルモード光ファイバ及びマルチモード光ファイバ
の中心軸を,ある規定した範囲内でずらして接続したもので構成される。シングルモード光ファイバを用
いて中心軸を外してマルチモード光ファイバのモードを励振することによって低次モードだけが強く励振
される通常の接続より多くのモードが励起される。
OFL法による帯域測定は,高次モードによる影響が非常に支配的であるため,低次モードによる影響は
無視できる。したがって,オフセット励振用モード調整パッチコードを使用することによって低次モード
の強い励起を回避し,帯域に及ぼす影響を取り除くことができるので,システムの最小帯域とOFL法によ
って測定した帯域との相関を改善できる。
DMD測定法は,低次モードについての測定方法であるため,波長1 300 nmの送信器による定常モード
励振状態での帯域下限値の境界を示すことができる。SGI-50/125-A2及びSGI-50/125-A3の仕様を満たす光
ファイバは,波長850 nmにおける実効帯域について最適化したものであり,かつ,特に低次モードにお
けるDMDに限定したものである。
最適化された波長と異なる波長を使用した場合,DMDは規則的に増加する。DMDの最も大きな増加は,
高次モードによって引き起こされる。このように,高次モードのDMDが支配的なOFL帯域は,低次モー
ドにパワーが集中する本来の1 300 nm励振における最小実効帯域の参考になる。したがって,
SGI-50/125-A2及びSGI-50/125-A3形マルチモード光ファイバは,オフセット励振用モード調整パッチコー
ドを使用しなくても,1 300 nmにおける最小OFL帯域が500 MHzkmと同等のEMBをもつことが期待で
きる。
D.2 DMDによるEMBのスケーリング
次の三つの状況に合致する場合,DMDの時間幅に反比例させたEMBのスケーリングによって,A.1及
びA.3に示すテンプレート及びマスクから異なる実効帯域を求めることができる。
a) 光ファイバは,B.4.1で規定する送信器を使用する。
b) テンプレートの径方向のオフセットの限界値を変えない。
c) FL帯域の要求事項がEMBに正比例してスケーリングされる。
――――― [JIS C 6832 pdf 26] ―――――
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C 6832 : 2019
このスケーリングの確度は,次の関係によって立証できる。導波路理論によって,送信器のモードパワ
ー分布は,内側及び外側DMDマスクの径方向の範囲に直接関係する。波長による帯域の変化を最小にす
るために,使用波長範囲を一般的なDMD測定波長の範囲に限定する。モードパワー分布及びDMDマス
クの径方向の範囲が固定され,かつ,動作波長範囲が変化しなければ,スケーリングはrms(Root Mean
Square : 二乗平均平方根)パルス幅と帯域との逆比例関係によって立証できる[27]。この場合,rmsパルス
幅はDMDの時間幅と等しい。EMBに正比例したOFL帯域のスケーリングでは,DMDとOFL帯域との
間で比例関係が成り立つ。
例えば,850 nmでの実効帯域が1 000 MHzkm(2 000 MHzkmの1/2)以上のものは,A.1に記載する内
側マスクと外側マスクとの六つの組合せのテンプレートにおいて,DMDの値が倍となる規格を満たし,
OFL帯域は750 MHzkm以上となる。
――――― [JIS C 6832 pdf 27] ―――――
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C 6832 : 2019
附属書E
(参考)
SGI形光ファイバの適用範囲及びケーブルカテゴリ
E.1 標準化されたアプリケーション
表E.1に,国際標準化されたアプリケーションを示す。これらのアプリケーションは,SGI形光ファイ
バが適用される。この表に記載していない多くのアプリケーションでも,SGI形光ファイバが適用される
場合がある。
表E.1−SGI-50/125形及びSGI-62.5/125形マルチモード光ファイバを適用する
標準化されたアプリケーション
アプリケーション 出典 名称
1GFC ISO/IEC 14165-115 1-Gigabit Fibre Channel
2GFC ISO/IEC 14165-115 2-Gigabit Fibre Channel
4GFC ANSI/INCITS 479 4-Gigabit Fibre Channel
8GFC ANSI/INCITS 479 8-Gigabit Fibre Channel
10GFC ISO/IEC 14165-116 10-Gigabit Fibre Channel
16GFC ANSI/INCITS 479 16-Gigabit Fibre Channel
32GFC ANSI/INCITS 512 32-Gigabit Fibre Channel
1000BASE-SX ISO/IEC/IEEE 8802-3 Gigabit Ethernet
1000BASE-LX ISO/IEC/IEEE 8802-3 Gigabit Ethernet
10GBASE-S ISO/IEC/IEEE 8802-3 10-Gigabit Ethernet
25GBASE-SR ISO/IEC/IEEE 8802-3 25-Gigabit Ethernet
40GBASE-SR4 ISO/IEC/IEEE 8802-3 40-Gigabit Ethernet
100GBASE-SR10 ISO/IEC/IEEE 8802-3 100-Gigabit Ethernet
100GBASE-SR4 ISO/IEC/IEEE 8802-3 100-Gigabit Ethernet
E.2 この規格の光ファイバとISO/IEC 11801-1ケーブル化光ファイバ性能カテゴリとの相互参照
