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K 6254 : 2016
附属書D
(参考)
A法及びD法の試験精度
D.1 精度の詳細
圧縮弾性率の精度について評価を行うため,2008年にISO/TR 9272(参考文献[6]参照)の精度手順及び
ガイドラインに従い試験室間試験プログラム(Interlaboratory Test Program,以下ITPという。)を実施した。
精度評価のその他の詳細及び方法については,ISO/TR 9272を参照する。
A法及びD法で測定した圧縮弾性率について評価を行った。タイプ1の精度(1か所の試験室で試験片
を作製し,ITPに参加した試験室に配布する。)は,ITPに参加した8か所の試験室においてそれぞれ9種
の配合物加硫試験片を用いて評価を行った。9種の配合物は,A法(ひずみ2条件)に配合物1,2及び3,
D法(成形品)に配合物4,5及び6,D法(Oリング)に配合物7,8及び9を割り付けた。1週間を隔て
た2日間の試験日に,次の手順で試験を実施した。各配合物について3回の測定を行い,中央値を求めた。
中央値を各試験日の試験結果とした。試験結果データ(例えば,各試験日の三つの中央値)を基に全ての
解析を行った。ISO/TR 9272の異常値処置手順によって,異常値の削除を行った。
このITPによって見積もられる試験精度結果は,文書で受け渡し,受渡当事者間の合意のない限り,材
料又は製品群の合否判定に適用してはならない。
D.2 精度の結果
D.2.1 概要
全ての試験法及び配合物の圧縮弾性率の精度結果を,表D.1に示す。これらの結果は,異常値を除いた
結果である。精度結果の用い方に対する概要を,次に示す。これらは,絶対精度r又はR及び相対精度(r)
又は(R)として示される。
D.2.2 試験室内繰返し精度
各圧縮弾性率試験方法についての試験室内繰返し精度を,表D.1に示す。測定単位でのr,又は百分率
としての(r)の試験結果が表中の値と異なるときは,母集団が異なっている可能性があることを考慮する。
そのような場合には,適切な対応を行うことが望ましい。
D.2.3 試験室間再現精度
各圧縮弾性率試験方法についての試験室間再現精度を,表D.1に示す。測定単位でのR,又は百分率と
しての(R)の試験結果が表中の値と異なるときは,母集団が異なっている可能性があることを考慮する。
そのような場合には,適切な対応を行うことが望ましい。
――――― [JIS K 6254 pdf 21] ―――――
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K 6254 : 2016
表D.1−圧縮弾性率の精度−A法(円盤),D法(成形品)及びD法(Oリング)
配合物 平均 試験室内 試験室間 試験室数b)
sr r (r) sR R (R)
Part 1 : A法(円盤)10 %ひずみの弾性率,MPa
1 0.315 0.005 1 0.014 3 4.53 0.031 0 0.086 9 27.58 6
2 0.489 0.008 7 0.024 2 4.96 0.500 0.140 0 28.63 6
3 0.647 0.020 3 0.056 9 8.80 0.087 4 0.244 7 37.85 7
平均値a) 0.011 4 0.031 8 6.10 0.156 2 0.157 2 31.35
Part 2 : A法(円盤)20 %ひずみの弾性率,MPa
1 0.641 0.006 6 0.046 4 7.25 0.040 3 0.112 8 17.60 6
2 0.952 0.011 8 0.033 1 3.48 0.089 6 0.250 9 26.35 5
3 1.348 0.033 3 0.093 2 6.91 0.247 0 0.691 7 51.32 7
平均値a) 0.015 3 0.057 6 5.897 0.125 6 0.351 8 31.76
Part 3 : D法(成形品)25 %ひずみc),MPa
4 2.76 0.078 0 0.218 7.93 0.415 2 1.163 42.20 3
5 9.61 0.128 3 0.359 3.74 0.224 3 0.628 6.54 3
6 3.00 0.031 4 0.088 2.93 0.232 2 0.650 21.66 3
平均値a) 0.044 9 0.222 4.864 0.290 6 0.814 23.47
Part 4 : D法(Oリング)25 %ひずみc),MPa
7 2.38 0.070 0 0.196 0 8.25 0.100 8 0.282 2 11.87 3
8 3.57 0.091 8 0.257 1 7.21 0.398 1 1.114 6 31.23 3
9 5.36 0.295 7 0.827 9 15.46 0.422 2 1.182 3 22.08 3
平均値a) 0.152 5 0.427 0 10.304 0.307 0 0.859 7 21.73
注記 この表で用いる記号の意味は,次による。
sr : 試験室内標準偏差
r : 測定単位での試験室内繰返し精度
(r) : 平均レベルの百分率での試験室内繰返し精度
sR : 試験室間標準偏差
R : 測定単位での試験室間再現精度
(R) : 平均レベルの百分率での試験室間再現精度
注a) 単純算術平均
b) 外れ値を除いた後の最終解析試験室の数。ITP計画の試験室総数は,A法が8,D法が4。
c) art 3及びPart 4の精度は,少ない試験室の結果から得られているため,これらの方法については,概算
の精度評価である。
D.3 追加の解析コメント
成形品及びOリングについてのD法の精度結果は,8か所全ての試験室が参加したわけではなかったた
め,概算の値である。この結果は,3か所の試験室だけの結果を基にしている。そのような精度は,概算
の精度評価であると考えるのが望ましい。
D.4 偏り
偏りとは,測定値の平均値と基準値(真値)との間の差異をいう。しかし,この試験法の特性の測定値
は,専ら試験方法それ自体によって定義されるため,この試験方法において基準値は,存在しない。した
がって,この試験方法に関しては,“偏り”は,定義できない。
――――― [JIS K 6254 pdf 22] ―――――
