この規格ページの目次
4
F 1021 : 2012 (ISO 15085 : 2003,Amd.1 : 2009)
3.14
手掛かり(handhold)
本来の意図した主要な機能ではないが,舷外への落水の危険を防ぐために手でつかむことができるボー
トの全ての部分。
例 ハンドル,シュラウド,シートの縁,クリート,風防の上縁,ステアリングホイル,セーリング
ディンギーの足止め帯。
3.15
フッキングポイント(hooking point)
アイ,金物又はその他の部品で,それらの主要な機能ではない場合においても,セーフティハーネスを
引っ掛けてその周りの作業甲板を動き回るための(引っ掛ける)もの,例えば,ジャックライン,シュラ
ウド,ロッドチェインプレート。
3.16
ジャックライン(jack-line)
セーフティハーネスを引っ掛けて,乗員がその長さの周りの作業甲板を動き回るための,フレキシブル
なライン又は固定された棒。
3.17
再乗艇の手段(reboarding means)
他の援助を受けずに再乗艇するための,固定若しくはフレキシブルな金物又は船体の一部。
3.18
ストロングポイント(strong point)
次のいずれかの目的で使われる箇所で,その箇所は他の用途と併用してもよい。
− 投揚びょう(錨)
− 係留
− えい航又は被えい航
4 一般要求事項
4.1 作業甲板の機能
次の場所には,作業甲板,キャビン又はその両方を通過して近づくことができるようにしなければなら
ない。
− 緊急操だ(舵)を含む操だ(舵)(箇所)
− ストロングポイント
− セールの操作及びトリミング
− 船室又はキャビン
− 機関室区画
適切な場合,ボート製造業者が意図する作業甲板の文書又はスケッチをオーナ用マニュアルに記載しな
ければならない。
4.2 防止の方法
作業甲板から舷外への落水防止は,舟艇のタイプ又はデザイン,及び使用目的を考慮して,選ばれた設
計区分の範囲内で,表3又は表4による関連オプションの一つを適用して装備しなければならない。
舟艇の特定の場所には,異なるオプションを適用してもよい。
――――― [JIS F 1021 pdf 6] ―――――
5
F 1021 : 2012 (ISO 15085 : 2003,Amd.1 : 2009)
4.3 デッキの最小幅
安全に足を運べるように,舷端につながる作業甲板部分は前後又は左右の両方向に対して
− 障害物がなく連続的で,舟艇が正立のときは横方向の傾斜は15°以内でなければならない。
− 幅は少なくとも,設計区分Dでは100 mm,設計区分Cでは120 mm,設計区分A又は設計区分Bで
は150 mmでなければならない。
次の箇所から直角に測って
− 足止めの内側の線まで 又は
− 足止めがない場合は,甲板の横方向の舷端まで。
注記 上記の要求事項では,幅が足りない部分の甲板は,作業甲板ではない,隣接する広い甲板又は
後部コックピットのコーミングは,サイドデッキの要求事項である。例えば,必要に応じて箇
条10によって,ガードレールの高さを定めている。
4.4 作業甲板の連続性
作業甲板面は,連続していなければならず,これは内部の通路も含む。
上下方向の変化又は障害物を乗り越えなければならないときは,特別な配慮が必要である。ステップの
高さ500 mm以上[図1 a)参照]及び長さ又は高さが500 mm以上[図1 b)及び図1 c)参照]の障害物は避
けなければならない。
単位 mm
a) ステップ b) 長い障害物 c) 高い障害物
図1−4.4の要求事項によるイラスト
5 安全器具
安全器具に対する要求事項は,箇条6による。
表2は,9種類の異なる安全器具及びそれぞれの要求事項が規定されている箇条番号を示す。
――――― [JIS F 1021 pdf 7] ―――――
6
F 1021 : 2012 (ISO 15085 : 2003,Amd.1 : 2009)
表2−安全器具の一覧
番号 安全器具の名称 規定されている箇条
1 滑り止め表面 7
2 足止め 8
3 手すり 9
4 低いガードレール又は低いガードライン(h≧450 mm) 10及び11
5 高いガードレール又は高いガードライン(h≧600 mm) 11及び12
6 フッキングポイント 13
7 ジャックライン固着ポイント 14
8 高速艇乗員のボディーサポート(必要な場合) 15
9 再乗艇の器具,仕様 16
注記 安全器具は,重要度の順に並べているわけではない。番号15は甲板から上方に
