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K3611-1995
(c) セラミックス
番号 用語 定義 対応英語(参考)
11059 アルミナ Al2O3の化学組成をもつアルミニウム酸化物。 alumina
備考 硬組織代替材料に使用される。
11060 ウォラストナイト wollastonite
CaSiO3の化学組成をもつ三斜晶系,空間群PTのけい酸カ
ルシウム。
備考 日本名は,けい灰石。
11061 結晶化ガラス glass ceramics
ガラスを適当な温度で再加熱してガラス中に微細な結晶
を析出させたガラスと結晶の複合体。
11062 コーティング材料 coating material
生体適合性を高めるために基材の表面を被覆するために
用いる材料。
備考 抗血栓性や骨接着性を改善する材料。
11063 ジルコニア ジルコニウムの酸化物 (ZrO2) 。 zirconia
備考 安定化ジルコニアは高じん(靱)性をもち,従
来のセラミックスの欠点を補い,構造物に用い
られる。
11064 生体活性セラミッ bioactive ceramics
骨内に埋入するとセラミックス表面に骨の無機質と同じ
クス ヒドロキシアパタイトの膜を形成し,この膜を介して骨と
化学的に直接結合できるセラミックス。
11065 生体不活性セラミ bioinert ceramics
生体内で化学的に安定で溶出物をもたないが,骨とは化学
ックス 的に結合しないセラミックス。
11066 バイオガラス bioglass
Na2O-CaO−P2O5-CaF2-B2O3-SiO2系のガラスで,骨と直接化
学結合する組成範囲をもつガラス。
参考 1969年に米国のL. L. Henchが開発し,命名した。
11067 バイオセラミック bioceramics
(1) 人体に埋入して生体機能の回復や増強をはかるために
ス 用いられるセラミックス。
(2) 酵素固定化,細菌・ウィルス分離,生化学反応触媒な
どに用いられるバイオテクノロジーセラミックス。
備考 普通は(1)の意味で用いられる。
11068 パイロライトカー pyrolytic carbon
メタン,プロパン,ベンゼンなどの炭化水素を7002 000℃
ボン で熱分解して得られる炭素材料。熱分解炭素ともいう。
11069 ヒドロキシアパタ Ca10 (PO4) 6 (OH) 2の化学組成をもつ結晶。 hydroxyapatite
イト 備考1. 天然の骨や歯の無機質成分とほぼ同じ生体活
性セラミックスの一種。
2. HAともいう。
11070 りん酸三カルシウ Ca3 (PO4) 2の化学組成をもつりん酸カルシウム。 tricalcium phosphate
ム 備考1. 低温から 拿 懿 愀 湎 つの相があり,転移温
度は 愀 愀
ある。
2. TCPともいう。
(d) 金属
番号 用語 定義 対応英語(参考)
11071 金属材料 metallic material
電気と熱をよく導き,固体状態では展性や延性に富む物
質。
備考 主に硬組織代替材料として使用される。
11072 形状記憶合金 shape-memory alloy
温度変化によって結晶構造が双晶マルテンサイト変態を
起こすことで形状記憶効果を示す合金。
11073 骨固定材 bone fixation material
骨折の治療に用いる金属製の板,髄こう(腔)内に挿入す
るくぎ(釘),ロッド及びワイヤ。
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
11074 Co-Cr-Mo合金 Co-Cr-Moを主成分とする合金。 Co-Cr-Mo alloy
備考 その鋳造体はバイタリウムとして知られ,耐食
性,耐摩耗性に優れた人体埋入用材料。
11075 ステンレス鋼 stainless steel
耐食性を向上させる目的で,クロム又はクロムとニッケル
を含有させた合金鋼。
備考 人体埋入用材料などに用いられる。
11076 多孔性金属 porous metal
骨との結合性を改善するために表面に空孔を分布させた
人体埋入用金属材料。
11077 Ti−6Al−4V合金 Ti-6Al-4V alloy
表面に酸化不動態膜を形成し,耐食性,強度,生体適合性
などに優れたチタン合金。
(1.2) 生体との相互作用
(a) 生体反応
番号 用語 定義 対応英語(参考)
12001 アレルギー allergy
ある抗原に感作されている生体に,もう一度その抗原が侵
入した場合に過敏な免疫反応が起こる状態。
12002 アンチトロンビン antithrombin III
血液中に含まれているトロンビンを不活性化するたん白
III 質。
12003 異物巨細胞 foreign-body giant cell
