JIS F 1034-3:2006 舟艇―船体構造―スカントリング―第3部:材料:鋼,アルミニウム合金,木材及びその他の材料

JIS F 1034-3:2006 規格概要

この規格 F1034-3は、船体,上部構造及び付加物の構造への使用を目的とした材料,特に,[溶接用普通及び高張力熱間圧延鋼板,広幅平鋼,形鋼及び棒鋼;板材又は形材に加工された,オーステナイト系ステンレス鋼;板材,形材及び押出形材として加工された展伸アルミニウム合金;加工用木材,合板又は単板(ベニヤ)の形状となっている木材;その他の適切な材料]について規定。

JISF1034-3 規格全文情報

規格番号
JIS F1034-3 
規格名称
舟艇―船体構造―スカントリング―第3部 : 材料 : 鋼,アルミニウム合金,木材及びその他の材料
規格名称英語訳
Small craft -- Hull construction and scantlings -- Part 3:Materials:Steel, aluminium alloys, wood, other materials
制定年月日
2006年8月10日
最新改正日
2016年10月25日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 12215-3:2002(IDT)
国際規格分類

ICS

47.080
主務大臣
国土交通
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2006-08-10 制定日, 2012-02-24 確認日, 2016-10-25 確認
ページ
JIS F 1034-3:2006 PDF [11]
                                                                F 1034-3 : 2006 (ISO 12215-3 : 2002)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶標準協会(JMSA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土
交通大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 12215-3:2002,Small craft−Hull
construction and scantlings−Part 3: Materials: Steel, aluminium alloys, wood, other materialsを基礎として用い
た。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS F 1034-3には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定)オーナ用マニュアルへの記載事項
JIS F 1034の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS F 1034-1 舟艇−船体構造−スカントリング−第1部 : 材料 : 熱硬化性樹脂,ガラス繊維強化材,
基準積層材
JIS F 1034-2 舟艇−船体構造−スカントリング−第2部 : 材料 : サンドイッチ構造用心材及び補強材
JIS F 1034-3 舟艇−船体構造−スカントリング−第3部 : 材料 : 鋼,アルミニウム合金,木材及びそ
の他の材料
JIS F 1034-4 舟艇−船体構造−スカントリング−第4部 : 製造所及び製造

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS F 1034-3 pdf 1] ―――――

F 1034-3 : 2006 (ISO 12215-3 : 2002)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[2]
  •  4. 金属に対する要件・・・・[2]
  •  4.1 材料の特性・・・・[2]
  •  4.2 材料の選択・・・・[2]
  •  4.3 材料の組合せ・・・・[2]
  •  4.4 欠陥がない状態・・・・[2]
  •  4.5 材料の識別・・・・[2]
  •  4.6 鋼・・・・[2]
  •  4.7 アルミニウム合金・・・・[3]
  •  4.8 その他の金属・・・・[3]
  •  5. 木材に対する要件・・・・[4]
  •  5.1 木材・・・・[4]
  •  5.2 合板・・・・[5]
  •  5.3 モールド構造用のベニヤ・・・・[5]
  •  5.4 木材複合構造・・・・[5]
  •  6. その他の材料に対する要件・・・・[5]
  •  7. 必要書類・・・・[5]
  •  7.1 一般・・・・[6]
  •  7.2 鋼・・・・[6]
  •  7.3 アルミニウム合金・・・・[6]
  •  7.4 木材・・・・[6]
  •  7.5 複合材料・・・・[6]
  •  7.6 その他の材料・・・・[6]
  •  8. オーナ用マニュアル・・・・[6]
  •  附属書A(規定)オーナ用マニュアルへの記載事項・・・・[7]
  •  参考文献・・・・[8]

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS F 1034-3 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
F 1034-3 : 2006
(ISO 12215-3 : 2002)

舟艇−船体構造−スカントリング−第3部 : 材料 : 鋼,アルミニウム合金,木材及びその他の材料

Small craft-Hull construction and scantlings-Part 3: Materials: Steel, aluminium alloys, wood, other materials

序文

 この規格は,2002年に第1版として発行されたISO 12215-3:2002,Small craft−Hull construction and
scantlings−Part 3: Materials: Steel, aluminium alloys, wood, other materialsを翻訳し,技術的内容及び規格票の
様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

