JIS G 1257-17-1:2013 鉄及び鋼―原子吸光分析方法―第17部:アンチモン定量方法―第1節:よう化物抽出フレーム法 | ページ 2

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試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。
b) 王水15 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。放冷した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取
り除く。洗液は,ビーカーに入れる。
c) 少量の水を加え,溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,4060 ℃に温めた塩酸(2+100)及び温水
を用いてろ紙に塩化鉄(III)による黄色が認められなくなるまで洗浄し,ろ液及び洗液を合わせる。
残さは捨てる。
なお,溶液中に二酸化けい素などの残さがない場合は,このろ過操作を省略してもよい。
d) 硫酸(1+1)5 mLを加え,穏やかに加熱し,僅かに塩類が析出し始めたらビーカーを低温部に移し,
引き続き加熱して硫酸の白煙を発生させる。室温まで放冷した後,塩酸(1+1)10 mLを加え,少し
加熱して塩類を溶解し,室温まで冷却する。

7.2 アンチモンの抽出分離

  7.1 d) で得た溶液に,L(+)-アスコルビン酸溶液1)(5.6)10 mLを加えてよく振り混ぜた後,約5分間放
置する。溶液を分液漏斗(100 mL)に少量の水を用いて移し入れ,よう化カリウム溶液(5.5)10 mLを加
え,水で液量を約50 mLとする。TOPO-4-メチル-2-ペンタノン溶液(5.8)を正確に10 mL加え,1分間激
しく振り混ぜ,静置して二層に分離した後,下層の水相を捨て,有機相を,乾いたろ紙(5種A)を用い
て栓付き容器にろ過する。

7.3 吸光度の測定

  7.2で得た有機相の一部を,4-メチル-2-ペンタノンを用いてゼロ点を調節した原子吸光分析装置のアセチ
レン・空気フレーム中に噴霧し,アンチモン中空陰極ランプ又はアンチモン無電極放電ランプから放射さ
れる波長217.6 nmの光の吸光度を測定する。

8 空試験

  9.1で調製する,アンチモン標準液(5.10)添加量ゼロの検量線用溶液(ゼロメンバー)を空試験液とし,
9.2で得る,ゼロメンバーを抽出した有機相の吸光度を,空試験液の吸光度とする。

9 検量線の作成

9.1 検量線用溶液の調製

  表1のアンチモン含有率の範囲ごとに7個のビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに表1の試料はか
りとり量と同量の鉄(5.4)をはかりとって移し入れ,時計皿で覆う。ただし,表1の値を1 mgの桁まで
ゼロが続いた値としてはかりとる(例 : 1.0 gは1.000 gとしてはかりとる。)。次に,表2に従ってアンチ
モン標準液(5.10)をそれぞれに正確に加える。以下,7.1のb) d) の手順に従って,試料と同じ操作を
試料と併行して行って検量線用溶液を調製する。
表2−検量線用溶液へのアンチモン標準液添加量
アンチモン含有率 アンチモン標準液(5.10)の添加量
質量分率 (%) mL
0.001 5 以上 0.030 未満 0,1,2,4,6,8,10
0.030 以上 0.050 以下 0,1,2,4,6,8,10

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9.2 検量線の作成

  9.1で得た検量線用溶液の各液について7.2及び7.3の手順に従って,試料溶液と同じ操作を試料溶液と
併行して行い,得た吸光度と添加したアンチモン量との関係線を作成し,その関係線を,原点を通るよう
に平行移動して検量線とする。

10 計算

  7.3及び箇条8で得た吸光度を,9.2で作成した検量線を用いてアンチモン量に変換し,試料中のアンチ
モン含有率を,次の式によって算出する。
m1 m0 m02
Sb 100
m
ここに, Sb : 試料中のアンチモン含有率[質量分率(%)]
m1 : 試料溶液中のアンチモン検出量(g)
m0 : 空試験液中のアンチモン検出量(g)
m02 : 空試験液調製ではかりとった鉄(5.4)中のアンチモン量(g)
[鉄(5.4)中のアンチモン含有率(質量分率)が0.000 15 %
未満で,値が特定されていない場合は,アンチモン量を0
とする。]
m : 試料はかりとり量(g)

11 許容差

  許容差は,表3による。
表3−許容差
単位 質量分率(%)
アンチモン含有率 室内再現許容差 室間再現許容差
0.001 5以上 0.050以下 f (n)×[0.019 2×(Sb)+0.000 27]
f (n)×[0.017 0×(Sb)+0.000 34]
許容差計算式中のf (n) は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容
差の場合は同一分析室内における分析回数,室間再現許容差の場合は分析に関与した分析室数である。
また,(Sb) は,許容差を求めるアンチモン定量値の平均値[質量分率(%)]である。
注記 これらの許容差は,アンチモン含有率(質量分率)0.001 %以上0.05 %未満の試料を用い,共同
実験した結果から求めたものである。

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