JIS K 7071:1988 炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグの試験方法

JIS K 7071:1988 規格概要

この規格 K7071は、炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグの試験方法について規定。

JISK7071 規格全文情報

規格番号
JIS K7071 
規格名称
炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグの試験方法
規格名称英語訳
Testing methods for prepreg, carbon fiber and epoxy resins
制定年月日
1988年2月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

83.120
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
1988-02-01 制定日, 1994-09-01 確認日, 1999-08-20 確認日, 2003-11-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS K 7071:1988 PDF [16]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7071-1988

炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグの試験方法

Testing Methods for Prepreg, Carbon Fiber and Epoxy Resins

1. 適用範囲 この規格は,炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグの試験方法について規定する。
備考1. 単位面積当たりプリプレグ質量,揮発分,樹脂流れ,ゲルタイム,水分などの諸性質を測定
することは,プリプレグの最適な製造条件の設定,保管中の品質の調査及び最適な硬化条件
の設定に役立つ。
2. この規格の中で[{}]を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参
考として併記したものである。
引用規格
JIS B 7514 直定規
JIS C 1602 熱電対
JIS C 6402 炭素皮膜固定抵抗器
JIS K 0068 化学製品の水分試験方法
JIS K 1107 高純度窒素
JIS K 6900 プラスチック用語
JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態
JIS K 8891 メタノール(メチルアルコール)(試薬)
JIS R 3414 ガラスクロス
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8401 数値の丸め方
関連規格 : JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS K 6900(プラスチック用語)によるほか,次
のとおりとする。
(1) 揮発分 所定の硬化温度で乾燥させた場合の揮発物質の割合。
(2) 樹脂流れ 所定の温度及び圧力によって硬化する際に,樹脂が流出する割合。樹脂流れは,プリプレ
グの揮発分,エポキシ樹脂の硬化度及び樹脂含有率によって変わる。
(3) ゲルタイム プリプレグ中のエポキシ樹脂が,加熱によって硬化する中間段階で急激に粘度が増大し
ゼリー状になることをゲル化といい,所定の硬化温度において,ゲル化に至る時間をゲルタイムとい
う。ゲルタイムは,樹脂の硬化度の指標の一つである。
(4) 水分 150℃に加熱したときに気化する水分。

――――― [JIS K 7071 pdf 1] ―――――

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(5) プリプレグ 強化プラスチックに用いる成形材料の一種で,炭素繊維のような強化材に着色剤,充て
ん材などを適正な割合で混合したエポキシ樹脂を均等に含浸させた平面状のもの。
(6) 離型フィルム 成形後,成形物と成形ジグとの分離を容易にするために用いるもの。例えば,四ふっ
化エチレンと六ふっ化プロピレンとの共重合 (FEP) フィルム,四ふっ化エチレン樹脂 (PTFE) フィル
ム,ポリエチレンテレフタレート (PETP) フィルムなど耐熱性のものが用いられる。
(7) 多孔性離型フィルム 離型フィルムに適当なあな(孔)をあけたもので,あなから樹脂の流出が可能
であり,樹脂流れ試験に用いられ,ブリード成形に実用されている。
(8) ブリーダクロス 成形中にプリプレグから流れ出る余剰の樹脂を吸い取るために用いるもの。通常,
ガラス繊維の朱子織クロス[例えばJIS R 3414(ガラスクロス)に規定するES 22 B]が用いられる。
(9) 熱プレス 試験片を加熱及び加圧できる装置で,温度及び圧力の制御が容易なもの。
(10) ブリード成形 プリプレグから炭素繊維強化プラスチック(以下,CFRPという。)を真空バッグ又は
オートクレーブによる加圧バッグ成形によって作製する場合に,加熱中にプリプレグから樹脂の一部
を布,マットなどに吸収させることによって,CFRPの繊維含有率及び製品の厚さの管理並びに空洞
(ボイド)の除去を行う硬化方法のことをいい,プリプレグから樹脂の一部を絞り出すことをブリー
ドという。
3. 試験の項目 試験の項目は,次のとおりとする。
(1) 単位面積当たりプリプレグ質量,単位面積当たり炭素繊維質量,樹脂質量含有率及び繊維質量含有率
(2) 揮発分
(3) 樹脂流れ
(4) ゲルタイム
(5) 水分
4. 試験の一般条件
4.1 試料の準備 炭素繊維及びエポキシ樹脂からなるプリプレグは,通常低温下に貯蔵されているので,
試料を採取する場合には,プリプレグが吸湿しないように密封包装したまま室温になるまで放置した後,
開封する。
4.2 試験片の採取 試験片の採取は,次のとおりとする。
4.2.1 試験に用いる試験片の数は,3個とする。
4.2.2 試験片は,プリプレグの幅方向に採取するが,所定量を採取できないときは,縦方向に採取しても
よい。ただし,耳の部分は除くものとする。
4.3 試験室の標準状態 試験は,原則としてJIS K 7100(プラスチックの状態調節及び試験場所の標準
状態)に規定されている標準温度状態3級 (23±5℃) で,相対湿度は50±10%で行う。
4.4 硬化条件 硬化条件は,プリプレグの受渡し当事者間の協定による。
4.5 試験結果の表し方 試験結果の数値は,規定のけた数より1けた下の位まで求め,JIS Z 8401(数値
の丸め方)に従って丸めて表す。
5. 試験方法
5.1 単位面積当たりプリプレグ質量,単位面積当たり炭素繊維質量,樹脂質量含有率及び繊維質量含有

