JIS E 4018:2012 鉄道車両―磁界測定方法 | ページ 2

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d) 校正及び精度 全ての関連する測定装置は,使用周波数範囲において校正された機器を使用する。ま
た,磁界センサから最終表示装置に至る全測定回路の“不確かさ”は,受渡当事者間で協定した範囲
(通常は20 %以下)とする。全測定回路を検査して,その性能及び精度を確認する。
なお,“不確かさ”の評価に関する手引は,JIS C 1910による。
e) 周波数範囲 周波数範囲は,020 kHzとし,1台又は複数台設置することによって測定範囲をカバー
する。
f) 磁界センサ 磁界を測定するセンサは,サーチコイルセンサ,ホール素子センサ,フラックスゲート
センサ(磁気発振式も含む。)などいずれのセンサを用いてもよい。
g) 測定回路のノイズ対策 測定機器のセンサ部分(磁界を検知する素子又は部品によって構成された部
位をいう。)が,測定機器の本体と電線によって接続される構造の場合には,電線へのノイズの混入を
防止するため,センサの電線が,測定機器自身の電気配線,車両の電気配線及び発電機などの電源装
置の電気配線と交差しないように配線する。
h) 測定機器間のノイズ対策 同一の交流周波数帯の測定のために異なる形式の測定機器をやむを得ず使
用する場合には,それぞれの測定機器の発振信号がノイズとして現れることを考慮し,十分な離隔を
取って使用する。
i) ゼロ点調整 センサのゼロ点調整は,測定対象機器及び車両が静止状態にあるときに行う。また,測
定開始後も必要に応じて適宜ゼロ点調整を行う。
j) 固定 センサは,測定時には,6.2.16.3に規定する測定点に固定して使用する。固定するためのジグ
類は,磁界に影響を及ぼさない構造のものを使用する。このため,ジグ類などの材質は,非磁性体と
する。さらに,可能な限り非導電体であることが望ましい。
k) データの記録 測定データが,オフラインでの更なる解析評価に利用できるようにするため,データ
ロガーなどのデータ収集記録装置を用いることが望ましい。

5 測定項目

5.1 共通事項

  この測定では,電圧及び電流の値は,実効値によって表す。測定項目は,同時に測定した3軸の磁束密
度,磁界発生機器の電流などとする。また,同時に電車線電流,電車線電圧及び車両速度などを含めるこ
ともできる。

5.2 空間成分の加算

  三つの直交面で同時に三方向の測定を実施して,磁束密度の成分を得るものとする。合成磁束密度は,
次の式によって求める。
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B Bx By Bz
ここに, B : 合成磁束密度(T)
Bx : X軸方向の磁束密度(T)
By : Y軸方向の磁束密度(T)
Bz : Z軸方向の磁束密度(T)
なお,交流磁界の場合には,時間領域において偶発的ノイズを除去するなどのフィルタリング後に,又
は周波数領域において磁束密度の測定成分のFFT 1) 後に,加算を実施する必要がある。
注記 上記のBを求める式では,周波数成分間の位相関係が失われるため,周波数領域における加算

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の最大値が得られる。
注1) FT(Fast Fourier Transformation) : 高速フーリエ変換

6 測定箇所及び測定手順

6.1 概要

  鉄道には,車両,き電設備及び信号保安設備の三つの人体に影響を及ぼす可能性がある電磁界源が存在
する。包括的な電磁界を扱う国際規格IEC 62311では,様々な周波数の電界及び磁界の同時暴露に関して
は,電界及び磁界の個別加算方式となっている。それらは,暴露の影響によって異なる。1 Hz10 MHz
の周波数範囲では,電磁誘導による生体への電気的刺激が問題とされる。また,100 kHz300 GHzの周波
数範囲では,エネルギー吸収による熱的影響が問題とされる。
車両,き電設備及び信号保安設備の検出可能な磁界放射周波数範囲は,0100 kHzであるため,測定,
シミュレーション及び計算はこの範囲に限定される。この周波数範囲では,磁界が支配的であり,電界は
無視することができるので,適用される加算方式は磁界だけである。
信号保安設備の出力は,鉄道環境における他の磁界源に比べて低いため,その影響は無視することがで
きる。また,鉄道のき電設備及び車内の磁界の放射は負荷電流に依存しているので,短時間で大きく変化
することがある。
鉄道環境における磁界の測定手順は,次の事例に分けられる。ただし,事例2はこの規格の適用外であ
る。
注記 車両の法令又はガイドラインへの適合性は,事例1を用いて評価することができる。
地上設備が法令又はガイドラインへ適合していることは,事例2を用いて評価することがで
きる。
a) 事例1 車両(6.2を参照)
1) 車両内の測定
2) 車両外の測定(必要によって実施する。)
b) 事例2 既存インフラの地上設備
1) 既存の鉄道インフラの測定
2) 最悪の状況のシミュレーション及び計算(橋,踏切,架線の最大可能電流,第三軌条など)
鉄道環境における装置,システム及び地上設備について,ICNIRP 2) 及びIEEE 3) で規定されている公衆
及び職員に対する基本制限及び測定値と比較可能な参考レベルが存在する。
事例1及び事例2が参考レベルに適合していれば,鉄道システム全体が関連の要求事項及び基本制限に
適合しているとみなすことができる。ただし,測定値が参考レベルを超えたとしても,必ずしも基本制限
を超過したことを意味しない。
注2) CNIRP(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection) : 国際非電離放射線防護
委員会
3) EEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.) : アイトリプルイー : 米国の電気
電子学会

