JIS K 2541-5:2003 原油及び石油製品―硫黄分試験方法 第5部:ボンベ式質量法 | ページ 3

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K 2541-5 : 2003
附属書(規定)誘導結合プラズマ発光法

1. 適用範囲

 この附属書は,硫黄分0.05質量%以上含有する潤滑油中の硫黄分を誘導プラズマ発光法に
よって定量する方法について規定する。
備考1. この試験方法は,試料中に添加されている粘度指数向上剤の種類によっては試験結果が低く
なることがある。
2. この規格は,危険な試薬,操作及び試験器を用いることがあるが,安全な使用方法をすべて
にわたって規定しているわけではないので,この試験方法の使用者は試験に先立って,適切
な安全上及び健康上の禁止事項を決めておかなければならない。

2. 引用規格

 引用規格は,本体2.による。

3. 試験の原理

 試料を灯油で一定量に希釈したのち,最適条件に調整した誘導結合プラズマ(ICP)発
光分析装置で発光強度を測定し,あらかじめ作成した検量線から試料中の硫黄分を求める。

4. 試薬

 試薬は,次による。
a) 灯油 硫黄分20質量ppm以下のもの。
備考 ロットによって硫黄分濃度が異なる場合があるので試験溶液及び検量線作成用標準液(検量線
用ブランク液を含む。)の調製は,同一ロットの灯油を用いる。
b) 基油 JIS K 9003に規定する流動パラフィン又はこれに準じたもので,硫黄分1質量ppm以下のもの
を用いる。
c) 硫黄分認証標準物質(2質量%レベル) JIS Q 0034及びJIS Q 0035に従って認証されたもの。
参考 社団法人石油学会から供給されている。
d) アルゴンガス JIS K 1105に規定するもの。
e) 窒素ガス JIS K 1107に規定するもの。

5. 試験器

 試験器は,次による。
a) 誘導結合プラズマ発光分析装置 JIS K 0116に適合した波長固定形,波長走査形及びこれらの複合形
で,光電測光法による測定が可能なもの。また,光路を真空又は不活性ガス置換するなどの機能をも
ち,紫外領域の測定が可能なもの。
b) 全量フラスコ JIS R 3505に規定する全量フラスコ100 mLのもの。
c) 天びん 0.1 mgまでひょう量できるもの。
6. 誘導結合プラズマ発光分析装置の調整 装置の調整は,次による。
a) プラズマガス,補助ガス,キャリヤーガスを誘導結合プラズマ発光分光分析装置の最適条件に設定す
る。
b) 励起源部を作動し,プラズマを点灯する。
c) 灯油をプラズマ中に噴霧し,高周波出力,反射波出力などを最適化する。

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d) 分析線182.04 nmを設定するとともに,積分回数,測定回数,測光位置,スリット幅などを誘導結合
プラズマ発光分析装置の最適条件に設定する。
7. 試料の採取方法及び調製方法 JIS K 2251に規定する一次試料採取方法及び二次試料調製方法又はそ
れに準じた方法によって採取及び調製する。
8. 試験の手順 試験の手順は,次による。
a) 検量線用標準液の調製 検量線用標準液の調製は,次による。
1) 全量フラスコ100 mLを4個用意し,硫黄分認証標準物質0.1 g,0.2 g,0.5 g,及び1.0 gを0.1 mg
のけたまではかり採る。次いで,これらに基油0.9 g,0.8 g及び0.5 gをはかり採り,硫黄分認証標
準物質1.0 gをはかり採った全量フラスコには基油を加えず,灯油を標線まで加える。この溶液を
20 最一 40 最一 100 最一 び200 最一 ベルの検量線用標準液とする。
2) 全量フラスコ100 mLに基油1.0 gをはかり採り,灯油を標線まで加える。この溶液を0 最一 量
線用標準液とする。
b) 試験溶液の調製 試料をよく振り混ぜたのち,全量フラスコ100 mLにその1 gを0.1 mgのけたまで
はかり採り,灯油で標線まで希釈する。この溶液を試験溶液とする。
備考1. 希釈倍率は,硫黄分が低濃度の場合に検量線の中心近くになるように40倍以上であれば使用
できる。ただし,疑義が生じた場合は100倍希釈とする。また,検量線用標準液も基油を加
え,同じ希釈倍率にする。
2. 硫黄分予想濃度が2質量%を超える試料は,試料はかり採り量を1 gより少なくし,その減
少分は基油を加えることによって,測定できる。
c) 発光強度の測定 発光強度の測定は,次による。
1) 6.に従って最適条件に調整した誘導結合プラズマ発光分析装置を用い,検量線用標準液及び試験溶
液をプラズマトーチ中に順次噴霧して硫黄の発光強度を測定し,記録する。
2) 検量線用標準液の発光強度と硫黄分( 最一 の検量線を作成する。
3) 試験溶液の発光強度から検量線を用いて試験溶液の硫黄分( 最一 を求める。
備考 多数の試料を連続して測定する場合は,一定時間ごと又は一定試料数ごとに検量線用標準液を
測定し,装置が正確に校正されていることを確認する。
9. 計算及び結果 計算及び結果は,次による。
試料中の硫黄分は次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって,丸めの幅0.01に丸める。ただし,
0.05質量%未満の場合は,0.05質量%未満とする。
A M
C
10 000
ここに, C : 試料中の硫黄分(質量%)
A : 検量線から求めた試験溶液の硫黄濃度( 最一
M : 試験溶液の全量(mL)
W : 試料のはかり採り量(g)

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10. 精度 この試験法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次のとおりである。ただし,
硫黄分が2質量%を超える試料についてはこの精度は適用しない。
備考 この許容差を外れた場合は,JIS Z 8402-6によって処理する。
a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で引き続き短時間に同一試料を2回試験し
たとき,試験結果の差の許容差を附属書表1に示す。
b) 室間再現精度 異なる試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験して求
めた2個の試験結果の差の許容差を附属書表1に示す。
附属書表 1 精度
単位 質量%
硫黄分(質量%) 室内併行許容差 室間再現許容差
0.05以上 2.0以下 0.03X+0.001 0.06X+0.007
備考 表中のXの値は,試験結果の平均値である。
11. 試験結果の報告 試験結果には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) 日本工業規格(日本産業規格)番号 : JIS K 2541-5 附属書
c) 9.によって得られた結果
d) 特記事項

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