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F 8071 : 2008 (IEC 60092-352 : 2005)
表3−種々の周囲温度に対する補正係数
(基準周囲温度 : 45度)
導体最高 周囲温度に対する補正係数
許容温度
35 ℃ 40 ℃ 45 ℃ 50 ℃ 55 ℃ 60 ℃ 65 ℃ 70 ℃ 75 ℃ 80 ℃ 85 ℃
℃
60 1.29 1.15 1.00 0.82 − − − − − − −
65 1.22 1.12 1.00 0.87 0.71 − − − − − −
70 1.18 1.10 1.00 0.89 0.77 0.63 − − − − −
75 1.15 1.08 1.00 0.91 0.82 0.71 0.58 − − − −
80 1.13 1.07 1.00 0.93 0.85 0.76 0.65 0.53 − − −
85 1.12 1.06 1.00 0.94 0.87 0.79 0.71 0.61 0.50 − −
90 1.10 1.05 1.00 0.94 0.88 0.82 0.74 0.67 0.58 0.47 −
95 1.10 1.05 1.00 0.95 0.89 0.84 0.77 0.71 0.63 0.55 0.45
3.3.5 短時間使用に対する補正係数
1台の電動機又は機器に,30分又は1時間給電する場合には,関連する表に記載するその定格電流(附
属書A及び附属書B参照)を図1によって与えられる補正係数を用いて増加できる。これらの補正係数は,
通電前後の休止時間が図2でケーブルの仕上がり外径の関数として示された“臨界時間”(ケーブルの時定
数の3倍に等しい)より長い場合にだけ適用できる。
注記1 図1に示された補正係数は,概略の近似値であり,ケーブルの仕上がり外径によって決定さ
れる。一般に30分使用は,係船ウインチ,ウインドラス,重量物荷役ウインチ及びバウスラ
スタに適用できる。ただし,自動張力係船ウインチ及び特殊船のバウスラスタには,30分間
定格は適切でない。
注記2 一般に荷役ウインチ(重量物荷役ウインチを除いて),エンジンルームのクレーンなどの装置
で,断続的に運転される電動機などの機器1台に対して電流を供給するケーブルについては,
附属書A及び附属書Bに示す定格電流を図3で得られた補正係数を適用して増大させてもよ
い。
注記3 図3に示す補正係数は,4分間一定負荷で,6分間無負荷の10分周期に対する概略計算値で
ある。
3.3.6 多条敷設補正係数
電線又はケーブルを多条敷設する場合は,表に示す電流容量に対してこの規格の附属書に示されている
多条敷設の補正係数を適用しなければならない。
この多条敷設の補正係数は,同一の最高許容温度をもつ電線又はケーブルを多条敷設する場合に適用可
能である。
最高許容温度の異なるケーブル又は電線を含む多条敷設については,そのすべてのケーブル又は電線の
電流容量は,多条敷設内の最高許容温度の最も低いケーブルの電流容量及び該当する多条敷設補正係数に
基づかなければならない。
使用条件が既知の場合で,あるケーブル又は電線の通電する電流が,算出された多条敷設の定格電流の
30 %未満と予想される場合,多条敷設内の他のケーブル又は電線の多条敷設補正係数を得る際に,そのケ
ーブル又は電線を無視することができる。また,同時に負荷がかからないケーブルの場合は,実際に負荷
のかかるものだけを考慮してもよい。
注記 多条敷設とは,2本以上が一つの電線管,トランク若しくはダクト内に納められる場合,又は
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密閉されない場合であっても,互いに離れていない場合をいう。
3.4 電圧降下
仕様値又は規制機関が設定した値が存在しない場合,通常使用条件下での最大電流を導体に通電する際
に,主配電盤又は非常用配電盤の母線から設備の各ポイントまでの電圧降下が,JIS F 8062の箇条36に示
す限度を超えないように導体の断面積を求めなければならない。
注記1 50 V未満の電圧を蓄電池で供給する場合は,電圧降下の最大許容値を10 %に増やしてもよ
い。
注記2 航海灯については,必要な照明出力又は色を維持するため,電圧降下をより低い値に制限し
なければならない場合もある。
注記3 電圧降下値は,通常の定常状態において適用可能である。電動機の起動時のような短時間の
特殊な状態では,より大きな電圧降下が許容されることがあるが,その場合,設備がそのよ
うな高い一時的な電圧降下又は電圧低下の影響に耐え得ることが,前提となる。
3.5 電灯負荷の計算
