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警告 ふっ化水素酸は,皮膚及び粘膜に対して非常に刺激性及び腐食性があり,治療に時間が
かかる激しい皮膚の炎症を引き起こす。皮膚に接触した場合には,水でよく洗い,医者
に相談する。
4.6 ランタン溶液 200gLa/l
塩化ランタン六水和物 (LaCl3・6H2O) 250gをはかり取って,ビーカー (600ml) に移し入れる。塩酸
(4.1)25ml及び水300mlを加える。完全に溶解するまでかき混ぜる。必要ならろ過し,全量フラスコ500ml
に入れ,水を標線まで加える。
4.7 (12gNi+28gFe) /l
ニッケル・鉄マトリックス溶液
4.7.1 高純度ニッケル粉末[コバルトの含有率が0.001% (m/m) 以下のもの]12.0gをはかり取ってビーカ
ー (800ml) に移し入れ,水50ml及び硝酸 ( 1.41g/ml) 50mlを加える。最初の反応が終了してから,か
き混ぜ,加熱して完全に分解する。水を加えて液量を約250mlとする。
4.7.2 高純度鉄粉末[コバルトの含有率か0.001% (m/m) 以下のもの]28.0gをはかり取ってビーカー
(800ml) に移し入れ,塩酸 (1+1) 100mlを加える。注意深く硝酸 ( 1.41g/ml) 50mlを加え,完全に分解
し,鉄が酸化するまで加熱する。水を加えて液量を約250mlとする。
4.7.3 ニッケル溶液(4.7.1)を鉄溶液(4.7.2)に注意深く加え,全量フラスコ1 000ml中にろ過し,水を標線
まで加える。
4.8 コバルト標準溶液 (0.500gCo/l)
高純度コバルト粉末[純度99.9% (m/m) 以上のもの]0.500gを0.001gのけたまではかり取って,ビーカ
ー (600ml) に移し入れ,硝酸(4.3)40mlを加える。完全に溶解するまで加熱し,穏やかに煮沸して窒素酸化
物を除去した後,放冷し,あらかじめ硝酸(4.3)160mlを入れてある全量フラスコ1 000mlに移し入れる。
水を標線まで加える。
この標準溶液の1mlは,コバルト0.500mgを含む。
5. 装置
装置は,通常の実験装置及び次のものを用いる。
5.1 原子吸光分析装置 アセチレン・空気フレームを利用できるラミナーフローバーナー及びコバルト
の中空陰極ランプを装備したもの。
5.2 ビュレット 容積50mlで,0.1ml刻みに目盛された,JIS R 3505クラスAのビュレット又はISO 385-1
クラスAのビュレット。
5.3 ガラスビーカー 容積600mlで,きれいで,侵食がなく,底が平らなもの。
5.4 ピペット 容積25ml及び50mlで,JIS R 3505クラスAのピペット又はISO 648クラスAのピペッ
ト。
5.5 全量フラスコ 容積250ml, 500ml及び1 000mlで,JIS R 3505クラスAの全量フラスコ又はISO 1042
クラスAの全量フラスコ。
5.6 ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) ビーカー 容積600ml,けい素の含有率の高い試料に使用す
る。
6. サンプリング及び試料
6.1 サンプリング及び実験室試料の調製は,同意された方法,又は同意が得られない場合には関連する
国際規格によって,実施されなければならない。
――――― [JIS G 1326 pdf 21] ―――――
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6.2 実験室試料は,一般に粉,細粒,削り粉又は切り粉であり,それ以上の試料調製を必要としない。
6.3 実験室試料が,ミル又はドリルを用いた調製の過程で油又はグリスに汚染されているおそれがある
ときは,高純度アセトンで洗浄した後,空気中で乾燥する。
6.4 実験室試料が,広範囲な大きさの粒子及び片を含む場合は,分析試料は,二分器を通すのがよい。
7. 操作
警告 過塩素酸白煙は,強力な酸化剤であり,有機物質と接触すると爆発性の混合物を生じる。
蒸発は,すべて過塩素酸用に適したドラフト中で行うことが望ましい。
7.1 試料のはかり取り
実験室試料3.94.1gをはかり取り,0.001gのけたまで読み取る。これをガラスビーカー(5.3)に移し入れ
る。
7.2 空試験
空試験は,定量操作と並行して,同じ操作で,全試薬の同量を用いて行う。
7.3 試料溶液の調製
7.3.1 はかり取った試料(7.1)に,水25mlを添加し,引き続き硝酸 (1+1) 50mlを添加して分解する。ビ
ーカーを時計皿で覆い,必要なら,完全に分解するまで穏やかに加熱する。
注 けい素の含有率が1% (m/m) 以上のフェロニッケル試料に対しては,ポリテトラフルオロエチレ
ンビーカー(5.6)を使用する。水25ml,硝酸(4.3)40ml及び塩酸(4.1)10mlを順次添加して,試料を
分解する。発泡が終わったら,ふっ化水素酸(4.5)10ml及び過塩素酸(4.4)40mlを添加し,過塩素酸
の白煙が発生するまで加熱して試料を完全に分解する。放冷した後,その溶液の全量をガラスビ
