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D 0803 : 2012 (ISO 17386 : 2010)
監視範囲内の物体を検出するコンポーネント。
注記 使用可能な種々のセンサ原理を,次に示す。
− 最も一般的な原理は,伝ぱ(播)時間測定である[例 レーダ(RADAR),レーザ(LIDAR),
ソナー(SONAR)]。この場合,能動形センサエレメントが,パルス又は連続的に変調され
たマイクロ波,光線(赤外線),若しくは超音波を発する。検出範囲内の物体が反射したエ
ネルギーを受信して,物体までの距離を測定する。物体の横方向の位置は,ビーム若しく
はフィールドの方向特性に基づいて,又は検知範囲が重なっている複数のセンサの計測結
果に基づいて測定される。
− 別の原理には,三角測量原理及び画像処理を使用した受動形センサシステムによる距離測
定がある。
3.7
システムの作動(system activation)
システムを休止モードから作動モードに移行させる動作であり,システムは作動モードで監視範囲を監
視し,検出された物体を判断して適切なフィードバックを行い,運転者を支援するもの。
3.8
試験対象物(test object)
監視範囲を試験するための特定の材質,幾何学的形状及び表面をもつ物体。
注記 この物体は,いずれのセンサタイプでも同様な結果が得られることが望ましい。
3.9
視覚情報及び警報(visual information and warning)
運転者に関連障害物についての情報を提供するために使用される光学的信号(例 警報表示器又はディ
スプレイ装置)。
注記 視覚情報は,色,点滅の周期,記号,文字などによって識別化できる。色付きの警報表示器の
連続信号又は点滅信号によって運転者に警告できる。情報は,グラフィック形式又は文字形式
とすることができる。
3.10
警報レベル(warning levels)
危険な状況についての運転者に対する聴覚,視覚,触覚又は運動感覚による情報若しくはフィードバッ
クの重大性の度合い。
4 クラス分け
MALSOのクラス分けは,世界の種々の地域における運転の仕方と市場の要求との多様性によって分類
する。例えば,ある国では,運転者は極めて狭い範囲内で運転し,極めて短い距離で警報が発せられるこ
とを望む。他の地域では,比較的長い距離で発せられる警報を望む。製造業者は,対象運転者群の運転ス
タイル及び期待される機能に基づいて最も適切なシステムパラメータを選択できる。
MALSOは,種々の監視範囲を扱う能力に応じてクラス分けする。各監視範囲は,障害物との衝突を予
防する目的の車両外周の特定部分に対応している(図2参照)。システムのクラス分けとして,カバーす
る監視範囲に対応する略語を表1に示す。
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表1−MALSOの分類−監視範囲の略語
監視範囲 略語 検出距離 最高運転速度
m m/s
リア-1 R1 0.6 0.3
リア-2 R2 1.0 0.5
リアコーナ運転者側 Rcd 0.5 0.3
リアコーナ助手席側 Rcp 0.5 0.3
フロント F 0.6 0.3
フロントコーナ運転者側 Fcd 0.5 0.3
フロントコーナ助手席側 Fcp 0.5 0.3
システムの用途上利点がある場合は,任意の監視範囲を組み合わせて使用できる。
コーナ形システムは,車両の特定のコーナに制限された監視範囲をもち,狭い道を走行中の運転者の支
援を主な目的としている。
運転支援システムの利便性及び最も効率的な使用のために,運転者に,車両に装着されているシステム
の種類について,表1の分類に従って通知しなければならない。
5 機能及び性能要件
5.1 システム作動
5.1.1 手動によるシステム作動
このシステムは,スイッチ又は押しボタンを使って運転者がオン・オフを切り替える。作動後,このシ
ステムは聴覚又は視覚によって作動のための準備ができていることを通知してもよい。この通知は,障害
物に関する距離情報とは明確に区別できなければならない。
5.1.2 自動システム作動
このシステムは,運転状況に応じて自動的に作動・非作動する。可能な種々の監視範囲(箇条4参照)
は,不要な警報を避けるために個別に作動できる。自動で作動復帰して作動のための準備が整った状態に
なっていることを運転者に示してもよい。自動作動(又は非作動)を取り消すオン・オフスイッチ又は押
しボタンを設けることができる。
作動の条件は,一つは“リバースギアの選択”であり,もう一つは“速度が設定値νon未満”である。
非作動の条件基準は,“リバース以外のギアが選択されている”,“速度が設定値νoffを超えている”又は“シ
ステムの作動以降に移動した距離がxoffを超えている”とすることができる。速度設定値νon及びνoff並び
に距離設定値xoffは,センサ技術及びシステムの用途に合わせて適切に設定する。ただし,νon及びνoffは,
