JIS K 7072:1991 炭素繊維強化プラスチックの試料の作製方法 | ページ 2

6
K 7072-1991
図2 オートクレーブ成形方法の硬化スケジュール及び積層物の状態の一例

――――― [JIS K 7072 pdf 6] ―――――

                                                                                              7
K 7072-1991
(7) 必要に応じて,恒温槽中で所定の温度,所定の時間で加熱して,あと(後)硬化を行う。この場合,ピ
ールプライ又は多孔性離型フィルムをはり付けたまま加熱することが望ましい。
(8) 離型フィルム,ブリーダークロス,ピールプライなどの副資材を取り除いて積層板を取り出し,積層
板の周囲を約25mmずつ除去(トリミング)して試料とする。
5.3 低圧成形方法 低圧成形方法の操作は,次による。
(1) 炭素繊維の織物基材から所定の寸法(例えば,約300×300mm)及び枚数を切り取る。
(2) 平滑度のよい成形ジグ(13)[(1)の例の場合,約400×400mmの金属板]の上に離型フィルム(14)[(1)の
例の場合,約350×350mmのもの]を1枚置く。樹脂調合液(15)を離型フィルムの上に,基材の寸法と
ほぼ同じ面積[(1)の例の場合,約300×300mm])に薄く伸ばす。
注(13) 鋼製で,厚さが約2mmのものが望ましい。
(14) この場合は,ポリエチレンテレフタレートフィルムが望ましい。
(15) 樹脂調合液は,所要量の約1.5倍の量を調製する。

――――― [JIS K 7072 pdf 7] ―――――

8
K 7072-1991
(3) この上に繊維方向が乱れないように注意して織物片を一枚置く。パレットナイフ,ローラーなどを用い
て,織目を乱したり,きずを付けないように注意しながら目視で確認できる気泡を除き,織物に樹脂
を含浸させる。この操作を繰り返して所定枚数の織物を積層する。この場合,織物のたて糸方向を基準
にして繊維配列角度の許容差が±1 になるように積層する。
(4) 積層が終了したら,離型フィルム[(1)の例の場合,約350×350mm]で上から覆い,ローラーでロー
ル掛けして脱泡しながら余分の樹脂液を取り除く。
(5) 所定の厚さのスペーサー(16)を,積層物の周囲に置き,上から成形ジグを静かに載せる。ここまでの操
作は,作業温度(17)における樹脂のゲル化時間の半分以内に完了しなければならない。
注(16) スペーサーは,長さ300mm,幅10mm,厚さは作製する試料の厚さに合わせた平板状で鋼製のも
のを用いる。
(17) 作業時の温度は,23±2℃が好ましい。
(6) 2枚の成形ジグで挟んだ積層物の上から重い金属板を載せるか,又はプレスの中に入れて加圧(18)しな
がら所定の時間で硬化させる。
注(18) 加える圧力は,0.11kPaが望ましい。
(7) 必要に応じて,恒温槽中で所定の温度及び時間で加熱して,あと(後)硬化させる。この場合,2枚の
成形ジグに挟んだ状態で加熱することが望ましい。
(8) 成形を完了したら成形ジグ,離型フィルムなどを取り除いて積層板を取り出し,積層板の周囲を約
25mmずつ除去(トリミング)して,試料(例えば,約250×250mm)とする。
5.4 開放金型成形方法 開放金型成形方法の操作は,次による。
5.4.1 プリプレグを用いる場合
(1) プリプレグを所定の寸法に必要な積層枚数切り取る。
参考 JIS K 7074に規定する標準寸法の試験片(長さ100mm,幅15mm,厚さ2mm)の場合,プリプ
レグの単位面積当たりの炭素繊維質量が180g/m2で炭素繊維の密度が1.8g/cm3とすると,プリ
プレグは,長さ約150mm,幅約15mmで11枚(繊維体積含有率55%)又は13枚(繊維体積含
有率65%)必要である。
(2) プリプレグを一枚ずつ端部の位置を合わせるようにして積層する。
(3) あらかじめ離型剤を塗布した金型の雌型の中にプリプレグ積層物を入れ,上から雄型を置き,雌型と
雄型の間に試料の厚さを調整するため所定の厚さのスペーサーを挿入する。図3に金型の長さ約
150mm,雌型のキャビティの幅約15mm,スペーサーの厚さ2mmである開放金型の一例を示す。

