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E 2501-2 : 2010
JC.5 抵抗挿入法
電流によって変化しない既知の抵抗及びインダクタンスをもった抵抗器を短絡回路に直列に挿入し,給
与電圧を定格電圧にして通電し,回路条件を求める。
試験回路は,図JC.4のとおりで,オシログラムは図JC.1と同様となり,次の式によって計算する。
E
Iss (12)
E
R0
I1
di E
(pdf 一覧ページ番号 )
dt E
T1 L0
I1
ここに, E : 給与電圧
I1 : 抵抗法による試験電流最大値
R0 : 挿入抵抗器の抵抗
L0 : 挿入抵抗器のインダクタンス
T1 : 図JC.4における時定数
図JC.4−抵抗挿入法
この方法によって測定されたインダクタンスは,直接法と同様な理由で,飽和のため実際の場合より大
きくなる。また,R0が大きく通電電流が少ないと誤差が多くなるから,実用上支障のない範囲として,
R/(R+R0)が30 %を超すことが望ましい。
JC.6 2点法
この方法は,定格電圧における短絡試験のオシログラムから直接求めるもので,図JC.5において短絡の
瞬間から開極前のt',t"時のi',i"を求め,次のようにして算出する。
今,RとLが電流によって変化しないものとし,t"=2 t'となるi',i"を求めたとする。
R
t'
i' Iss1 e L
(pdf 一覧ページ番号 )
R 2R
t" t'
i" Iss 1e L
Iss 1e L
(pdf 一覧ページ番号 )
R
t'
i' 1e L
(15')
――――― [JIS E 2501-2 pdf 56] ―――――
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E 2501-2 : 2010
R
i" t'
1 e L
(pdf 一覧ページ番号 )
i'
R
L
t' i"
e 1 (17)
i'
図JC.5−2点法
式 (17) を式 (14) に代入して,
i" i"
i' Iss 1 1 Iss2 (18)
i' i'
i'
Iss (19)
i"
2
i'
i"/i'−1=Kとすれば,
R
t' log K
L
t' E t'
L R (20)
log K Isslog K
di E Iss log K Iss log K
E (21)
dt L E t' t'
ここに, t' : 開極前の任意の時間
t'' : 2 t'
i' : t'における試験電流
i'' : t"における試験電流
この方法は,開極時間が早い場合はt',t"間隔が短いため誤差が大きくなる。一般に,インダクタンスは
電流による影響が大きいから,i',i"の差がありすぎる場合と,i',i"がIssより著しく少ない場合も誤差が
大きくなりやすい。
――――― [JIS E 2501-2 pdf 57] ―――――
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E 2501-2 : 2010
JC.7 補足事項
以上,五つの測定方法を紹介したが,各測定方法とも,短絡電流に近い電流によって試験するほど誤差
が少なくなるから,試験設備の許す限り,大電流通電が望ましい。
なお,正確な値を得るためには,試験電流の多く取れる条件の二つ以上の方法を併用することを推奨す
る。また,回路定数の測定についても,高速度遮断器は短絡事故電流が最大値に達しないうちに開極し,
限流遮断を行うので,短絡試験において,その回路定数を直接求めることは困難である。
なお,小電流を流して抵抗及びインダクタンスを測定しても,実際の短絡時には接触抵抗及び磁気回路
の飽和特性の影響が大きいから誤差が大きくなる。したがって,測定に際して誤差が多くならないように
十分注意する。
――――― [JIS E 2501-2 pdf 58] ―――――
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E 2501-2 : 2010
附属書JD
(規定)
交流等価短絡試験方法
JD.1 一般
附属書JAに規定する短絡試験を等価短絡試験によって実施する場合の試験方法を規定する。
JD.2 試験条件
短絡電流 (Iss)=50 kA,突進率 (di/dt)=3×106 A/sの直流短絡試験に相当する交流等価短絡試験の試験条
件は,次のとおりとする(図JD.1参照)。
a) 試験周波数(f) 試験周波数は,10 Hz以下とする。
b) 試験電圧(E) 試験電圧は,次による。
1) 電圧波高値(Em) 電圧波高値は,2 000 V以下とする。
2) 給与電圧(E1) 給与電圧は,1 500 V以上とする。
3) 回復電圧(E2) 回復電圧は,1 500 V以上とする。
注記 給与電圧(E1)は開極時の電源電圧,回復電圧(E2)は遮断完了瞬時の極間電圧である。
なお,試験電圧波高値(Em)及び給与電圧(E1)は,便宜上,半波前の電源電圧から求め
る(図JD.2参照)。
図JD.1−試験回路
――――― [JIS E 2501-2 pdf 59] ―――――
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E 2501-2 : 2010
Ea アーク電圧
Ib カットオフ電流
図JD.2−試験電圧の求め方
c) 回路抵抗(R) 回路抵抗(R)は,(Em/Im)+5 %以下とする。
d) 回路インダクタンス(L) 回路インダクタンス(L)は,0.5 mH以上とする。
e) 投入位相角(φ) 試験電流波形が,次の条件を満足する投入位相角とする(図JD.3参照)。
− 短絡後5 msにおいて,直流短絡試験電流(計算値)の95 %以上とする。
− 短絡後10,20 msにおいて,直流短絡試験電流(計算値)の100 %以上とする。
図JD.3−投入位相角(電流波形)
――――― [JIS E 2501-2 pdf 60] ―――――
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JIS E 2501-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61992-2:2006(MOD)
JIS E 2501-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.130 : 開閉装置及び制御装置 > 29.130.01 : 開閉装置及び制御装置一般
JIS E 2501-2:2010の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0617-2:2011
- 電気用図記号―第2部:図記号要素,限定図記号及びその他の一般用途図記号