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H 7306 : 2018 (IEC 61788-4 : 2016)
rRRR (0)
図A.6−平角銅線の規格化したrRRRの曲げひずみ依存性
丸形超電導線又は平角超電導線のための測定用マンドレルの最小径を,それぞれ表A.1及び表A.2に示
す。
表A.1−丸形超電導線のための測定用マンドレルの最小径
線径 d(mm) 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50
最小径 Dm(mm) 10.6 15.9 21.2 26.5 31.8
表A.2−平角超電導線のための測定用マンドレルの最小径
厚さ 2t(mm) 0.25 0.50 0.75 1.00
最小径 Dm(mm) 6.3 12.5 18.8 25.0
A.5 ニオブ・チタン複合超電導線の曲げひずみの影響の補正の方法
この箇条では,7.3に規定する低温における抵抗の曲げひずみの影響の補正方法を示す。
半径Rdのマンドレルに装着する厚さ2hの試料の曲げひずみεbは,式(A.5)で与えられる。
εb=100×(h/Rd) (%) (A.5)
ここで,平角超電導線の等価的な引張ひずみは式(A.6)で与えられ,丸形超電導線の等価的な引張ひずみ
は式(A.7)で与えられる。
ε=(1/2) εb (A.6)
ε=[4/(3π) ] εb (A.7)
純銅の4.2 Kにおける抵抗の増加は,式(9)にそれぞれのεを代入して算出し,式(8)を用いて低温での抵
抗の補正ができる。
――――― [JIS H 7306 pdf 16] ―――――
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H 7306 : 2018 (IEC 61788-4 : 2016)
附属書B
(参考)
統計に関する定義
(対応国際規格の規定を不採用とした。)
――――― [JIS H 7306 pdf 17] ―――――
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H 7306 : 2018 (IEC 61788-4 : 2016)
附属書C
(参考)
残留抵抗比試験方法における不確かさの評価
C.0A 不確かさについて
不確かさに関する参考情報を,次に示す。
a) 不確かさの起因 不確かさの起因としては,測定対象,測定機器,測定方法,測定環境など様々であ
る。これらの中で,不確かさには,観測結果の統計解析によって評価されるAタイプのものと,統計
解析以外の方法によって評価されるBタイプのものとがある。例えば,残留抵抗比の電圧を測定する
場合に計測器による不確かさがあるが,これは通常,その製造業者が保証する計測器の不確かさ(仕
様)によって評価され,Bタイプの不確かさである。
b) 不確かさに関する用語 不確かさに関する用語は,JIS Z 8103(計測用語)及びGUM(参考文献[3],
[4])を参照するとよいが,主な用語は,次のとおりである。
1) 標準不確かさ 標準偏差として表された測定結果の不確かさ。
2) 合成標準不確かさ 測定結果が多数の他の量から得られる場合の標準不確かさ。他の量について重
み付けをした(それらの変化が測定結果の変化に及ぼす影響を反映した)分散又は共分散の和の平
方根の正に等しい。
3) 相対標準不確かさ u(x)が測定結果xに関する標準不確かさであるとき,u(x)/|x|(ただし,x≠0)。
4) 相対合成標準不確かさ u(y)が測定結果yに関する合成標準不確かさであるとき,u(y)/|y|(ただし,
y≠0)。
5) 拡張不確かさ 分布する正当な測定値の大部分が含まれると期待される範囲を定める量。標準不確
かさをσ,包含係数をkとすると,kσで与えられる。この規格では,k=2とし,正規分布の場合,
測定値の95 %がその範囲に含まれる。
なお,測定値が含まれる割合は,k=1の場合は68 %,k=3の場合は99 %である。
c) 工業計測における不確かさ 製品を市場に出荷するに当たっては,その製品の品質を保証するための
計測が必要である。しかしながら,その計測に十分な時間をかければよいとは限らない。それは製品
の価格に跳ね返るため,そうした工業計測は十分な品質の保証ができる場合,できるだけ簡便な方法
を採用することが望まれる。この規格では,幾つかの簡便な方法が示されている。また,品質の保証
を与えるという点からすれば,性能を示す値についての不確かさについては,最悪の場合を想定し,
それでも品質を保証するというものが求められる。
C.1 不確かさの評価
残留抵抗比の不確かさは,室温で測定した抵抗の標準不確かさ(ur1)と低温で測定した抵抗の標準不確
かさ(ur2)との合成である。ここでは簡単にするために,包含係数kを1と仮定する。
超電導線の残留抵抗比は,293 K(20 ℃)における電気抵抗値をR1,超電導転移温度の直上での電気抵
抗値をR2として,rRRR=R1/R2で与えられ,R1及びR2の統計平均からの偏差をそれぞれΔR1及びΔR2とし
たとき,残留抵抗比rRRRの偏差ΔrRRRは,式(C.1)で与えられる。
rRRR R1 R2
= − (C.1)
rRRR R1 R2
――――― [JIS H 7306 pdf 18] ―――――
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H 7306 : 2018 (IEC 61788-4 : 2016)
したがって,rRRRの相対標準不確かさは,式(C.2)となる。
12
2 2
uR1 uR2
ur= + (C.2)
R1 R2
