JIS K 0169:2012 表面化学分析―二次イオン質量分析法―デルタ多層標準物質を用いた深さ分解能パラメータ評価方法

JIS K 0169:2012 規格概要

この規格 K0169は、デルタ多層標準物質を用いたSIMS深さ方向分布の測定における上昇端ディケイ長,下降端ディケイ長及びガウス分布幅の三つの深さ分解能パラメータを評価するための方法について規定。

JISK0169 規格全文情報

規格番号
JIS K0169 
規格名称
表面化学分析―二次イオン質量分析法―デルタ多層標準物質を用いた深さ分解能パラメータ評価方法
規格名称英語訳
Surface chemical analysis -- Secondary-ion mass spectrometry (SIMS) -- Method for estimating depth resolution parameters with multiple delta-layer reference materials
制定年月日
2012年4月20日
最新改正日
2017年10月20日
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対応国際規格

ISO

ISO 20341:2003(IDT)
国際規格分類

ICS

71.040.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
化学分析 2021
改訂:履歴
2012-04-20 制定日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS K 0169:2012 PDF [7]
                                                                   K 0169 : 2012 (ISO 20341 : 2003)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  2A 用語及び定義・・・・[2]
  •  3 記号及び略語・・・・[2]
  •  4 デルタ多層標準物質に対する要求事項・・・・[2]
  •  5 手順・・・・[3]
  •  6 分析結果の報告・・・・[4]
  •  附属書A(規定)SIMS深さ分解能パラメータの簡易評価・・・・[5]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS K 0169 pdf 1] ―――――

K 0169 : 2012 (ISO 20341 : 2003)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標
準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS K 0169 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                          JIS
K 0169 : 2012
(ISO 20341 : 2003)

表面化学分析−二次イオン質量分析法−デルタ多層標準物質を用いた深さ分解能パラメータ評価方法

Surface chemical analysis-Secondary-ion mass spectrometry(SIMS)-Method for estimating depth resolution parameterswith multiple delta-layer reference materials

序文

  この規格は,2003年に第1版として発行されたISO 20341を基に,技術的内容を変更することなく作成
した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線を施してある補足事項は,対応国際規格にはない事項である。
深さ分解能は二次イオン質量分析法(SIMS)の深さ方向の分析において重要なパラメータの一つである。
しかし,SIMS分析におけるスパッタ深さ方向分布はいろいろな要因に影響を受ける。すなわち,イオン
ビーム誘起ミキシング,偏析,電荷誘起拡散,マトリックス効果,クレータの形状,表面の凹凸などであ
る。最適な深さ分解能を得るために,これらの要因による深さ分解能の劣化を理解し,最小限にする必要
がある。
最適な深さ分解能を得るには非常に低い一次イオンビームエネルギー,斜入射,試料回転,極低温の試
料冷却などを含む特別な条件が必要である。これらは日常のSIMS分析には容易に用いることができない
条件である。これに加えて,各々の試料に対して分析条件の最適値は全く異なる。
さらに,異なる側面では,深さ分解能はクレータ形状,イオンビームの均一性,クレータ形状効果の除
去,質量干渉,メモリー効果,残留ガス効果などの装置因子によって影響を受ける。
したがって,日常のSIMSの測定条件で与えられる深さ分解能を評価することは簡単ではない。この規
格では,深さ方向分解能の三つの基本的な因子である上昇端ディケイ長,下降端ディケイ長及びガウス分
布幅を示し,かつ,各々のパラメータを測定するための方法について規定する。
日常のSIMS測定条件における深さ分解能パラメータは,デルタ多層標準物質を用いて評価することが
できる。

1 適用範囲

1.1   この規格は,デルタ多層標準物質を用いたSIMS深さ方向分布の測定における上昇端ディケイ長,
下降端ディケイ長及びガウス分布幅の三つの深さ分解能パラメータを評価するための方法について規定す
る。
1.2 この規格は,一次イオン入射によって化学的及び物理的状態が定常状態にはない表面近傍のデルタ
層に対して適用しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 20341:2003,Surface chemical analysis−Secondary-ion mass spectrometry−Method for

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2
K 0169 : 2012 (ISO 20341 : 2003)
estimating depth resolution parameters with multiple delta-layer reference materials(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0147 表面化学分析−用語
注記 対応国際規格 : ISO 18115:2001,Surface chemical analysis−Vocabulary(IDT)

2A 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0147によるほか,次による。
2A.1
デルタ層(delta layer)
基板上に,成膜中に形成される不連続組成をもつ一原子厚さの層(JIS K 0147参照)。
2A.2
上昇端ディケイ長(leading edge decay length)
極大値を通過する前の深さとともに,増大する信号強度のディケイ長の値(JIS K 0147参照)。
2A.3
下降端ディケイ長(trailing edge decay length)
極大値を通過した後の深さとともに減少する信号強度のディケイ長の値(JIS K 0147参照)。

