JIS K 0165:2011 表面化学分析―汎用オージェ電子分光器による元素分析のためのエネルギー軸の校正方法 | ページ 2

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必要はなく100 000 cpsでも差し支えない[2]。
全ての試料は,少なくとも99.8 %以上の純度の多結晶体金属で,大きさ10 mm×10 mm,厚さ0.1 mm
0.2 mmの薄片状のものが使いやすい。
試料の清浄化が必要なときは,銅は1 %硝酸に少し浸した後に蒸留水ですすぐとよい。銅試料を2,3日
以上空気中に放置したときは,上記の硝酸に浸すことによって簡単に6.3に規定する試料の清浄化ができ
る。
注記 電子線の加速電圧が1020 kVのとき,それより低い加速電圧での測定のときよりも,よりよ
い信号対ノイズ比を得られることが多い。

6.2 標準試料の取付け

  銅,金又はアルミニウム試料を同一のホルダ又は別のホルダに,止めねじ又は他の金属のジグで導通を
確保して固定する。両面粘着テープを用いてはならない。
注記 試料を取り付けるホルダの材料としては,非磁性材料で,かつ,放出ガスの少ない材料を用い
る必要がある。磁性の強い材料を用いると一次電子線の照射位置が移動したり,検出信号が減
少する場合がある。亜鉛を含む合金,黄銅などのホルダ,ビス,ワッシャーなどを用いて,更
に加熱した場合,黄銅などから亜鉛が蒸発して分析室などを汚すため,特に注意が必要である。
測定試料として,これらの材料を分析する場合にも,同様の注意が必要である。

6.3 標準試料の清浄化

  超高真空に到達後,イオンスパッタリングによって表面汚染を取り除き,試料を清浄化する。目安は,
サーベイスペクトル(ワイドスキャン)で酸素及び炭素のオージェ電子ピークが,最も強い金属ピークの
高さの2 %以下になるようにする。それぞれの試料についてサーベイスペクトルをとり,存在すべき純元
素のピークだけであることを確かめる。6.6が終了するまで又は一日の終わりまでのどちらか早い方で,試
料表面の酸素及び炭素のピーク高さが,金属の最も強いピークの3 %を超えない方がよい。
この規格に関係する全ての測定は,一日のうちに終わらせるのがよい。一日以上かかる場合には,その
日の始めに試料の清浄さを確認しなければならない。
注記 試料清浄化に適切な希ガスイオンスパッタリング条件は,5 keV,30 μAのアルゴンイオンで
1 cm2の範囲を1分間行う。
サーベイ及び微分スペクトルの例を,図2に示す。

――――― [JIS K 0165 pdf 6] ―――――

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0
強度(15
CP )
S
運動エネルギー(eV)
a) 銅
0
強度(15
CP )
S
運動エネルギー(eV)
b) 金
a サーベイスペクトル
b 微分スペクトル
図2−清浄化された銅,金及びアルミニウムのサーベイスペクトル

――――― [JIS K 0165 pdf 7] ―――――

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0
強度(15
CP )
S
運動エネルギー(eV)
c) アルミニウム
a サーベイスペクトル
b 微分スペクトル
図2−清浄化された銅,金及びアルミニウムのサーベイスペクトル(続き)

6.4 エネルギー軸の校正をする分光器の設定条件の選択

  ダイレクトモードでスペクトル測定するよう分光器を設定する。微分モードでしか操作できない分光器
では,微分変調振幅を2 eVピークツーピークに設定する。エネルギー軸の校正をする分光器のその他の操
作設定を選択する。パスエネルギー,減速比,スリット,レンズ調整など,校正が必要なアナライザー設
定のそれぞれの組合せごとに6.46.6に示す校正手順を繰り返す。これらの設定値は,分光器校正の日誌
に記録する。
注記 分光器及びその回路デザインには,様々な種類がある。ある一つの組合せで校正したレンズの
調整,スリット及びパスエネルギーの値は,それ以外の組合せに対しては必ずしも有効ではな
い。大多数の測定者は,ある一つの最適な組合せの条件で正確な測定を行う。したがって,こ
の条件での校正が必要とされる。どのような校正も実際に設定した組合せに対してだけ有効で
ある。

