JIS G 1218:1994 鉄及び鋼―モリブデン定量方法 | ページ 5

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7.2.3.1 試料溶液 試料溶液A(7.2.1)25.0mlを分取し,分液漏斗(5.1)に移し入れる。
全量ピペットを用いて,振り混ぜながら以下の順序で試薬を加える。
− 銅(II)溶液(4.11)5ml
− 塩酸(4.5)10ml
− L (+) −アスコルビン酸溶液(4.9)5ml
溶液の色の強度が減少するまで3分間放置する。酢酸ブチル(4.2)25.0mlを加え,分液漏斗を逆さま
にして溶液を混合する(6)。
注(6) すべての溶液は例外なく,特にモリブデン錯体を抽出する酢酸ブチル(4.2)は全量ピペットで添
加することが重要である。
直ちに,チオシアン酸アンモニウム溶液(4.10)5mlを全量ピペットで加え,1分間穏やかに振り混ぜてモ
リブデン化合物を有機相に抽出する。静置して,2層に分離させる。
2層に十分に分離したら,水相を取り除いて捨てる。全量ピペットを用いて,塩化すず(II)・塩化銅(II)
溶液(4.12)10mlを分液漏斗に加える。約1分間振り混ぜ,2層に分離するまで放置した後,水相を取り除い
て捨てる。有機相をすり合わせ栓付きのフラスコに集める(7)。
注(7) 有機相が汚染されないよう注意しなければならない。しかし,有機相にわずかな水滴が懸濁す
ることは避けられない。これらの水滴は十分に時間をおいてフラスコ底部に集めない限り,吸
光度測定の妨害となる。
7.2.3.2 対照溶液 対照溶液B(7.2.2参照)25.0mlを分取して分液漏斗に移し入れ,以下,7.2.3.1の第2
段落の始めからの手順に従って操作する。
7.2.4 吸光度の測定 吸収セル(5.3)を用い,波長470nm付近で,あらかじめ対照溶液を用いて(7.2.3.2
参照)ゼロ合せをした分光光度計(5.2)で,試料溶液(7.2.3.1参照)の吸光度を測定する。次の光路長の吸
収セルを使用する。
− Mo含有率<0.025% (m/m) : 2cm
− Mo含有率>0.025% (m/m) : 1cm
2cm吸収のセルを使用する際は,その光路長が検量線作成に使用した1cmの吸収セルの光路長の正
確に2倍であることを確認しておかなければならない。
V/Mo比が16以上及び/又はW/Mo比が8以上の場合は,抽出した後,30秒以内に吸光度を測定す
る。
7.3 検量線の作成
7.3.1 吸光度の測定に光路長1cmの吸収セルを使用する検量線溶液の調製 06までの番号を付けた6
個組の分液漏斗に,附属書4表1に示した量の試薬を,連続して加える。
それぞれの分液漏斗を振り混ぜ,溶液の色の強度が減少するまで3分間放置する。
それぞれの分液漏斗に酢酸ブチル(4.2)25.0mlを加え,漏斗を逆さまにして溶液を混合する。
以下,7.2.3.1の第3段落の最後である注(6)の直後からの手順に従って操作する。
7.3.2 吸光度の測定 あらかじめゼロメンバー(附属書4表1参照)でゼロ合せをした分光光度計(5.2)
で,7.2.4に従って,検量線溶液(7.3.1参照)の吸光度を測定する。
7.3.3 検量線の作図 測定溶液中のモリブデン濃度( 最一 に対する吸光度をプロットして検量
線を作成する。

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附属書4表1 検量線作成における試薬添加量
試薬 検量線溶液番号とその体積 ml
01) 1 2 3 4 5
鉄溶液(4.13) 10 10 10 10 10 10
銅(II)溶液(4.11) 5 5 5 5 5 5
標準モリブデン溶液(4.14.2) 0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0
塩酸(4.6) 25 20 15 10 5 0
5
L (+) −アスコルビン酸溶液(4.9) 5 5 5 5 5
1)ゼロメンバー
8. 結果の表示
8.1 計算方法 7.3.3で作図した検量線を使用して,7.2.4で測定した吸光度を呈色試料溶液中のモリブデ
ンの相当濃度 ( 最一 ‰歙 換する。
モリブデン含有率(質量百分率)WMOを,次の式によって算出する。
50 V2 1 1 1
WMo= MO V1
V0 20 m 10 4 b
50 100 1 14 1
= MO 25
25 20 m 10 b
1 1
= MO
40m b
MO
=
40mb
ここに, V0 : 定量に使用した試料溶液の量 (ml) (7.2.3.1参照)
V1 : 定量に使用した酢酸ブチルの量 (ml) (7.2.3.1参照)
V2 : 試料溶液の量 (ml) (7.2.1参照)
呈色溶液中のモリブデン濃度 (最一
m : 試料はかり採り量 (g) (7.1)
b : 使用した吸収セルの光路長 (cm)
8.2 許容差 この方法の共同実験は,10水準のモリブデン含有率試料を用いて,8か国,16分析室が実
施し,各分析室は各水準でそれぞれ3回ずつモリブデンを定量した(8)(9)。
分析に供した試料は,附属書4参考A表A.1に示した。
得た結果は,ISO 5725に従って統計的に解析した。5個の試料で得たデータは,附属書4表2にまとめ
たように,モリブデン含有率と分析結果(10)の併行許容差 (r) 及び再現許容差(R及びRwとの間に対数的
比例関係があり,許容差データを附属書4参考B図B.1に示した。
注(8) 3回のうちの2定量は,ISO 5725に規定されている併行測定条件のもとで実験した。すなわち,
一人の分析者が同一装置,同一条件,同一検量線で最小の時間内での実験である。
(9) 3番目の定量は,異なった時間(異なった日)に,注(8)と同じ分析者が同じ装置を用いて新し
い検量線で求めた。
(10) 1日目に得られた2個の値から,併行許容差 (r) 及び再現許容差 (R) をISO 5725に規定された
方法で算出した。1日目に得られた最初の値と,2日目に得られた値から,室内再現許容差 (R)
を算出した。