組織中に異物が介在する場合,これを囲んで異物性炎症が
起こるが,その際に異物周囲に形成されるマクロファージ
の融合した多核巨細胞。
12004 異物反応 液化も分解も困難な異物に対する炎症反応。 foreign-body reaction
例 周囲からの肉芽組織によって異物が被包化される
ような反応。
12005 ウロキナーゼ urokinase
フィブリン溶解酵素の前駆酵素であるプラスミノーゲン
を活性型のプラスミンに転化する酵素。
12006 エリスロポエチン erythropoietin
赤血球系細胞の産生を増加させる作用をもつ糖たん白質
性の造血促進因子。
12007 炎症反応 inflammatory reaction
生体組織が有害な刺激を受けた場合に,これに続いてその
局所に引き起こされる一連の間葉組織の防衛反応。
備考 持続期間によって急性と慢性に区別される。
12008 化学走化性因子 白血球を炎症反応局所へ走化させるための誘導因子。 chemotactic factor
例 免疫グロブリンのFc部分の分解産物,補体のC3a
又はC5aフラグメント。
12009 活性酸素 酸素分子から生成する反応性の高い分子やイオン。 active oxygen
備考 体細胞や細菌を破壊する。
例 スーパーオキシドラジカル (・O2-) ,スーパーオ
キシド (O2-) ,一重項酸素,過酸化水素。
12010 カプセル化 encapsulation
生体内に生じた,又は外部から侵入した吸収されにくい異
物の周囲に形成された肉芽組織がはんこん(痕)化し,異
物がその硬い結合組織の被膜で包まれる生体反応。
備考 被包化ともいう。
12011 カリクレイン kallikrein
炎症における化学伝達因子の一つでキニン類に属し,キニ
ノーゲンに働いて,これをキニンに変えるエステラーゼ。
12012 感染 微生物が生体内に侵入して増殖しうる状態。 infection
12013 血液凝固 blood coagulation
血液がゼラチン状に固まる現象。外傷による血液の流出を
防止する反応。
12014 血液凝固系因子 blood coagulation factor
血しょう(漿)中に主として存在し,血液凝固に必要な因
子。
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
12015 血しょう(漿)たん血液に含まれる水溶性たん白質。 plasma protein
白質 例 アルブミン,グロブリン,フィブリノーゲンなど。
12016 血小板 血液凝固に関係し,血液を構成する直径24 IX platelet
細胞。
12017 血小板凝集 活性化血小板の膜糖たん白を介する凝集。 platelet aggregation
12018 好中球 neutrophil
末しょう(梢)血中に最も多い骨髄系細胞で,多葉の核を
もち,活発などん(貧)食殺菌作用をもつ白血球。
12019 高分子キニノーゲ macromolecular
生理活性ペプチドであるブラジキニンの前駆体で,血しょ
ン kininogen
う(漿)中に存在するもう一種のキニノーゲン(低分子キ
ニノーゲン)とともに,血しょう(漿)や組織に存在する
カリクレインの基質として機能する分子量810万の糖た
ん白質。
12020 細胞外基質 extracellular matrix
生体組織内にある細胞間を満たすコラーゲンやプロテオ
グリカンなどの総称。
12021 細胞培養 cell culture
組織や器官を構成している細胞をばらばらの状態にして
行う培養。
12022 上皮細胞 上皮組織を構成している細胞間隔の狭い細胞。 epithelial cell
12023 食作用 phagocytosis
細胞がエンドサイトーシス(細胞膜の形態的変化による内
向きの輸送作用)によって直径約1 上の粒子を細胞内
に取り込む活動。
12024 石灰化 calcification
血液中に溶解しているカルシウムイオンが生体内に埋入
され材料表面に沈着する現象。
12025 繊維芽細胞 fibroblast
動物のほとんどすべての臓器の実質細胞の間を埋める間
葉系由来のコラーゲン分泌細胞。
12026 線溶系 fibrinolysis system
血管内に形成された血栓を溶解して除去するプラスミン
などの酵素系。
12027 創傷治癒 wound healing
外傷などによって器官や組織の表面が破壊された後,生体
反応によって元の組織に修復される現象。
12028 組織因子 組織トロンボプラスチン,トロンボプラスチン tissue factor
(Thrombo-plastin),第III因子ともいわれている血液凝固促
進物質。
12029 ダウングロウス down-growth
