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8.3 試料導入
二次イオン質量分析計に試料を導入する直前に,試料表面のちり微粒子をダストブロワを利用して除去
する。分析室に試料を導入した後,装置製造業者の作業手順書又は装置担当者が作成した作業手順書の推
奨する真空度に回復するまで測定を開始してはならない。
注記1 分析室の残留ガスによって11B28Si−信号のバックグラウンドとなる10B28Si1H−が発生する。こ
のバックグラウンドは,分析室の真空度を改善することによって低減することができる。
注記2 アモルファスシリコンの場合,試料中に水素が存在するために,注記1に記載したバックグ
ラウンドに注意が必要である。
8.4 検出イオン
8.4.1 酸素イオンビームを用いる場合は,10B+及び11B+の両方をボロンの二次イオン種として検出する。
セシウムイオンビームを用いる場合は,10B28Si−及び11B28Si−の両方をボロンの二次イオン種として検出す
る。
8.4.2 装置製造業者の作業手順書又は装置担当者が作成した作業手順書によって,適切なイオン強度をも
つシリコンの二次イオン種を検出し,シリコンイオン強度として用いる。
8.4.3 装置が電流を検出するモードの場合は,B+イオンの参照元素イオンとして電流計を用いて28Si+を
検出する。BSi−を検出する場合は,Si2−を参照元素イオンとして検出する。装置がパルスカウンティング
モードの場合は,瞬間的なシリコンイオンのカウント率を5×105 カウント/s以下に設定することが望まし
い。
8.4.4 アモルファスシリコンを分析する場合は,29Siイオン,30Siイオン及びその分子イオン信号にSiH
クラスターイオンが干渉する。そのため,28Siイオン又はその分子イオン(例えば,28Si+,28Si2+)を参照
元素イオンとして検出する。
8.5 分析対象試料の測定
8.5.1 測定は,試料ホルダーの窓の中央の領域を用いて行う。
8.5.2 一次イオン電流及びビーム走査領域は,深さ方向分布の詳細が分かるよう,十分なデータポイント
が得られるように選ばなければならない。深さ方向分布の予備測定は,これらの条件を決定するために有
用である。試料のボロンイオン強度が高い場合(≧1×105カウント/s)は,検出器が飽和しないように注
意する。もし,分析領域(すなわちゲート領域)でのボロンイオン強度が5×105 カウント/s以上である場
合には,一次イオン電流量を下げるか,又は質量分析計の透過率を下げる(8.2.3参照)。
注記1 投影形の装置の場合は,小さな制限視野絞りを使ってイオン強度を下げることができる。し
かし,これは分析領域における瞬間的なカウント率を低下させているものではない。小さな
制限視野絞りを使わずに,全体の透過率を変えなければならない。
注記2 電子増倍管のカウンティングシステムの線形性については,参考文献[1]及び[2]を参照
する。
8.5.3 ボロン及びシリコンの二次イオン強度は,交互かつ周期的に測定しなければならない。
8.5.4 一つの深さ方向分布測定内におけるシリコンイオン強度の変動が,装置製造業者の作業手順書又は
装置担当者が作成した作業手順書の示す許容範囲内であれば一定とみなす。この場合,シリコン強度はサ
イクルごとに測定する必要はなく,それぞれの測定領域の任意の1サイクルで測定してもよい。
8.6 校正
8.6.1 相対感度係数の決定は,JIS K 0143の7.6.2(作業用相対感度係数の決定)の手順によって,RSFwork
及びδを分析対象試料測定と同じ測定条件を用いて求める。校正及び分析対象試料測定は,同一日に行う
――――― [JIS K 0164 pdf 6] ―――――
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ことが望ましい。
8.6.2 触針式表面粗さ測定機による深さの校正は,次による。
8.6.2.1 装置製造業者の作業手順書又は装置担当者が作成した作業手順書によって,5.2で規定した標準
物質を用いて,クレータ深さ測定のために触針式表面粗さ測定機を校正する。
注記 触針式表面粗さ測定機による測定の精度を,機関間テストプログラムで評価した。その機関間
テストに関する統計結果報告を,附属書Aに示す。
8.6.2.2 装置製造業者の作業手順書又は装置担当者が作成した作業手順書によって,校正した触針式段差
計を用いてクレータ深さdtを測定する。触針はクレータの上を走査しなければならないので,スパッタリ
ングを無視してよい領域から始め,クレータの中央を通過し,もう一方のスパッタリングを無視してよい
領域で止める。
8.6.3 光干渉計による深さの校正は,次による。
8.6.3.1 装置製造業者の作業手順書又は装置担当者が作成した作業手順書によって,校正した光干渉計を
用いてクレータ深さdtを測定する。測定に使用する干渉じま(縞)は,クレータの中央及びクレータ両端
のスパッタリングを無視してよい領域を通らなければならない。
8.6.3.2 干渉じまの測定のための詳細手順書は,装置製造業者の作業手順書又は装置担当者が作成した作
業手順書とする。
なお,一般的な手順は,隣り合う2本の干渉じまの中心を通るように2本の線を書く(図1参照)。その
線のうちの1本はクレータの中央を横切っていなければならない(線Rとして,それを基準線とする。)。
この2本の線の間隔x(任意単位)を測定する。次に,線Rの,それに対応するクレータ下部における干
