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K 6226-2 : 2003
6.2.1 炭酸カルシウムは,800 ℃まで加熱すると酸化カルシウムに変化する。カーボンブラックは窒素雰
囲気下では,この温度まで熱的に安定である。ただし,空気又は酸素雰囲気下ではカーボンブラックは
800 ℃で酸化され二酸化炭素になる。
6.2.2 酸素濃度が十分低い窒素ガスを使用し,6.1で得られたパージ時間tpより十分に長く装置内をパー
ジする。装置に漏れがなく,すべての二酸化炭素をサンプルチャンバから確実に排気するガス流量であれ
ば,問題なくカーボンブラックと炭酸カルシウムとを区別し,個々に測定できる。熱重量測定装置の作動
状態の確認は,次に示す方法で行う。
6.2.3 炭酸カルシウム(分析用)と,カーボンブラック(入手可能なものの中で最高純度のものを用いる。)
を等量(質量差が1 %以下)となるようにはかりとり,一緒にすりつぶす。
備考 炭素含有量が低いカーボンブラックを使用すると測定値の誤差原因となるので,純度96 %以
上のものを使用する。
6.2.4 装置を窒素ガスでパージ時間tp (6.1参照)より10分間長くパージする。
6.2.5 レコーダのスイッチを入れ,加熱炉温度を25 ℃±5 ℃に設定する。
6.2.6 使用装置の取扱説明書に示されている最適量のカーボンブラック/炭酸カルシウム(6.2.3参照)の
混合物を,熱天びんの試料ホルダに置き,装置を閉じる。
6.2.7 使用装置の取扱説明書に従ってあらかじめ定めた一定流量の窒素を流し,装置内をパージする。窒
素ガスによるパージはパージ時間tp (6.1参照)よりも長い時間行う。
参考 窒素パージが不十分で,酸素又は空気が残っていると測定値の誤差原因となる。
6.2.8 10 ℃/minで800 ℃まで加熱炉温度を上げる。
6.2.9 質量/温度曲線(又は質量/時間曲線)上で質量が一定になるまで加熱炉温度を800 ℃に保つ。
6.2.10 雰囲気ガスを窒素から空気又は酸素に切り替える。試料の見掛け質量に変化を及ぼさないようにガ
ス流量を調節する。この操作は,密度の異なる混合ガス中での試料容器と試料の浮力の変化を補正するた
めに行う。
備考 800 ℃のまま,雰囲気ガスを窒素から空気又は酸素に切り替えると,急激な燃焼が起こる場合
があるため,一度,加熱炉温度を300 ℃まで下げ雰囲気ガスを窒素から空気又は酸素に切り替
えた後,加熱炉温度を800 ℃に上げるほうが望ましい。
6.2.11 加熱炉温度を15分間又は質量が一定になるまで800 ℃に保つ。
6.2.12 加熱炉のヒータを切り,ガスを空気又は酸素から窒素に切り替える。レコーダのスイッチを切り,
次の測定準備のため試料ホルダから残留灰分を取り除く。この操作は,次の測定に入るための準備である。
6.2.13 2種の異なった雰囲気における質量変化の比Rを,次の式から求める。
Δm1
R
Δm2
ここに, 窒素雰囲気下の質量減少(又はチャート紙の目盛)
空気又は酸素雰囲気下での質量減少(又はチャート紙の目盛)
6.2.14 Rの値は,0.44±0.022でなければならない。この条件が満たされた場合は,その装置は十分に機
能しているものとする。
参考 0.44は炭酸カルシウム中の二酸化炭素の質量比であり,±0.022はばらつき範囲±5 %を意味し
ている。
7. 手順
――――― [JIS K 6226-2 pdf 6] ―――――
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7.1 熱天びん及びレコーダのスイッチを入れ,加熱炉温度を40 ℃に設定する。
7.2 薄く板状にした試料を0.1 mgまではかりとり,熱天びんの試料ホルダに置く。試料の採取量は,装
置の取扱説明書に記載されている最適量に従うが,通常410 mgである。
備考 装置によっては,試料挿入後にレコーダを100 %に合わせることができる機種もある。この場
合は,質量をあらかじめ正確にはかっておく必要はない。
7.3 装置を閉じ,使用装置の取扱説明書に示されている一定流量の窒素ガスを流し,系内の酸素を追い
出す。窒素ガスによるパージは,パージ時間tp (6.1参照)よりも長い時間をかけて行う。
備考 窒素雰囲気下での加熱中に装置内に微量の空気又は酸素が存在すると,誤った結果を導くこと
があり,600 ℃での加熱中にカーボンブラック配合試料では恒量を得ることができなくなるの
で注意が必要である。また,パージ時間を短縮するためには,用いていないときも装置内に窒
素ガスを流し続けることが望ましい。
7.4 窒素雰囲気下,加熱炉の温度を昇温速度20 ℃/minで600 ℃まで上げる。温度が600 ℃に達したと
