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q) ニッケル標準溶液 (100 最一椀一 ‰ ッケル(99.5%以上)1.000gをはかり取り,ビーカー (300ml
移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 30mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで放冷した
後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を全量フラスコ1 000mlに水を用いて移し入
れ,水を標線まで加えて原液 (1mgNi/ml) とする。使用の都度,この原液を必要量だけ正確に水で10
倍に希釈してニッケル標準溶液とする。
r) ブロモチモールブルー溶液 (1g/l)調製方法は,JIS K 8001の4.4による。
s) ムレキシド希釈粉末 ムレキシド0.5gと乾燥した塩化ナトリウム50gとを混ぜ,乳鉢で十分にすり合
わせて均一にする。
t) Cu-PAN溶液 Cu-PAN[Cu-EDTAと1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトールの混合物]1gを2-プロパノ
ール (50v/v%) 100mlに溶解する。
u) キシレノールオレンジ溶液 (1g/l)
3. 試料のはかり取り量 試料のはかり取り量は,ニッケルの含有率に応じて,附属書2表1に従っては
かり取り,0.1mgのけたまで読み取る(1)。
附属書2表1
試料のはかり取り量
試料中のニッケルの含有率
% (m/m) g
15以上30未満 0.802.0
30以上60以下 0.401.0
注(1) 試料は附属書2表1に従うとともに,ニッケルの量が200300mgとなる量をはかり取る。
4. 操作
4.1 試料の分解 試料の分解は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 30mlを加え,穏やか
に加熱して分解する。過塩素酸30mlを加え,加熱蒸発して過塩素酸の蒸気がビーカーの内壁を伝わ
って逆流する状態になった後,約20分間加熱を継続し,試料を十分に分解する。
b) 放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml及び温水約50mlを加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。時計皿の下
面を温水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,約4060℃に加熱し
た塩酸 (1+9) で3, 4回洗浄し,次いで温水で十分に洗浄する(2)。ろ液及び洗液を常温まで放冷した
後,全量フラスコ500mlに水を用いて移し入れ,水を標線まで加える。
注(2) この残さ中にニッケルを含むおそれのあるときは,残さをろ紙と共に白金るつぼ(30番)に移
し入れ,ろ紙を乾燥した後,穏やかに加熱して灰化する。放冷した後,硫酸 (1+1) 2,3滴を加
えて湿し,ふっ化水素酸35mlを加え,飛まつが飛ばないように注意しながら加熱して二酸化
けい素及び硫酸を揮散させる。放冷した後,二硫酸ナトリウム23gを加え,穏やかに加熱し
て融解する。放冷した後,融成物を少量の温水及び塩酸約1mlで溶解し,ろ液及び洗液に加え
る。
4.2 沈殿の生成及び分離 沈殿の生成及び分離は,次の手順によって行う
a) 4.1b)で得た溶液から50mlを分取してビーカー (500ml) に移し入れ,酒石酸溶液25mlを加え,水を加
えて液量を約300mlとする。
b) この溶液にブロモチモールブルー溶液[2.r) ]2,3滴を指示薬として加え,溶液をかき混ぜながら,アン
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モニア水を溶液の色が黄色から緑に変わるまで滴加し,更に,過剰に約5mlを加える(3)。加熱して液
温を約70℃とし,溶液をかき混ぜながら,溶液中のニッケル及びコバルトの合量10mgに対してジメ
チルグリオキシム溶液[2.n) ]を4mlの割合で加え,更に過剰に20mlを加える。溶液を約30秒間激しく
かき混ぜた後,引き続き加熱して液温を約70℃に約10分間保ち,更に室温に約2時間放置(4)して,
ニッケルジメチルグリオキシムの沈殿を熟成する。
c) 沈殿をろ紙(5種A)を用いてこし分け,洗浄液[2.j) ]で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は保存する(5)。
d) ろ紙上の沈殿を温水で元のビーカーに洗い落とす。約4060℃に加熱した硝酸 (1+1) 20mlをろ紙上
から滴加して,ろ紙上に残った沈殿を分解し,ろ紙を温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は元のビ
ーカーに合わせ,45分間煮沸してジメチルグリオキシムニッケルを分解する。
