5
H 1272 : 1998
6.5 空試験 6.6の検量線作成操作において得られる標準銅溶液を添加しない溶液の吸光度を,空試験の
吸光度とする。
6.6 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。
a) ニッケル [6.2 b) ] を2.0gずつはかり取って数個のビーカー (200ml) に移し入れ,以下,6.4.1のb)及
びc)の手順に従って操作する(4)。
b) 標準銅溶液 [6.2 c) ] 050.0ml(銅として05000 柿 を段階的に加え,以下,6.4.1 d)及び6.4.2の手順
に従って試料と同じ操作を試料と並行して操作し,得た吸光度と銅量との関係線を作成し,その関係
線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
注(4) 6.4.1 c)で注(3)を適用した場合には,水で標線まで薄めた後,6.4.1 c)で分取した試料溶液と同量
ずつを200mlの全量フラスコに分取する。
6.7 計算 計算は,次のいずれかによる。
a) 6.4.1 c)で分取をしなかった場合 6.4.2及び6.5で得た吸光度と,6.6で作成した検量線とから銅量を
求め,試料中の銅含有率を次の式によって算出する。
A1 A2
Cu 100
m
ここに, Cu : 試料中の銅含有率 [% (m/m) ]
A1 : 試料溶液中の銅検出量 (g)
A2 : 空試験液中の銅検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
b) 6.4.1 c)で分取をした場合 6.4.2及び6.5で得た吸光度と,6.6で作成した検量線とから銅量を求め,
試料中の銅含有率を次の式によって算出する。
A3 A4
Cu 100
B
m
200
ここに, Cu : 試料中の銅含有率 [% (m/m) ]
A3 : 分取した試料溶液中の銅検出量 (g)
A4 : 分取した空試験液中の銅検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験液の分取量 (ml)
7. 原子吸光法(B法)
7.1 要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,乾固近くまで加熱濃縮する。塩酸を加え,乾固近くま
で加熱した後,塩酸及び塩化ストロンチウムを加え,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム
中に噴霧し,その吸光度を測定する。
7.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸 (1+1)
c) 硝酸
d) 硝酸 (1+1)
e) 混酸(塩酸3,硝酸1) この混酸は,使用の都度調製する。
f) 塩化ストロンチウム溶液 塩化ストロンチウム六水和物113.5gをはかり取り,ビーカー (1l) に移し
入れ,水約400mlを加え,加熱して溶解する。常温まで冷却した後,溶液を1 000mlの全量フラスコ
――――― [JIS H 1272 pdf 6] ―――――
6
H 1272 : 1998
に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
g) 標準銅溶液 (50 最 一 ─ m/m) 以上]1.000gをはかり取ってビーカー (300
れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 50mlを加え,加熱して分解する。放冷した後,時計皿の下面を水で
洗って時計皿を取り除き,乾固近くまで加熱する。放冷した後,塩酸25mlを加え,乾固近くまで加
熱する。常温まで冷却した後,塩酸 (1+1) 50mlを加えて塩類を溶解し,溶液を1 000mlの全量フラ
スコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (1 000 最 一 ‰ 50.0ml
000mlの全量フラスコに取り,塩酸50mlを加え,水で標線まで薄めて標準銅溶液とする。
7.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,1.0gとする。
7.4 操作
7.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料中の銅含有率が0.01% (m/m) 以上0.1% (m/m) 未満の場合
1) 試料をはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,混酸 [7.2 e) ] 20mlを加え,穏やかに加熱して完全に分解し(5),放冷した後,時計皿
の下面を水で洗って時計皿を取り除く。
3) 塩酸25mlを加え,乾固近くまで加熱する(6)。この操作をもう一度繰り返す。
4) 放冷した後,塩酸5ml及び水約20mlを加え,加熱して塩類を溶解する。
5) 常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,塩化ストロンチウム溶
液 [7.2 f) ] 4mlを加え,水で標線まで薄める(7)。
b) 試料中の銅含有率0.1% (m/m) 以上4.0% (m/m) 以下の場合
1) )の1)4)の手順に従って操作する。
2) 常温まで冷却した後,溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,塩酸25mlを加えた後,
水で標線まで薄める(7)。
3) 溶液を表2の分取量に従って100mlの全量フラスコに分取し,表2に従って塩酸を加えた後,塩化
ストロンチウム溶液 [7.2 f) ] 4mlを加え,水で標線まで薄める。
表2 分取量及び塩酸添加量
試料中の銅含有率分取量塩酸添加量
% (m/m) ml ml