ここで,uR1及びuR2は,それぞれ室温及び低温における抵抗の標準不確かさである。温度Tmにおいて電
気抵抗の測定が行われたとして,与えた電流がI1,測定された電圧がU1であった場合,式(3)を用いて,
室温(293 K)における抵抗は,式(C.3)で与えられる。
U1
R1= ( ) (C.3)
1[+.0003 93(Tm−293) ]I1
U1,Tm及びI1には,それぞれ一定の不確かさが付随しているはずである。したがって,R1の偏差は,式
(C.4)となる。
R1 R1 R1
R1= U1+ Tm+ I1
U1 Tm I1
1 U1 U1
= Tm−
−.0003 93R1 2
I1 (C.4)
1+.0003 93(Tm−293) I1 I1
U1 U1
Tm−
−.0003 93R1 2 I1 ( )
I1 I1
ここに, ΔU1(V) : 電圧の偏差
ΔTm(℃) : 温度の偏差
ΔI1(A) : 加えた電流の偏差
なお,式(C.4)の最後の近似は,温度の293 Kからの外れが感度係数に及ぼす影響が小さいということか
ら導かれている。
この影響は,最終的な不確かさに換算して0.2 %以下に収まることが知られている。室温の偏差ΔTmは,
式(C.5)のように分割することができる。
ΔTm=ΔTm1+ΔTm2 (℃) (C.5)
ここに, ΔTm1(℃) : 測定室温と試料温度との差
ΔTm2(℃) : 温度計による偏差
したがって,室温における抵抗の標準不確かさは,式(C.6)となる。
12
2 2
uU1 2 2 2 U1
uR1 = uI21
+uRTm1+.0(003 93R1 ) Tm 2+ ( ) (C.6)
I1 I12
ここに, uU1(V) : 室温における電圧のBタイプの標準不確かさ
3)
( uU1 /U1=.0005 /
uI1(A) : 室温における電流のBタイプの標準不確かさ
I=.0005 /
( uI1 /1 3)
uTm2(K) : 温度計を用いて測定する室温のBタイプの標準不確か
――――― [JIS H 7306 pdf 19] ―――――
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H 7306 : 2018 (IEC 61788-4 : 2016)
さ( uTm=
2 /1 3)
uRTm1 (Ω)は,測定した室温と試料温度との違いによるBタイプの標準不確かさであり,形式的にuRTm1
=−0.003 93 R1uTm1と示すことができる。ただし,uRTm1は数学的モデルから求めるのではなく,ニオブ・
チタン複合超電導線の残留抵抗比のラウンドロビン試験における室温の抵抗値と残留抵抗比との相関から,
R1の±0.017(±1.7 %)と直接,見積もられている(参考文献[5]参照)。同様な状況を仮定し,
3 と仮定できる。
uRTm1 / R1=.0017 /
低温での抵抗の測定においては,試料の電圧を電流の方向を変えて2回測定する。転移における電圧の
値は,二つの直線を引いてその交点から決定することから,こうした作業によってある不確かさが生じる
ことに注意する。この標準不確かさをbとすると,低温における抵抗の標準不確かさは,式(C.7)となる。
12
2 2
uU2 2 U2 2
uR2= 2 +2b + uI2 ( ) (C.7)
I2 I22
ここに, uU2 (V) : 電圧計によるBタイプの標準不確かさ
3)
( uU2 /U2=.0005 /
uI2 (A) : 電流源におけるBタイプの標準不確かさ
3)
( uI2 / I2=.0005 /
式(C.7)において第1項及び第2項が2倍されているのは,同様な測定を2回行っているからである。し
たがって,試料を曲げずに測定した場合の相対合成標準不確かさは,式(C.8)のようになる。
/1 2
2
4 b
ur .143 10 2 (C.8)
R2
なお,電圧計及び標準抵抗器を用いて電流を求める場合,電圧及び抵抗値の不確かさが影響する。この
ときの電圧の値及びその不確かさをそれぞれU及びuUとし,標準抵抗器の抵抗の値及びその不確かさを
それぞれR及びuRとした場合,式(C.6)の (U1 / I12 ) 2uI21 及び式(C.7)の (U2 / I22 ) 2uI22 を,それぞれ次のように置
き換えることが望ましい。
2 2
U1 uU2 uR2 U2 uU2 uR2
2+ , 2+ (C.9)
I1 U R2 I2 U R2
試料を曲げた状態で定温における抵抗を測定する場合,与えられた式に測定に使った電圧タップ間距離
(L),試料の直径(d),銅比(c)及びマンドレルの半径(Rd)を代入して抵抗値を補正することが必要で
ある。半径Rdのマンドレルに直径dの丸線を巻いた場合を考える。式(8)及び式(9)から,巻きひずみの影
響を補正した低温における抵抗値は,式(C.10)となる。
8 L
10−12
R2=R2*−.624 2
3πdrCuRd
(C.10)
* L
=R2−.16910−12 ( )
drCuRd
――――― [JIS H 7306 pdf 20] ―――――
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JIS H 7306:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61788-4:2016(IDT)
JIS H 7306:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS H 7306:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH7005:2005
- 超電導関連用語