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附属書4表2 併行許容差及び再現許容差の結果
モリブデン含有 併行許容 再現許容差
率 差 R Rw
% (m/m) r
0.005 0.000 6 0.001 8 0.001 2
0.01 0.000 8 0.002 3 0.001 5
0.02 0.001 2 0.002 8 0.001 9
0.05 0.001 8 0.003 7 0.002 5
0.10 0.002 5 0.004 6 0.003 2
0.125 0.002 8 0.005 0 0.003 5
9. 分析報告書 この分析報告書には,次の情報を集めなければならない。
a) 試料,分析室及び分析月日を証明するのに必要なすべての情報
b) この附属書4(規定)の引用
c) 結果及び表示様式
d) 定量に際して注目された異常な特徴
e) この附属書4(規定)に規定されていない操作,又は結果に影響を与えるようなすべての任意の操作。

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附属書4参考A 国際共同実験に関する付加情報
実験結果は,1992年4月に発行したISO/TC 17/SC 1 N 936の文書に報告されている。すべての試料の許
容差データを附属書4参考Bに図示するとともに,低濃度の5試料について許容差式を併記した。
使用した試料及び実験結果は,附属書4表A.1に示した。
附属書4表A.1 使用した試料及び実験結果
試料 モリブデン含有率 許容差データ
% (m/m)
認証値 分析値 併行許容 再現許容差
WMO, 1 WMO, 2 差 R Rw
r
ECRM 096-1(普通鋼) 0.003 0.002 7 0.002 8 0.000 5 0.002 0 0.001 5
[V : 0.003 6% (m/m) ]
ECRM 48H(鋳鉄) 0.011 0.010 9 0.010 9 0.000 9 0.002 1 0.001 4
BCS 405(低合金鋼) 0.017 0.015 6 0.015 8 0.000 8 0.001 8 0.000 9
[V : 0.32% (m/m) ]
JSS 651-10(ステンレス鋼) 0.054 0.054 9 0.054 8 0.002 0 0.003 4 0.002 6
BCS 455-1(低合金鋼) 0.140 0.132 0.132 0.003 1 0.006 8 0.004 8
[W : 0.20% (m/m) ]
JSS 606-8(高速度鋼) 0.58 0.549 0.552 0.011 0 0.065 4 0.013 4
[V : 0.83% (m/m) , W :
17.16% (m/m) ]
F-112-1(低合金鋼) 1.21 1.274 1.272 0.025 4 0.075 6 0.037 9
[V : 0.60% (m/m) , W :
1.78% (m/m) ]
ECRM 283-1(高合金鋼) 3.41 3.440 3.434 0.085 9 0.190 0.114
[V : 3.28% (m/m) , W :
9.66% (m/m) ]
ECRM 285-1(高合金鋼) 5.07 5.061 5.073 0.093 6 0.339 0.169
[V : 0.02% (m/m) ]
NIST 153a(工具鋼) 8.85 8.840 8.833 0.199 0.428 0.177
[V : 2.06% (m/m) , W :
1.76% (m/m) ]
WM0, 1 : 日内総平均
WM0, 2 : 日間総平均

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附属書4参考B 許容差データの図
logr=0.485 2 logWMO.1−2.115
logRw=0.327 9 logWMO.2−2.172
logR=0.309 0 logWMO.1−2.202 5
ここに, WMO.1 : 日内で得たモリブデン含有率 [% (m/m) ] の平均値
WMO.2 : 日間で得たモリブデン含有率 [% (m/m) ] の平均値
附属書4図B.1 モリブデン含有率 (WMO) と併行許容差 (r) 及び再現許容差(RとRw)との
対数的比例関係

――――― [JIS G 1218 pdf 25] ―――――

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JIS G 1218:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 1218:1994の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG1201:2014
鉄及び鋼―分析方法通則
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISZ8402:1991
分析・試験の許容差通則