JIS F 9401:2004 船舶及び海洋技術―船用音響測深装置 | ページ 2

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5.2.2 レンジスケール
5.2.2.1 装置には少なくとも2種類のレンジスケールを設け,一つは浅いレンジで20 mの範囲を表示し,
もう一つは深いレンジで200 mの範囲を表示しなければならない。
5.2.2.2 自動レンジ切換機能を備えている場合,装置は上記のレンジを手動で選択する場合には,自動レ
ンジ切換機能が機能できないようにしなければならない。
5.2.2.3 ゼロから始まらないシフトレンジが利用できる場合,そのようなレンジが使用されていることを
表示しなければならない。
5.2.2.4 使用しているレンジは,如何なる場合でも,確実に表示するようにしなければならない。
5.2.2.5 海面を基準にした深度測定機能を備えている場合,船の下の深度測定値に加えて,オフセット(喫
水)値を明確に表示しなければならない。
5.2.3 主表示
5.2.3.1 主表示は,深度が直読でき,測深記録を見ることのできるグラフィック表示でなければならない。
5.2.3.2 深いレンジで少なくとも15分間の測深記録を表示しなければならない。
5.2.3.3 多色表示を使ってもよいが,この場合,色の割当てを取扱説明書で明確に説明しなければならな
い。
5.2.4 その他の表示 その他の表示方式を加えてもよいが,それによって主表示の正常な動作に影響を及
ぼしてはならない。
5.2.5 パルス繰返し数 パルス繰返し数は,深いレンジでは毎分12パルス,浅いレンジでは毎分36パル
ス以上でなければならない。
5.2.6 ローリング及びピッチング 装置の性能は,±10°のローリング及び/又は±5°のピッチングで
船が動揺しても,この規格の要件を満足しなければならない。

5.3 送受波器の複数装備

5.3.1  2つ以上の送受波器及びそれに付随する送受信機を取り付けても構わない。
5.3.2 2つ以上の送受波器を使用する場合 :
− 異なる送受波器からの深度を独立して表示できる手段を備えなければならない;及び
− 使用中の送受波器を明確に表示しなければならない。

5.4 データの記憶

 次についての情報を記録紙上又はそれ以外の手段を使って記憶できなければならな
い :
− 12時間にわたる深度 及び 測定時刻
記憶した情報を回収する手段を備えていなければならない。その情報は,グラフィック又は1分間隔の
デジタル読み取りのいずれの形式であってもよい。

5.5 精度

5.5.1  測定の精度 水中での音速1 500 m/sを基準として,指示深度の許容誤差は,
− 浅いレンジスケールの場合には±0.5 m,深いレンジスケールの場合には±5 m,又は
− 指示深度の±2.5 %
のいずれか大きい値とする。
備考 これ等の許容誤差は船のピッチング及びローリングを考慮しない。
5.5.2 分解能 表示の目盛は,浅いレンジスケールでは1m当たり5.0 mm以上,深いレンジスケールで
は1m当たり0.5 mm以上でなければならない。

5.6 故障,警報及びその表示

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5.6.1 深度警報 水深があらかじめ設定された値より浅くなった時に,可視及び消音機能を持った可聴の
警報信号を発しなければならない。あらかじめ設定する警報深度が送受波器の位置を基準としたものでな
い場合,基準とした位置を表示しなければならない。
5.6.2 電源喪失又は電圧低下 装置の安全動作に影響を及ぼす可能性のある電源の喪失や電圧低下が発
生した場合,可視及び消音機能を持った可聴の警報を発して,当直航海士に知らせなければならない。こ
の警報設備は,配電盤や他の設備に統合されたものでも良く,必ずしも装置に内蔵する必要はない。

5.7 人間工学の基準

5.7.1 制御器 レンジスケール変更機能は直接操作できるものでなければならない。他の機能については,
専用の制御器又は関連メニューでの直接操作により,直ちに制御できるものでなければならない。
次の機能の設定は,あらゆる室内の照明条件下において認識できなければならない :
− レンジスケール,及び
− プリセット深度警報。
5.7.2 情報の表示
5.7.2.1 マーク グラフィック表示では次の表示ができなければならない :
− 使用中のレンジスケールの十分の一次の間隔の深度マーク,及び
− 5分以下の間隔の分時マーク。
5.7.2.2 紙記録方式 深度記録に記録紙を使用している場合,記録紙上に施したマーク又はその他の手段
で,記録紙の残余部分が1 mになったことを明確に表示しなければならない。

5.8 設計及び装備

 装置はIMO決議A.694(17)による。

5.9 インタフェース

 遠隔デジタル表示器,航海情報記録装置,トラックコントロールシステム,等,
他の装置に深度情報を提供できる出力を備えなければならない。
これらの出力には,キール下の深度,現在表示している深度スケール,複数装備の場合には使用中の送
受波器及び有る場合にはその他のステータス情報を含めなければならない。
これらの出力は,関連の国際規格(IEC 61162)によるデジタルのシリアル通信機能でなければならない。