1. 適用範囲

 JIS F 1034-3のこの部は,船体,上部構造及び付加物の構造への使用を目的とした材料,
特に,次の材料に対する要件について規定する。JIS F 1034-3のこの部は,船体の長さ(LH)が,JIS F 0081
による24 m以下の舟艇に適用する。
− 溶接用普通及び高張力熱間圧延鋼板,広幅平鋼,形鋼及び棒鋼。
− 板材又は形材に加工された,オーステナイト系ステンレス鋼。
− 板材,形材及び押出形材として加工された展伸アルミニウム合金。
− 加工用木材,合板又は単板(ベニヤ)の形状となっている木材。
− その他の適切な材料。
備考1. その他の材料について,用途に対して十分な適性及び耐久性を示すことができれば,舟艇の
構造に用いてもよい。
2. JIS F 1034-3のこの部を作成する基本的な理由は,舟艇構造に対する材料の選択が,予想さ
れる荷重及び環境条件下における短期及び長期の耐久性に大きな影響を与えるからである。
3. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 12215-3:2002, Small craft−Hull construction and scantlings−Part 3: Materials: Steel, aluminium
alloys, wood, other materials (IDT)

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS F 0081 舟艇−主要データ
備考 ISO 8666:2002 Small craft - Principal dataが,この規格と一致している。
JIS F 1034-4 舟艇−船体構造−スカントリング−第4部 : 製造所及び製造
備考 ISO 12215-4:2002 Small craft−Hull construction and scantlings−Part 4: Workshop and

――――― [JIS F 1034-3 pdf 3] ―――――

2
F 1034-3 : 2006 (ISO 12215-3 : 2002)
manufacturingが,この規格と一致している。

3. 定義

 JIS F 1034-3のこの部で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 耐久性(durability) 本来備わっている樹種の特性で,特に防腐処理を施すことなく外気中に用いられ
る樹木の中心部分が使用できる期間を示す。
備考 木材の耐久性の指定値を,表1に示す。
3.2 ベニヤ(veneer) 仕上がった状態において5 mm以下の厚さをもつ木材(solid wood)。

4. 金属に対する要件

4.1 材料の特性

 JIS F 1034-3のこの部が扱う材料は,多くの国際規格及び国内規格,更に船級協会規則
によって取り扱われており,船舶及び舟艇の検査においても使える状態である。舟艇の構造に使用される
すべての金属の特性は,海洋での使用及び対象となる構造方式に対して適したものとする。金属は,関連
する国際規格又は国内規格,船級協会規則に従うか,又は海洋での使用に対する妥当性が確認できる書類
によって裏付けられたものでなければならない。

4.2 材料の選択

 材料の選択に当たっては,JIS F 1034-4に規定されているように,造船所における製造
条件,環境上の制約,予想される製造工程,溶接技能者の能力及び使用されている溶接設備を考慮する。

4.3 材料の組合せ

4.3.1  異なる種類又は成分の金属を組み合わせている場合には,接触腐食を避けるために,電位差を考慮
しなければならない。
備考 接触腐食の程度は,環境条件,熱処理,溶接及び加工によって影響を受ける場合がある。
4.3.2 ある種の材料を金属と接触させる場合,その材料との相互の悪影響がないように考慮して材料を選
択するか,又は保護若しくは絶縁しなければならない。
備考 ある種の材料とは,化学物質を含む樹種,又は導電性の材料を用いている複合材料(例えば,
炭素繊維)である。

4.4 欠陥がない状態

 使用される金属は,対象とする用途に適した仕上げがなされ,対象とする用途に
対して有害な表面欠陥があってはならない。

4.5 材料の識別

 材料製造業者又は供給者は,材料をその始めの製造過程まで追跡することができる識
別方式,例えば,色符号方式又は刻印方式を採用しなければならない。

4.6 鋼

4.6.1  一般 舟艇の構造に使用する鋼は,4.6.2による普通鋼(軟鋼)又は4.6.3による高張力鋼とする。
4.6.2 普通鋼 普通鋼の機械的性質の最小値は,次の値とする。
− 降伏点 : ReH = 235 N/mm2。
− 引張強さ : Rm = 340 N/mm2。
軟鋼は,その延性,溶接の容易さ及び溶接によって起こり得る機械的性質の低下に関してその可能性が
低いため,小形艇の構造に対して好ましい材料である。
参考 ただし,赤さびの発生はプレジャーボートに対しては好ましくない。
4.6.3 高張力鋼 高張力鋼を舟艇の構造に用いてもよいが,その場合,疲労荷重が存在する場合に,溶接
継手の有効疲労強度が軟鋼における溶接継手の強度以下になることを考慮する必要がある。熱間加工圧延
によって製造された鋼が,成形又は応力除去のため,又は高入熱溶接によって,更に加熱される前に,そ
の結果起こる機械的性質の低下の可能性について考慮しなければならない。

