JIS K 5101-2-1:2004 顔料試験方法―第2部:色の比較―第1節:目視法 | ページ 2

                                                                                              3
K 5101-2-1 : 2004

4.10 フィルムアプリケータ

 塗布方向に直角に水平な0.15 mm以上のすき間があり,すき間の厚さ分の
分散体を塗布できる器具。

4.11 バーコータ

 直径約6.35 mm,長さ約400 mmの特殊鋼のしん棒の中央部約300 mmに,直径0.07
1.90 mmのステンレス鋼線を,すき間がないように巻き付けたもの。

5. サンプリング

 試験する製品からJIS K 5600-1-2に従って代表サンプルを採取する。

6. 手順

 手順は,フーバーマラーを用いる手順又はペイントコンディショナを用いる手順のいずれかに
よる。また,フーバーマラーを用いる場合は,A法又はB法のいずれかによる。

6.1 フーバーマラーを用いる手順

6.1.1  A法
6.1.1.1 試料 分散させるために十分な量のバインダー及び顔料の混練によってできるペーストが,ほと
んどフーバーマラーのプレートの端まで広がるような量の試験顔料を採取する。試料を1 mgのけたまで
はかりとる。
6.1.1.2 顔料分散体の調製 試料 (6.1.1.1) をフーバーマラー[4.4 a)]の清浄な下板に移す。数滴のバイ
ンダー(3.)をビュレット (4.3) からパレットナイフ (4.1) の刃にとり,その刃を用いて,バインダーと顔料
とを混合する。混練に適切な粘度のペーストにするため,必要に応じて更に数滴のバインダーを加える。
顔料が一様に湿潤し,そのペーストを下板の中心及び縁の中間に幅約50 mmに広げ,パレットナイフを
上板にこすり付ける。フーバーマラーの板を閉じ,約1 kNの荷重をかけ,一段階につき50回転を繰り返
すことによって,ペーストを混練する。このとき,一段階ごとにパレットナイフでペーストをかき集め,
プレート上に50 mm幅の帯状にする。
備考 加える荷重及び段階数は,試験する顔料によって異なる。試験顔料及び受渡当事者間で協定し
た比較顔料では,同じ荷重及び段階数を用いる。
混練を終えた後,更に数滴のバインダーを加えて適切な粘度にする。フーバーマラーの板を閉じ,ペー
ストを更に25回転で混練する。ペーストを板から取り出し,保存する。
受渡当事者間で協定した比較顔料の試料を同量とり,同じ方法でペーストを作る。ペーストは,試験顔
料のペーストと同じ粘度にする。この粘度に調節するために,バインダーの量の増減が必要なことがある。
6.1.1.3 色の比較 用意した二つのペーストを,基材 (4.2) 上に,幅25 mm以上,長さ40 mm以上の帯
になるよう,相接するように同一方向に展色し,試験顔料の色と,受渡当事者間で協定した比較顔料の色
とを目視によって比較する。展色した帯の表面を拡散昼光下,又は受渡当事者間の協定によってガラスを
通して,観察して色を比較する。色の比較は,JIS K 5600-4-3の方法で,展色後直ちに行う。適切な昼光
が得られない場合,JIS K 5600-4-3の方法で人工昼光下で比較する。
備考 受渡当事者間の協定によって,適切な測色計で色を比較してもよい。
6.1.2 B法 附属書1による。

6.2 手動マラー又はパレットナイフを用いた場合の手順

6.2.1  試料 試験に用いる顔料の吸油量によって,0.1 1.0 gの試料を1 mgのけたまではかりとる。
6.2.2 顔料分散体の調製 試料 (6.2.1) をすりガラス又は大理石の板 (4.5) に移す。バインダー (3.) をビ
ュレット (4.3) からパレットナイフ (4.1) の刃に数滴落とす。そのパレットナイフの刃を用いてバインダ
ーと顔料とを混合する。必要に応じてバインダーを加えて,混練に適する粘度のペーストにする。
顔料が,バインダーで一様に湿潤したら,パレットナイフ (4.1) 又は手動マラー[4.4 b)]を用いて,前

――――― [JIS K 5101-2-1 pdf 6] ―――――

4
K 5101-2-1 : 2004
後に動かしてこすり付け,混合物を約200 mm×75 mmの面積に伸ばす。前後に100回(前後の往復で1
回とする。)こすり付けた後,プレートの中心部分に顔料及びバインダーをかき集めて固める。このとき未
混練の顔料がナイフの刃から除去されていることを確認する。
さらに,100回,前後にこすり付ける作業を繰り返す。その後,バインダーを数滴加えて適切な粘度の
ペーストにする。ペーストをよく混合し,均一にしたあと板の一角に移す。板の残りの部分はよく洗浄す
る。
同量の受渡当事者間で協定した比較顔料をとり,同様の方法で同等の粘度のペーストにする。粘度はバ
インダーの量で調節する。
6.2.3 色の比較 6.1.1.3の方法で試験顔料の色と協定した比較顔料の色とを目視によって比較する。