ーカー(5.3)に移し入れる。多量の白煙が発生するまで260℃で加熱する。ビーカーを時計皿で覆
い,さらに,この温度で20分間加熱を継続した後,7.3.2の“熱板からビーカーを降ろし,放冷
する。”以降の手順の操作を行う。
7.3.2 金属が分解したら,過塩素酸(4.4)40mlを加え,多量の白煙が発生するまで260℃で加熱する。ビー
カーを時計皿で覆い,さらに,この温度で20分間加熱する。熱板からビーカーを降ろし,放冷する。塩酸
(4.1)20ml及び温水200mlを加える。中程度の孔径のろ紙(5種B)を用いて二酸化けい素をろ別し,ろ液
を全量フラスコ1 000mlに受ける。塩酸(4.2)でビーカーをすすぎ,二酸化けい素の沈殿を3回洗浄し,次
に,温水で4回洗浄する。二酸化けい素の沈殿を捨てる。ランタン溶液(4.6)50mlをろ液に加え,水を標線
まで加える(試料溶液A)。
7.4 検量線溶液の調製
7.4.1 検量線溶液A
7.4.1.1 6個のビーカー (150ml) に,それぞれニッケル・鉄マトリックス溶液(4.7)50.0mlを移し入れる。
7.4.1.2 ビュレット(5.2)を用いて,コバルト標準溶液(4.8)をそれぞれ,0ml,1.0ml,2.0ml,3.0ml,5.0ml
及び10.0ml添加する。過塩素酸(4.4)20mlを加え,白煙が発生し始めるまで加熱する。放冷した後,水50ml
を加え,その全量を,塩酸(4.1)10mlを入れてある全量フラスコ500mlに移し入れる。ランタン溶液(4.6)25ml
を加え,水を標線まで加える。
7.4.2 検量線溶液B
7.4.2.1 6個のビーカー (150ml) に,それぞれニッケル・鉄マトリックス溶液(4.7)5mlを移し入れる。
7.4.2.2 7.4.1.2による。
7.5 検量線の作成及び定量
――――― [JIS G 1326 pdf 22] ―――――
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G 1326 : 2000
7.5.1 コバルトの含有率が0.025% (m/m) 以上0.25% (m/m) 未満と予想される場合
試料溶液A(7.3.2)及び検量線溶液A(7.4.1)を測定する。
7.5.1.1 コバルトの中空陰極ランプを取り付け,測定波長を240.7nmに調整し,取扱説明書に従って原子
吸光分析装置の測定条件を設定する。
7.5.1.2 バーナーに点火し,水を噴霧しながら,少し酸化性で透明感があり蛍光のないフレームが得られ
るよう,空気及びアセチレンの流量を調整する。
7.5.1.3 試料溶液A(7.3.2)をフレーム中に噴霧し,吸光度の指示値を記録する。
7.5.1.4 水を噴霧し,指示値がゼロに戻るのを確認する。
7.5.1.5 検量線溶液A(7.4.1)を,濃度の低い順に噴霧し,その吸光度の指示値を記録する。それぞれの測
定の間には,水を噴霧する。
7.5.1.6 空試験溶液を噴霧し,その指示値を記録する。
7.5.1.7 試料溶液,空試験及び検量線溶液の測定を繰り返し,指示値の再現性を確認する。
備考1. 再現性に乏しい場合は,装置の不調又は各溶液間の吸引速度の変化の可能性がある。
2. 試料溶液の測定値が,試料溶液のコバルトの濃度とできるだけ近い濃度の2個の検量線溶液
の測定値の間にあることを確認する。
7.5.2 コバルトの含有率が0.25% (m/m) 以上2.5% (m/m) 以下と予想される場合
7.5.2.1 試料溶液A(7.3.2)25.0mlをピペットを用いて分取し,全量フラスコ250ml中に移し入れる。ラン
タン溶液(4.6)12ml,過塩素酸(4.4)10ml及び塩酸(4.1)5mlを加える。水を標線まで加える(試料溶液B)。
7.5.2.2 空試験(7.2)を7.5.2.1と同様に希釈する。
7.5.2.3 7.5.1と同様に,試料溶液B(7.5.2.1),空試験(7.5.2.2)及び検量線溶液B(7.4.2)を測定する。
7.6 検量線の作成
検量線溶液のそれぞれの吸光度の指示値から濃度ゼロの吸光度の指示値を差し引いたものを,検量線溶
液中のコバルトの濃度に対してプロットする。
備考 装置の中には,分析元素の濃度を直接読み出せるように設定できるものもある。吸光度と濃度
の検量線は,直線性と指示値の妥当性を確認してプロットすることが望ましい。
8. 結果の表現
8.1 計算
8.1.1 試料溶液及び空試験中のコバルトの濃度を検量線から求める。
8.1.2 コバルトの含有率は,質量百分率で表示し,次の式によって算出する。
V 1− 0 10−4
Co= f
m
ここに, Co : コバルトの含有率 [% (m/m) ]
試料溶液中のコバルトの濃度 (mg/l)
空試験溶液中のコバルトの濃度 (mg/l)
m : はかり取った試料の質量 (g)
V : 試料溶液の量 (ml)
f : 試料溶液の希釈倍率(試料溶液Bの場合,f=10)
8.2 精度
4か国の7分析室間で,この附属書に規定された方法による共同実験が実施された。ニッケルの含有率
が2141% (m/m) の市販のフェロニッケル8試料中の0.61.3% (m/m) のコバルトを定量した。
――――― [JIS G 1326 pdf 23] ―――――
