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F 0420 : 2009 (ISO 8468 : 2007)
ならない。
7.3.1.2 指針 : 換気ファン,機関の空気取入口ファン及び他の騒音源からの騒音を,ファンの適切な配置
又はそれと結合した通風トランクによって,船橋操作領域から排除することが望ましい。
7.3.2 音響信号
7.3.2.1 船橋のすぐ近くには,固定音響信号装置を設置してはならない[国際海上衝突予防規則(IRPCS)
の附属書III参照]。
7.3.2.2 指針 : 固定音響信号装置は,可能な限り船橋前方で,できる限り高い位置に設置することが望ま
しい。
7.4 照明
7.4.1 目標
照明は,船橋にいる人が,昼間又は暗い場合でも,海上での海図作業並びに港湾での保守及び事務作業
などができる十分なレベルでなければならない。
7.4.2 指針 : 個々の作業場所では,一般照明レベル以上の明るさが望ましい。
船橋環境では,まぶしさ及び散在する虚像反射が出ないようにしなければならない。
作業場所及び周辺の照度のコントラストは,大きくならないことが望ましい。この場合,作業場所の照
度は,周囲の照度の3倍以上にならないことが望ましい。
無反射面のもの又はつや消し材を用い,間接的に発生するまぶしさを最小に抑えることが望ましい。
注記 太陽光線が窓に反射したとき又は光源が船橋内の一般照度よりも明るい場合,まぶしさが見え
る。
7.4.3 照明の範囲
7.4.3.1 船橋にいる人が,船橋内の各装置,その操作及び調整のために必要とする照度に照明を調整でき
るようにするため,柔軟で満足いく調整ができる照明システムを採用しなければならない。
7.4.3.2 指針 : 推奨する一般照度は,表1による。
表1
位置 色及び照度
船橋及び隣接する事務所,昼間 白色,0500 lux以上 連続変化
船橋,夜間 赤色,020 luxの連続変化
隣接する通路及び騒音装置室,昼間白色,0300 lux以上 連続変化
すべての隣接する通路及び部屋,夜間 赤色,020 luxの連続変化。自動ドアスイッチを取り付けるのがよい。
障害物,夜間 赤色スポットライト,020 luxの連続変化
海図台,昼間 白色フラッドライト,01 000 luxの連続変化
白色スポットライト,0100 luxの連続変化
海図台,夜間 赤と白との混合フラッドライト,それぞれの色で020 luxの連続変化
赤と白との混合スポットライト,それぞれの色で020 luxの連続変化
注記 薄暗い照明での視認には,次の特色がある。
− 詳細及び色の識別が見えない。
− 光スペクトルで青色側では視覚はより敏感になる。
− 周囲の視認が有効に利用できる。
夜間の見張において視認を適切に実施するには,暗さへの慣れが重要である。暗さへの慣れには3040
――――― [JIS F 0420 pdf 31] ―――――
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分の時間を要する。赤色のゴーグルは“暗さへの慣れ”を515分早めることができる。
7.4.4 暗さ
7.4.4.1 暗い時間帯は,船橋の装置を視覚で識別できなければならない。
7.4.4.2 指針 : 船橋の装置は,内部又は外部の灯火で照明する。
操作状態で照明が必要な装置(海図台を除く。)において,赤色又はそれと同等な赤いフィルタを付けた
白色照明が使える場合は,暗順性を保つために,それらを用いるのがよい。船橋ウイング装置についても
同じである。
甲板,特に内部ドア及び階段に対して,照度の低い間接赤色照明を用いることが望ましい。
当該船の外側から,同種赤色照明が見えないことが望ましい。
暗視用ゴーグルは,赤色に敏感である。ゴーグルを用いるような場合には,光度が変化する点灯源を見
るのを避けることが望ましい。
7.5 暖房,換気及び空調
7.5.1 一般
7.5.1.1 操だ(舵)室には,温度・湿度を調節する効率のよいシステムを装備しなければならない。
注記 操だ(舵)室の空調・通風に関する要件はJIS F 0305参照。
7.5.1.2 指針 : 操だ(舵)室には,温度・湿度を適切に調節できる空調設備又は機械式換気システムを装
備することが望ましい。気候に応じて,十分な暖房を行えることが望ましい。
7.5.2 温度
7.5.2.1 操だ(舵)室には,適切な空調設備又は機械式換気システムを装備する。気候に応じて,十分な
暖房及び/又は冷房を行えることが望ましい。
7.5.2.2 季節及び気候に合った着衣で軽い作業を行うのに最適な温度範囲は,温暖な気候又は夏季では21