6.3 ペイントコンディショナを用いる手順

6.3.1  容器への充てん 規定の摩砕用ビーズ (4.9) 及びバインダーをひょう量して,順に容器に入れる。
容器を傾けて摩砕用ビーズをぬらした後,規定量の試験顔料を加える。容器にふたをし,注意して傾けて
顔料をぬらす。受渡当事者間で協定した比較顔料についても同様の手順を行う。このとき,かくはん又は
ぬれの差を避けるために,できるだけ手早く行う。
6.3.2 分散 容器への充てんが完了した後,直ちに容器をホルダに設置し,ホルダをペイントコンディシ
ョナに固定する。ペイントコンディショナのスイッチを入れ,規定の時間及び回数振とうする。
6.3.3 安定化 必要であれば,受渡当事者間で協定したバインダーを追加及び/又は添加剤を加えて安定
化する。
6.3.4 脱泡 必要であれば,色の比較をする前に分散体内の空気の泡を除く。泡は数分間静置することで
除けるが,その場合,静置時間は受渡当事者間の協定による。
6.3.5 色の比較 6.1.1.3の方法で試験顔料の色と受渡当事者間で協定した比較顔料の色とを目視によっ
て比較する。ただし,展色はフィルムアプリケータ (4.10) 又はバーコータ (4.11) を用い,ガラス板など
の塗工板上で,コート紙及びポリエステルフィルムの展色基材に展色し,常温でほこりのない場所に水平
にして2030分間置いた後,温度120 ℃の恒温器に入れて30分間乾燥し,1時間室内に置いてから比較
する。受渡当事者間の協定によって,他の展色基材を用いてもよい。

7. 試験報告書

 試験報告書には,少なくとも次の事項を記載する。
a) 試験した顔料の種類及びその情報
b) この規格の引用
c) 用いたバインダー
d) 適用した手順(フーバーマラー,手動マラー,パレットナイフ又はペイントコンディショナ)
e) 帯の色を比較したときに用いた手順の詳細(6.1.1.3参照)
f) 試料顔料と受渡当事者間で協定した比較顔料との比較の結果(色が同等又は差がある)
g) この規格で規定する試験手順との相違点
h) 試験年月日

――――― [JIS K 5101-2-1 pdf 7] ―――――

                                                                                              5
K 5101-2-1 : 2004
附属書1(規定)顔料の色の比較−フーバーマラーB法

1. 適用範囲

 この附属書は,フーバーマラーB法による顔料の色の比較(目視法)について規定する。
備考 フーバーマラーB法は,JIS K 5101-1-5によって得られた試料及び受渡当事者間で協定した比
較顔料の分散ペーストを白紙などに展色後,その色を目視によって比較する方法である。
2. 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
a) フーバーマラー JIS K 5101-1-5による。
b) へら 直線刃先形の鋼板のもの。
c) フィルムアプリケータ すき間0.15 mm以上のもの。

3. バインダー

 バインダーは,受渡当事者間の協定による。
4. 展色基材 展色基材は,次のいずれかを用いる。
a) 白紙 適切な印刷用紙
b) ガラス板
備考 基材は,受渡当事者間の協定によって,ほかのものを用いてもよい。
5. 試料及び受渡当事者間で協定した比較顔料ペースト JIS K 5101-1-5によって調製したもの。

6. 手順

 操作は,次のいずれかによる。
a) 試料及び受渡当事者間で協定した比較顔料の分散ペーストを1枚の白紙の上に並べて置き,へらで両
者が接するように展色し,極めて薄い層と紙色に影響されない程度の厚い層とを作る。
b) 試料及び受渡当事者間で協定した比較顔料の分散ペーストを展色基材の上に並べて盛り,フィルムア
プリケータを用いて両者が接するように引き伸ばす。
備考 フィルムアプリケータのすき間,展色基材の種類については受渡当事者間の協定によって決め
る。
7. 評価 評価は,次のいずれかによる。
a) 6. a) で展色したものは,薄い層の色(底色)及び厚い層の色(上色)について,目視によって試料及
び受渡当事者間で協定した比較顔料を比較し,その差異の程度を調べる。
b) 6. b) で展色したものは,表面又は裏面の色について目視によって試料及び受渡当事者間で協定した比
較顔料を比較し,その差異の程度を調べる。

――――― [JIS K 5101-2-1 pdf 8] ―――――

6
K 5101-2-1 : 2004
附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表
ISO 787-1 : 1982 顔料及び体質顔料の一般試験方法−第1
JIS K 5101-2-1 : 2004 顔料試験方法−第2部 : 色の
比較−第1節 : 目視法 部 : 顔料の色の比較
(I) ISの規定 (II) (III) 国際規格 (V) ISと国際規格と
(IV) ISと国際規格との技術的差異の
国際 の規定 項目ごとの評価及びその内容 の技術的差異の理由
規格 表示箇所 : 本体,附属書 及び今後の対策
番号 表示方法 : 側線又は点線の下線
項目 内容 項目 内容 項目ごとの 技術的差異の内容
番号 番号 評価
1. 適用 ISO 1 MOD/選択 JISは,フーバーマラー
日本国内では一般的
範囲 787-1 A法(ISOの方法)に に顔料の色の比較に
加えて,フーバーマラはペイントコンディ
ーB法とペイントコン ショナが広く使われ
ディショナを選択 ており,JISとして
必要。国際規格の見
直しの際提案を行う
予定。
2. 引用 2 MOD/追加 JIS K 5101-1-2を追加
規格 した。
3. バイ 3 IDT −
ンダー
4. 装置 4 MOD/追加 ペイントコンディショ
及び器 ナを追加し,これに使
具 用する付帯器具を合わ
せて追加した。
5. サン 5 IDT −
プリン

6. 手順

                       6             MOD/選択    フーバーマラーを用い
る手段としてB法を追
加し,更にペイントコ
ンディショナを用いる
手段を追加した。
7. 試験 7 MOD/選択 JISは,適用した手順
報告書 に,又はペイントコン
ディショナを選択
附属書1 − MOD/追加
(規定)
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT·················· 技術的差異がない。
― MOD/追加········· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/選択········· 国際規格の規定内容と別の選択肢がある。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD··············· 国際規格を修正している。

JIS K 5101-2-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 787-1:1982(MOD)

JIS K 5101-2-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 5101-2-1:2004の関連規格と引用規格一覧