この規格ページの目次
4
K 6230 : 2018
2) ポリエーテルウレタン(EU)
g) PEグループ
1) IS K 6418に規定するエラストマー。
4.2 ゴムが2種類以上ブレンドされた場合
この規格の方法によるブレンドされたゴム種の同定又は判別の可否について,技術的に確認されている
事項は次による。記載した事項以外は,試験者が判別の可否を確認して用いる。
a) PM及びEPDMを,CM,CSMの両者又はいずれか一方とブレンドした場合,ブレンドされたゴム種
の判別はできない。
b) R,IRの両者及びいずれか一方とCRとをブレンドした場合,ブレンドされたゴム種の判別はできな
い。
c) BRとNBR/BRとをブレンドした場合,ブレンドされたゴム種の判別はできない。
d) BRとSBR/BRとをブレンドした場合,ブレンドされたゴム種の判別はできない。
e) BRとPVCとのブレンドとNBRと他のハロゲン化ゴムとのブレンドとの判別はできない。
5 ガス及び試薬
ガス及び試薬は,次による。
なお,ゴムの溶解及び膜の調製に用いる溶剤は,水,安定剤などの残留物を含んではならない。
5.1 窒素
5.2 抽出溶剤(箇条7参照) JIS K 6229に従って,溶剤を選択する。
注記 スペクトルの解析に影響を及ぼさないことが分析によって認められている場合には,別の溶剤
を用いてもよい。
5.3 シクロヘキサン
5.4 クロロホルム
5.5 トルエン
5.6 1,2-ジクロロベンゼン
5.7 ろ過助剤 けいそう土又は類似の物質。
6 器具及び装置
器具及び装置は,通常の実験室用装置に加えて,次のものを用いる。
6.1 抽出装置 JIS K 6229による。
6.2 還流冷却器付フラスコ フラスコの容量が100 cm3又は500 cm3のもの。
6.3 遠心分離器 遠心力が15 000 G以上のもの。
6.4 恒温槽 200 ℃以上に加熱できるもの。
6.5 ブンゼンバーナー
6.6 臭化カリウム結晶板
注記 4 000 cm−1600 cm−1の波数範囲で,分析に十分な透過率を示すものであれば,他の赤外透過
材の使用も可能である。
6.7 赤外分光光度計 測定波数範囲4 000 cm−1600 cm−1,分解能4 cm−1以上をもつフーリエ変換型又
は分散型の赤外分光光度計。
6.8 ATR測定装置
――――― [JIS K 6230 pdf 6] ―――――
5
K 6230 : 2018
− 1回反射型ATR測定装置又は多重反射型ATR測定装置。
− プリズム : ダイヤモンド,ZnSe,KRS-5,Geなど。
注記 黒色の未加硫配合ゴム及び加硫配合ゴムを試験する場合は,Geが望ましい。
− 入射角 : 45°又は60°。
6.9 pH試験紙 pH2以下を検出できるもの。
7 透過法の測定手順
7.1 原料ゴム及び未加硫配合ゴム
原料ゴム及び未加硫配合ゴムを透過法で測定する手順は,次による。
a) 100 mg以上の試験試料を,抽出装置を用いてJIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試
験片を調製する。
注記1 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片の10 mg100 mgを,シクロヘキサン又はクロロホルムを用いて溶解する。カーボンブラック
が遊離する場合は,7.2.1 d)に従ってカーボンブラックを除去する。
注記2 ゴムを溶解し,スペクトルの解析に影響を及ぼさないことが分析によって認められている
場合には,別の溶剤を用いてもよい。
c) 試料溶液の数滴を臭化カリウム結晶板の上にとり,溶剤を蒸発させ,分析に適した厚さの膜を作る。
d) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
e) 記録をとった後,試料調製で用いた溶剤のピークが認められる場合,及び/又はスペクトル上の最大
ピークの透過率が10 %50 %の範囲から外れている場合は,膜の作製[c)参照]からやり直す。
f) ハロゲンの有無の確認が必要な場合は,7.2.3 f)に従って行う。
7.2 加硫配合ゴム
7.2.1 溶媒中での加熱分解法
1,2-ジクロロベンゼン中での加熱分解によって得られたゴムを透過法で測定する手順は,次による。
a) 約2 g又は7.2.3 f)に従ってCRが存在する可能性がある場合には,約6 gの試験試料を抽出装置を用い
てJIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試験片を調製する。
注記1 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片の約1 g及び50 cm3の1,2-ジクロロベンゼンを,還流冷却器付きの100 cm3のフラスコに入れる。
CRが存在する可能性がある場合には,約5 gの試験片及び200 cm3の1,2-ジクロロベンゼンを還流冷
却器付きの500 cm3のフラスコに入れる。
c) 試験片が分解溶解するまで加熱し,試料溶液を得る。
注記2 試験片を分解溶解させるために必要な時間は,ゴムの種類によって異なる。例えば,NR
は3時間4時間,CRは12時間を要する。12時間以上加熱した場合,ゴムの分子構造が
変化する場合がある。
d) 未分解のゴム,無機充剤及びカーボンブラックの除去は,次による。
1) 遠心分離器を用いる方法
1.1) 試料溶液をドラフト内で風乾し,1,2-ジクロロベンゼンを除去する。
1.2) トルエン又はシクロヘキサンに再溶解し,遠心分離を行い,上澄み液を得る。
――――― [JIS K 6230 pdf 7] ―――――
6
K 6230 : 2018
2) ろ紙又はろ布を用いる方法
2.1) 試料溶液に10 g20 gのろ過助剤を加えて,ろ紙又はろ布を用いてろ別する。
2.2) 得られたろ液中に無機充剤及びカーボンブラックが残っている場合は,ろ過助剤を追加してろ
過を繰り返す。
e) 上澄み液又はろ液を,減圧下又は窒素気流下で,少量になるまで濃縮する。
f) 濃縮液の数滴を臭化カリウム結晶板の上にとり,溶剤を蒸発させ,分析に適した厚さの膜を作る。
g) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
h) 記録をとった後,試料調製で用いた溶剤のピークが認められる場合,及び/又はスペクトル上の最大
ピークの透過率が10 %50 %の範囲から外れている場合は,膜の作製[f)参照]からやり直す。
7.2.2 恒温槽中での加熱分解法
恒温槽中での加熱分解によって得られたゴムを透過法で測定する手順は,次による。
注記1 この方法は,CRを含んでいる可能性のある場合は,使用できない。
a) 約2 gの試験試料を抽出装置を用いて,JIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試験片
を得る。
注記2 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片を試験管に入れ,200 ℃に保った恒温槽の中で約10分間加熱する。
注記3 NR,IR,BR,SBR,IIR,BIIR及びCIIRについては,180 ℃が望ましい。
c) 試験片が入った試験管を50 ℃位まで冷却する。
d) クロロホルム又はシクロヘキサン50 cm3を加えて振とうする。
注記4 ゴムを溶解し,スペクトルの解析に影響を及ぼさないことが分析によって認められている
場合には,別の溶剤を用いてもよい。
e) 振とう後の溶液と未溶解の加硫配合ゴム及び無機充剤とをデカンテーションによって,分離し,上
澄み液を得る。加硫ゴムからカーボンブラックが遊離する場合には,溶液に少量のろ過助剤を加えて
からろ紙でろ過する。
f) 上澄み液又はろ液を,減圧下又は窒素気流下で,少量になるまで濃縮する。
g) 試料溶液の数滴を臭化カリウム結晶板の上にとり,溶剤を蒸発させ,分析に適した厚さの膜を作る。
h) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
i) 記録をとった後,試料調製で用いた溶剤のピークが認められる場合,及び/又はスペクトル上の最大
ピークの透過率が10 %50 %の範囲から外れている場合は,膜の作製[g)参照]からやり直す。
7.2.3 ブンゼンバーナーを用いた加熱分解法
ブンゼンバーナーによって得られた熱分解物を透過法で測定する手順は,次による。
a) 100 mg以上の試験試料を抽出装置を用いて,JIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出し,試
験片を得る。
注記1 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができ
る。
b) 試験片の20 mg50 mgを試験管に入れ,試験管を傾けて底部をブンゼンバーナーで加熱し,試験片
を熱分解する。