27 ℃,寒冷な気候又は冬季では1824 ℃である。
7.5.2.3 作業場所内の異なる2点間の温度差,例えば床面温度と頭の高さとの温度差は5 ℃以下とするこ
とが望ましい。
7.5.3 湿度
7.5.3.1 操だ(舵)室には,温度・湿度を調節する効率のよいシステムを装備しなければならない。
7.5.4 指針
7.5.4.1 湿度は40 %45 %が望ましく,20 %60 %に保つことが望ましい。21 ℃で約45 %の湿度
になることが望ましい。温度が上がると湿度は低くなるが,身体の組織,目,皮膚及び呼吸器官の乾燥及
び痛みを防ぐために湿度は20 %以上が望ましい。
7.5.4.2 操だ(舵)室には,適切な空調設備又は機械式換気システムを装備することが望ましい。操だ(舵)
室のドア及び窓を締め切り,前述の要件内に温度・湿度を調節できることが望ましい。
7.5.4.3 暖房システムでは,暖かい空気の噴出しが直接人体に当たらないようにし,空調システムは,冷
たい空気の噴出しが直接人体に当たらないことが望ましい。
7.5.4.4 暖房及び空調の空気噴出しの速度は0.5 m/sを超えないことが望ましい。説明書のページがめく
れたり,作業台から書類が飛ばされたりしないようにするには,空気速度はできれば0.3 m/s以下が望まし
い。
7.6 表面
7.6.1 船橋の表面仕上げは,構造,配置及び環境設計の一部として考えなければならない。
7.6.2 すべての表面は,6.3に示したようにまぶしさのないものにしなければならない。
――――― [JIS F 0420 pdf 32] ―――――
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7.6.3 操だ(舵)室,船橋ウイング及び上船橋甲板の表面は,濡れていても乾燥していても,滑らないよ
うにしなければならない。
7.6.4 甲板上,隔壁,ドア及び床のすべての表面は,乗船者が日々使うことによってすり減りにくい丈夫
さでなければならない。
7.6.4.1 指針 : すべての表面は,−20 ℃+70 ℃の範囲の温度に耐え,海水,船舶につきものの油及び
溶剤並びに紫外線に耐えることが望ましい。
7.7 内装
7.7.1 色は,全体に落ち着いた印象を与え,反射を最小にしたものを選ばなければならない。
7.7.2 機能及び信号の識別記号の色は,ISO 2412に従わなければならない。
明るい色は用いるべきではない。黒ずんだ色か又は中間緑色を推奨する。又は青か茶色でもよい。
表2に代表的な色濃度に対する反射率の範囲を示す。
表2
反射率範囲 5 %10 % 15 %30 % 50 %60 % 80 %90 %
代表的色濃度 濃緑 中間緑色 淡緑 灰色がかった白
青/茶 青/赤 青/黄 淡黄
7.8 人員の安全
7.8.1 船橋領域は,船橋人員の身体に障害がないようにしなければならない。
7.8.2 指針 : 人員が傷害するような鋭い突端又は出っ張りをなくすことが望ましい。
船橋甲板は,じゅうたん(絨毯)の端のめくれ,緩んだ格子若しくは踏み板又は装置でつまずくことが
ないようにすることが望ましい。
携帯装置は固定できることが望ましい。
注記 危険な箇所ができた場合は,マーキングなどで注意を促すことが望ましい。
7.8.3 荒天でも人が立ち止まったり,動くことができるように手すりを十分に取り付けなければならな
い。階段開口の防護は,特に考慮しなければならない。
7.8.4 船橋内にあるすべての安全装置は,明確な目印を付け,容易に近づけるようにし,その格納場所は
明確に示さなければならない。
8 故障モード影響解析(FMEA)
8.1 一般
8.1.1 FMEA(3.1.28参照)の目的は,人的要因並びに装置の内容及び設計を考慮して,特定の船橋設計
上の限界事項を文書化することである。
8.1.2 船橋で行われる機能の実用的及び現実的な文書化した故障特性の評価は,発生する可能性のある重
要な故障状態を研究し,定義付けをする目的で,船舶建造所が実施しなければならない。船舶建造所は,
この評価のすべて又は一部分を,各種システムインテグレータへ下請けに出してもよい。
8.2 目的
8.2.1 FMEAの基本的な目的は,船橋設計上の重要な故障状態を立証し,船舶の安全,船の乗員及び環境
に関する重要性を評価するもので,総括的に系統化した文書を供給するためのものである。
8.2.2 解析を行う主要な目的は,次による。
――――― [JIS F 0420 pdf 33] ―――――
