JIS K 2541-5:2003 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第5部:ボンベ式質量法 | ページ 2

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単位 mm
図 1 ボンベ式質量法試験器(一例)
単位 mm
図 2 試料皿
c) 点火線 直径0.3 mm,長さ約100 mmの白金線又はこれと同等なニッケル線とし,中央部約20 mmを
コイル状にしたもの。
d) 着火材 JIS P 3801に規定するろ紙又は白色良質の木綿糸やナイロン糸。
e) 点火用回路 点火線を溶融することなく,着火材を燃やすのに十分な電流を通じることのできるもの
とし,スイッチは押しボタン式のもの。
備考 点火線に負荷する電圧は,次のようにして決めるとよい。
新しく電極に取り付けた点火線に大気中で電流を23秒間通じて,点火線の溶融がなく着火
材に点火し得る最低電圧を求めて目安とする。
f) 酸素圧入用連結管 酸素をボンベ内に圧入する連結管であって,減圧弁及びボンベ内圧力をはかるた
めの圧力計(最高圧力57 MPa)を備えたもの。
備考 酸素圧入用連結管は,酸素に不活性で最高圧力以上の耐圧があれば,銅製以外の材質でもよい。

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g) るつぼ JIS R 1301に規定する磁器るつぼで記号PC 1のB形で呼び容量が30 mL又はJIS H 6201に
規定する白金るつぼ30番(容量30 mL)のもの。
h) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種C。

6. 試料の採取方法及び調製方法

 試料の採取方法及び調製方法は,次による。
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製方法によるか,又はそれに準じ
た方法によって採取及び調製する。

7. 試験の手順

 試験の手順は,次による。

7.1 試験の準備

 ボンベ本体(2)及びふたを十分に洗浄し乾燥する。次に,清浄な点火線を,図3に示す
ようにコイルが試料皿の外周上部に位置するように両端を電極に接続する(3)。乾燥した着火材を一端が試
料皿の底部に接し,他端が点火線のコイル中央部に取り付けられる長さに切る。次に,ボンベ本体に炭酸
ナトリウム溶液約5 mLを入れ,その内面をぬらす。
図 3 点火線の取付け法(一例)
注(2) ボンベを繰り返し使用した場合,ボンベ内面に曇りを生じることがある。
この場合,ボンベを旋盤に取り付け,毎分約300回の速さで回転させながら,まず,JIS K 2238
に規定するISO VG 722のものを塗布したJIS R 6252の粒度P240番で磨き,次に,微細な酸
化クロム(粉末)と水とを練り混ぜたもので磨いた後,せっけん水及び水でよく洗浄する。こ
の操作によって,特に深いくぼみでない限り,曇りは除かれ,表面をきれいに仕上げることが
できる。
(3) 点火線と電極との接続不良の場合,点火失敗の原因となるので,あらかじめ導通を確かめる。

7.2 試料のはかり採り

 試料(4)0.60.7 gを試料皿に0.1 mgのけたまで正しくはかり採る。ただし,硫黄
分概略値が5質量%を超える場合は,試料のはかり採り量を0.30.4 gとし,これに希釈剤を0.3 g加えて
短い石英棒でかき混ぜる。
なお,この石英棒は,燃焼の際も試料皿にそのまま入れておく。
注(4) 塩素分2質量%以上を含む試料の場合は,表1に示す試料量をはかり採る。

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表 1 塩素分2質量%以上の試料及び希釈剤のはかり採り量
単位 g
塩素分 質量% 試料のはかり採り量 希釈剤のはかり採り量
2以上 5以下 0.4 0.3
5を超え10以下 0.2 0.5
10を超え20以下 0.1 0.6
20を超え50以下 0.05 0.6
備考 原油など軽質分を含む試料は,試料はかり採り時にカプセル(JIS K 2279参照)を用いる
か又はできるだけ速やかに質量をはかり,直ちに燃焼させる。

7.3 酸素の圧入

 酸素の圧入に先立ち酸素圧入用連結管,減圧及び酸素ボンベが清浄であることを確か
める。次に,試料皿を電極に取り付け,図3に示すように着火材の一端を試料中に浸す(5)。ボンベのふた
をし,酸素を圧入したとき漏れがないように外ぶたを堅く締め付ける。次に,試料が試料皿から吹きこぼ
れないように静かに酸素を圧入し,ボンベ内圧力が3.03.5 MPaに達したら圧入を止める(6)。
注(5) 原油など軽質分を含む試料の場合は,点火コイルの損傷を避けるため,着火材の先端を試料に
浸さないで試料面から3 mm程度離すとよい。
(6) ボンベに酸素を入れ過ぎぬように十分に注意しなければならない。もし,入れ過ぎた場合はボ
ンベが破裂する危険があるので,酸素圧入用連結管を外し,酸素を放出して試験を最初からや
り直す。
備考 ボンベは常に静かに取り扱う必要がある。ボンベに衝撃を与えたり,倒したり,落としたりし
たときは,酸素の圧入又は点火を行ってはならない。このような場合は,ボンベの内容を点検
した後,試験を最初からやり直す。

7.4 燃焼

 酸素を圧入したボンベを20 ℃以下にした水浴中に入れ(7),漏れがないことを確かめ(8),点火
用回路に電極端子を接続し23秒間スイッチを入れて試料を燃焼させる(9)。少なくとも20分間水浴中に
放置した後,ボンベを取り出しボンベ内の圧力を一定速度で7分以上かけて抜く。ふたを外し内部の燃焼
状態を調べ,未燃焼試料又はすすが少しでもあった場合,又は点火線が切れている場合は,ボンベを清浄
にして試験を最初からやり直す。
注(7) このとき電極上部の電極端子は,水面上に出るようにする。
(8) 酸素の漏れがあったときは,試験を最初からやり直す。
(9) 突発的な事故に備えて,点火燃焼中は絶対にボンベの上面に顔や手などを差し出してはならな
い。

