JIS H 7007:2002 規格概要
この規格 H7007は、工業的に広く使用されている,微細粒超塑性を示す金属形超塑性材料に関する用語及びその定義について規定。
JISH7007 規格全文情報
- 規格番号
- JIS H7007
- 規格名称
- 金属系超塑性材料用語
- 規格名称英語訳
- Glossary of terms used in metallic superplastic materials
- 制定年月日
- 1995年2月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.77, 77.120.99
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1995-02-01 制定日, 2002-03-20 改正日, 2007-01-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS H 7007:2002 PDF [8]
H 7007 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人大阪科学
技術センター付属ニューマテリアルセンター (OSTEC) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原
案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これによってJIS H 7007 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,一部用語の定義,及び対応英語の改正を行った。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS H 7007 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
H 7007 : 2002
金属系超塑性材料用語
Glossary of terms used in metallic superplastic materials
1. 適用範囲 この規格は,主として,工業的に広く使用されている,微細粒超塑性を示す金属系超塑性
材料に関する主な用語及びその定義について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)
JIS G 0202 鉄鋼用語(試験)
JIS H 7002 制振材料用語
JIS H 7004 アモルファス金属用語
JIS H 7006 金属基複合材料用語
JIS Z 2500 粉末や(冶)金用語
JIS Z 3001 溶接用語
JIS Z 9211 エネルギー管理用語(その1)
3. 分類 用語の分類は,次による。
a) 一般
b) 材料
c) 特性
d) 空洞
e) 成形
4. 定義 用語及び定義は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考1. 一つの用語欄に,二つ以上の用語が併記してある場合には,記載してある順位に従って優先
的に使用する。
2. 定義欄に太文字で示した用語は,この規格に収録されているものである。
――――― [JIS H 7007 pdf 2] ―――――
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H 7007 : 2002
a) 一般
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 超塑性 superplasticity
多結晶材料の引張変形において,変形応力が高いひずみ速度依
存性を示し,局部収縮(ネッキング)を生じることなく数百%
以上の巨大な伸び (JIS G 0202) を示す現象。
1002 変態超塑性 変形中の相変態によって得られる超塑性。 transformation
superplasticity
温度変化による相変態を利用するものと等温変形中の相変態
を利用するものとがある。
1003 微細粒超塑性, fine grained
温度変化,相変化又は相変態のいずれも伴わない変形によって
構造超塑性 得られる超塑性。 superplasticity,
structural superplasticity
微細粒超塑性は,初期結晶粒の寸法を小さくし,それを変形
中もある程度維持することによって得られる。
1004 超塑性発現条件 超塑性が現れ,かつ,継続するのに必要な条件。 requirement for
superplasticity
条件には,内的因子の微細粒組織並びに外的因子の温度及び
ひずみ速度がある。
通常の外的因子としては,材料の融点(絶対温度)の半分以
上の温度と比較的ゆっくりした10−4s−1程度のひずみ速度とで
ある。
また,超塑性変形中,微細粒組織を維持することが重要であ
る。
1005 高速超塑性 超塑性発現条件の一つであるひずみ速度が,10−2s−1以上のとき
high strain rate
に発現する超塑性。 superplasticity
b) 材料
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2001 超塑性材料 超塑性を示す材料。 superplastic materials
金属系材料では,アルミニウム合金系,チタン合金系,銅合
金系,亜鉛合金系,ニッケル合金系,鉄合金系などがあり,金
属間化合物,金属基複合材料 (JIS H 7006) などにも超塑性を示
すものがある。
2002 微細粒超塑性組織 超塑性に適した組織。 fine grained superplastic
金属系材料では,初期結晶粒の寸法が10
度以下の微細structure
で,かつ,変形中安定した組織。
2003 超塑性組織化処理 微細粒超塑性組織を作るための製造プロセス。 processing for fine
grained superplastic
例えば,1)相変態 (JIS H 7002) 及び再結晶 (JIS G 0201) を利
structure
用した結晶粒微細化プロセス,2)急冷凝固法による微細粉末の
製造とその固化とを利用する粉末や(冶)金法 (JIS Z 2500),
3)メカニカルアロイング法 (JIS H 7004) などによる方法があ
る。
c) 特性
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3001 超塑性伸び superplastic elongation
超塑性状態で,超塑性材料が示す破断伸び (JIS G 0202)。
3002 粒界すべり 隣合う結晶粒が互いにずれる現象。 grain boundary sliding
超塑性の主な変形機構であり,このずれに対して付随調整機
構が働く。
