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101 異常状態
電子スイッチは,異常状態でも危険な状態を生じてはならない。
障害が発生したとき,電子スイッチから出る最大電力が0.5 W未満の場合,異常状態の要求事項に適合
しているとみなす。
適否は,101.1101.3に規定する試験によって判定する。
注記 これらの試験に対しては,電子スイッチの追加部品が必要な場合もある。
101.1 電子スイッチは,異常状態となった場合でも,電子スイッチの周囲に対して火災の危険が生じる
おそれのある温度になってはならない。
適否は,101.1.1に規定するように,電子スイッチの故障状態を模擬した温度上昇試験によって判定する。
試験中に,温度上昇は,表102の許容温度上昇値欄の箇条101に関する列の値を超えてはならない。
101.1.1 特に規定がない限り,電子スイッチは,箇条17に規定するように取り付け,接続し,負荷を加
えた状態で試験を行う。
101.1.1.1及び101.1.1.2に示す異常状態を,順番に適用する。
注記 試験中,直接の結果として生じるその他の故障が発生する場合がある。
異常条件は,試験に最も適切な順序で適用する。
101.1.1.1 次の故障状態を,模擬する。
− 箇条23の規定に適合するものを除き,沿面距離及び空間距離を短絡する。ただし,JIS C 6065の図
10(プリント基板の最小空間距離及び沿面距離)に示す値未満であるときに限る。
− 例えば,ラッカー又はエナメルで構成する絶縁塗装部分の短絡。
このような塗装は,沿面距離及び空間距離の評価のときに無視する。
エナメルが電線の絶縁体を形成し,JIS C 3215-0-1の13.のグレード2に対して規定する電圧試験に
耐える場合,エナメルは,沿面距離及び空間距離の内の1 mmに相当するとみなす。
注記1 グレード2の変更は,検討中である。
− 半導体部品の短絡又は開放
注記2 電子スイッチの制御回路に用いる半導体部品(マイクロコントローラ,ICなど)の短絡又
は開放は,電源供給側ピン部だけで行う。
− 電解コンデンサの短絡
− 箇条102の要求事項に適合しないコンデンサ又は抵抗器の短絡又は開放
− 負荷側端子の短絡
試験中に模擬した故障状態が,その他の故障状態に影響する場合には,これらの全ての故障状態を同時
に適用する。
電子スイッチの温度を自動保護装置(ヒューズを含む。)の動作によって制限する場合は,その装置の動
作の2分後に温度を測定する。
温度制限装置が動作しない場合は,温度が安定状態に達したとき又は4時間後のいずれか短い方の時間
の後に温度を測定する。
ヒューズによって温度を制限する場合,疑義があるときには,次の追加試験を行う。
ヒューズを短絡状態にして故障状態における電子スイッチの電流値を測定する。測定した電流によって
JIS C 6575の規格群で規定する形式のヒューズの特性に応じて最大不溶断時間を求め,相当する最大不溶
断時間の間,電子スイッチを作動する。通電完了の2分後に温度を測定する。
101.1.1.2 該当する場合には,次の試験を行う。
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温度制御装置及びヒューズを組み込んでいない電子スイッチの検証に使用する保護装置(例えば,ヒュ
ーズ,自動保護装置)の作動電流は,電子スイッチの保護を目的として製造業者が指定する保護装置の定
格電流に関連しなければならない。製造業者は,電子スイッチの保護を目的として保護装置に関する情報
を製造業者の説明書で指定することが望ましい(JIS C 8281-1:2011の8.8参照)。
温度制限装置及びヒューズを組み込んでいない電子スイッチは,据付部で電子スイッチを保護する装置
(ヒューズなど)の協約溶断電流を1時間加える。
内蔵する自動保護装置(ヒューズを含む。)によって保護する構造の電子スイッチは,保護装置が1時間
後に遮断する電流の0.95倍の電流を加える。
温度上昇は,温度が安定状態に達したとき又は4時間後のいずれか短い方の時間の後に測定する。
JIS C 6575の規格群に適合するヒューズを組み込み,それによって保護する電子スイッチは,それらの
ヒューズをインピーダンスが無視できるリンク導体に取り替え,ヒューズの定格電流の2.1倍の電流を流
す。
電子スイッチは,30分間負荷電流を通電した後で,温度上昇を測定する。
