JIS G 2403:2015 鉄鋼用アルミニウムドロス―サンプリング及び試料調製方法 | ページ 2

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表1−品位変動の大きさの区分
金属アルミニウムの品位 品位変動の大きさの区分
%(質量分率) 小 中 大
50以上 1.5未満 1.5以上5.0未満 5.0以上
30以上 50未満 1.0未満 1.0以上4.0未満 4.0以上
30未満 1.0未満 1.0以上3.0未満 3.0以上
同じロットについて,金属アルミニウム及びそれ以外の成分等,二つ以上の品位を対象とする場合に
は,いずれか大きい方の品位変動の大きさの区分による。ただし,金属アルミニウム以外の成分の品位
変動の大きさの区分については当事者間の取決めによる。
品位変動が大であるロットの取扱いについては,当事者間の協議事項とするが,事前に取り決めてお
くことが望ましい。
注記 表中の品位変動の大きさの区分の欄の数値は,標準偏差[%(質量分率)]を示す。

6.2 サンプリング方法の種類

  サンプリングは,次の3種類の方法のいずれかによる。
a) ベルトサンプリング
b) トラックサンプリング
c) 容器サンプリング

6.3 インクリメント

6.3.1  インクリメントの大きさ
インクリメントの大きさは,ロットの最大粒度に応じて,表2に示すスコップで採取できる大きさとす
る。ただし,水分試験試料の場合は,測定に必要な量を採取できるように,表2に示す容量より大きなス
コップで採取したインクリメントの大きさとしてもよい。
6.3.2 インクリメント採取用具
インクリメント採取用具は,次による。
a) インクリメント採取用スコップ インクリメント採取用スコップは,ロットの最大粒度に応じて,表
2の寸法のものを用いる。ただし,水分試験試料の場合は,表2の各部の寸法より大きな寸法のイン
クリメント採取用スコップを用いてもよい。
表2−インクリメント採取用スコップ

――――― [JIS G 2403 pdf 6] ―――――

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表2−インクリメント採取用スコップ(続き)
最大粒度 寸法 容量
mm
mm a b c d e mL
5未満 50 30 50 40 20 約 70
5以上 20未満 80 45 80 70 35 約 270
20以上 50未満 150 75 150 130 65 約1 600
最大粒度50 mm以上のものは,受渡当事者間の協定による。
b) 機械サンプリング装置 機械サンプリング装置は,次による。
1) 装置の設置 試料採取装置は,ロットを移動するときにその全量が通過する位置に設置する。
2) 試料採取器 試料採取器の開口部の大きさ(パイプ式サンプラーの場合は,直径)は30 mm以上で,
ロットの最大粒度の3倍以上の寸法でなければならない。
3) 採取間隔 採取間隔は,変えられるものであることが望ましい。
4) 偏りのチェック 装置設置後,JIS M 8100の附属書5(サンプリングの精度をチェックする実験方
法)及び附属書6(サンプリングの偏りをチェックする実験方法)によって,採取試料に偏りがな
いことを確認しておく。
5) 安全 機械サンプリング装置の設計,設置に当たっては,作業者の安全について十分な考慮を払わ
なければならない。
6) 保守及び監視 機械サンプリング装置は,試料採取器,ベルトコンベヤ,ホッパー,粉砕器など全
系統を通じて保守が容易で,清掃しやすい構造とし,腐食しない材質であることが望ましい。また,
運転中,各部の機能を監視しやすい構造であることが望ましい。
c) その他のインクリメント採取用具 積載又はこん包した鉄鋼用アルミニウムドロスの上層から下層ま
で平均的に試料を採取する方法として,パイプ式又はオーガー式サンプラーを利用する場合は,次に
よる。
1) 開口部の断面形状が円の場合は直径,円弧の場合は弦の長さが30 mm以上で,ロットの最大粒度の
3倍以上の寸法でなければならない。
2) 用具の使用に当たっては,偏りがないことを確認しておかなくてはならない。
3) ロットの最大粒度が5 mmを超える場合には,適用しないことが望ましい。
6.3.3 インクリメントの個数
ロットから採取するインクリメントの最小必要個数は,表1の品位変動の大きさの区分に従い,表3に
よる。ただし,水分試験試料は,7.5の試料調製必要量を満たすようにインクリメントの個数又は大きさを
増やして採取する。
表3−インクリメントの最小必要個数
ロットの大きさ インクリメント個数
t
品位変動区分
小 中 大
5未満 5 10 10
5以上10未満 10 20 30
10以上 15 30 60