6.2 車両内の測定

6.2.1  測定方法の種類及び車両内の職員の行動領域
測定は,立入り可能空間で実施する。立入り可能空間における磁界測定法の種類は,“表面測定法”と“容
積測定法”とに区分し,いずれかで測定する。

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a) 表面測定法による測定 磁界源に近い最小距離4) で,合意された数の測定点において実施する(附属
書A参照)。測定する位置は,磁界放射源の上方の床面及び必要に応じて床上高さが0.5 m,1.0 m及
び1.5 mとする(図1参照)。
注4) 最小距離とは,磁界センサの寸法制限の下での最短距離をいう。
b) 容積測定法による測定 職員が行動する可能性がある代表的な位置で測定する。職員の行動領域にお
ける測定の床上高さは,1.0 m及び1.5 mとする。
なお,測定点から壁までの水平距離は,0.3 m又は職員が行動可能な場所と壁面との最小距離(0.3 m
以上)とする(図2参照)。
6.2.2 車両内の公衆領域
測定は,立入り可能空間で実施する。立入り可能空間における磁界は,次の“表面測定法”又は“容積
測定法”のいずれかで測定する。
a) 表面測定法による測定 6.2.1 a)に示す職員の行動領域の測定と同じとする。測定点を図1に示す。
車両の外部表面 1.5 m
1.0 m 車内測定点(職員及び公衆)
0.5 m
床面
磁界を放射する車載機器
磁界放射源 レール踏面
図1−車両内の表面測定法による測定点
b) 容積測定法による測定 公衆領域における測定の床上高さは,0.3 m,1.0 m及び1.5 mとする。測定
点を図2に示す。

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車両の外部表面
0.3 m以上
1.5 m 車内測定点(職員)
1.0 m
車内測定点(公衆)
0.3 m 床面
磁界を放射する車載機器
磁界放射源 レール踏面
図2−車両内の容積測定法による測定点

6.3 車両外の測定(公衆及び職員)

  測定は,立入り可能空間で実施する。立入り可能空間における磁界は,次の表面測定法又は容積測定法
のいずれかで測定する。
車両の外部表面は,図3による。車両の下方又は上方の場所は,立入り可能空間における磁界の測定対
象外である。
なお,第三軌条集電方式の車両においては,公衆に関する測定は,第三軌条のある側では実施しないも
のとする。
レール踏面
注記 図3の 部分は,磁界の測定対象外の領域を示す。
図3−車両の外部表面
a) 表面測定法による測定 測定は,図4に示すように車両の外部表面の延長線上の最小距離で,磁界を

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放射する機器の最も近い側の中心の高さにおいて実施する(附属書A参照)。
なお,受渡当事者間で協定した数の測定点においても測定を行う。
車両の外部表面
床面
車外測定点
磁界を放射する車載機器
磁界放射源 レール踏面
図4−車外の表面測定法による測定点
b) 容積測定法による測定 測定は,車両の磁界放射源(電力変換装置,電力ケーブル,リアクトルなど)
を考慮し,図5に示すような車両の外部表面まで0.3 mの距離で,レール踏面から0.5 m,1.5 m及び
2.5 mの高さにおいて実施する。
車両の外部表面
0.3 m
2.5 m
車外測定点
1.5 m
床面
0.5 m
磁界を放射する車載機器
磁界放射源 レール踏面
図5−車外の容積測定法による測定点

7 測定の結果

  測定の結果は,車内及び車外の磁界を,次によって測定する。この場合の測定は,各測定点及び各負荷
条件について,1回実行すれば十分である。ただし,受渡当事者間の合意がある場合には,測定条件を満

――――― [JIS E 4018 pdf 10] ―――――

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