異物を上皮組織内に,それが組織外に通じるように埋入し
た際,上皮組織が異物表面に沿って組織内部方向へ成長す
る現象。
12030 多形核白血球 polymorphonuclear
成熟した白血球では,いずれも核が分葉して多形核となる
が,その中で,特に核の形の多様性な好中球。 leukocyte
12031 単球 血液中を遊走する直径約10 戰源 性のアメーバ
monocyte
様どん(貧)食細胞。広い細胞質と多数のリソソームと特
徴のある腎臓型の核をもつマクロファージの先駆細胞。
12032 たん白質吸着 protein adsorption
材料が血液などの体液と接触したときに,速やかに起こる
材料に対する生体反応の第一段階。
12033 トランスグルタミ 柿
ペプチド中のグルタミル残基の カルボキサミド基をアtransglutaminase
ナーゼ シル供与体とし,種々の1級アミノ基を受容体とするアシ
ル転移反応を触媒する,主として血しょう(漿)中に含ま
れる酵素。
12034 トロンビン thrombin
フィブリノーゲンに働いてフィブリンに転化させる作用
をもつ酵素。
12035 トロンボキサンA thromboxane A
血小板内で,アラキドン酸から,プロスタグランジンG,
プロスタグランジンHを経由して生合成され,血小板凝集
を起こさせる生理活性物質。
――――― [JIS K 3611 pdf 8] ―――――
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K3611-1995
番号 用語 定義 対応英語(参考)
12036 肉芽形成 granulation
創傷治癒の過程における比較的未分化な,主として繊維芽
細胞と毛細血管からなる結合組織の形成。
12037 ハ−ゲマン因子 Hageman factor
第XII因子ともいわれ,内因系の血液凝固の引き金となる
接触因子。
12038 白血球 leukocyte
ほ(哺)乳類の血液有形成分の中の赤血球,血小板以外の
血液細胞。好中球,好酸球,好塩基球,リンパ球及び単球
からなる。
12039 scar tissue
はんこん(痕)組織 組織の修復過程において,盛んに増殖しつつある若い組織
が時間とともに細胞間にコラーゲン繊維を形成した肉芽
性の結合組織。
12040 肥厚化 hyperplasia
生体材料などの異物に接触した生体組織が,細胞数を増加
させて正常値よりも厚くなる現象。
12041 フィブリノーゲン fibrinogen
血液凝固系の最終段階に位置する凝固因子。第I因子,繊
維素原ともいわれる糖たん白質。
備考 ヒト血しょう(漿)中には,0.20.3g/dl程度含
まれる。
12042 フィブリン fibrin
血液凝固に関与する三次元たん白質の一種で,繊維素とも
いう。フィブリノーゲンがトロンビンの作用を受けて,フ
ィブリノペプチドAとBを脱離した残余のたん白質(単量
体)を構成単位とする重合体。
12043 フィブロネクチン fibronectin
動物の細胞表面,結合組織,血液中などに存在し,サブユ
ニットの分子量が約25万の細胞接着性糖たん白質。
12044 プラスミノーゲン plasminogen activator
不活性のプラスミノーゲンを活性化させてプラスミンに
アクチベーター 変える作用をもつ線溶系酵素の一種。
12045 プラスミン 血しょう(漿)中に存在するフィブリンの分解酵素。 plasmin
備考 フィブリノリジン,血清トリプターゼともいう。
12046 プロスタグランジ prostaglandin
アラキドン酸などのエイコサポリエン酸から生体内で生
ン 合成される,血栓生成やその防止にも関与する生理活性物
質。
12047 プロスタサイクリ prostacyclin
プロスタグランジンI2ともいわれ,アラキドン酸から細胞
ン 内で生合成される,強い抗血小板凝集活性を示すプロスタ
グランジン。
12048 プロテインC protein C
ビタミンKに結合した糖たん白質で,肝臓で合成され,血
液中に存在する血液凝固阻止因子。
12049 平滑筋細胞 平滑筋を作っている紡錘形の細胞。 smooth muscle cell
備考 血管壁中にも存在し,また,人工血管の内膜肥
厚にも関与している。
12050 ヘモグロビン hemoglobin
すべての血液に含まれる酸素の運搬用のグロビンとヘム
からなる色素たん白質。
12051 補体 complement
血液中に存在し,易熱変性で免疫複合体に非特異的に反応
する12種類の血清たん白質の総称。
備考 血液に接触する生体材料によっても活性化され
る。
12052 骨形成たん白質 bone morphogenetic
未分化間葉系細胞を軟骨細胞へ誘導し,骨組織を形成する