5.10 安全措置

 高圧感電記録媒体及び/又は可動記録機構を使っている装置の場合で,装置が稼働中に
記録器に触れることができる場合,装置には操作者への安全に対する配慮をしておかなければならない。
5.11 表示 装置には,製造業者,型式,製造番号を表示しなければならない。
通常,基準コンパス又は磁気操舵コンパスの近くに装備される装置のそれぞれのユニットには,そのよ
うなコンパスから離して装備しなければならない安全距離を明記しなければならない。

5.12 情報

 船の乗組員の中で資格の有る者が装置を効率良く操作し,保守できるようにするための情報
を提供しなければならない。

6. 試験方法及び要求される試験結果

6.1 一般要件

 5.にある要求事項に対する試験が,この項又はIEC 60945で規定されていない場合,その
ような要求事項については,装置,製造業者の図面,又は関係する書類を検査して確認しなければならな
い。検査結果を試験報告書に記述しなければならない。

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6.2 測定の一般条件

 供試装置がここに定める技術要件を満たしているかどうかを試験して検証する前
に,IEC 60945の一般要件のすべてについて試験しなければならない。装置はそのカテゴリー,すなわち,
(天候から)“保護されている”防護形,(天候に)“さらされている”暴露形,又は,“水中に沈められて
いる”(又は,海水に常時接している)没水形のいずれかに応じて,IEC 60945のそれらに該当する要件に
よる。
製造業者は,装置又はユニットが“防護形”,“暴露形”又は“没水形”のいずれに相当するかを申告し
なければならない。製造業者はまた,環境試験の前に“事前調整”が必要なら,その旨を申告しなければ
ならない。
事前調整を必要とする場合には,それをもって試験手順の第一工程とし,測定及び試験前に試験品の特
性を安定させるため,該当する仕様で要求される天候条件や,電気的及びその他の条件の下で行ってもよ
い。

6.3 水中試験条件

 送受波器が長方形又はだ円形の場合には,その送受波器の素子表面の長軸(すなわ
ち,船の前後方向と平行な長軸)及び短軸(横方向の軸)を中心にして,又は送受波器が円形の場合には
任意の面軸を中心にして,任意の角度に回転できるように,送受波器をハウジングに収納した形,又は音
響窓を備えている場合にはそれも付けた完全な形で,度数を目盛った水中の固定具に取り付けなければな
らない。
校正済のハイドロフォンを,校正済のプロジェクタに置き換えられる状態にして(又は,その代わりに
両者いずれの機能をももちた単一の器具)を,送受波器から適切な既知の距離dだけ離して,送受波器に
向けて水中に取り付ける。まず最初に,送受波器を校正済のハイドロフォンに向けなければならない。
備考 詳細については参考文献の[5],[6]及び[7]を参照。
近距離音場の影響を最小限に抑えるため,距離d(m)は,下記値より近づけてはならない :
.125a2 f / c
ただし,
a 送波又は受波モードに該当する送受波器エレメントの最大有効寸法(m)(通常は両者とも同じ
数値);
f 装置の最高動作周波数(Hz);
c 水中での音速,1 500 m/s(3.5参照)。
水中の残響効果を最小にするための予防措置を講じなければならない。その予防措置には,ゲートパル
ス測定技術を使用することを含めなければならない。これらの技術は,非線形モードで動作するある種の
装置の受信器によっては極めて重要である。

6.4 機能

6.4.1  測深性能
6.4.1.1 最小探知深度の測定方法 送受波器をハウジングに収納した形,又は音響窓を備えている場合に
はそれも付けた完全な形で,水中に沈め,最大応答の振動子の軸を,水を貯めたタンクの底や壁面等の試
験ターゲットに向ける。送受波器とターゲット間の物理的距離が調整できなければならない。
他の物体や不連続面が結果に大きな影響を与えることがないような方法で試験を行わなければならない。
装置を浅いレンジスケールに設定し,そのレンジスケールで使用できる最大のパルス幅にする。そして,
ターゲットからのエコーが分離して明りょうに見えなくなるようになる直前まで,送受波器とターゲット

