JIS H 7006:1991 規格概要
この規格 H7006は、繊維を複合した金属基複合材料に関する用語及びその定義について規定。
JISH7006 規格全文情報
- 規格番号
- JIS H7006
- 規格名称
- 金属基複合材料用語
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms used in metal matrix composites
- 制定年月日
- 1991年9月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.77, 77.120.99
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1991-09-01 制定日, 1996-06-01 確認日, 2000-09-20 確認日, 2005-10-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS H 7006:1991 PDF [5]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
H 7006-1991
金属基複合材料用語
Glossery of terms used in metal matrix composites
1. 適用範囲 この規格は,主として繊維を複合した金属基複合材料に関する主な用語及びその定義につ
いて規定する。
2. 分類 用語の分類は,次による。
(1) 複合材料
(2) 素材
(3) 成形法
(4) 物性・評価
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考1. 用語の中で ( ) を付けてあるものについては,同義又は略号を示す。
2. 用語の定義の中に太文字で示した用語は,この規格に収録されているものである。
(1) 複合材料
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 金属基複合材料, 金属をマトリックス(2001参照)とする複合材料。 metal matrix composite
(金属系複合材料),
(MMC)
1002 繊維強化金属, 長繊維(2003参照)や短繊維(2004参照)で強化した金属基 fiber reinforced metal
(FRM) 複合材料(1001参照)。
1003 一方向繊維強化金属 一方向に配列されている繊維で強化した金属基複合材料(1001 unidirectionally fiber
参照)。 reinforced metal
1004 ウイスカ強化金属 セラミックスなどの高強度・高弾性率のウイスカ(2013参照)whisker reinforced metal
によって強化した金属基複合材料(1001参照)。
1005 粒子強化金属, 粒子状の強化材(2002参照)によって,力学的特性などを向 particle reinforced metal
(粒子分散強化金属) 上させた金属基複合材料(1001参照)。金属材料又はセラミッ
クス材料として取り上げられている析出強化合金,サーメッ
ト,酸化物粒子分散強化合金 (ODS) などは含まない。
(2) 素材
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 マトリックス, 複合材料における素地材料。 matrix
(母材),
(基材)
――――― [JIS H 7006 pdf 1] ―――――
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H 7006-1991
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2002 強化材 マトリックス(2001参照)の強化を目的として複合材料に用 reinforcement
いる材料。
参考 連続又は不連続の繊維状,粒子状,りん片状などの
形態がある。
2003 長繊維, 連続した繊維。 continuous fiber,
(連続繊維) 参考 強化材として使用した場合,複合材料の中で連続し filament
た状態で存在する。
2004 短繊維 繊維長が短いか又は短く切断した繊維。 short fiber,
ウイスカ(2013参照)を含む。 discontinuous fiber,
参考 強化材として使用した場合,複合材料の中で不連続 chopped fiber
な状態で存在する。
2005 CVD系繊維 タングステン,炭素などをしん(芯)線としてほう素(ボロン),chemical vapor deposited
fiber
炭化けい素などを化学蒸着 (CVD) 法によって析出させた繊
維。
2006 前駆体系繊維 繊維状の高分子材料,金属アルコキシドなどから焼成した繊 fiber form precursor