電灯回路の導体サイズを求めるには,すべてのランプソケットがそれに接続されるべき最大負荷に相当
する電流を要するものと仮定し,通電電流の評価を行わなければならない。この値は,100 W以上と推定
しなければならない。ただし,照明器具が定格100 W未満のランプだけを取り付ける構造となっている場
合には,定格電流はそれに応じて評価しなければならない。
各照明用ソケット・コンセントは,2か所の電灯負荷とみなされる。
3.6 ケーブルの並列接続
並列接続されたケーブルの電流容量は,すべての並列導体の定格電流の和であるが,ケーブルのインピ
ーダンス,断面積及び導体最高許容温度が等しくなければならず,また,実質的に同一の経路を通すか,
又は接近して敷設しなければならない。並列接続は,断面積が10 mm2以上の場合にだけ適用される。イ
ンピーダンスを等しくできない場合には,電流容量に補正係数0.9を適用しなければならない。
3.7 回路の分離
次の場合を除いて,短絡保護又は過電流保護を個別に必要とするすべての回路には,別個のケーブルを
使用しなければならない。
− (電動機用などの)主回路から分岐した制御回路は,主回路と従属する制御回路が1個の共通の断路
器で制御される場合には,主回路と同じケーブルを共用してもよい。
− JIS F 8061で定義された“安全電圧”を下回る電圧の重要でない回路も,火災に対する性能及び電磁
干渉(それぞれ3.14及び3.16を参照)について配慮しなければならない。
3.8 短絡容量
ケーブル及びその絶縁導体は,回路保護装置の時間・電流特性及び最初の半サイクル中の予想短絡電流
のピーク値を考慮し,ケーブル回路に流れる可能性のある最大短絡電流の機械的及び熱影響に耐えなけれ
ばならない。詳細は,IEC 60724及びIEC 60986を参照。
3.9 導体
すべての導体構成は,IEC 60228のリストに示すとおりでなければならない。
固定設備の系統での一般的な使用では,クラス2の導体又はクラス5の導体を用いるのがよい。クラス
5の導体の使用は“可とうケーブル”を意味するものではないが,曲げ半径に余裕がないか,又は高い振
動が伴う場所でのケーブル敷設を容易にするためにその使用が許容される。
特定用途のケーブル規格には,導体として単線(クラス1)を指定しているものもある。このような導
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体を使用する場合,振動に対する影響を,十分に配慮しなければならない。
注記 ケーブルが連続して屈曲する場合,ケーブル製造業者に助言を求めなければならない。
3.10 絶縁体材料
導体の絶縁に使用する材料は,IEC 60092-351のリストに示すものから選択しなければならない。選択
する絶縁材料の定格使用温度は,ケーブルの敷設スペースで存在又は発生すると予想される最大周囲温度
に比べ少なくとも10 ℃高い値としなければならない。
注記 ケーブルの構造は,導体の使用温度に大きな影響を与える可能性があるが,導体の温度は絶縁
の定格温度以下でなければならない。
3.11 遮へい,線心遮へい又はシールド
遮へい,線心遮へい又はシールドの構造は,3.1に示す各部で特定されるケーブルから選択しなければな
らない。
3.12 シース材料
シースとして使用する材料は,IEC 60092-359のリストに示すものから選択しなければならない。ケー
ブルを敷設する場所に水分の結露,有害な蒸気(オイル蒸気を含む。)が存在する可能性があるなどの場合
には,耐水性及び耐油性に配慮しなければならない。この場合,ケーブルは,該当する耐水性及び耐油性
を満足しなければならない。
保護被覆として異なった防食層を選択する場合には,敷設時及び使用時に各ケーブルが受ける可能性の
ある機械的作用にも配慮しなければならない。防食層の機械強度が不十分と思われる場合には,ケーブル
を配管,電線管若しくはトランクに収めるか,又は保護を施さなければならない(3.21参照)。また,3.14
に示す火災に対する性能にも配慮しなければならない。
3.13 金属編組又はがい装
金属編組又はがい装の構造は,IEC 60092-350及び該当する製品規格に準拠しなければならない。
3.14 火災に対する性能
すべてのケーブル及び電線は,次の耐延焼性を満足しければならない。
− IEC 60332-1-2
− IEC 60332-3-22
− 個別製品規格に別段の指示がない限り,ラダーへの7 L/m積載を満足するように,ケーブルは(300 mm
ラダーを使用し)複数層に構成し,接触した形態において試験を行わなければならない。
注記1 個々のケーブル又は電線がIEC 60332-1-2の要求を満たしているからといって,同様のケー