ある安全器具で,番号8は高速艇だけに適用。番号9は,全ての艇に要求される
安全器具である。
6 要求事項の一覧表
6.1 一般
要求事項は,表3及び表4に示す。それぞれの設計区分に対して要求される安全器具は“○”印で示す。
必要に応じてそれぞれの安全器具は,関連する各箇条の要求事項を全て満たさなければならない。
6.2 非帆船に対する要求事項
設計区分Bは,舟艇製造業者が選択可能な二つのオプション(2及び3)を用いることができる。
注記 表3の異なるオプションは,広い幅のデザインに対する柔軟性を与えている。
表3−非帆船に対する要求事項
安全装置 番号 オプション
1 2 3 4 5 6
設計区分
A B B B C D
LH>8.5 m LH≦8.5 m
滑り止め表面 1 ○ ○ ○ ○ ○ ○
足止め 2 ○ ○ ○ ○ − −
手すり 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○
低いガードレール又は低いガードライン 4 − − ○ − − −
高いガードレール又は高いガードライン 5 ○ ○ − − − −
フッキングポイント 6 ○ − − ○ − −
高速艇のボディーサポート(必要な場合) 8 ○ ○ ○ ○ ○ ○
再乗艇の方法 9 ○ ○ ○ ○ ○ ○
注記1 全ての設計区分において,更に上位の設計区分の要求事項を適用できる。
注記2 箇条13の要求事項に適合する手すりは,フッキングポイントとして用いることができる。
注記3 設計区分の最低要求事項だけ満たしている場合,オプションはミックスできる。
例 作業甲板端から300 mm以内にある手すりの要求事項を満たす前部ガードレール及び後部手すり。
6.3 帆船に対する要求事項
舟艇製造業者は,次のオプションを用いることができる。設計区分Bでは舟艇のサイズによって,二つ
のオプションがある(2及び3)。
――――― [JIS F 1021 pdf 8] ―――――
7
F 1021 : 2012 (ISO 15085 : 2003,Amd.1 : 2009)
設計区分Cでは舟艇のサイズ及びタイプによって,四つのオプションがある(2,3,4及び5)。
注記 表4の異なるオプションは,広い幅のデザインに対する柔軟性を与えている。
表4−帆船に対する要求事項
安全装置 番号 オプション
1 2 3 4 5 6
設計区分
A B及びC B及びC C a) C b) D
LH>8.5 m LH≦8.5 m 日中
滑り止め表面 1 ○ ○ ○ ○ ○ ○
足止め 2 ○ ○ ○ ○ − −
手すり 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○
低いガードレール又は低いガードライン 4 − − ○ − − −
高いガードレール又は高いガードライン 5 ○ ○ − − − −
フッキングポイント(注記2参照) 6 ○ ○ ○ ○ − −
ジャックライン固着ポイント 7 ○ ○ ○ − − −
再乗艇の方法 9 ○ ○ ○ ○ ○ ○
注記1 全ての設計区分において,更に上位の設計区分の要求事項を適用できる。
注記2 箇条13に適合する手すりは,フッキングポイントとして用いることができる。また,転覆反転し
た多胴艇のフッキングポイントの要求事項は,13.2参照。
注記3 区分の最低要求事項だけ満たしている場合,オプションはミックスできる。
注a) オプション4は,日中だけ(夜間は不可)航行する帆船に限定する。これはオーナ用マニュアルに記
載しなければならない。
b) オプション5は,帆船に限定する。転覆若しくは横転からの復原力又はISO 12217による浮力を備え
ても装備する。
例 作業甲板端から300 mm以内にある手すりの要求事項を満たす前部ガードレール及び後部手すり。
7 滑り止め表面に対する具体的な要求事項
7.1 一般
作業甲板部は,滑り止めを施さなければならない。これらの表面は,連続する必要はない。ただし,滑
り止め間の間隔は,次の値を超えてはならない。
− 非ガラス面に対して75 mm
− ガラス面に対してこの部分の横方向に箇条8による足止めがない場合500 mm
注記1 “ガラス面”とは,ガラス,アクリル,ポリカーボネートなどのような透過材料でカバー
された表面をいう。
注記2 2番目の要求事項は,デッキハッチ500 mm×500 mmで,滑り止めの表面ではなく,かつ,