――――― [JIS G 2403 pdf 7] ―――――

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6.3.4 インクリメントの採取方法
インクリメントの採取方法は,次による。
a) インクリメントは,6.3.2の採取用具を用い,1動作で無作為に採取する。ただし,1動作で採取する
ことが困難な場合には,無作為に指定した1か所から数動作で採取し,これを併合して一つのインク
リメントとしてもよい。
b) インクリメントは,ベルトコンベヤの落ち口,トラック車上,容器内などで採取する。
c) 採取間隔は,1ロットのサンプリング作業の途中で変えてはならない。
d) 所定のインクリメント数を採り終わっても,ロットの荷役が引き続き行われている場合には,採取を
打ち切ることなく,所定の間隔でインクリメントを採り続けなければならない。

6.4 インクリメントのまとめ方

  1ロット分の全てのインクリメントを集めて試料を作る。機械式サンプリングなどでインクリメントが
大きいときには,インクリメントごとに縮分後,これらを集めて試料としてもよい。

6.5 ベルトサンプリング

6.5.1  インクリメントの採取場所
ロットがベルトコンベヤによって移動するとき,ベルト上の特定の箇所又はその落ち口からインクリメ
ントを採取する。
6.5.2 インクリメントの採取方法
インクリメントの採取方法は,次による。
a) ランダムスタートによる系統サンプリングを行う。この場合,ロットの大きさをインクリメントの数
で除した値をもって,採取間隔を決める。
b) ベルトコンベヤを止めて採取する場合には,ベルトの所定の位置で,ベルトの全流幅1)から6.3.1で規
定する容量以上のインクリメントを採取する。この場合,ベルトの移動方向の長さは60 mm以上で,
かつ,最大粒度によって表2のaの寸法以上でなければならない。
注1) 全流幅とは,鉄鋼用アルミニウムドロスがベルトコンベヤによって移動するときに,コンベ
ヤの移動方向又は落ち口で落下方向に対してある長さ(幅)をもち,その方向に対し,ほぼ
直角な切断部をいう。
c) 運転中のベルトコンベヤから採取する場合には,ベルト上又はその落ち口において,ベルトの全流幅 1)
から6.3.2で規定する採取用具でインクリメントを採取する。全流幅から採取できない場合には,偏り
がないことを確認した後,ベルト上又はその落ち口において,全流幅の中の採取位置を無作為に選び,
規定のインクリメント採取用具によってインクリメントを採取してもよい。

6.6 トラックサンプリング

6.6.1  インクリメントの採取場所
荷役中のトラック,粉粒体運搬車又は計量容器からインクリメントを均等に採取する。
6.6.2 インクリメントの採取方法
インクリメントの採取方法は,次による。
a) トラック又は粉粒体運搬車などから荷役中に採取する場合には,車内の採取位置をランダムに定め,
荷役中に現れた積荷の新しい面から6.3.1で規定する容量以上のインクリメントを採取する。
b) 粉粒体運搬車,トラックなどで長距離の輸送をした場合に,積んだままインクリメントを採取する場
合には,ランダムに定めた採取位置から6.3.1で規定する容量以上のインクリメントを採取する。この
場合,インクリメントは,上層から下層まで平均的に採取しなければならない。

――――― [JIS G 2403 pdf 8] ―――――

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6.7 容器サンプリング

6.7.1  インクリメントの採取場所
ロットが,袋,ドラム缶及びその他の容器に入っている場合,その容器の中からインクリメントを採取
する。
6.7.2 インクリメントの採取方法
インクリメントの採取方法は,次による。
a) 容器の数が少ない場合には,全容器から層別サンプリングによってインクリメントを採取する。容器
の数が特に少ない場合には,全容器の内容全量を試料としてもよい。
b) 容器の数が多い場合には,系統的にインクリメント数相当の容器を選んで,その中から各1インクリ
メントを採取する。容器の容量が小さい場合には,選んだ各容器の内容全量をインクリメントとして
もよい。
c) 容器からインクリメントを採取する方法は,次のいずれかによる。
1) パイプ式又はオーガー式サンプラーを用いて容器の上層から下層まで平均的に採取する。
2) 内容物を異物が混入するおそれのない場所に全部空けてから,ランダムな位置からインクリメント
を採取する。