対象監視範囲に応じて,システムでサポートされている最高速度である0.5 m/s又は0.3 m/s以上とする(表
1参照)。
表2は,どのような場合にそれぞれの監視範囲が作動する必要があるかを示している。
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表2−システムの作動・非作動の基準
監視範囲 リバースギアの リバースギア以外のギアの選択
選択 ν<νon ν≧νoff又はx>xoff
フロント o a) +b) −c)
フロントコーナ o a) +b) −c)
リア +b) o a) −c)
リアコーナ +b) o a) −c)
注a) “o”は,オプションであることを示す。
b) “+”は,作動であることを示す。
c) “−”は,非作動であることを示す。
MALSOはAT車の場合パーキングポジションで非作動とすることもできる。パーキングブレーキが引か
れた場合にシステムを非作動としてもよい。
5.2 運転者への情報伝達手段及び情報提示方法
5.2.1 一般的情報提供
運転者への情報伝達手段は,少なくとも聴覚情報手段を使用する。視覚による情報及び警報は,補助的
に使用してもよい。情報提供方法を標準化すれば,いろいろな車両を容易に安全に使えるようになるので,
この二つのタイプの情報提供手段の開発の基礎とすることができる。運転者に最も重要な情報は距離,す
なわち車両外周と障害物との間隔である。車両に対する障害物の位置は,追加情報として表示することが
できる。
システムの故障も運転者に表示されるものとする。
なお,次の理由によって,一般的な情報提供方法を規定することはできない。
− 情報についての記号は多種,多様である。
− 各車両製造業者は,それぞれの運転者インターフェースの運転者情報システムに運転支援装置を組み
込んでいる。
5.2.25.2.5までの細分箇条を,情報提供方法の指針とみなしてもよい。
5.2.2 聴覚情報
聴覚情報は,ISO 15006によるものとする。
聴覚情報手段には,次の基本識別化が望ましい。
a) 距離は少なくとも二つのレベルに識別化されることが望ましい。これらのゾーンは,断続音の周期の
変化によって表すことができ,基本的には,距離が近くになると速い断続音又は連続音で知らせても
よい。このほかの識別化又は追加の識別化を使用する場合,識別化は基本規則に反してはならない。
b) 異なる監視範囲を異なる周波数によって表すことができる(例 高周波数をフロント側に使用する,
低周波数を車両のリア側に使用するなど。)。この場合,三つ以上の監視範囲及び周波数を使用しない
ほうがよい。合成又は録音された音声メッセージも使用できる。
c) システムの作動・非作動及び故障・障害の表示は,他の信号と明確に区別できる聴覚信号によって通
知することができる。
5.2.3 視覚情報
視覚情報は,ISO 15008によるものとする。
聴覚情報手段の補助として視覚情報を使用する場合,基本的に次のように区別することが望ましい。
a) 情報は,レベル1(差し迫った衝突レベル)を赤色で表示,レベル2(注意レベル)を黄色又は緑色で
表示するなど,異なる色で表示された少なくとも二つのレベルに区別することが望ましい。他の区別
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又は追加のアドバイス的レベルを使用する場合,これらは基本的な区別の方法と異ならないことが望
ましい。これら二つのレベルは,同じ色の複数の表示要素を使って更に分割することができる(例 赤
色のバー及び黄色のバーを3本ずつ使用して,六つのサブレベル表示を可能にしたバーグラフなど。)。
多色表示の代わりに単色(モノクロ)表示する場合,二つのレベルは連続点灯と点滅との組合せ,又
はバー表示を増やしていくことによって表すことができる。
図3は,リア監視範囲の警報レベルを示す。
X 障害物までの距離 3 アドバイス的レベル
1 レベル1 4 リア監視範囲
2 レベル2
図3−リア監視範囲の警報レベル
b) 表示器は,運転者の視線の移動を最小限度に抑えるように配置することが望ましい。例えば,リア監
視範囲の表示器は車室内のリア部分に配置することが望ましい。これによって,リアミラーを見るの
と同時に,又は運転者の肩越しにリアウィンドウを見るのと同時に表示器を確認できるからである。
同じ理由によって,フロント監視範囲用表示器をダッシュボードに取り付けることが望ましい。
c) システムの作動状態の表示全てに,その表示又は記号でシステムの作動・非作動及び故障を示すこと
が望ましい。これらの記号は,JIS D 0032による。
5.2.4 視覚情報と聴覚情報との組合せ
視覚情報と聴覚情報との組合せを使用して,それぞれの情報伝達手段固有の利点を考慮に入れ,システ
ム性能を向上させたり,運転者及び同乗者が困惑する可能性を抑えたりすることができる。