包装ヒューズ及び自動保護装置の両方によって保護する電子スイッチは,上記のように,組込ヒューズ
又は他の自動保護装置のいずれかに負荷を加える。ただし,より低い方の負荷が必要な試験を選ぶ。
過負荷の場合に限って,短絡する自動保護装置によって保護する電子スイッチは,自動保護装置付きの
電子スイッチ及び自動保護装置がない電子スイッチの両方とみなして試験しなければならない。
上記で規定する試験において,温度上昇が安定する前に電子スイッチが“切”状態になる場合は,新し
い試験品のセットで次の追加試験を行う。
− 電子スイッチは,定格電流の1.1倍の負荷を加える。
− 次に電流を10 %増やし温度を安定させる。これを保護装置の協約溶断電流まで又は電子スイッチが破
壊(正常に動作しなくなるか,この規格の意味するところの安全性を損なう。)するまで繰り返す。
101.2 故障状態で電子スイッチを使用したとしても,感電に対する保護が必要となる。
適否は,101.1の試験後,箇条10の試験によって判定する。
101.3 電子スイッチは,負荷側の短絡電流に,その周囲を危険にさらすことがないような状態で耐えな
ければならない。
適否は,次の試験によって判定する。
電子スイッチは,通常の使用状態で取り付ける。追加のボックス又はエンクロージャを使う場合,JIS C
8462(規格群)の関連するパートに適合したエンクロージャで試験しなければならない。
注記1 (対応国際規格のNOTE 1は,他国に関する規定であり削除した)
電子スイッチは,非誘導性回路で負荷インピーダンス及び固有通過値I2t(ジュール積分)を制限する装
置に直列に接続して試験する。
試験における電源の固有短絡電流は,電子スイッチの定格電圧に等しい電圧で,1 500 A(実効値)とす
る。
固有通過値I2t(ジュール積分)の最小値は,15 000 A2sでなければならない。
注記2 固有電流は,電子スイッチ,電流制限装置及び負荷インピーダンスを,回路には他の変化を
与えずに,インピーダンスが無視できるリンク導体に交換したときに,その回路に流れる電
流である。
注記3 固有通過値I2t(ジュール積分)は,電子スイッチ及び負荷インピーダンスをインピーダンス
が無視できるリンク導体と交換したときに,電流制限装置を通過する値である。I2t値は,開
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放形ワイヤヒューズ,イグナイトロン又は他の適切な装置を用いることによって制限できる。
注記4 15 000 A2sのI2t値は,固有短絡電流が1 500 Aのとき,16 Aの小形遮断器を通過する最大の
値に相当する。
電子スイッチを試験する回路図を,図102に示す。
インピーダンスZ1(短絡インピーダンス)は,規定の固有短絡電流を加えることができるように調節す
る。
インピーダンスZ2(負荷インピーダンス)は,その電子スイッチに規定する最小負荷又は定格負荷の約
10 %のうちのいずれか高い方で負荷できるように調節する。
注記5 負荷は,電子スイッチを閉路状態とするために必要である。
回路は,次の許容差に校正する。
電流 : 0+5 %,電圧 : 0+10 %,周波数 : ±5 %
製造業者が推奨する,電子スイッチの中に組み込むか又は組み込まない状態のヒューズを含む自動過電
流保護装置がある場合,負荷回路に挿入する。可変調整がある場合,最大出力の位置に設定する。
短絡回路は,電圧に同期しない状態で補助スイッチAによって6回発生させる。
注記6 波形上のタイミング指定における複雑さを避ける必要を考慮し,6回の試験を行う。
試験中,炎又は燃焼小片の放出がある場合,周囲が危険になってはならない。
試験中に追加の拡大なしの裸眼又は矯正視力で見える炎又は燃焼する部品の放出がない場合,上記の要
求事項を満足する。
炎又は燃焼する部品の見える放出がある場合,試験は新しい試験品で繰り返す。試験を繰り返す前に,
透明な厚さ0.05±0.01 mmのポリエチレンフィルムで,炎又は燃焼する部品が見える範囲より各々の方向
に50 mm以上大きなサイズで枠に適度に伸ばし固定する。炎を放出した製品の表面から最大10 mmの距
離に炎の軌跡にほぼ垂直にフィルムを置く。
フィルムには,次の物理的な特性があることが望ましい。
− 23 ℃での密度は,0.9150.935 g/cm2
− 溶融点は,110120 ℃
試験後は,次による。
− 可触金属部は充電部になってはならない(箇条10参照)。