――――― [JIS K 7072 pdf 8] ―――――

                                                                                              9
K 7072-1991
図3 開放金型の一例
(4) 所定の成形温度に予熱したプレスの熱板上(19)に金型を置いて接触圧で所定時間保持(20)した後,ゆっ
くりと加圧(21)し,所定の成形時間で加熱して,硬化させる。緩衝材としてクラフト紙を金型とプレス
の熱板の間に置くと,圧力が均一に加わり,試料の厚さを均一に調整することができる。
注(19) 冷たい金型を熱板上に置くと温度が低下するので,プレスの熱板の温度は,成形温度より5
10℃高めに設定しておくことが望ましい。
(20) 接触圧下の保持時間は,その成形温度におけるゲルタイムより少し短い時間が望ましい。
(21) 加圧はできるだけゆっくりと行う。急激に圧力を上げると樹脂が両端の開放部分から絞り出さ
れると同時に繊維も絞り出され,配列の乱れが起こり,所定の繊維体積含有率が得られないの
で注意しなければならない。
(5) 硬化終了後,金型をプレスから取り出し,室温まで冷却した後,金型を分解して試料を取り出す。樹脂
硬化物のばりをナイフで削るか,研磨紙で研磨して除去した後,所定の寸法に切断し,試験片とする。
5.4.2 炭素繊維ヤーンを用いる場合
(1) 炭素繊維ヤーンをたるまない程度の一定張力で枠に巻き取る。
参考 5.4.1(1)の例示と同様の試験片の場合,ヤーンの繊度400tex,密度1.8g/cm3とすると,1本のひ
もを作製するのにヤーンは75本(繊維体積含有率55%)又は89本(繊維体積含有率65%)が
必要である。
(2) 樹脂調合液中に,枠に巻いたひもを浸せきして樹脂を含浸する。気泡を除去するため浸せきした状態で
減圧下に置くことが望ましい。
(3) 枠に巻いた状態で樹脂を含浸させたひもを枠から取り外し,あらかじめ離型剤を塗布した雌型金型の
中に入れ,上から雄型を置き,雌型と雄型の間に試料の厚さを調整するための所定の厚さのスペーサ
ーを挿入する(図3参照)。
(4) 所定の成形温度に予熱したプレスの熱板上(19)に金型を置いて接触圧で所定時間保持(20)した後,ゆっ
くりと加圧(21)し,所定の成形時間で加熱して,硬化させる。緩衝材としてクラフト紙を金型とプレス
の熱板の間に置くと,圧力が均一に掛かり試料の厚さを均一に調整することができる。
(5) 硬化終了後,金型をプレスから取り出し,室温まで冷却した後,金型を分解して試料を取り出す。樹脂
硬化物のばりをナイフで削るか,研磨紙で研磨して除去した後,所定の寸法に切断し,試験片とする。
6. 検査 成形した試料は,次の項目について検査する。

――――― [JIS K 7072 pdf 9] ―――――

10
K 7072-1991
(1) 外観 試料の表面及び切断面についてきず,異物,空洞,き裂,層間はく離,反り,ねじれなどの有
無を目視によって観察する。
(2) 寸法 試料の周辺から10mm以上中心部に入った部分で,かつ,適当に離れた4か所以上の試料の厚
さをJIS B 7502に規定のマイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもので測定する。この場合,
試料の最大厚さと最小厚さの差は,平均厚さの2%を超えてはならない。
(3) 繊維体積含有率 試料の周辺から10mm以上離れた部分で,かつ,適当に離れた2か所以上からJIS K
7075に規定する方法によって試験片を採取し,繊維体積含有率を測定する。
7. 報告 報告には,必要に応じて次の事項を記載する。
(1) 使用した材料の種類,等級及び製造業者名
(2) 成形した積層板試料の種類及び構成
(3) 成形した積層板試料の形状,寸法,成形方法,成形装置及び使用した副資材の明細
(4) 成形条件(温度,時間,圧力)
(5) 積層板試料の検査結果(外観,寸法,繊維体積含有率)
(6) 試料作製年月日及び場所
(7) その他特記すべき事項
関連規格 JIS K 7074 炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方

――――― [JIS K 7072 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS K 7072:1991の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7072:1991の関連規格と引用規格一覧