注(3) この溶液は透明でなければならない。また,このときのpHは約9.5である。
(4) 約30分間水冷して沈殿を熟成してもよい。
(5) ろ液及び洗液中に残留するニッケルを4.4で定量して,結果を補正するために保存する。
4.3 滴定 滴定は,次のいずれかの手順によって行う。
a) ムレキシドを指示薬とする場合
1) 4.2d)で得た溶液を加熱蒸発して,23mlとなるまで濃縮する。放冷した後,水約30mlを加える。
2) 酒石酸溶液[2.k) ]1mlを加え,溶液をかき混ぜながらアンモニア水 (1+1) を溶液の色が緑から青緑
に変わるまで滴加し,更に過剰に10mlを加えた後,水を加えて液量を約100mlとする(6)。この溶
液を常温まで放冷した後,ムレキシド希釈粉末[2.s) ]約0.1gを指示薬として加え,0.02mol/lEDTA標
準溶液[2.o) ]で滴定し,溶液の色が黄色から紫に変わる点を終点とし,0.02mol/lEDTA標準溶液の使
用量を求める。
b) u-PANを指示薬とする場合
1) 4.2d)で得た溶液に,水を加えて液量を約150mlとする。
2) これにCu-PAN溶液[2.t) ]5滴を指示薬として加え,溶液をかき混ぜながら酢酸アンモニウム溶液[2.l) ]
を少量ずつ加え,溶液の色が黄色から赤紫に変わってから,更に過剰に10mlを加える(7)。この溶
液を煮沸直前まで加熱し,直ちに0.02mol/lEDTA標準溶液[2.o) ]で滴定し,溶液の色が赤紫から黄色
に変わる点を終点とし,0.02mol/lEDTA標準溶液の使用量を求める。
c) キシレノールオレンジを指示薬とする場合
1) 4.2d)で得た溶液を放冷する。
2) 溶液中のニッケルの予想量10mgに対して0.02mol/lEDTA標準溶液[2.o) ]を10mlの割合で加え,更
に過剰に35mlを正確に加えた後,キシレノールオレンジ溶液35滴を指示薬として加え,溶液
をかき混ぜながらアンモニア水 (1+1) を溶液の色が黄色から赤紫に変わるまで滴加し,水を加え
て液量を約150mlとする。溶液をかき混ぜながら硝酸 (1+1) を溶液の色が赤紫から黄色に変わる
まで滴加し,更に酢酸−酢酸アンモニウム溶液[2.m) ]125mlを加え(8),約10分間放置する。この溶
液を0.02mol/l亜鉛標準溶液[2.p) ]滴定し,溶液の色が黄色から赤紫に変わる点を終点とし,0.02mol/l
亜鉛標準溶液の使用量を求める。
注(6) このときのpHは,約10である。
(7) このときのpHは4.04.3である。
(8) このときのpHは,5.55.7である。
4.4 ろ液及び洗液中のニッケルの定量 ろ液及び洗液中のニッケルの定量は,次の手順によって行う。
a) 4.2c)で保存しておいたろ液及び洗液をビーカー (500ml) に合わせ,加熱蒸発して液量が約50mlとな
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るまで濃縮し,塩酸25mlを加える。常温まで放冷した後,溶液を全量フラスコ100mlに水を用いて
移し入れ,水を標線まで加える。
b) 溶液の一部を水でゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,波長
232.0nmにおける吸光度を測定する。
c) 数個の全量フラスコ100mlを準備し,これらにニッケル標準溶液 [2.q) ]010.0ml(ニッケルとして0
1mg)を段階的に取り,それぞれに塩酸25mlを加えた後,水を標線まで加える。以下,b)の操作を
ろ液及び洗液と並行して行い,得た吸光度とニッケルの量との関係線を作成して検量線とする。
d) )で得た吸光度とc)で作成した検量線とからニッケルの量を求め,ろ液及び洗液中に残留するニッケ
ル量とする。
5. 計算 試料中のニッケルの含有率を,次の式によって算出する。
5.1 ムレキシド又はCu-PANを指示薬として用いた場合
V f+ m1
Ni 100
50
m
500
ここに, Ni : 試料中のニッケルの含有率 [% (m/m) ]
V : 4.3のa)2)又はb)2)で得た0.02mol/lEDTA標準溶液の使用量
(ml)
f : 0.02mol/lEDTA標準溶液1mlに相当するニッケルの量 (g)
m1 : 4.4d)で得たろ液及び洗液中に残留するニッケルの量 (g)
m : 試料のはかり取り量 (g)
5.2 キシレノールオレンジを指示薬として用いた場合
V1−V2 F f m1
Ni= 100
50
m
500
ここに, Ni : 試料中のニッケルの含有率 [% (m/m) ]
V1 : 4.3c)2)で得た0.02mol/lEDTA標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 4.3c)2)で得た0.02mol/l亜鉛標準溶液の使用量 (ml)
F : 0.02mol/l亜鉛標準溶液の0.02mol/lEDTA標準溶液に対するフ
ァクター
f : 0.02mol/l標準溶液1mlに相当するニッケルの量 (g)