c) 試験管の口に凝縮した熱分解物を臭化カリウム結晶板に塗布し,分析に適した厚さの膜を作る。
d) 赤外分光光度計を用いて,膜のスペクトルを記録する。
――――― [JIS K 6230 pdf 8] ―――――
7
K 6230 : 2018
e) 記録をとった後,スペクトル上の最大ピークの透過率が10 %50 %の範囲から外れている場合は,膜
の作製[c)参照]からやり直す。
f) ハロゲンの有無を確認する場合は,b)の試験管出口にぬらしたpH試験紙を置く。
注記2 pH2以下を示す場合は,ゴムにハロゲンが含まれていることを意味する。
8 ATR法の測定手順
原料ゴム,未加硫配合ゴム及び加硫配合ゴムをATR法によって測定する手順は,次による。
a) 約1 gの試験試料を抽出装置を用いて,JIS K 6229の手順に従い,適切な抽出溶剤で抽出後,乾燥し,
試験片を得る。
注記 スペクトルの解析を妨害するような添加剤を含まない場合は,抽出操作を省くことができる。
b) 試験片をナイフなどで切断し,平滑かつ清浄な面を出す。
c) TRプリズムの上に平滑かつ清浄な面を置き,押さえジグを用いてプリズムに密着させる。
d) 赤外分光光度計を用いて,スペクトルを記録する。
e) 記録をとった後,抽出で用いた溶剤のピークが認められる場合は,溶剤を除去し,測定[c)及びd)参
照]をやり直す。また,スペクトル吸収が弱過ぎた場合は,密着性を上げて,測定[c)及びd)参照]
をやり直す。
9 スペクトルの解析
スペクトルの解析は,次による。
a) スペクトルの解析は,同じ形態のゴムを同じ測定法(透過法又はATR法)で測定した標準スペクトル
と比較して行う。標準スペクトルの例を,附属書Bに示す。
注記1 市販のスペクトル集又は標準試料を用いて試験者自身が測定したスペクトルを標準スペ
クトルとして用いてもよい。
b) 必要な場合は,ハロゲン検出試験[7.2.3 f)参照]の結果も考慮に入れる。
c) 試料のスペクトルと標準スペクトルとの比較に当たっては,吸収帯の位置,数,相対強度及びスペク
トル形状を考慮に入れる。特性吸収帯が含まれている範囲だけに限定せず,予期していなかった吸収
帯も含めてスペクトル全体を検討することが不可欠である。
注記2 溶剤抽出されない有機添加物又は無機添加物は,解析に影響する場合がある。
d) 標準スペクトルの特性吸収帯が試料のスペクトルに確認されない場合,試料は,標準スペクトルの測
定に用いたゴムの種類でないと判断できる。
10 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試料の詳細
1) 試料及びその由来に関する詳細な記載
2) 試料から試験片を作製した方法(記載することが適切な場合)
b) この規格の番号及び試験方法(透過法又はATR法)
c) この規格に規定しない操作を含む試験の詳細
d) 試験結果(試料中のゴムの同定結果)
e) 試験年月日
――――― [JIS K 6230 pdf 9] ―――――
8
K 6230 : 2018
附属書A
(参考)
透過法スペクトルとATR法スペクトルとの比較例
A.1 ATR法のスペクトルは,透過法のスペクトルと比べて,吸収帯の数は変わらないが,吸収帯のピー
ク位置,相対強度及びスペクトル形状に違いが見られる。具体的には,吸収帯のピーク位置が数cm−1か
ら十数cm−1低波数側にずれ,また,波数が小さいほど相対的に吸収強度が大きくなる。
A.2 透過法のスペクトルとATR法のスペクトルとを重ね合わせた図を,図A.1に示す。
Y
X
X : 波数(cm−1)
Y : 吸光度
1 : 透過法スペクトル(実線)
2 : ATR法スペクトル(点線)
図A.1−アクリルゴム−透過法のスペクトルとATR法のスペクトルとの重ね合せ図
――――― [JIS K 6230 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS K 6230:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4650:2012(MOD)
JIS K 6230:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
JIS K 6230:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6229:2015
- ゴム―溶剤抽出物の求め方(定量)
- JISK6418:2007
- 熱可塑性エラストマー―用語及び略号