表E.2に,この規格の光ファイバのサブカテゴリとISO/IEC 11801-1ケーブル化光ファイバカテゴリと
の相互参照を示す。
――――― [JIS C 6832 pdf 28] ―――――
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C 6832 : 2019
表E.2−この規格とISO/IEC 11801-1との相互参照
JIS C 6832光ファイバのサブカテゴリ又はモデルISO/IEC 11801-1ケーブル化光ファイバ性能カテゴリ
SGI-62.5/125 b) OM1 a)
SGI-50/125-A1 d) OM2 c)
SGI-50/125-A2 OM3
SGI-50/125-A3 OM4
SGI-50/125-A4 OM5
注a) SO/IEC 11801-1 ed3では,OM1は新設用ケーブルとしてはサポートしていない。
b) 過去の経緯を記載すると,ISO/IEC 11801-1 ed2において,波長850 nmで200 MHzkm及び波長1 300 nm
で500 MHzkmの最小全モード励振帯域をもつ50/125 m光ファイバを使用したOM1ケーブルは規定して
いた。この帯域組合せの50/125 m光ファイバは,この規格には含まれていない。
c) SO/IEC 11801-1 ed3では,OM2は新設用ケーブルとしてはサポートしていない。
d) 過去の経緯を記載すると,ISO/IEC 11801-1 ed2において,波長850 nmで500 MHzkm及び波長1 300 nm
で500 MHzkmの最小全モード励振帯域をもつ62.5/125 m光ファイバを使用したOM2ケーブルは規定し
ていた。この帯域組合せの62.5/125 m光ファイバは,この規格には含まれていない。
――――― [JIS C 6832 pdf 29] ―――――
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附属書F
(参考)
1 Gbit/s,10 Gbit/s,25 Gbit/s,40 Gbit/s及び100 Gbit/s
イーサネットアプリケーション
F.1 概要
この附属書は,IEEE Std. 802.3(CSMA/CDほか)に基づいて開発した1 Gbit/s,10 Gbit/s,25 Gbit/s,40
Gbit/s及び100 Gbit/sイーサネットアプリケーションに関連する伝送能力,並びにSGI-50/125形及び
SGI-62.5/125形マルチモード光ファイバの要求事項の概要をまとめたものである。一般的に伝送速度が1
Gbit/sを超えるアプリケーションには,全てレーザ送信器を適用する。
表F.1に1 Gbit/s,10 Gbit/s,25 Gbit/s,40 Gbit/s及び100 Gbit/sイーサネットの要求事項及び伝送能力の
概要を示す。表F.1の列は,光ファイバの形名及びモードによって区分及びデータ増加量を記載する。そ
れぞれの区分において,アプリケーションのリンク長の目安及び送信器の励振特性に対する要求事項を示
す。送信器の励振特性に対する要求事項は,次の三つである。
− IEEE Std. 802.3で規定する,波長1 300 nmにおける,オフセット励振用モード調整パッチコードを使
用する。
− 全モード励振(OFL)帯域で規定された光ファイバを用いて,波長850 nmで1 Gbit/s伝送する場合,
結合パワー比(Coupled Power Ratio : CPR)は9 dBよりも大きく,かつ,ラジアル全モード励振(ROFL)
を避ける必要がある。CPRはIEC 61280-4-1:2003に,ROFLはIEEE Std. 802.3にそれぞれ規定する。
− DMD測定によって実効帯域が保証されるSGI-50/125-A2形,SGI-50/125-A3形及びSGI-50/125-A4形
マルチモード光ファイバにおいて,波長850 nmで10 Gbit/s,25 Gbit/s,40 Gbit/s及び100 Gbit/s伝送
をする場合のエンサークルドフラックス(EF)に対する要求事項を満たす。EFに対する要求事項は,
半径4.5 μmにおけるEF値が30 %以下,かつ,半径19.0 μmにおけるEF値が86 %以上である。EF
の測定については,IEC 61280-1-4を参照。
――――― [JIS C 6832 pdf 30] ―――――
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JIS C 6832:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60793-2-10:2017(MOD)
JIS C 6832:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
JIS C 6832:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC6820:2018
- 光ファイバ通則
- JISC6821:1999
- 光ファイバ機械特性試験方法
- JISC6822:2009
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―寸法特性
- JISC6823:2010
- 光ファイバ損失試験方法
- JISC6824:2009
- マルチモード光ファイバ帯域試験方法
- JISC6825:2009
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性
- JISC6825:2020
- 光ファイバ構造パラメータ試験方法―光学的特性
- JISC6827:2015
- 光ファイバ波長分散試験方法
- JISC6864:2008
- マルチモード光ファイバモード遅延時間差試験方法