7 試料調製方法

7.1 概要

  概要は,次による。
a) インクリメントを粉砕及び縮分して,成分試験試料及び水分試験試料とする。
b) 粉砕は,7.2によって行い,試料が変質しないように注意して試料の全量を所定の粒度まで粉砕する。
c) 縮分は,7.3によって行う。
d) 分析用試料の調製は,7.4によって行う。
e) 水分試験試料の調製は,7.5によって行う。

7.2 試料の粉砕

  試料の粉砕は,次による。
a) 試料の全量を適切な粉砕機2)を用いて,5.0 mm以下の粒度に粉砕する。
注2) 例えば,高速振動試料粉砕機などがある。
b) 粉砕機は,試料を供給する前に内部を清掃しなければならない。前回粉砕した試料と異なる種類の試
料を粉砕する場合には,あらかじめそのロットから別に採取した適量の鉄鋼用アルミニウムドロスを
通して共洗いする。
c) 粉砕機の発熱などによって試料が変質しないように注意しなければならない。
d) 粉砕機内部に残留している試料は,全部取り出さなければならない。
e) 粉砕中,試料の一部が飛散したり,周囲の粉じん(塵),その他の異物が混入しないように注意しなけ
ればならない。

7.3 試料の縮分

7.3.1  縮分方法
縮分方法は,次による。
a) 試料の縮分は,次の方法のうち,1方法又は何種類かの方法を併用して行う。ただし,他の縮分方法
を用いる場合は,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS G 2403 pdf 9] ―――――

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1) インクリメント縮分方法
2) 二分器による縮分方法
3) 縮分機による縮分方法
b) 縮分は,試料全量通過の粒度5.0 mm以下の試料で行う。
c) 縮分に使用する機器は,使用前に十分に清掃しなければならない。前回縮分した試料と異なる種類の
試料を縮分する場合には,あらかじめそのロットから別に採取した適量の鉄鋼用アルミニウムドロス
を通して共洗いする。
d) 縮分中に試料の一部の飛散,試料の変質及び異物の混入がないように注意しなければならない。
7.3.2 インクリメント縮分方法
インクリメント縮分方法は,JIS M 8100の6.5.4(円すい四分方法)に規定する円すい四分方法による。
7.3.3 二分器による縮分方法
二分器による縮分方法は,次による。
a) 二分器の形状,寸法及び構造は,JIS M 8100の付図3(二分器の形式と寸法)の10番とする。
b) 試料を混合して容器に入れ,二分器の本体に均一に落下させ,試料を2分割する。そのいずれか一方
を無作為に選び試料とする。
7.3.4 縮分機による縮分方法
縮分機は,精度が十分であること及び偏りがないことを確認しておかなければならない。

7.4 分析用試料

  分析用試料の調製は,次による。
a) 再試験が可能な量を保存用試料として分取する。保存用試料は,少なくとも6か月間密封,封印して
保存する。
b) 保存用試料を分取した残りの試料を目的に合わせ,極力酸化させないように,振動ミルなどの適切な
粉砕装置を用いて0.5 mm以下又は0.1 mm以下に微粉砕する3)。粉砕後の試料をよく混合し,7.3.1の
縮分方法を用いて縮分し,1050 gの試料を3個以上調製する。
c) この試料を容器に入れて密封,封印して分析用試料とする。
注3) IS G 2404に規定する分析方法のうち,金属アルミニウムを塩酸溶解ガス容量法によって分
析する場合の粒度は,0.1 mm以下である。

7.5 水分試験試料

  水分試験試料の調製は,50 g以上の試料を3個以上調製する。

8 安全衛生及び環境に関する注意

  安全衛生及び環境に関する注意は,次のとおりである。
a) 密閉室内又は密閉空間でサンプリングを行う場合には,酸素欠乏,アンモニアガスなどの滞留に注意
しなければならない。
b) 安全帽,安全靴,マスク,防じんめがねなどを着用し,危険防止に努めなければならない。
c) 試料の組成及び性状によっては,変質,酸化,発熱などの可能性があるので,危険のないように十分
な安全対策を施し,速やかに各種試験が行われるように配慮しなければならない。
参考文献 JIS G 2404 鉄鋼用アルミニウムドロス分析方法

JIS G 2403:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 2403:2015の関連規格と引用規格一覧