0.1以上0.8未満 50.0 3
0.4以上4.0以下 10.0 5
注(5) 完全に分解しないときは,塩酸1mlを追加する。
(6) 乾固しないように注意する。
(7) 加水分解生成物が認められた場合には,乾いたろ紙を用いてろ過するか又は遠心分離によって
除去する。
7.4.2 吸光度の測定 7.4.1のa)5)又はb)3)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光
光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長324.8nmにおける吸光度を測定する。
7.5 空試験 試薬だけを用いて,7.4.1及び7.4.2の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う
(8)。
注(8) 7.4.1 b)3)で試料溶液を分取する場合には,空試験液も試料溶液と同量分取する。
――――― [JIS H 1272 pdf 7] ―――――
7
H 1272 : 1998
7.6 検量線の作成 数個の100mlの全量フラスコに標準銅溶液 [7.2 g) ] 020.0ml(銅として01 000 柿
を段階的に取り,塩化ストロンチウム溶液 [7.2 f) ] 4ml及び塩酸5mlを加え,水で標線まで薄める。各溶液
の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長
324.8nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と銅量との関係線を作成し,その関係線を
原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.7 計算 計算は,次のいずれかによる。
a) 試料溶液の調製を7.4.1 a)によって行った場合 7.4.2及び7.5で得た吸光度と,7.6で作成した検量線
とから銅量を求め,試料中の銅含有率を次の式によって算出する。
A1 A2
Cu 100
m
ここに, Cu : 試料中の銅含有率 [% (m/m) ]
A1 : 試料溶液中の銅検出量 (g)
A2 : 空試験液中の銅検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
b) 試料溶液の調製を7.4.1 b)によって行った場合 7.4.2及び7.5で得た吸光度と,7.6で作成した検量線
とから銅量を求め,試料中の銅含有率を次の式によって算出する。
A3 A4
Cu 100
B
m
500
ここに, Cu : 試料中の銅含有率 [% (m/m) ]
A3 : 分取した試料溶液中の銅検出量 (g)
A4 : 分取した空試験液中の銅検出量 (g)
m : 試料はかり取り量 (g)
B : 試料溶液及び空試験液の分取量 (ml)
――――― [JIS H 1272 pdf 8] ―――――
8
H 1272 : 1998
ニッケル及びニッケル合金分析方法工業標準原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 神 尾 彰 彦 東京工業大学工学部
後 藤 敬 一 通商産業省基礎産業局非鉄金属課
◎ 天 野 徹 工業技術院標準部材料規格課
村 田 祐 滋 東京都立工業技術センター金属部
竹 内 孝 夫 科学技術庁金属材料技術研究所
◎ 橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
太 田 裕 二 社団法人日本銅センター技術部
大 屋 武 夫 ステンレス協会
佐 藤 秀 樹 社団法人日本電子材料工業会技術部
稲 垣 勝 彦 日本鉱業協会技術部
赤 峰 淳 一 社団法人日本電機工業会技術部
篠 原 脩 社団法人日本ガス石油機器工業会技術部
山 添 哲 郎 通信機械工業会技術部
村 岡 良 三 社団法人日本自動車部品工業会技術部
山 下 満 男 富士電機株式会社生産技術研究所
安 井 毅 株式会社東芝材料部品事業部開発技術部
◎ 田 中 尚 生 三菱マテリアル株式会社桶川製作所
恒 原 正 明 古河電気工業株式会社金属事業本部
菅 沼 輝 夫 日鉱金属株式会社倉見工場技術部
大 関 哲 雄 大木伸銅工業株式会社技術部
中 島 安 啓 株式会社神戸製鋼所アルミ・銅事業本部技術部
田部井 和 彦 三菱マテリアル株式会社桶川製作所技術管理室
岡 村 明 人 三菱伸銅株式会社若松製作所品質保証部
○ 町 田 克 巳 住友金属鉱山株式会社中央研究所
○ 山 下 務 株式会社東芝材料部品事業部品質保証部
○ 山 本 寿 美 古河電気工業株式会社横浜研究所
○ 中 村 靖 株式会社ジャパンエナジー分析センター
○ 豊 嶋 雅 康 住友軽金属工業株式会社研究開発センター
(事務局) ○ 藤 沢 裕 日本伸銅協会技術部
(関係者) 久留須 一 彦 古河電気工業株式会社横浜研究所
天 川 義 勝 株式会社ジャパンエナジー分析センター
和 田 隆 光 財団法人日本規格協会
相 馬 南海雄 日本伸銅協会総務部
備考1. ◎印を付けてある委員は分科会委員を兼ねる。
2. ○印を付けてある委員は分科会委員だけである。
JIS H 1272:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6351:1985(MOD)
- ISO 7530-1:1990(MOD)
- ISO 7530-4:1990(MOD)
JIS H 1272:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.40 : ニッケル,クロム及びそれらの合金
JIS H 1272:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH1270:2015
- ニッケル及びニッケル合金―分析用試料採取方法及び分析方法通則