き,ポリマーは完全に熱分解され,質量/温度曲線上で,質量が一定でなければならない。一定でない場
合,質量が一定になるまで,温度を600 ℃に保つ。
7.5 窒素雰囲気下,加熱炉の温度を600 ℃から400 ℃に下げ,400 ℃で5分間保つ。
7.6 窒素ガスを止めて,空気又は酸素に切り替える。次に浮力の変化を補正するため,試料の見掛け質
量に変化が認められないように全体のガス流量を調整する。
7.7 加熱炉の温度を昇温速度10 ℃/minで400 ℃から800 ℃まで上げる。
7.8 加熱炉の温度を5分間又は質量が一定になるまで800 ℃に保つ。
7.9 加熱炉のヒータを切った後,窒素ガスによって空気又は酸素を置換する。レコーダのスイッチを切
り,加熱炉温度が十分に下がった後,試料容器内の灰分の色を確認する。
備考 800 ℃において質量が一定にならない場合や,灰分の色が黒い場合,黒鉛ブラックが含まれて
いることが考えられ,この方法は適用できない。
8. 試験結果の表示
8.1 記録
各配合成分の含有量の計算に必要な,次の2種の記録を作成する。
a) 温度に対する質量分率(%)の減少曲線 (図1 曲線1)
(d分率%)
b) 質量変化の温度微分曲線 (図1 曲線2)
dT
備考1. 図1は,アクリロニトリルを33 %(質量分率)含有するアクリロニトリルブタジエン共重合体
の分析結果である。窒素中でNBRの熱分解によって生じた炭素質残さの質量減少は,空気
又は酸素雰囲気下における熱分解の初期に現れる。
2. 温度微分曲線の代わりに時間微分曲線を用いてもよい。
8.2 可塑剤及び非ゴム有機成分量の概算値の定量
8.2.1 曲線2における最初の極大値(図1点A)は,窒素中での揮発成分(主に可塑剤と非ゴム有機成分)の
質量減少の変化率が最大の点に対応する。この極大後の谷(点B)を,これらの成分の熱分解の終点とする。
――――― [JIS K 6226-2 pdf 7] ―――――
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8.2.2 曲線2上の点Bから真上に線を引き,曲線1との交点B′を求め,その点の質量分率(%)を読み
取る。必要ならば,どちらか一方の曲線を少しY軸方向にシフトさせてもよい。点B′と100 %との差(P1)
が,可塑剤を含む揮発成分の質量分率(%)である。この温度範囲で,揮発成分の質量減少と重合体の低
分子量成分の質量減少とが重なる場合があるので,得られた可塑剤及び非ゴム有機成分量は,概算値であ
る。
8.3 全有機成分
8.3.1 炭化水素系ポリマー
8.3.1.1 曲線2の二番目の極大値(点C)では,窒素雰囲気下での炭化水素の質量減少の変化率が最大の点
に対応する。非ゴム有機成分と同様に,この極大後の谷(点D)を,窒素雰囲気下600 ℃で,ゴムが完全に
熱分解した点とみなす。
8.3.1.2 曲線2の点Dから真上に線を引き,曲線1との交点である点D′を求め,その点の質量分率(%)
を読み取る。100 %と点D′の読取値との差 (P1+P2) が,全有機成分の質量分率(%)である。
8.3.1.3 全ゴム含有量は,全有機成分から,JIS K 6229によって求めた溶剤抽出量を差し引いて算出する。
ただし,非ゴム有機成分は,この方法ですべて抽出できるものでなければならない。
8.3.2 アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴム
8.3.2.1 アクリロニトリル又はハロゲンを含有するゴムは,窒素中で完全に熱分解せず,少量の炭素質残
さが残る。炭素質残さを完全に燃焼させるために,いったん,加熱炉を400 ℃まで冷却し,ガスを窒素か
ら空気又は酸素に切り替える。次に,加熱炉の温度を800 ℃まで上げ,質量が一定になるまで800 ℃に保
つ。これによって追加された質量分率(%)の減少分が,炭素質残さの熱分解に対応する。
8.3.2.2 アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムの微分曲線は,上述した窒素雰囲気
下での熱分解ピークの後,空気又は酸素雰囲気下での熱分解の初期に,やや小さいピークを示す(点E)。
この点は,窒素ガス中の熱分解によって生成した炭素質残さの酸化雰囲気中での質量減少の変化率が最大
の点に対応する。ここで求めた炭素質残さの寄与は,全有機成分 (P1+P2) に加える。
8.3.2.3 微分曲線上の炭素質残さの極大後の谷(点F)から真上に線を引き,質量減少曲線との交点である
点F′を求め,その点の質量分率(%)を読み取る。100 %と点F′の読取値との差 (P1+P4) が,補正さ
れたアクリロニトリルブタジエンゴムとハロゲン化ブチルゴムとの全有機物の質量分率(%)である。
