JIS G 0566:1980 規格概要
この規格 G0566は、鋼塊,鋼片,鋼材及びその他の鋼製品のグラインダによる火花試験方法について規定。
JISG0566 規格全文情報
- 規格番号
- JIS G0566
- 規格名称
- 鋼の火花試験方法
- 規格名称英語訳
- Method of spark test for steels
- 制定年月日
- 1966年7月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 77.080.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 熱処理 2020
- 改訂:履歴
- 1966-07-01 制定日, 1969-06-01 確認日, 1972-06-01 確認日, 1975-07-01 確認日, 1978-04-01 確認日, 1980-01-01 改正日, 1985-09-01 確認日, 1990-01-01 確認日, 1995-06-01 確認日, 2000-10-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS G 0566:1980 PDF [20]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
G 0566-1980
鋼の火花試験方法
Method of Spark Test for Steels
1. 適用範囲 この規格は,鋼塊,鋼片,鋼材及びその他の鋼製品(以下,試験品という。)のグラインダ
による火花試験(以下,試験という。)方法について規定する。
引用規格 :
JIS R 6210 ビトリファイド研削といし
2. 目的 試験は試験品について,鋼種の推定又は異材の鑑別を行うのを目的とする。
3. 用語の意味 この規格に用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1) 鋼種の推定 鋼種不明の試験品について試験を行い,いかなる鋼種に該当するかを推定すること。
(2) 異材の鑑別 異材混入のおそれのある試験品を試験して,異材を鑑別すること,又は異材が混入して
いないことを確認すること。
4. 火花の形及び名称 火花の形及び名称は,図1のとおりとする。
図1 火花の形及び名称
5. 器具
5.1 試験器具 試験の条件をそろえるために,常に同一の器具を使用するようにつとめなければならな
い。
5.2 グラインダ 電動形,圧縮空気形のいずれでもよく,固定式でも可動式でもよいが,観察するのに
十分な火花を放出させる能力を有し,研削及び観察を安全に行い得るものでなければならない。
5.3 といし JIS R 6210(ビトリファイド研削といし)に規定する粒度36又は46,結合度P又はQ程度
のといしを用い,原則として20m/s以上の円周速度で使用する。
――――― [JIS G 0566 pdf 1] ―――――
2
G 0566-1980
5.4 補助器具 風の影響を防ぎ直射光を避け,又は周囲の明るさを調節する必要があるときは,暗幕,
ついたて,可動暗箱を使用するのがよい。
6. 標準試料
6.1 化学成分既知の棒鋼などを各種用意して,標準試料とするのがよい。
6.2 標準試料の化学成分の決定は,日本工業規格(日本産業規格)の定める分析方法による。
6.3 標準試料は,脱炭層,浸炭層,窒化層,ガス切断層,スケールなどを除き,その鋼種を代表する火
花を発生するものでなければならない。
6.4 標準試料は,試験品と同様な履歴であることが望ましい。
7. 試験方法
7.1 試験通則
7.1.1 試験は常に同一器具を使用し,同一条件で行うようにつとめなければならない。
7.1.2 試験は,原則として適当に薄暗い室内で行う。屋外又は明るい場所で行う場合には,補助器具を用
いて,火花に直射光の当たるのを防ぎ,背景の明るさが火花の色又は明るさに影響しないように調節する。
7.1.3 試験を行う際には,風の影響を避ける必要がある。特に風上に向かって火花を放出させてはならな
い。
7.1.4 試験品の研削は,母材の化学成分を代表する火花を生じる部分において行わなければならない。鋼
材の表面の脱炭層,浸炭層,窒化層,ガス切断層,スケールなどは母材と異なる火花を生じるから,この
部分を避けなければならない。
7.1.5 試験品をグラインダに押しつける圧力又はグラインダを試験品に押しつける圧力は,できる限り等
しくなければならない。押圧力はC 0.2%程度の炭素鋼の火花の長さが,原則として500mm程度になるよ
うにする。