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間の物理的距離を近づける。この物理的距離を測定して,最小探知深度表示として記録する。
6.4.1.2 要求される結果 最小深度は2 m以下でなければならない。
6.4.1.3 性能指数を使用した要求される最大測深可能深度 装置は,実験室の環境下で試験を行って,水
深200 mに対するシステムの性能指数を評価しなければならない。
デシベルで表わした性能指数'Lは,次のように定義される。
L' S 2r D B E (1)
0Lを上回らなければならない :
この性能指数は,次の関係で表わされる損失
L0 L 2 R K N x y z (2)
ただし,
S 1 m離れた位置での送波レベル(1 Paを基準にしたdB値);
r ローリング及びピッチングによる一方向損失係数(dB);
D 指向性利得(dB);
B 受信帯域幅(1 Hzを基準としたdB値);
E 検出可能な最小S/N比(dB);
L 2(000Rとなる;
拡散による減衰係数であって, 20 log 10 )
R 深度(km);
愀 海水の音波吸収係数(dB/km)(附属書A参照) : Rと せた
2 R は水中吸収損失の
合計(dB)を表す;
K 垂直入射の場合の海底反射損失で,25 dBを採用する;
N 背景雑音レベル(1 Hz帯域幅に於ける1 Paを基準としたdB値),すなわち,
825. (50 )3/ log 10 f (kHz);
x 送受波器が船体内側に取り付けられている場合の透過損失(dB);
y あらゆる条件下で実際的な動作レベルを提供するための余裕値であって,検出可能な最小S/N比
より10 dB大きく採る。
z 製作許容誤差,3 dB。
L' S 2r D B E の値を計算して,それが,適切な動作周波数,深度Rが200 m及び製造業者
が申告する値xにより計算した値 0Lを超えなくてはならない。
6.4.1.4 試験方法
6.4.1.4.1 送波レベル,S 送受波器を水中に沈め,その主軸を遠距離音場における送受波器からの既知
の距離d(m)の位置に,リード線ともども水中に沈められて置かれた校正済のハイドロフォンに向ける。
次に,装置のスイッチを入れる。
送波レベルSは,次の式で与えられる。
S (V 120) M 20 log 10 d
ただし,
M リード線付きハイドロフォンの既知の感度で,1V/Paを基準としたデシベルで表す;
V リード線付きハイドロフォンの出力電圧の実効値(1 Vを基準にしたdB値)で,パルス期間内

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を測定してその平均をとる。
6.4.1.4.2 ローリング及びピッチング,r 送受波器ビームパターンが明確化されており,それを実証で
きる場合には,この試験を省略することができる。さもなければ,5.2.6に規定するローリングとピッチン
グの基準に対して,次に述べる一方向損失係数を決定しなければならない。
一方向損失係数rは,6.4.1.4.1の送波レベルの測定に於て,送受波器をそのローリング軸を中心に±10°
だけ回転させると同時にそのピッチング軸を中心に±5° だけ回転させた状態で繰り返した時に得た値の
最大損失値としなければならない。
6.4.1.4.3 指向性利得,D この試験は,型式試験機関の判断で,送受波器を6.4.1.1及び6.4.1.4.1による
送信モードで使用して行ってもよいが,実際的で可能な場合には必ず,次に述べる受信モードで実施しな
ければならない。
送信機の機能は停止しておくがトリガが外部に取り出せるようにしておかなければならない。送受波器
と試験プロジェクタを互いに向かい合わせた状態で,プロジェクタを適切なパルス信号発生源で起動して
パルスを送出させ,装置の受信機の出力電圧を監視する。
パルス信号源からのパルスを装置で起動し,レンジスケール内の特定水深に相当するように適切に遅延
させる。このパルスは,継続時間に装置が通常送信するパルスを,再現したものでなければならない。キ
ャリア周波数を調整して,装置の応答が最大になるようにしなければならない。
信号発生源の電圧を適切に調整して受信機出力電圧を一定に保持する方法で,送受波器のそれぞれ適切
な軸を中心に送受波器を正負両方向に回転させて,送受波器の応答パターンをプロットし,最大応答から
3 dB下のレベルを示す2点間のビーム角度幅 燿 °)を求める。
指向性利得Dは,次のように計算する :
a) 円形送受波器の場合 D 455. 20 log 10
b) 長方形又はだ円形の送受波器の場合 D 455. 1)
10 log 10 ( 2)
10 log 10 (
1 び
2 上記のとおり長軸と短軸を中心にして回転させて測定して得た3 dB下のビーム
ただし,
幅である。
型式試験機関は,プロットして得たパターンを考慮して,測定したビームパターンからDを計算するこ
の方法が適切かどうかに十分注意しなければならない。目安としては,狭いサイドローブがメインローブ
の最大値から 8 dB以下の場合には,Dを計算する上記の方法は適切であると言える。レベルが更に低く
てもサイドローブが広ければ,この方法が不適切となることがある。
6.4.1.4.4 受信帯域幅,B 装置を深いレンジに設定し,送受波器を水中に沈め,その長軸を連続波信号
発生源から信号を受けその信号を発信する校正済のプロジェクタに向ける。送信機の機能は停止しておく
が,表示トレースを開始するために必要な時にトリガが取り出せるようにしておく。
信号発生源のキャリア周波数を調整し,レベルを適切に調整して記録し,プロジェクタの周波数校正を
参照して重み付けして,受信機の出力レベルを一定に保持する方法で,装置の受信系の周波数応答をプロ
ットする。この結果から,受信機の応答が最大値の 3 dBとなる上限周波数 1f(Hz)及び下限周波数 2f
(Hz)をそれぞれ見出す。次の式で受信帯域幅を計算する。
B f2 )
10 log 10 ( f1
6.4.1.4.5 検出可能な最小S/N比,E 送信機の機能は停止しておくがトリガが外部に取り出せるように
しておかなければならない。ただし,試験プロジェクタは不要で,送受波器を水中に沈める必要もない。
装置の受信系の帯域幅に等しい帯域幅で飽和状態より十分下のレベルの連続ランダムノイズ電圧を,浅

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