備考 炭素質残さの量は,図1のP3から求める。
8.3.2.4 全ゴム含有量は,全有機成分から,JIS K 6229によって求めた溶剤抽出量を差し引いて算出する。
ただし,非ゴム有機成分は,この方法ですべて抽出できるものでなければならない。
――――― [JIS K 6226-2 pdf 8] ―――――
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(%)
質量分率
100
P1 曲線1
B'
75
P2
P4
50
D'
P3 C G
F'
25
P5
曲線2
A
B E
F
H
P6 D
0 H'
0 100 200 300 400 500 600 700
温度(℃)
(図の説明) アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化ブ
曲線1 主曲線(質量/温度) チルゴム分の定量 (8.3.2参照)
曲線2 温度微分曲線 E 微分曲線上の第三の極大
F 微分曲線上の第三の谷
可塑剤及び非ゴム有機成分含有率の定量 (8.2参照)
F′微分曲線の点Fに対応する主曲線上の点
A 微分曲線の最初の極大
P3 炭素質残さ[質量分率(%)]
B 点Aの後の最初の谷
P4 アクリロニトリルブタジエンゴム及びハロゲン化
B′微分曲線の点Bに対応する主曲線上の点
ブチルゴム分[質量分率(%)]
P1 揮発分[質量分率(%)]
カーボンブラックの定量 (8.4参照)
炭化水素系ポリマー分の定量 (8.3.1参照)
G 微分曲線上の第四の極大
C 微分曲線上の第二の極大
H 微分曲線上の第四の谷
D 微分曲線上の第二の谷
H′微分曲線の点Hに対応する主曲線上の点
D′微分曲線の点Dに対応する主曲線上の点
P5 カーボンブラック含有率[質量分率(%)]
P2 炭化水素系ポリマー分[質量分率(%)]
無機充てん剤及び灰分の定量 (8.5参照)
P6 無機充てん剤及び灰分含有率[質量分率(%)]
図 1 質量/温度曲線
――――― [JIS K 6226-2 pdf 9] ―――――
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8.4 カーボンブラック
8.4.1 空気又は酸素中で800 ℃まで加熱したとき,すべての炭素質残さが熱分解した後の質量分率(%)
の減少分が,試料中のカーボンブラック分である。
8.4.2 空気又は酸素雰囲気下において,アクリロニトリルブタジエンゴムとハロゲン化ブチルゴムの炭素
質残さの燃焼によるピークより高温で現れる微分曲線の極大値(点G)は,カーボンブラックの質量減少の
変化率が最大の点に対応する。
8.4.3 上述のように,この極大(点G)の後の谷(点H)をカーボンブラックの燃焼が完了した点とみなす。
この点から真下に線を引き,質量減少曲線との交点である点H′の質量分率(%)を読み取る。点H′の値
と,全有機成分及び炭素質残さの燃焼が終了した点(点F′)の値との差が,カーボンブラックの質量分率
(%) (P5)である。
8.5 無機充てん剤及び灰分
8.5.1 ここでは,800 ℃で熱的に安定な無機配合物だけの質量分率(%)が求まる。これには,炭酸塩の充
てん剤や,無機配合物の水和水は含まれない。
8.5.2 空気又は酸素中での燃焼終了後(点H′)に試料容器に残った残さは,脱水又は変性した無機充てん
剤,並びにより低い温度で熱分解した各種有機及び無機成分由来の灰分である。したがって,脱水及び変
性した無機充てん剤,並びに灰分の質量分率(%) (P6)が得られる。
8.5.3 カオリン,炭酸カルシウム,シリカ又は水和アルミナのような無機充てん剤を含有する組成物では,
P6に対して,(あらゆる形態の)水分の質量減少及び熱分解生成物(例えば,炭酸カルシウムからの二酸化炭
素)の質量減少を補正する必要がある。この補正は,既知の配合物を同じ手順で測定して行う。吸着水の質
量減少は,100 ℃以上の温度での測定全体に影響する。この質量減少の大きさは,充てん剤だけの測定に
よって,全測定温度域にわたって調べておく必要がある。
9. 試験報告書
試験報告書には,次の事項を含む。
a) 試料の特定に必要なすべての必要事項
b) この規格を引用した旨の記述
c) 得られた結果
d) この規格又はこの規格が引用する規格に含まれない操作で,結果に影響を及ぼした可能性のある測定
操作についての記述
e) 測定日
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- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
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