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K 6254 : 2016
参考文献
[1] JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラ
メータ
注記 対応国際規格 : ISO 4287,Geometrical Product Specifications (GPS)−Surface texture: Profile
method−Terms, definitions and surface texture parameters(MOD)
[2] JIS K 6262 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温,高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方
[3] JIS K 6265 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−フレクソメータによる発熱及び耐疲労性の求め方
[4] FREAKLEY, P.K., and PAYNE, A.R., Theory and practice of engineering with rubber, Applied Science
Publishers Ltd., 1978, pp. 113-118
[5] LINDLEY, P.B., Compression characteristics of laterally unrestrained rubber O-rings, JIRI, 1 (1967), pp.
209-213
[6] ISO/TS 9272,Rubber and rubber products−Determination of precision for test method standards
――――― [JIS K 6254 pdf 23] ―――――
22
K 6254 : 2016
K6
2
附属書JA
25
(参考)
4 : 2
JISと対応国際規格との対比表
016
JIS K 6254:2016 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−応力−ひずみ特性の求め方 ISO 7743:2011,Rubber, vulcanized or thermoplastic−Determination of compression
stress-strain properties
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規 (V) JISと国際規格との技術的差異
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
国際 定 価及びその内容 の理由及び今後の対策
規格
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
番号
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの 1 追加 国際規格には引張試験方法がない。 JISとして必要であり,追加した。
応力・ひずみ特性の求め方
(圧縮及び引張)
3 用語及び JIS K 6200及びその他用語 3 追加 用語及び定義を追加。 JISとして必要であり,追加した。
定義 引張ひずみ,静的せん断弾性率を追加。
4 試験の種 圧縮試験 4 変更 JISとして必要であり,追加した。
箇条名称を変更し,引張試験を追加した
類 引張試験 ため,種類を明記。
5 圧縮試験5.1 圧縮試験の方法 1 変更 ISO規格の適用範囲から削除し,この項技術的な差異はない。
に追加した。
5.2.1 金属板 5.1 追加 金属板の特性を具体的に示した。 JISとして必要であり,追加した。
5.4 試験片 7 変更 2種の標準試験片をA,Bから1,2に変 試験法の分類ADとの混乱を避け
更した。 るためで,技術的な差異はない。
5.9.2 応力−ひずみ特性の求 12.2 追加 圧縮の与え方をより分かりやすくする 技術的な差異はないが,誤解を招か
め方 ための説明を追加。 ないようISOに提案する。
5.10 試験結果のまとめ方 13.1 追加 圧縮ひずみ算出の基準となる試験片厚 技術的な差異はないが,誤解を招か
さについて明記。 ないようISOに提案する。
6 引張試験 追加 国際規格に規定されていない項目。 JISとして必要であり,追加した。
附属書C 表C.1 Annex 表C.1 追加 校正周期の欄のISO 18899によるSに具 分かりやすくするための追加で,
(規定) C 体的な校正周期の例を追加した。 ISO規格との技術的な差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 7743:2011,MOD
――――― [JIS K 6254 pdf 24] ―――――
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K 6254 : 2016
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD 国際規格を修正している。
K6 254 : 2016
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JIS K 6254:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7743:2011(MOD)
JIS K 6254:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.060 : ゴム
JIS K 6254:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK6200:2019
- ゴム―用語
- JISK6250:2019
- ゴム―物理試験方法通則
- JISK6272:2003
- ゴム―引張,曲げ及び圧縮試験機(定速)―仕様
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方