7.1.6 火花は水平又は斜め上方に飛ばし,観察は,原則として見送り式(1)又は傍見式(2)で行う。
注(1) 前方に火花を飛ばし,流線の後方から火花を観察する方法をいう。
(2) 流線を横から観察する方法をいう。
7.1.7 火花を観察するには,根本,中央,先端の各部分にわたり,流線,破裂の特徴について,次の項目
に基づいて注意深く観察しなければならない。
(1) 流線(色,明るさ,長さ,太さ,数)
(2) 破裂(形,大きさ,数,花粉)
(3) 手ごたえ
7.2 鋼種推定試験
7.2.1 鋼種の推定を行う場合には,7.1試験通則に従って試験を行い,8. 鋼種推定の基準に基づいて,流
線,破裂の特徴を観察し,炭素量及び合金元素の種類と量を推測して鋼種を推定する。
7.2.2 鋼種の推定は,8.2に示す手順によるのがよい。
7.2.3 上記手順により鋼種を概略推定した後,更に推定した鋼種の標準試料と火花を比較して推定の結果
を補正する。
7.3 異材鑑別試験
7.3.1 試験品に該当する鋼種の標準試料について試験を行い,その火花を確認する。
――――― [JIS G 0566 pdf 2] ―――――
3
G 0566-1980
7.3.2 試験品全数について7.1試験通則に従って試験を行い,8.鋼種推定の基準に基づいて火花を観察し,
次のように処理する。
(1) すべての観察項目について,標準試料と差異のないときは,異材の混入はないものと推定する。
(2) 観察項目の一つ以上に標準試料と明白な差異を認めるときは,その差異のあるものを異材として区別
する。
(3) 観察項目中に,全く等しいとはいえないものが生じた場合には,更に分析試験又は他の試験を併用し
て確認を行わなければならない。
8. 鋼種推定の基準
8.1 鋼種推定方法 次に示す火花特性及び火花スケッチ例を参考として,標準試料と比較して鋼種を推
定する。
(1) 炭素鋼の火花特性 表1,図2,図3に炭素鋼の火花特性を示す。
(2) 炭素鋼の火花スケッチ例 付図1-1付図1-8に炭素鋼の火花スケッチ例を示す(3)。
また,付図1-9及び付図1-10にリムド鋼の火花スケッチ例を示す。
注(3) 特に記載のない限り,火花スケッチ例はキルド鋼とする。
表1 炭素鋼の火花特性表
注(4) 破裂はないが、とげは認められる。
――――― [JIS G 0566 pdf 3] ―――――
4
G 0566-1980
図2 炭素鋼の火花特性図
図3 炭素鋼火花の特徴(炭素破裂)
――――― [JIS G 0566 pdf 4] ―――――
5
G 0566-1980
(3) 合金元素の火花特性 表2及び図4に合金元素の火花特性を示す。
(4) 合金鋼の火花スケッチ例 付図2-1付図2-30に合金鋼の火花スケッチ例を示す。
表2 火花特性に及ぼす合金元素の影響
影 合 流線 破裂 特徴
響 金
大 元 手ごたえ
別 素 色 明るさ 長さ 太さ 色 形 数 花粉 形 位置
炭 複雑,細か
素 Mn 明るい
黄みの白色 短い 太い 白色 多い あり 軟らかい 花粉 中央
破 い樹枝状
裂 Cr 暗い
だいだい色 短い 細い だいだい色菊状花 硬い
変わらない あり 花 先端
助
長 V 変化少ない 変化少ない細かい 多い − − − −
細い,波 小滴 きつねの
W 暗い赤色 暗い 短い 赤色 少ない なし 硬い 先端
状と断続 きつねの尾 尾
炭
素 Si 黄色 暗い 短い 太い 白色 白玉 少ない なし − 白玉 中央
破
裂 ふくれせん ふくれせ
阻 Ni 赤みの黄色
暗い 短い 細い 赤みの黄色 少ない なし 硬い 中央
光 ん光
止
赤みのだい 赤みのだい
Mo 暗い 短い 細い やり先 少ない なし 硬い やり先 先端
だい色 だい色.
図4 合金元素による火花の特徴
8.2 甲種推定の手順
8.2.1 火花試験方法により鋼種を推定する手順を,表3-1及び表3-2に示す。
8.2.2 まず炭素破裂の有無により,炭素鋼,低合金鋼の群と高合金鋼の群に大別する(表3-1の第1分類
及び表3-2の第1分類)。
8.2.3 炭素鋼,低合金鋼の場合
(1) まず炭素破裂の多少によってC%を推定し,0.25%C以下と,0.25%Cを超え0.5%C以下と,0.5%Cを
――――― [JIS G 0566 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS G 0566:1980の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 0566:1980の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR6210:2006
- ビトリファイド研削といし