渉じまの中心線とのシフト量y(xと同じ単位)を測定する。クレータエッジにおいて線Rと交差した干
渉じまの数nを数える。
図1−クレータにおける干渉じまの模式図(n=0の場合)
8.6.3.3 クレータ深さは,式 (1) によって計算する。
λ y
dt n (1)
2 x
ここに, λ : トレーサブルな方法で決定された波長の値
9 結果の表現
9.1 シリコンに対するボロンのイオン強度比
イオン強度比は,それぞれの測定サイクルに対して,式 (2) 及び式 (3) によって計算する。
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Ii
Ji11 (2)
IiSi
――――― [JIS K 0164 pdf 7] ―――――
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10 Ii10
Ji Si
(pdf 一覧ページ番号 )
Ii
9.2 分析対象試料のボロンの原子濃度
ボロンの原子濃度は,RSFworkを用いて,式 (4) 式 (6) によって計算する。
Ci11 Ji11
RSF work (4)
Ji10
RSF work
Ci10 (5)
δ
Ci Ci11Ci10 (6)
9.3 バックグラウンド強度
必要に応じて,ボロンのバックグラウンド強度を差し引かなければならない。バックグラウンド強度は,
ボロンを添加していない試料を用いて,式 (7) 及び式 (8) によって計算する(JIS K 0143の7.5.2.6参照)。
Ci11 (Ji11
RSF work 11
JBG) (7)
(Ji10
RSF work 10
JBG)
Ci10 (8)
9.4 測定サイクルiにおける深さ
測定サイクルiにおける深さは,8.6で測定したクレータ深さdtを用いて,スパッタリング率を一定と仮
定して,式 (9) によって計算する。
2tBdt
di tiB (9)
T
9.5 測定サイクル数が大きい場合の深さ
全測定サイクル数Nが大きく, 一 はそれ以下である場合,diは式 (10) によって計算する。
di i 1 t一 (10)
9.6 結果の図式化
結果の図式化が必要である場合は,Ci (必要ならCi10及び/又はCi11) を縦軸とし,測定サイクルに対
するdiを横軸としてプロットする。
10 報告
次の情報を報告する。
a) 試料,装置,測定機関及び測定日を特定するために必要なすべての情報
b) 使用した標準物質(標準試料)(箇条5参照)
c) 同位体比補正についての情報(8.6.1参照)
d) 結果及び図式
――――― [JIS K 0164 pdf 8] ―――――
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e) 分析の際に認められた異常
f) この規格に規定されていない操作及び結果に影響を与え得る付随的な操作
――――― [JIS K 0164 pdf 9] ―――――
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附属書A
(参考)
触針式表面粗さ測定機による測定結果の統計解析
この附属書は,触針式表面粗さ測定機による測定結果の統計解析について記載するものであって,規定
の一部ではない。
A.1 評価の方法
触針式表面粗さ測定機による測定について,20機関による機関間テストプログラムによって評価を行っ
た。標準物質としては3種の溝がある,深さ校正用標準物質を用い,繰返し性及び再現性をJIS Z 8402-2
によって計算した。
A.2 試験計画
各参加機関は,3種の溝の深さについて,3回の独立した測定結果を報告する。
A.3 試験材
試験材としては,市販の深さ校正用標準物質を使用した。溝の深さの認証値は,それぞれ2.33 μm(レ
ベル1),0.27 μm(レベル2),及び0.029 μm(レベル3)であった。この標準物質を機関間で順に回送し,
同一試料での測定を行った。
A.4 触針測定手順
装置製造業者の作業手順書又は各機関作成の手順書によって,触針式段差計を用いて溝の深さをそれぞ
れ3回ずつ測定する。
A.5 統計的処理
A.5.1 妥当性の検討
JIS Z 8402-2によって,Cochran試験,Grubb試験及びgraphical consistency法を独立に適用した。全試験
で外れ値と判定されたレベル3の測定値は,解析から除外した。
A.5.2 繰返し性及び再現性の計算
この試験を実施した研究機関の数は,深さ2.33 μm及び0.27 μmの溝については20機関,深さ0.029 μm
の溝については15機関であった(外れ値は除外した。)。平均値,機関内ばらつき及び機関間ばらつきを求
めるために,それぞれの機関から得られた結果をJIS Z 8402-2によって取り扱った。相当する繰返し性及
び再現性を計算した。
この後に与えられる情報の意味は,次による。
Sr2 : 繰返し性ばらつき
SL2 : 機関間ばらつき
SR2 : 再現性ばらつき(SR2=Sr2+SL2)
――――― [JIS K 0164 pdf 10] ―――――
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JIS K 0164:2010の引用国際規格 ISO 一覧
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