ブル又は電線の群が同様な挙動をする,とみなすことはできない。ケーブル群の延焼性能は,
IEC 60332-3-22で評価される。要求性能(すなわち,接触状態で垂直に取り付けるというケ
ーブルについて)は,船舶で一般的に見られる敷設状態を最もよく表しているとして選ばれ
たものである。過去の経験によれば,他のすべてのパラメータがおおむね同じな場合には,
垂直敷設したケーブルの延焼性試験は,水平敷設する場合についても適用できる。
注記2 詳細は,IEC 60332-3-22に示す。
注記3 さらに附属書Cを参照し,延焼防止措置を施してもよい。
火災警報装置,火災探知装置,消火設備,遠隔停止回路,類似の制御回路など,火災状態で電気回路の
健全性を維持する必要のある系統については,ケーブルは該当する個別製品規格に示されるIEC 60331-21
又はIEC 60331-31を満たさなければならない。個別製品規格に特に指示がない限り,火炎を当てる時間は
関連する規格で示される温度において90分以上でなければならない。この要件は,系統が自己監視形,フ
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ェールセーフ形又は二重化されている場合,又は火災リスクの高い区域から離れたところにケーブルが敷
設されている場合には適用されない。3.15のo) を参照する。
注記4 適切な敷設材料を使用することが,火災状態で電気回路の健全性を維持する必要のあるケー
ブルにとって極めて重要である。
居住区及び乗客区域に敷設するケーブルの発煙,発生酸性ガス及びハロゲン含有量の要件に十分に配慮
しなければならない。該当する場合は,ケーブルを次の試験方法で評価しなければならない。
− IEC 61034-2
− IEC 60754-1
− IEC 60754-2
− IEC 60684-2
個別製品規格に別段の指示がない限り,ケーブルは試験方法に示す要件を満たさなければならない。
3.15 電路
電路要件は,次のとおりである。
a) 電路は,できる限りまっすぐに,かつ,容易に近づける場所を選定しなければならない。ケーブルを
パネル裏に敷設する場合は,すべての接続箇所に容易に手が届くようにし,また,隠れた接続ボック
スの位置を表示しなければならない。
b) 電路を選択する際には,有害な害虫及びねずみに対する保護の必要性について考慮しなければならな
い。
c) 異なる導体最高許容温度をもつ絶縁材料のケーブルは,同一のクリップ,ケーブルトランジット,電
線管,トランク又はダクトによって束ねてはならない。やむを得ず束ねる場合には,いかなるケーブ
ルも,導体許容温度の最も低い絶縁材料の導体許容温度を超えないようにしなければならない。
d) ケーブルの保護被覆が他のよりぜい弱なケーブルの被覆を損傷する可能性がある場合には,これらの
ケーブルを同一のクリップ,グランド,電線管,トランク又はダクトで束ねてはならない。
e) 露出した金属シース,編組又はがい装をもつケーブルは,他の金属との接触による腐食(電食など)
を防止するように敷設しなければならない。
f) 電路は,結露及び水滴を避けるように選択しなければならない。避けられない場合でも,断熱材の背
面に配置したり,その中へ埋め込んではならない。
g) ケーブルは,できる限りボイラ,熱配管,抵抗器バンクなどの熱源から隔離し,機械的損傷の危険性
から保護しなければならない。熱源付近へのケーブルの敷設が避けられない場合で,その結果,熱に
よるケーブルの損傷の危険性が存在する場合は,適切な遮へいを設置するか,又は特殊な換気装置の
使用,断熱材料の設置,特殊な耐熱ケーブルの使用といった他の過熱防止措置を講じなければならな
い。ケーブルは,カーゴタンク,バラストタンク,燃料タンク又は水タンク内に配置してはならない
が,そのような場所専用に機器及び計装機器が設計され,それらの機能をタンク内に設置する必要が
ある場合は除く。そのような機器としては,水中カーゴポンプ及びその制御装置,カーゴ監視システ
ム並びに水中航法システムが挙げられる。
h) ケーブルは,伸縮結合部を横切って敷設してはならない。ただし,それが避けられない場合には,結
合部の伸縮に比例する長さのケーブル曲がり部を設けなければならない。使用時の曲がり部の最小内
半径は,ケーブル外径の12倍以上でなければならない。
i) 群で敷設するケーブルの火炎延焼性能は,敷設方法など幾つかの要因によって影響を受ける可能性が
ある(3.14を参照)。詳細は,IEC 60332-3-22に示す。
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j) 操だ装置などの二重以上の給電回路が義務付けられた重要な電気機器については,電源とそれに伴う