維。
参考 炭素繊維,炭化けい素繊維,アルミナ繊維などがあ
る。
2007 金属繊維 金属を繊維状にしたもの。 metal fiber
参考 タングステン,モリブデンなどの高融点金属,ステ
ンレス鋼やピアノ線などの高強度金属,ベリリウム
などの高比弾性率金属の繊維などがある。
2008 無機繊維, 無機質を主成分とする繊維。 inorganic fiber,
(セラミック繊維) 金属繊維(2007参照)は含まない。 ceramic fiber
2009 ボロン繊維 タングステン,炭素などをしん線として,ほう素(ボロン)を boron fiber
化学蒸着 (CVD) 法によって析出させた繊維。
参考 通常,直径は0.10.2mmである。表面改質のため
に炭化けい素,炭化ほう素などの被覆を行ったもの
もある。
2010 炭素繊維, ポリアクリロニトリル,レーヨン,ピッチなどの有機繊維を加 carbon fiber,
(カーボン繊維) 熱分解して得られた,実質的に炭素元素だけからなる繊維状の graphite fiber
炭素材料。
2011 炭化けい素繊維 炭化けい素を主成分とする繊維。 silicon carbide fiber
参考 前駆体系繊維を焼成したものと,しん線上に化学蒸
着 (CVD) 法によって炭化けい素を析出させたもの
との二種類がある。
2012 アルミナ繊維 アルミナを主成分とする繊維。 alumina fiber
参考 製造方法の相異によって,種々の結晶構造をとり得
る。単結晶質のものと,多結晶質のものとがあり,
それぞれに短繊維と長繊維とがある。
2013 ウイスカ 転位などの内部欠陥の非常に少ない針状の金属や無機物の結 whisker
晶。
参考 通常,直径数 下,長さ数十数百 度。炭
化けい素ウイスカ,窒化けい素ウイスカなどがある。
2014 プリフォーム 金属基複合材料(1001参照)をつくるための仮成形体。preform
参考 あらかじめ強化材だけを仮成形したものや,強化材
とマトリックスとを複合化してワイヤ状やシート状
にしたものなどがある。
――――― [JIS H 7006 pdf 2] ―――――
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H 7006-1991
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2015 ワイヤプリフォーム 強化繊維の束に金属を浸透させたワイヤ状のプリフォーム composite wire,
(2014参照)。 precursor wire,
wire preform
2016 グリーンテープ マトリックス金属の溶射や有機系接着剤で強化繊維を固定し green tape
たテープ状又はシート状プリフォーム。
参考 マトリックス金属はく(箔)上に形成したものもあ
る。
2017 モノレーヤテープ 繊維が一層に並んだテープ状プリフォーム。 mono-layer tape
(3) 成形法
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3001 溶融金属浸透法, 溶融金属を繊維間に浸透させて,複合材料を製造する方法。 liquid metal infiltration
(溶浸法)
3002 高圧鋳造法, 金型内に溶湯を注入し,高い圧力を付加しながら凝固させる鋳 squeeze casting
(溶湯鍛造法) 造法。
参考 金属基複合材料を製造する場合には金型内に強化材
をあらかじめ装入しておく。
3003 コンポキャスティング 固液共存状態の金属をかくはんしつつ,粒子,ウイスカ(2013 compocasting
参照)などを投入して均一に混合,分散させ,複合化する方法。
3004 拡散接合法 固相域で温度,圧力を高め,原子の拡散によって材料を結合す diffusion bonding
る方法。
3005 ホットプレス法 真空又は不活性ガス雰囲気中で,マトリックス金属の融点又は hot pressing
固相線以下の温度に加熱,一軸加圧し,複合化する方法。
参考 固液共存領域で複合化する場合もある。
3006 熱間静水圧プレス法, ち密な金属基複合材料(1001参照)を得るために,アルゴン hot isostatic pressing
(HIP) ガスなどの気体を圧力媒体として,高温,高圧力下であらゆる
方向から均等に加圧する方法。
3007 ロール成形法 ロール圧下力によって,マトリックス金属の塑性流動及び拡散 roll diffusion bonding
接合を利用して複合化する方法。
3008 シートインサート法 主体となるマトリックス金属より低い溶融温度の金属シート sheet insert bonding
をシート状プリフォーム間に挿入,積層し,成形する方法。
3009 粉末や(冶)金法 マトリックス金属の粉末と強化材(2002参照)とを混合,加 powder metallurgy