――――― [JIS F 1034-3 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
F 1034-3 : 2006 (ISO 12215-3 : 2002)
高張力鋼の機械的性質は,次の値とする。
− 降伏点 : ReH = 315 N/mm2から390 N/mm2 まで。
− 引張強さ : Rm = 440/570 N/mm2から510/660 N/mm2まで。
4.6.4 オーステナイト系ステンレス鋼は,次に掲げる事項を考慮することを条件として,舟艇の構造に用
いてもよい。
− 舟艇がさらされ得る環境条件。
− 異なる金属の組合せ,相互の絶縁手段,及び表面保護又は塗装。
− 孔食及び/又はすき間腐食の可能性を減じるための詳細設計。
備考 このグループの鋼は,低炭素オーステナイト系ステンレス鋼である。この鋼は,清水及び海水
中における耐食性を得るために,クロム(Cr),ニッケル(Ni)及びモリブデン(Mo)が添加
され,更に溶接後の安定した状態を保つために,チタン(Ti)及びニオブ(Nb)が添加されて
いる。
海洋での使用に適した合金は,一般に最小質量比12%のクロム及び25を超える孔食抵抗当量(W)を
もつ(W = %Cr + 3.3%Mo)。

4.7 アルミニウム合金

4.7.1  一般 次に掲げる種類のアルミニウム合金は,いずれも舟艇の構造に対して用いてもよい。
− 非熱処理型合金。
− 熱処理型合金。
いずれの合金とも,海水に対して耐食性のある合金である。
いずれの合金とも,それぞれ機械的性質に重要な影響を与える,異なった調質状態で生産される。
熱処理された合金の機械的性質は,溶接後に低下する可能性があることを認識しなければならない。
4.7.2 非熱処理型アルミニウム合金 耐海水性のあるこの材料グループの主な合金成分は,マグネシウム
(Mg)である。さらに,マンガン(Mn)又はシリコン(Si)が添加されることがある。
備考 これらの合金に対する代表的な適用例は,圧延材,例えば,薄板,帯板及び板である。
参考 これらの合金とは,JIS呼称及び国際登録合金の5000系に相当する。
4.7.3 熱処理型アルミニウム合金 耐海水性のあるこの材料グループの主な合金成分は,シリコン(Si)
である。さらに,マグネシウム(Mg)及び/又はマンガン(Mn)が添加されることがある。
備考 これらの合金に対する代表的な適用例は,押出製品,例えば,形材,形状材,棒材及び閉断面
材である。
参考 これらの合金とは,JIS呼称及び国際登録合金の6000系に相当する。
4.7.4 その他のアルミニウム合金 アルミニウム−銅系及びアルミニウム−亜鉛系合金は,舟艇の構造に
は用いてはならない。これらの合金は,特別な保護,例えば,陽極処理(酸化皮膜処理)又は塗装を行え
ば,舟艇の二次的な目的に用いてもよい。
アルミニウム−銅系合金は,通常,清水環境において使用されることを目的とした舟艇に対しては,保
護なしで用いてもよい。それらの舟艇は,溶接構造でないことが望ましい。
参考 アルミニウム−銅系合金とは,JIS呼称及び国際登録合金の2000系に相当し,アルミニウム−
亜鉛系合金とは,JIS呼称及び国際登録合金の7000系に相当する。

4.8 その他の金属

 舟艇の構造部材は,その他の金属,例えば,銅基及びニッケル基合金で建造しても
よい。無塗装の場合にすき間腐食及び孔食に敏感なこれらの合金を,水中に没するか又はスプレーを浴び
る部位に使用する場合には,電気防食を施さなければならない。

――――― [JIS F 1034-3 pdf 5] ―――――

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  • ISO 12215-3:2002(IDT)

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