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a) 船舶及びシステムの設計者に,その設計を査定するためのデータを提供する。
b) 船舶の操船者に,包括的な訓練,人員配置,操作及び保守計画を文書として提供する。
c) 国土交通省に,船橋設計に関係する故障特性の研究結果を提供する。
8.3 初期機能故障解析
8.3.1 船橋設計に当たり,その機能の故障解析を行う必要がある。機能的な故障解析では不足する要素に
ついては,詳細なFMEAで解析する必要がある。
8.3.2 機能の故障解析では,次の事項を考慮しなければならない。
− 通常外洋航行状態
− 制限海域
− 接岸操船
8.3.3 船橋設計においては,ブロック線図,故障樹線図又は記述的体裁のいずれかで,故障の影響が分か
るように記述しなければならない。故障は,次のいずれかの形態となる。
− 機能の完全喪失
− 調整できない,又は予定とは異なった出力
− 未熟な操作
− 規定時間内での操作失敗
− 規定時間内での操作停止失敗
考慮する要素によって,他の故障モードを考慮しなければならない可能性がある。
8.3.4 個々のシステムの故障が,危険な結果又は大惨事を引き起こす可能性がある場合で,かつ,余剰代
替システムが備えられていない場合は,次に述べる詳細FMEAを実施しなければならない。
システムの機能故障解析の結果を文書化し,その解析から得られた実用的な試験プログラムで確認しな
ければならない。
8.3.5 個々のシステム故障が,危険な結果,又は大惨事を引き起こす可能性があっても,余剰代替システ
ムが備えられている場合,次の条件で,詳細FMEAを実施しなくてもよい。
a) 余剰代替要素の操作を行えるか,船舶を危険にさらすことなく8.3.2で述べた最も煩雑な稼動作状態
で,要求された制限時間内に故障要素に代替要素が取って代わることができる場合。
b) 余剰代替要素が故障した要素と完全に独立であり,その故障が両方の要素の故障に結び付くような共
通要素を共用していない場合。
c) 余剰代替要素が,故障要素及び電源を共有しているような場合,a) の要件に対して,直ちに代替の電
源が供給できる場合。
d) 余剰代替要素の管理における操作者の人的ミスの可能性又は結果を考慮してある場合。
8.3.6 機能故障解析は,詳細FMEAと同じ標準で実施しなければならない。
8.4 詳細FMEA
8.4.1 システムのFMEA(3.1.28参照)を詳細に展開する必要がある場合は,初期FMEAで抜けていた事
項すべてを対象としなければならない。さらに,船及び乗組員の安全に重大な影響を与えるものも対象に
加えてもよい。その場合,初期FMEAで実施した解析よりも更に掘り下げたFMEAを行う必要がある。
8.4.2 FMEAの実施過程は,次のステップによる。
a) 解析する要素を定義する。
b) ブロック線図で機能要素の相互関係を説明する。
c) 可能なすべての潜在的な故障形態及びその原因を定め確認する。
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d) それぞれの故障モードの影響を評価する。
e) 故障発見方法を定め確認する。
f) 故障の訂正手段を定め確認する。
g) 故障を確率,厳しさ,及び発見しやすさでランク付けする。
h) 解析を文書化する。
i) 試験プログラムを開発する。
j) FMEA報告書を作成する。
k) 必要に応じ,リスクを許容レベルまで減少させたことを確認した調査の結論に従って行動する。
8.4.3 FMEAの詳細は,IEC 60812:1985 [22] を参照。
9 文書
9.1 保管場所
すべてのマニュアル及び他の文書の適切な保管場所を備えなければならない。
9.2 備えるべき操作者用情報
9.2.1 船橋設計者による準備−詳細操作手順書
9.2.1.1 個々の装置マニュアル
9.2.1.2 必要な場合,
− 統合装置(船橋隔壁に取り付ける。)のブロック線図
− 特定の船橋設計で企画されたものを使いこなすための補助的な情報
9.2.2 船主による準備−船橋操作手順及び訓練
9.2.2.1 船橋配置に関係する次の事項の慣用及び資質
− キーとなる装置の位置
− 航海及び操船
− 照明
− 音響信号
− 警報
− 通信装置
9.2.2.2 必要な場合,個々の装置及び統合した装置の操作。
9.3 補足文書
上記すべてを分かりやすくCD又はDVDに収録して補足文書としてもよい。
――――― [JIS F 0420 pdf 35] ―――――
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