6.5 分光器の操作

重要−高い計数率[3]又は不適切な検出器の電圧[3], [4]は,ピークのひずみ(歪)を引き起こし,誤ったピー
クエネルギーの値を与える原因になる。
分光器製造業者の取扱説明書又は試験機関で決めた手順書に従って分光器を操作する。分光器は,ベー
キングの後で十分に冷えた状態にする。計数率,分光器の掃引速度及びその他の分光器製造業者が規定し
たパラメータについて,分光器製造業者が推奨する範囲内で操作していることを確認する。検出器の電子
増倍管の設定が正しく調整されていることを点検する。多重検出器をもつ分光器については,分光器製造
業者が記述している必要な最適化又は点検を,この校正に先立って確実に行わなければならない。

――――― [JIS K 0165 pdf 8] ―――――

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6.6 参照ピークの測定

6.6.1  通常使う場合と同じ放出角の分析位置に,銅試料をセットする。試料の位置決めの順序は,分光器
製造業者が推奨する手順書に従う。6.4によって選択した設定を利用して,ダイレクトモード又は微分モー
ドでCu M2, 3VV及びCu L3VVのピークエネルギーを記録する[図3のa) 及びb) を参照]。記録は,次に
よる。
a) エネルギー軸をデジタル掃引する場合は,エネルギーステップを0.1 eV程度に設定する。
b) アナログシステムでは,掃引速度βは0.07 Wτ−1 eV/s未満とする。
表1によって,適切に選択した全チャネルの積算時間又はτ/βにおける信号強度を記録する。サビツキ
ー・ゴーレイ法で9点又はそれ以上の点で平滑化を行った場合,最小信号強度は低くなる(表1参照)。
6.6.2 Au M5N6, 7N6, 7ピークは,Cu L3VVピークの約10倍長い測定時間がかかる。この時間が受け入れに
くい場合,分光器が2 000 eVまでしかエネルギー掃引できない場合,又は電子線の加速電圧が5 kV未満
の場合には,銅及び金の組合せの代わりに銅及びアルミニウムの組合せを使う。分析位置から銅試料を外
し,金又はアルミニウム試料に取り替える。図3のc)及びd)に示すAu M5N6, 7N6, 7又はAl KL2, 3L2, 3のピー
クを記録するために必要な条件の全チャネルの積算時間又はτ/β以外は,検出器の設定を6.6.1と同じ組合
せにする。
表1−記録する信号強度
ピーク 帰属 ダイレクトモードにおける 微分モードにおける許容される
番号 チャネル当たりの計数の最小値a) 2乗平均値の最大値
平滑化なし 9点以上の点でサビツキー・平滑化なし 9点以上の点でサビツキー・
n ゴーレイ法で平滑化 ゴーレイ法で平滑化
1 Cu M2, 3VV 400 000 100 000 1% 2%
2 Cu L3VV 400 000 100 000 1% 2%
3 Al KL2, 3L2,3 400 000 100 000 1% 2%
4 4000 000
Au M5N6, 7N6, 7 1000 000 1% 2%
注a) バックグラウンドは,差し引かない。

――――― [JIS K 0165 pdf 9] ―――――

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)
)
S
S
CP
CP
5
5
0
0
強度(1
強度(1
運動エネルギー(eV) 運動エネルギー(eV)
a) u M2,3VV b) u L3VV
)
)
S
S
CP
CP
5
5
0
0
強度(1
強度(1
運動エネルギー(eV) 運動エネルギー(eV)
c) u M5N6,7N6,7 d) l KL2,3L2,3
a ダイレクトモード
b 微分モード
c 校正用のピーク
注記 分かりやすくするため,微分スペクトルは垂直方向にずらした。図の主軸のエネルギー軸は真空準位を基準と
しており,第二軸のエネルギー軸はフェルミ準位を基準としている。
図3−相対エネルギー分解能0.3 %でのナロースキャンスペクトルの例

6.7 参照スペクトルのピークの運動エネルギー値の決定

  図3に示すような適度なエネルギースキャン幅で測定されたピークに対して,ダイレクトスペクトルに
おけるピーク最大値,又は微分スペクトルにおける負のピーク最小値の運動エネルギーの絶対値を求める。
ただし,図3のa)に示すCu M2, 3VVスペクトルは例外である。図に示すように,2本のピークの間に接線
を引き,その接点間の中点をスペクトルの運動エネルギー値とする。スペクトルが平滑化処理を必要とし
ないほど十分な強度をもつ場合には(表1参照),この運動エネルギー値決定の操作を実スペクトルに直
接行ってもよい場合がある。しかし,スペクトルの強度が十分でない場合には,少なくとも表1にある“サ

――――― [JIS K 0165 pdf 10] ―――――

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JIS K 0165:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17973:2002(MOD)

JIS K 0165:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0165:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0147:2004
表面化学分析―用語