圧,焼結して一体化する方法。
3010 プラズマ溶射法 配列した強化繊維に,プラズマトーチでマトリックス金属を溶 plasma spraying
射したり,基板上に短繊維(2004参照),ウイスカ(2013参照),
粒子とともにマトリックス金属を溶射する方法。
3011 イオンプレーティング 蒸発させた原子をイオン化し,さらに電界によって加速して繊 ion plating
維に付着させる方法。
参考 繊維にマトリックス金属を被覆したり,繊維表面を
改質するために用いる。
3012 表面改質 強化材(2002参照)とマトリックス(2001参照)とのぬれ性 surface modification
(4008参照)の向上や,化学反応の抑制のために,強化材の
表面に処理を施すこと。
参考 ぬれ性の向上のためには金属を被覆し,反応の抑制
のためにはセラミックスを被覆することが多い。
――――― [JIS H 7006 pdf 3] ―――――
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H 7006-1991
(4) 物性・評価
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4001 複合則 複合材料の弾性率,強度,その他の物性値を,主として繊維体 rule of mixtures
積含有率(4002参照)の関数として表す関係式。
参考 通常,下記のような線形関係式を指す。
Xc=VfXf+ (1−Vf) m
ただし,Xc, Xf及びXmはそれぞれ複合材料,繊維
及びマトリックスの物性値,Vfは繊維体積含有率で
ある。
4002 繊維体積含有率 複合材料の見かけの体積に対する繊維の体積割合。 volume fraction of fiber
4003 空孔率, 複合材料の見かけの体積に対する空孔の体積割合。 void content
(気孔率),
(ボイド率)
4004 繊維配向角 基準方向と繊維とのなす角度。 fiber orientation angle
4005 アスペクト比 aspect ratio
強化繊維の長さと,長さ方向に垂直な断面の直径との比。
4006 界面 強化材(2002参照)とマトリックス(2001参照)との境界面。 interface
4007 適合性 compatibility
強化材(2002参照)とマトリックス(2001参照)との相性。
参考 その良否は界面における反応性,ぬれ性,接着性な
どに起因し,複合材料の着目される特性から判断さ
れる。
4008 ぬれ性 液体が固体表面の上に広がる性質。 wettability
参考 ぬれの程度は,通常接触角の測定によって示され,
固体/気体,液体/気体,液体/固体間の界面張力
によって定まる。
4009 プルアウト pull-out
破断時に繊維がマトリックス金属から引き抜かれること。
――――― [JIS H 7006 pdf 4] ―――――
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H 7006-1991
金属基複合材料用語JIS原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) ○ 若 島 健 司 東京工業大学精密工学研究所
(幹事) ○ 北 村 厚 東レ株式会社
○ 平 野 一 美 工業技術院機械技術研究所
○ 塩 田 一 路 科学技術庁金属材料技術研究所
○ 澤 田 吉 裕 工業技術院大阪工業技術試験所
○ 小 松 幹 也 日産自動車株式会社
宇都宮 真 三菱電機株式会社
坂 本 昭 三菱重工業株式会社
伊 藤 好 二 川崎重工業株式会社
榊 原 俊 夫 富士重工業株式会社
西 出 重 人 石川島播磨重工業株式会社
伊 丹 哲 住友重機械工業株式会社
溝 口 孝 遠 株式会社神戸製鋼所
外 山 和 男 住友金属工業株式会社
志 賀 千 晃 川崎製鉄株式会社
今 井 義 一 日本カーボン株式会社
西 正 宇部興産株式会社
小 屋 美 廣 三菱化成株式会社
溝 渕 直 三菱アルミニウム株式会社
東 和 臣 大阪チタニウム製造株式会社
安 部 康 明 住友化学工業株式会社
山 田 銑 一 株式会社豊田中央研究所
木 村 章 三 株式会社島津製作所
津 金 秀 幸 工業技術院標準部
(事務局) 後 藤 康 夫 財団法人大阪科学技術センター付属
ニューマテリアルセンター
脇 坂 啓 司 財団法人大阪科学技術センター付属
ニューマテリアルセンター
なお,○印は,用語規格作成WG委員を示す。
JIS H 7006:1991の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.99 : その他の非鉄金属及び合金
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.77 : 金属工学(用語集)