23
G 1326 : 2000
ISO 5725に従い計算した並行許容差及び室間再現許容差を附属書3表1に示す。より低いコバルトの濃
度では,並行許容差及び室間再現許容差がより小さい値になるものと思われる。
附属書3表1 統計解析結果
ニッケルの含有率% (m/m) 2025 2540
コバルトの含有率% (m/m) 0.7 0.71.3
標準偏差−室内,Sw 0.021 0.044
標準偏差−室間,Sb 0.013 0.028
並行許容差,r 2
.283 Sw 0.06 0.12
室間再現許容差, R 2
.283
Sw
2
Sb 0.07 0.15
9. 特別な場合
ジメチルグリオキシム重量法によるニッケルの定量の試料溶液(附属書1の7.5.11)を用いるときは,
7.5.2の操作手順に従って,適当な量を分取するものとし,ランタンを添加してコバルトを定量する。
10. 分析報告書
分析報告書には,次の情報を記載しなければならない。
a) 用いた引用規格
b) 分析結果
c) 独立した繰返し分析数
d) 分析の際の通常と異なる点
e) この附属書に含まれない操作又は付加的な操作とみなすことができるもの。
――――― [JIS G 1326 pdf 24] ―――――
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附属書4(規定) 炭素定量方法−燃焼−電量法
1. 要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を十分に酸化して二酸化炭素とし,一定のpHにした弱アル
カリ性のバリウム塩溶液に吸収させ,吸収によって減少したpHをバリウム塩溶液の電解によって元のpH
に戻すために要した電気量を測定する。
2. 試薬 試薬は,JIS Z 2615の6.7.2による。
3. 装置,器具及び材料 装置,器具及び材料は,通常JIS Z 2615の6.7.3及び5.による。
4. 試料のはかり取り量 試料(1)はかり取り量は,使用する装置に最も適した量とし,0.1mgのけたまで
読み取る。助燃剤は,JIS Z 2615の5.(13)に示したものから最も適したものを選び,使用する装置に適し
た量を試料に添加してよく混合するか,試料の上を覆うようにする。
注(1) 炭素定量用の試料は,通常厚さ1mm未満に切断又は打砕しておく。
5. 準備操作 準備操作は,JIS Z 2615の6.7.4による。
なお,管状電気抵抗加熱炉を用いる場合は,燃焼管内温度を1 2601 350℃(2)に保つ。
また,高周波誘導加熱炉を用いる場合には,高周波誘導加熱に関する条件(3)を設定する。
注(2) 温度計の温度指示値と燃焼管内の温度との差に注意して補正する。
(3) 例えば,高周波発振機の陽極電流,格子電流など,使用する装置の仕様に応じて決められた条
件のことである。
6. 定量操作 定量操作は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 管状電気抵抗加熱炉を用いる場合 JIS Z 2615の6.7.5による。
b) 高周波誘導加熱炉を用いる場合
1) 試料及び助燃剤を入れたるつぼを受台に置き,燃焼管を閉じる。指定された流量で酸素を送入して
管内の空気を置換した後,高周波誘導加熱炉を作動させ,同時に指示値をゼロに戻す(試料が燃焼
し,二酸化炭素の吸収が始まると,指示値が次第に増加する。)。
2) 指示計が一定値を示したとき指示値を読み取る。
7. 空試験 空試験は,次のいずれかによる。
a) 管状電気抵抗加熱炉を用いる場合 JIS Z 2615の6.7.6による。
b) 高周波誘導加熱炉を用いる場合 試料を入れないで,試料に添加した量と同量の助燃剤を入れたるつ
ぼを用いて6.b)の操作を行う。
なお,高周波を誘導しない助燃剤を用いる場合は,炭素の含有率が既知でできるだけ低い鉄など0.5
1.0gを助燃剤に追加して行い,追加した鉄などの炭素の量を補正する。
8. 計算 計算は,JIS Z 2615の6.7.7による。
――――― [JIS G 1326 pdf 25] ―――――
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JIS G 1326:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11400:1992(MOD)
- ISO 6352:1985(MOD)
- ISO 7520:1985(MOD)
- ISO 7524:1985(MOD)
- ISO 7526:1985(MOD)
- ISO 7527:1985(MOD)
- ISO 8343:1985(MOD)
JIS G 1326:2000の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1326:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1301:2016
- フェロアロイ―分析方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則