その上に乗ることがある一例を示す。また,600 mm×600 mmのハッチは,滑り止めのパ
ッチを要する。
セーリングディンギーでは,全ての箇所に滑り止めを必要とするものではない。歩行可能とみなされる
箇所である。
7.2 トランポリン及びネットに対する要求事項
作業甲板の一部となるトランポリン及びネットは,滑り止めの性質がなければならない。
作業甲板内にある深さ1 m以上及びハッチ又は蓋でカバーされていない全ての開口は,箇条9のガード
レールで閉囲するか,又はトランポリン又はネットを備えなければならない。
――――― [JIS F 1021 pdf 9] ―――――
8
F 1021 : 2012 (ISO 15085 : 2003,Amd.1 : 2009)
例 カタマランの船体と船体との間の隙間。
トランポリン又はネット及び船体の接合部は,足が挟まれる構造であってはならない。
トランポリン又はネット及び船体の接合部は,十分な強度をもち,3 000 N/m2の等分布荷重,又は最大
搭載人員の50 %の荷重のどちらか小さい方の荷重を支えることができなければならない。
8 足止めに対する要求事項
8.1 一般
図2は,足止めの一例を示す。
箇条6で要求する足止めは,8.28.7の要求事項に適合しなければならない。
8.2 足止めの設置
足止めは,できるだけ作業甲板の外縁に取り付けなければならない。
次の場合,足止めは要求しない。
− 転覆後復原可能なセーリングディンギー
− 舟艇が航行中,乗員が歩行せずに着座だけとされている作業甲板部。例えば,乗員が航行中に歩行す
る帆船のデッキ端のような箇所
− モノハル艇の作業甲板の最後端(前後軸に対して直角),例えば,トランサムの上面
− マルチハル艇の作業甲板の硬い部分の最後端(前後軸に対して直角)
− マルチハル艇の前後のビーム(前後軸に対して直角)
8.3 足止めの最小高さ及び角度
隣接する作業甲板から足止めの上縁までの高さは,次の寸法よりも小さくしてはならない。
− 設計区分Cの舟艇に対して
− 帆船では25 mm,
− 非帆船では19 mm,
− 設計区分A及び設計区分Bの舟艇に対して
− 帆船では30 mm,
− 非帆船では25 mm。
これらの高さは,最小寸法値であり,足止めの内側の最高点よりも100 mm以内の甲板の最高点までを
甲板に垂直に測定する[図2 a)参照]。
足止めの内側のエッジが5 mm以上のRで丸めている場合,高さはRが始まる箇所までの距離を甲板か
ら測らなければならない[図2 b)参照]。
舷外へ滑り出ないように,足止めの内面の角度(又は接線の角度)は垂直より30°以内とする[図2 c)
参照]。ただし,非帆船に限り8.4による足止めでよい。
8.4 傾斜面のある足止め
設計区分C及び設計区分Dの非帆船には傾斜した足止めを用いる。これらの角度は,水平から20°以
上としなければならず,高さは8.3による[図2 d)参照]。また,この傾斜面には滑り止めを施さなければ
ならない。
8.5 甲板と足止め間との隙間の最大値
甲板と足止めレベルとの間に垂直な隙間がある場合には,その間に足が滑り込まないように甲板のレベ
ルと足止め下端との間の隙間は40 mmを超えてはならない[図2 e)参照]。
例 作業甲板に平行な柔らかな/硬いライン。
――――― [JIS F 1021 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS F 1021:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15085:2003(IDT)
- ISO 15085:2003/AMENDMENT 1:2009(IDT)
JIS F 1021:2012の国際規格 ICS 分類一覧
JIS F 1021:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF0081:2005
- 舟艇―主要データ
- JISF1030:2010
- 舟艇―パーソナルウォータークラフト(PWC)―構造及びシステム搭載時の要求事項
- JISF1051-1:2004
- 膨脹式ボート-第1部:最大出力4.5kW以下のボート
- JISF1051-2:2004
- 膨脹式ボート-第2部:最大出力4.5kW以上15kW以下のボート
- JISF1051-3:2004
- 膨脹式ボート-第3部:最大出力15kW以上のボート