レベル1(差し迫った衝突レベル)情報は聴覚的に提供し,更に追加して視覚的に提供してもよい。た
だし,レベル2(注意レベル)情報は,視覚的又は聴覚的伝達手段だけで提供してもよい。
搭載するヒューマン・マシン・インタフェイス(HMI)システムのメニューなどから,運転者が聴覚情
報提供時の音量を下げることができる場合,ユーザマニュアルの注記又はHMIシステムを使った対話形式
のメッセージによって,音量を低く設定し過ぎた場合は,警報が発生時に聞こえない可能性があることを
示すことが望ましい。
5.2.5 信号の持続時間
通常,障害物信号は障害物が検出されている限り持続するものとし,検出されなくなった時点又はシス
テムが非作動状態になった時点で終了する。システムの作動又は非作動条件及び監視範囲については5.1
を参照。運転者の不快感を低減するために,製造業者が設定した一定時間経過後,聴覚信号を一時的に自
動でオフに切り替えることができる。ただし,システムは引き続き作動状態に維持されるものとする。
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障害物までの距離が短くなると,聴覚信号は再び自動的にオンに切り替わる。障害物までの距離が長く
なると,聴覚信号はオフに切り替わったままにしてもよい。
視覚表示器によって聴覚信号情報伝達を補助する場合は,聴覚信号を一時的にオフに切り替えることが
できる。ただし,視覚信号は維持されるものとする。
運転者は手動で,一時的に聴覚信号を抑制(警報停止又は減音)するよう選択できてもよい。この場合,
聴覚信号は運転者が再びスイッチをオンにするまで抑制されたままとする。ただし,再度システムが作動
したときには,聴覚信号は自動的に復帰するものとする。作動条件について,5.1を参照。
5.3 障害物検出の動的性能
5.3.1 障害物の相対速度
システムは,車両自体の静止時又は0.3 m/s未満の速度で走行時に,静止物体を検出できるものとする。
R2(箇条4参照)に分類されるシステムは,0.5 m/s未満の速度で走行時に,リア-2監視範囲内にある静止
物体を検出できるものとする。
5.3.2 起動時の検出遅れ時間
起動時の検出遅れ時間はMALSOシステム作動の後,作動のための準備完了の提示から,監視範囲に既
に存在する当該障害物に関する正しい情報を運転者に提示するまでの時間である。
注記1 作動基準は監視範囲及びシステム設計者の設定により異なる。システム作動詳細について,
5.1を参照。起動時の検出遅れ時間を測定中に,監視範囲の作動基準に応じて,条件を満たす
ように注意が必要である。
MALSOシステムは作動のための準備完了の提示がない場合,イグニションがONとなり,エンジンが
作動した後,起動時の検出遅れ時間の測定が開始される。
注記2 エンジンはクランキング終了後バッテリの充電電圧が安定電圧値の90 %に達すると,起動し
たとみなす。
背景 : エンジンが動いていない場合に電子パワーマネージメントシステムがMALSOシステムの電源
をオフにする車両が増えている。これらの車両では起動時の検出遅れ時間はエンジンが起動し
た時点から測定できる。ハイブリッド車を含む他の多くの車両では,エンジンがかかっていて
もいなくても,MALSOシステムは十分に作動可能である。それらの車両では,エンジンがス
タートしていなくても,次の要件を任意に証明することができる。この場合,エンジン始動ス
イッチをONに切り換えた後,バッテリの電圧レベルが始動前の90 %に達成してから,起動時
の検出遅れ時間の測定を開始しなければならない。
起動時の検出遅れ時間は1.5 sを超えないものとする。システム操作処理並びに内部システム及びセンサ
のテストを完了させるための必要な時間はこの起動時の検出遅れ時間に含まれる。MALSOシステムでは
聴覚又は視覚によって作動のための準備表示を提供する場合,この作動のための準備完了の表示が終了し
た後から起動時の検出遅れ時間を測定する。起動時の検出遅れ時間は平均で0.6 sを超えないものとする。
これは作動のための準備完了を示す音とMALSOシステムの警報音との間の無音の期間も含む。
注記3 他の車両システム(例 ナビディスプレイ)がMALSO情報の表示に使用される場合,起動
時のディスプレイへの表示でMALSO作動のための準備完了とみなされる。
5.3.3 検知応答時間
システムが作動状態である限り,障害物の出現から運転者に対する正しい情報提示までの遅延時間は,
全ての監視範囲で0.5 sを超えてはならない。この能力は,測定された遅延時間の1/10よりも高精度の適
切な試験手順によって立証される。
――――― [JIS D 0803 pdf 10] ―――――
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- 規格番号
- 規格名称
- JISD0032:2011
- 自動車―操作,計量及び警報装置の識別記号