− 炎又は燃焼する部品の見える放出は,追加の拡大なしの裸眼又は矯正視力で確認したとき,フィルム
に目に見える孔が空いていてはならず,かつ,フィルムは1体の部品のままでなければならない。
− 導体,埋込形ボックス及び取付面には炎の痕跡があってはならない。消せる痕跡,及びケーブル又は
ハウジングのその後の使用を妨げない痕跡は,無視する。
試験中及び試験後に試験品が動作可能である必要はない。ただし,電子スイッチが明らかに使用できな
い場合を除き,組み込んだ全ての自動保護装置の接点は,溶着してはならない。
短絡回路試験後,試験品は,通常操作の状態で再通電し,組込ヒューズがある場合は取り替え,状況を
4時間観察する。試験品は,この間,発煙,過剰な温度上昇のような危険な状況になってはならない。疑
義がある場合は,表102の最大温度上昇値を超えてはならない。
6回の試験は,同一試験品に対して行ってもよい。ただし,組込ヒューズを交換することによって電子
スイッチが依然として動作可能であるときに限る。そうでない場合には,新しい試験品を使用して,合計
6回の試験を行う。
さらに,電子スイッチは,箇条16に従った耐電圧試験に耐えなければならない。それは,箇条19に規
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定する電圧での短絡試験後に試験品が周囲温度に達したとき実施する。この試験は,表14の項目3を適
用しない。
手動リセットできる過電流保護装置は,試験前に“入”状態に切り替える。
101.4 電子RCSには,JIS C 8281-2-2の箇条101を適用する。
電子TDSには,JIS C 8281-2-3の箇条101を適用する。
101.5 白熱灯用及び/又は制御装置内蔵形ランプ用に分類する調光器の場合,非調光用安定器内蔵ラン
プをその回路に接続したとき,調光スイッチの周囲に対し火災の危険が生じる温度に至る部分がないよう
に設計しなければならない。
試験は,調光器を箇条17で規定するように取り付け,接続して実施する。
調光器は,調光器の制御装置内蔵形ランプの定格に対応した図103の負荷Bを幾つか用いたランプ負荷
擬似回路で負荷通電する。負荷Bの擬似回路は,25 Wの非調光タイプの制御装置内蔵形ランプを示して
いる。
制御装置内蔵形ランプ用に分類しない調光器の場合,宣言された白熱灯負荷の1/5の合計出力となるよ
うに図103の負荷Bを幾つか用いたランプ負荷擬似回路で負荷通電する。
例えば,制御装置内蔵形ランプ用の計算出力110 Wの電子スイッチは,5個の擬似負荷を使って負荷す
る。
ここに :
R1=4.4 Ω±5 %
C=14 μF コンデンサ
R2は,電力25 Wに調整する。
適否は,電子スイッチへ温度上昇試験を実施することによって判定する。他に規定がない限り,試験は,
箇条17に規定する手順で実施する。
設定は,最大電流ピーク値が発生するような安定した条件に調整する。
試験中,炎又は燃焼する部品の放出が発生してはならず,かつ,温度上昇は,表102の箇条101に関す
る欄の値を超えてはならない。
試験後,可触金属部は,充電部になってはならない。
試験品は,動作状態を維持する必要はない。しかし,電子スイッチが明らかに使用できない場合を除き,
組み込んだ全ての自動保護装置の接点は,溶着してはならない。
102 部品
故障することによって電子スイッチに危険を生じるおそれがある部品は,適用できる限り,関連規格に
規定する安全性要求事項に適合しなければならない。
電子スイッチの中で用いる構成部品に動作特性の表示がある場合には,この規格中で特に例外規定があ
る場合を除き,これらの表示に従って用いなければならない。
他の規格に適合しなければならない構成部品の試験は,通常,関連規格に従って次のように個別に行う。
部品に表示があり,その表示に従って用いる場合,試験品の数は,関連規格で要求する数とする。
規格がない,部品に表示がない,又は表示に従った使用をしていないとき,部品は,電子スイッチの中
で生じる条件で試験を行う。試験品の数は,通常,関連規格で要求する数とする。
電子スイッチに組み込んだ部品は,電子スイッチの一部としてこの規格の全ての試験を行う。
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102.1 ヒューズ
ヒューズがある場合,JIS C 6575の規格群又は他の関連する規格に適合し,1 500 Aの定格遮断容量をも