活性をもつたん白質。 protein
備考 BMPともいう。
12053 マクロファージ macrophage
酵素を多量にもち,異物をどん(貧)食する生体防衛機能
をもつ,直径1520 む 。
備考1. 偽足を出して運動する。
2. 大食細胞ともいう。
――――― [JIS K 3611 pdf 9] ―――――
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番号 用語 定義 対応英語(参考)
12054 免疫調節剤 immunomodulator
動物の免疫応答能力を調節する細胞や植物由来の免疫細
胞系活性化物質とか白血球を刺激するインターロイキン
や合成薬剤などの総称。
備考 免疫賦活剤ともいう。
12055 レセプター receptor
細胞に存在し,外からの刺激を認識して,伝達するたん白
質。糖鎖を含んだり,糖脂質の場合もある。
備考 受容体ともいう。
(b) 生体適合性
番号 用語 定義 対応英語 (参考)
12056 医療材料 医療目的に使用される天然及び人工材料の総称。 biomedical material
12057 界面的適合性 interfacial
生体と材料とが接触したときに生じる界面に関連した生
体適合性。 biocompatibility
12058 グラフト重合 graft polymerization
重合を開始する活性点を高分子Aに作り,そこからAとは
異なる高分子Bに成長していくような単量体の重合。
12059 抗血栓性 antithrombogenicity
血液と接触した生体材料表面上に血栓が全く生成しない
という性質。
12060 歯質接着性 teeth bondability
人工材料と歯質とが強く,分子レベルの接着によって接合
する性質。
12061 人工臓器 人の臓器を代替する人工物。 artificial organ
12062 人工組織 生体組織の人工的代替物。 artificial tissue
12063 臓器移植 organ transplantation
同じ個体又は他の個体からとられた臓器の人への移植。
12064 生体材料 biomaterial
生きた生体組織に直接的に接触して利用される医用材料。
12065 生体適合性, biocompatibility
長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず,本来
生体親和性 の機能を果たしながら生体と共存できる材料の属性。
12066 生体反応 biological reaction
外来刺激に対して生物が応答する現象。どう(瞳)孔反射,
脈拍,心音など生きていることを示す生体の反応をいう場
合もある。
12067 組織接着性 tissue bondability
生体材料が生体組織とミクロ的にも強く接合する性質。
備考 硬組織接着性と軟組織接着性とがある。
12068 軟組織接着性 adhesive to soft tissue
筋肉,皮膚,血管などの軟組織に対する接着性。生体の異
物認識能への対策,コンプライアンスとの整合性など難し
い問題を含む。
12069 非異物性表面 mininum foreign surface
生体組織に接触したときに異物反応を非常に引き起こし
にくい材料表面。
12070 非刺激性表面 non-stimulative surface
生体を物理的にも化学的にも強く刺激しないような材料
表面。
12071 不織布 織布を構成する繊維を接着剤でお互いを固着させた織布。 non-woven fabric
12072 表面修飾 surface modification
生体材料に限らず,材料表面をその使用目的によってよく
合致するように改良する方法。
12073 骨結合性材料 osteoconnective material
骨伝導性をもつか,又は骨を積極的に誘導することが可能
な生体適合性材料。
12074 骨組織接着性 bone bondability
人工関節や人工骨などの材料が生体の骨組織と強く接合
する性質。
12075 力学的適合性 mechanical
特に大きな荷重のかかる部位に使用される生体材料に要
求される生体適合性の一種。 biocompatibility
備考 機械的適合性ともいう。
――――― [JIS K 3611 pdf 10] ―――――
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JIS K 3611:1995の国際規格 ICS 分類一覧
- 07 : 自然科学及び応用科学 > 07.080 : 生物学.植物学.動物学
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