3 記号及び略語

  この規格で用いる主な記号及び略語は,次による。
z : 深さ(nm)
z0 : 見かけのピーク深さ(nm)
λL : 上昇端ディケイ長(nm)
λT : 下降端ディケイ長(nm)
σ : ガウス分布幅(nm)
AL,AT : スケーリング因子
B,C : スケーリング係数
I(z) : 深さの関数としての二次イオン強度
SIMS : (Secondary Ion Mass Spectrometry)

4 デルタ多層標準物質に対する要求事項

4.1   理想的なデルタ層の厚さは,JIS K 0147のデルタ層に定義されるように単原子層である。しかし,
理想的なデルタ層の作製又は単原子層の厚さを証明することは通常不可能である。理想的なデルタ層を入
手できない場合には,標準物質として用いられる非理想デルタ層に対して次の規定を適用する。
4.2 深さ方向分布の測定中にスパッタされる表面のマトリックスが変化することによって,SIMSのマト
リックス効果又は浸食率の変化が生じてはならない。デルタ層を通してマトリックス元素の二次イオン強

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K 0169 : 2012 (ISO 20341 : 2003)
度が一定であることが,マトリックスが一定であることを表す。
4.3 SIMS深さ方向分布がひずまないように,表面とデルタ層とは平たんかつ互いに平行でなければなら
ない。
4.4 厚さの僅かなばらつきが分布形状に影響しないように,ドープされたデルタ層の厚さは一次イオン
の投影飛程よりも十分小さくなければならない。
4.5 デルタ層間の谷の二次イオン強度がピーク強度の1 %未満となるように,隣り合うデルタ層の間隔
を,十分に大きくしなければならない。
4.6 デルタ層の厚さ,位置及び界面の粗さは,高分解能断面透過電子顕微鏡法,低角X線反射率測定法,
中速イオン散乱分光法,又は他の適切な手法で決定しなければならない。

5 手順

5.1   二次イオン質量分析器の調整及び最適化に関しては,イオンエネルギー,イオン種,イオン電流,
二次イオン極性,一次イオン走査領域,分析領域,一次イオン電流の安定性,試料の導入,検出する二次
イオンなどの分析条件を,製品の取扱説明書又は装置担当者が作成した手順書に従って設定しなければな
らない。
デルタ多層標準物質のそれぞれのデルタ層のSIMS深さ方向分布の形状に再現性がない場合,一次イオ
ン電流の変動,走査の均質性など,装置の性能を確認しなければならない。
評価されたSIMS深さ分解能パラメータの良好な再現性を得るために,SIMS深さ方向分布の上部20 %
においてデータ数が10点を超えるようにSIMS分析の条件を調整しなければならない。また,SIMS深さ
方向分布は,最大強度の1 %未満になるまで記録しなければならない。
5.2 この規格を利用するために,デルタ層のSIMS深さ方向分布は,指数関数的な上昇端,ガウス分布
的なピークの丸み及び指数関数的な下降端で記述しなければならない。デルタ層のSIMS深さ方向分布が
式(1)で定義された指数関数的な上昇端としてのfL(z),式(2)で定義された指数関数的な下降端としてのfT(z)
の二つの指数関数,及び式(3)で定義されるガウス形分布g(z)のコンボリューションで表されると仮定する
と,上昇端ディケイ長λL,下降端ディケイ長λT及びガウス分布幅σの三つのパラメータが必要となる。こ
の三つのパラメータの単位は,通常ナノメートル(nm)で表す。
z−z0
fL (z)=AL exp z λL
−(z−z0 )
fT (z)=AT exp z>z0 (2)
T
2
B −(z−z0 )
g(z)= exp 2

(pdf 一覧ページ番号 )

                                2          2
5.3 バックグラウンドレベルがピーク強度の1 %よりも大きければ,SIMS深さ分解能パラメータを評価
する前に,それぞれのピーク間の一定バックグラウンドをフィッティングのときに差し引かなければなら
ない。二つの任意のデルタ層のピーク間のスパッタリング時間間隔の平均値,及びその間の厚さを用いて,
スパッタリング時間をナノメートルの深さに変換する。
5.4 ディケイ長及びガウス分布幅を評価するために,非線形カーブフィッティングソフトウェアを用い
て次の式でフィッティングできる。

――――― [JIS K 0169 pdf 5] ―――――

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JIS K 0169:2012の引用国際規格 ISO 一覧

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