制御ケーブルは異なる経路を通すこととし,これらの経路はできる限り垂直方向並びに水平方向に隔
離しなければならない。二重化された重要な電気機器については,電源とそれに伴う制御ケーブルは
異なる経路を通すこととし,これらの経路は垂直方向並びに水平方向にできる限り隔離されなければ
ならない。
注記1 機関ブリッジ制御システムに組み込まれたエンジンテレグラフなどの重要な機能を果たす
ために互いの予備として動作するシステムは,この点で同様に取り扱わなければならない。
注記2 主配電盤が機関制御室などの分離・密閉された仕切り内に設置されている場合,この細別
はその仕切り内に敷設する機器及びケーブルには適用できない。
k) (一般的に旅客船のような)船舶を複数の防火区画に分割する必要がある場合は,いずれかの主とな
る垂直防火区画で火災が発生しても,その他の区域の重要な設備の運転に影響が及ばないように電路
を配置しなければならない。この要件は,いずれかの区域を通る主及び非常ケーブルを垂直方向並び
に水平方向にできる限り離し,また,これらのケーブルを同じ水平方向の区域を通過させてはならな
い。ケーブルは,火災発生時に回路の健全性を維持できなければならない[o) を参照]。
l) 重要システム又は非常システムに電源を供給するケーブル及び配線は,調理室,洗濯室,機械室及び
その囲壁並びに火災の危険性の高い場所からできる限り離して敷設しなければならないが,それらの
区域の機器に電源を供給する場合は除く。そのようなケーブル及び配線は,隣接した区域で発生した
火災で隔壁が加熱し,その結果,ケーブル及び配線が使用不可となる事態を防止できるように敷設し
なければならない。
m) ケーブルが火災時に一定時間機能することが重要である場合で,そのような回路のケーブルをリスク
の高い場所に通さざるを得ない場合には,そのケーブルは3.14の要件を満たさなければならない。
n) 本質安全回路のケーブルは,専用のものとし,電源ケーブル又は制御ケーブルから離して敷設しなけ
ればならない。このようなケーブルの外側シースは,青色又は黒地に青いストライプを施さなければ
ならない。ストライプは,ケーブルを敷設した際にはっきり見えるようにしなければならない。
注記3 黒地に青いストライプを施したシースは,幾つかの国々の国家当局で承認されている。
o) 火災によるケーブルの損傷防止に関しては,居住区域の火災リスクを考慮のうえ,機関区域,ナビゲ
ーションブリッジ区域間などの重要な回路の主ケーブル経路の保護について特に注意を払わなければ
ならない。
注記4 1974年のSOLAS条約及びその改定に準拠したカテゴリAの機関区域,そのケーシング,
調理室並びに洗濯室は,高火災区域とみなさなければなければならない。JIS F 8061を参
照する。
p) ケーブルの貫通部は,船舶の防火性能を維持できるように配置しなければならない。詳細は,附属書
Cを参照する。
3.16 電磁的障害に対するケーブルの敷設方法
好ましくない電磁的障害をできる限り避けるため,JIS F 8081に注意を払わなければならない。これは
無線機器の近くにケーブルを敷設する場合及び高感度の電子制御・監視システムのケーブルを敷設する場
合に,特に重要である。
3.17 機械的保護
機械的損傷の危険性がある場合には,ケーブルの外装(がい装,シースなど)によって適切な保護が得
られない限り,ケーブルは適切な電線管又はケーシング内に敷設されなければならない。
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JIS F 8071:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60092-352:2005(IDT)
JIS F 8071:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 47 : 造船及び海洋構造物 > 47.020 : 造船及び海洋構造物一般 > 47.020.60 : 船及び海洋構造物の電気設備
JIS F 8071:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISF8061:2005
- 船用電気設備―第101部:定義及び一般要求事項
- JISF8062:1996
- 船用電気設備 第201部 システム設計―一般
- JISF8072:2006
- 船用電気設備―第401部:装備基準及び完成試験
- JISF8078:1987
- 船用電気設備 第203部 システム設計―可聴及び可視信号
- JISF8081:2005
- 船用電気設備及び電子機器―電磁両立性