m1 : 4.4d)で得たろ液及び洗液中に残留するニッケルの量 (g)
m : 試料のはかり取り量 (g)
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6. 分析精度 この方法による分析精度は,附属書2表2による。
附属書2表2
単位 % (m/m)
室内標準偏差(9)
試料中のニッケルの含有率 室間標準偏差(10)
15以上30未満 0.045 0.065
30以上60以下 0.065 0.105
注(9) 室内標準偏差は,同一分析室内で繰り返し分析したとき
の精度を示す。
(10) 室間標準偏差は,各分析室で2回繰り返し分析したとき
の各分析室の平均値間の精度を示す。
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附属書3(規定) コバルト定量方法−原子吸光法
序文 この附属書3は,1985年に第1版として発行されたISO 7520, Ferronickel−Determination of cobalt
content−Flame atomic absorption spectrometric methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ
となく規定したものである。
なお,この附属書で点線の下線を施した箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
この附属書3は,フェロニッケル中のコバルトの含有率をフレーム原子吸光法で定量する方法について
規定する。
この方法は,コバルトの含有率が0.025% (m/m) 以上2.5% (m/m) 以下のフェロニッケルに適用する。
2. 引用規格
JIS R 3505 ガラス製体積計
ISO 385-1 Laboratory glassware−Burettes−Part 1 : General requirements
ISO 648 Laboratory glassware−One-mark pipettes
ISO 1042 Laboratory glassware−One-mark volmetric flasks
ISO 5725 Precision of test methods−Determination of repeatability and reproducebility by inter-laboratory
tests
ISO 6352 Ferronickel−Determination of nickel content−Dimethylglyoxime gravimetric method
参考 ISO 5725は,次の規格で置き換えられている。
ISO 5725-16 : 1994 Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and results−Part 16
3. 原理
試料を硝酸及び塩酸の混酸で分解する。過塩素酸処理を行って,二酸化けい素を沈殿させ,ろ過して二
酸化けい素を除去する。妨害の可能性を除くためにランタン溶液を添加して,原子吸光分析装置のアセチ
レン・空気フレーム中に噴霧し,波長240.7nmにおける吸光度を測定してコバルトを定量する。
備考 この分析は,ISO 6352でニッケルを定量するために調製された溶液に適用することができる。
なお,実験室試料のばらつきが小さい場合は,附属書8, 附属書14又は附属書15で調製され
た試料溶液からコバルトを定量することができる。
4. 試薬
特に規定がある場合を除き,分析には,認定された分析級の試薬及び蒸留水又は同等な純度の水を用い
る。
4.1 塩酸 1.19g/ml
4.2 塩酸 1.19g/ml 希釈液 (1+9)
4.3 硝酸 1.41g/ml 希釈液 (1+1)
4.4 過塩素酸 1.61g/ml [72% (m/m) ]
4.5 ふっ化水素酸 1.14g/ml 希釈液 (1+1)
――――― [JIS G 1326 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS G 1326:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11400:1992(MOD)
- ISO 6352:1985(MOD)
- ISO 7520:1985(MOD)
- ISO 7524:1985(MOD)
- ISO 7526:1985(MOD)
- ISO 7527:1985(MOD)
- ISO 8343:1985(MOD)
JIS G 1326:2000の国際規格 ICS 分類一覧
JIS G 1326:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG1301:2016
- フェロアロイ―分析方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISZ2615:2015
- 金属材料の炭素定量方法通則
- JISZ2616:2015
- 金属材料の硫黄定量方法通則