3003 付随調整機構 accommodation process
粒界すべりによって生じた粒界近傍に発生する応力集中を緩和
又は空洞形成を抑制するプロセス。
拡散流動,転位運動などが関与している。
1s
3004 ひずみ速度感受性 一般に変形応力 ( ) の増加によ
N/mm2) は,ひずみ速度 strain rate sensitivity
m
指数,m値 って上昇し,その関係が, K によって表されるとき, exponent,
――――― [JIS H 7007 pdf 3] ―――――
3
H 7007 : 2002
番号 用語 定義 対応英語(参考)
mをひずみ速度感受性指数,又は単にm値という。 m value
ここに,Kは定数でありmは, m= log log で定義
される。
ひずみ速度感受性指数は,超塑性状態ではおよそ0.3以上と
なり,超塑性状態でない場合に比べて大きいので,ひずみ速度
感受性指数の大小は,超塑性発現条件を知るうえで重要な指針
となる。
また,このひずみ速度感受性指数の逆数はn値(応力指数)
である。
3005 K値 一般に,変形応力 (s 1 ) との関係が,
N/mm2) とひずみ速度 K value
m
K で表される係数で,変形応力のレベル(大きさ)を表
す材料定数である。
超塑性成形において,K値は成形しやすさの目安であり,K
値が小さいほど成形における加工力は小さい。
3006 strain rate change test,
ひずみ速度急変法 超塑性材料を超塑性変形中にひずみ速度を急激に変化させてひ
ずみ速度感受性指数を求める方法(図1参照)。 jump test
図1
3007 S字状曲線 sigmoidal curve
一般に超塑性材料の変形応力とひずみ速度の関係を両対数プロ
ットしたときに得られる曲線の形状(図2参照)。
曲線傾斜の最も大きな領域(高m値領域)を領域IIと呼び,
超塑性の発現する領域に相当する。これよりも低ひずみ速度及
び高ひずみ速度領域をそれぞれ領域I,IIIと呼ぶ。
図2
3008 constitutive equation for
超塑性変形構成式 超塑性変形の内的因子である結晶粒の寸法と外的因子である温
度及びひずみ速度の関係を表す構成式。 superplastic flow
その一般的表現は,次の式の例で表される。
――――― [JIS H 7007 pdf 4] ―――――
4
H 7007 : 2002
番号 用語 定義 対応英語(参考)
一
(AD0Gb/kT) (b/d) ( 攀 −Q/RT)
ここに,D0exp (−Q/RT) : 拡散係数 (m2/s) (JIS Z 9211)
G : 横弾性係数 (N/mm2)
b : バーガース・ベクトル (m)
T : 変形温度 (K)
k : ボルツマン定数 (J/mol/K)
d : 結晶粒の寸法 (m) (JIS H 7002)
R : ガス定数 (J/mol/K)
変形応力 (N/mm2)
Q : 活性化エネルギー (J/mol)
p : 結晶粒度指数
n : 応力指数
ひずみ速度 (s−1)
A : 定数
超塑性変形における各値の典型的な値として,n=2 (m=0.5),
p=23,また,活性化エネルギーQは,自己格子拡散の活性化
エネルギーQLと粒界の自己拡散の活性化エネルギーQgbとの二
通りが報告されている。
この式は,簡略化して, K m を用いる(3004参照)。
3009 ひずみ速度一定試 constant strain rate test
超塑性の基本的特性である変形応力,破断伸びなどを評価する
験 引張試験の一つである。
クロスヘッド速度一定試験と異なり,試験片平行部のひずみ
速度を常に一定に保つ試験法である。
3010 超塑性ひずみ誘起 superplastic strain
超塑性変形中,ひずみの増大とともに起こる結晶粒の成長又は
粒成長 粗大化 (JIS G 0201) すること。 enhanced grain
その成長速度は,無負荷での粒成長よりも大きい。 growth,
superplastic strain
induced grain growth
d) 空洞
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4001 空洞, 超塑性変形中に粒界に発生する空孔状の欠陥 cavity,
空洞形成 超塑性成形後の材料の機械的性質の劣化の主因である。cavitation
e) 成形
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5001 超塑性成形 超塑性を利用した塑性加工法の総称。 superplastic forming
例として,超塑性ブロー成形,超塑性バルジ成形,超塑性鍛
造などがある。
5002 超塑性ブロー成形 超塑性材料を超塑性状態でブロー成形すること。 superplastic blow
forming
圧力媒体は,主にガス,真空,液体,微粉末などを利用する。
板及び管の超塑性成形の主な成形法である。
5003 superplastic bulge
超塑性バルジ成形 超塑性ブロー成形のうち,張出し加工によって膨らみを与える
成形法。 forming
5004 超塑性鍛造, 超塑性材料を超塑性状態で行う鍛造。 superplastic forging,
恒温鍛造 従来の塑性加工法では成形・加工が困難なニッケル基超合金, isothermal forging
チタン合金,金属間化合物などの難加工材の鍛造に利用される
成形法で,温度とひずみ速度とを制御して最適な超塑性状態を
維持しながら鍛造する。
最終製品に近い形状[ニアネットシェイプ (JIS Z 2500)]に
成形可能で,加工代(しろ)を少なくできるので難加工材料に
――――― [JIS H 7007 pdf 5] ―――――
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JIS H 7007:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.99 : その他の非鉄金属及び合金
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.77 : 金属工学(用語集)
JIS H 7007:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG0201:2000
- 鉄鋼用語(熱処理)
- JISG0202:2013
- 鉄鋼用語(試験)
- JISH7002:1989
- 制振材料用語
- JISH7004:1990
- アモルファス金属用語
- JISH7006:1991
- 金属基複合材料用語
- JISZ2500:2000
- 粉末や(冶)金用語
- JISZ3001:1999
- 溶接用語
- JISZ3001:1950
- 医療用刀
- JISZ9211:1982
- エネルギー管理用語(その1)