つもの(故障電流を35 Aに制限するときを除く。)でなければならない。
102.2 コンデンサ
コンデンサは,次の場合,JIS C 5101-14に適合し,かつ,表107によらなければならない。
− 短絡又は開放において,故障状態の要求事項を満足せず,感電又は火災の危険がある場合
− コンデンサの端子を短絡したときに0.5 A以上の電流が流れる場合
− 電磁妨害雑音防止に用いるのもの
注記 JIS C 5101-14の4.12による高温高湿(定常)試験で,21日間以上の試験に合格したコンデン
サは,この要求事項に適合しているとみなされる。
コンデンサには,定格電圧をボルト(V),定格容量をマイクロファラッド( ,参照温度(最大温度
上昇値+25 ℃)を摂氏(℃)で表示しなければならない。
電流は,ヒューズ及び関連するコンデンサが短絡したとみなして決定する。
他の保護装置の場合,抵抗素子を等価のインピーダンスに置き換える。
表107−コンデンサ
コンデンサの適用箇所 JIS C 5101-14に基づく適合形式
Un≦125 V 125 V過電流保護なし 過電流保護付きa)
充電部(L又はN)と接地(PE)との間 Y4 Y2 Y2
充電部間
(LとN又はL1とL2との間)
− インピーダンスの直列接続なし X2 X1 X2
− インピーダンスを直列に接続しており,コン
デンサを短絡したとき,電流値が次の場合
・ 0.5 A以上 X3 X2 X3
・ 0.5 A未満 指定なし 指定なし 指定なし
注a) 過電流保護素子(例えば,ヒューズ抵抗)をコンデンサの外部又は内部に組み込んだもの。
102.3 抵抗器
抵抗器の開路又は短絡によって,感電又は火災のおそれがある抵抗器は,電子スイッチの中で生じる過
負荷条件の下で,適切な一定の値をもたなければならない。
これらの抵抗器は,電子スイッチの中の抵抗器の参照温度(箇条17参照)に関し修正を加えたJIS C 6065
の14.1の要求事項に適合しなければならない。
注記 複合形抵抗器のための追加の要求事項については,検討中である。
102.4 自動保護装置(ヒューズを除く)
自動保護装置は,JIS C 9730の規格群に適合しなければならない。ただし,JIS C 9730の規格群が適用
できるときに限る。さらに,追加要求事項として,電流を遮断する自動保護装置(以下,カットアウトと
いう。)は,102.4.1に適合し,電流を減少させるだけの自動保護装置は,102.4.2に適合しなければならな
い。
102.4.1 カットアウトは,十分な開閉容量をもたなければならない。
適否は,3個の試験品を102.4.1.1又は102.4.1.2の試験によって判定する。
電子スイッチの中のカットアウトが,箇条17に従った参照温度が55 ℃を超える場合には,試験品は,
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JIS C 8281-2-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60669-2-1:2002(MOD)
- IEC 60669-2-1:2002/Amendment 1:2008(MOD)
- IEC 60669-2-1:2002/Amendment 2:2015(MOD)
JIS C 8281-2-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 8281-2-1:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0922:2002
- 電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護―検査プローブ
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC6575:1975
- 電子機器用筒形ヒューズ
- JISC8281-2-2:2012
- 家庭用及びこれに類する用途の固定電気設備用スイッチ―第2-2部:電磁遠隔制御式スイッチ(RCS)の個別要求事項
- JISC8281-2-3:2012
- 家庭用及びこれに類する用途の固定電気設備用スイッチ―第2-3部:遅延スイッチ(TDS)の個別要求事項
- JISC8462:1999
- 家庭用及びこれに類する用途の固定電気設備アクセサリのエンクロージャに関する一般要求事項