7.5 燃焼後のボンベ内容液の採集

 燃焼後のボンベ内容液の採集は,次による。
a) ボンベ本体内面,試料皿及び内ぶた内面に水を吹きかけて,十分に洗浄する。特に電極の付け根は,
丁寧に洗浄し(10),全洗液をビーカ500 mLに集め,ボンベに沈殿があればこれをゴム管付ガラス棒を
用いてこすり落とし,ビーカ500 mLに移す。
なお,このときのビーカ500 mLの内容液は,300 mLを超えないようにする。
注(10) 洗液が適切な指示薬(メチルレッド溶液など)で中性を示すまで洗浄する。
b) 試料皿は別のビーカ50 mLに入れ塩酸2 mLを加え,更に,試料皿が完全に浸るまで水を加え,わず
かに沸騰する程度で34分間加熱する。次に,この溶液をa)のビーカ500 mLに加える。さらに,
試料皿とビーカ50 mLとを水でよく洗い,試料皿に沈殿があれば(11),これをゴム管付ガラス棒を用い
てこすり落とし,洗液と共にビーカ500 mLに加える。
注(11) 沈殿がシリカ,雲母など明らかに硫酸塩以外のものである場合は,ろ過して取り除く。

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また,この沈殿が硫酸塩の場合は,ろ過することなく7.6の操作に移る。
備考 沈殿が硫酸塩か否かは,発光分光分析などによって金属元素を測定し,判定するとよい。沈殿
が認められた場合は,測定値の正確さが期待できない場合が多い。

7.6 沈殿の生成

 7.5で採集した溶液を熱板又は砂浴上で,溶液がわずかに沸騰するまで加熱する(12)。
次に溶液を緩やかにかき混ぜながら沸騰する程度に加熱した塩化バリウム溶液をピペットを用いて10 mL
をゆっくり滴下する。時計皿でビーカ500 mLにふたをし,わずかに沸騰させながら更に30分間加熱を続
ける。次いで沸騰させないように注意して約2時間加熱を続けるか,又は室温で一夜静置し,沈殿の熟成
を行う。
注(12) 硫黄分の少ない試料の場合は,約200 mLになるまで濃縮する。

7.7 沈殿のろ過

 沈殿のろ過は,次による。
a) 沈殿熟成の終わった溶液を60 ℃以上に加熱し,沈殿が流出しないように静かに上澄み液だけをろ紙
上に八分目を超えない程度に注ぎ,この操作を繰り返す。
b) ビーカ500 mLに残った沈殿は温水2030 mL加えてかき混ぜた後,静置し,再び上澄み液を傾斜法
によってろ過する。この操作を2回繰り返す。
c) 次いでビーカ500 mLの内容物に温水を少量加えてかき混ぜながらろ紙上に移す。
さらに,ビーカ500 mLの内壁に少量の温水を吹き付け,水で湿したゴム管付ガラス棒を用いて,
内壁に付着した沈殿を洗い落としてろ紙上に移す。沈殿を完全に移し終わるまで,この操作を行う。
d) 沈殿の洗浄は,新しいろ液が硝酸銀溶液によって乳白色を呈しなくなるまで少量の温水で約10回程度
繰り返す(13)。b)d)で使用する温水は200 mLを超えてはならない。
注(13) 200 mL以内で塩素イオンのなくなるように効果的な洗浄を行わなければならない。例えば,漏
斗中に溶液が残っているのに,その上に新しい温水を注ぐのは洗浄効果を低下させることにな
る。

7.8 沈殿の強熱及びひょう量

 沈殿の入ったろ紙をあらかじめ恒量にしたるつぼに移し水分がなくなる
まで低い温度で乾燥する。ろ紙は,燃えないように注意して炭化させた後,次第に温度を上げて灰化した
後,750800 ℃で20分間強熱する。次に乾燥剤を用いないデシケータ中で室温まで放冷した後,0.1 mg
のけたまで質量をはかる。この操作は,恒量になるまで繰り返し,この質量から空のるつぼの質量を差し
引いて硫酸バリウムの質量を求める。

7.9 空試験

 試料を用いないで7.17.8と同様の操作を行う。

8. 計算方法

 硫黄分は次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.01に丸める。
13.74 (A B)
S
M
ここに, S : 硫黄分(質量%)
A : 硫酸バリウムの質量(g)
B : 空試験における硫酸バリウムの質量(g)
M : 試料のはかり採り量(g)

9. 精度

 この試験方法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次による。ただし,塩素分
2質量%以上を含む試料には適用しない。
備考 試験結果がこの許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6によって処理する。

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a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験し
たとき,試験結果の許容差を表2に示す。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求
めた2個の試験結果の差の許容差を表2に示す。
表 2 精度
単位 質量%
室内併行許容差 室間再現許容差
0.02+0.02X 0.05+0.05X
備考 表中のXの値は試験結果の平均値である。

10. 試験結果の報告

 試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) 日本工業規格(日本産業規格)番号 : JIS K 2541-5
c) 8.によって得られた結果
d) 特記事項

――――― [JIS K 2541-5 pdf 10] ―――――

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JIS K 2540:2000の国際規格 ICS 分類一覧