――――― [JIS K 7071 pdf 2] ―――――

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5.1.1 試験方法の概要 この試験は,プリプレグ試験片を採取し,質量を測定した後に,溶剤中で樹脂分
が溶出するまで浸せき又は煮沸を行い,ろ過して残った繊維を溶剤で洗浄し,乾燥してから質量を測定し,
プリプレグの単位面積当たりの質量,単位面積当たりの炭素繊維質量及び樹脂含有率を求める。
5.1.2 装置及び器具
(1) 裁断用型板 100±1mm×100±1mmの金属又はセラミック板を用いる。金属は,鋼のような硬い材質
のものを用いる。板厚は,約5mmとする。
(2) 裁断用ナイフ 片刃のもの。
(3) 化学はかり 感量0.001gのもの。
(4) 時計 60分以上測定できるもの。
(5) ドラフトチャンバ 溶剤の吸引ろ過に用いるもの。
(6) ガラス製ビーカー 容量300mlのもの。
(7) ガラス製すり合せ三角フラスコ 容量500mlのもの。
(8) ガラス製すり合せ冷却管 長さ300400mmのもの。
(9) デシケーター JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)に規定するもの。乾燥剤として,シリカゲル,
塩化カルシウム,五酸化りん,濃硫酸などの乾燥剤が入っているもの。
(10) 加熱水槽 95℃まで加熱できて,温度を一定に保てる水槽(例えば,ウォーターバス)。
(11) るつぼ形ガラスろ過器(以下,ガラスフィルタという。) JIS R 3503に規定する2G2のもの。
(12) 吸引ろ過瓶 JIS R 3503に規定するもの。
(13) 減圧装置 約13kPa{約100mmHg}に減圧できるもの。例えば,水道に連結するガラス製アスピレー
タ。
(14) メスシリンダー 容量500mlのもの。
(15) 熱風循環式乾燥機(以下,乾燥機という。) 200℃まで昇温可能なもの。
5.1.3 試薬
(1) メチルエチルケトン(以下,MEKという。) 工業用純度のもの。
(2) テトラヒドロフラン(以下,THFという。) 工業用純度のもの。
備考 いずれの試薬も健康障害の可能性,高可燃性があるので,適切な換気,防火設備及び皮膚への
飛散防止措置を施す必要がある。
5.1.4 試験片 試験片の寸法は,100×100mmとし,厚さは,試料の厚さとする。
5.1.5 操作
(1) 試験片の質量を0.001gまで量り,このときの質量をW1とする。
(2) 樹脂の溶解 樹脂の溶解は,次の方法A又は方法Bによる。
(2.1) 方法A
(a) 室温において,試験片をビーカーに入れて約200mlのMEK又はTHFを入れ,20分間置く。この間,
34回かき混ぜる。
(b) ガラスフィルタ(質量W2)を用い,上澄み液をろ過する。
(c) 炭素繊維が残っているビーカーに約200mlのMEK又はTHFを入れ,(a)及び(b)の操作を3回繰り
返し行う。3回目の終了後は,炭素繊維もガラスフィルタに移し,吸引ろ過する。
(2.2) 方法B
(a) 試験片をすり合せ三角フラスコに入れ,約300mlのMEK又はTHFを入れ還流のための冷却管を取
り付け,MEKの場合には8590℃,THFの場合には7580℃の加熱水槽にすり合せ三角フラスコ

――――― [JIS K 7071 pdf 3] ―――――

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を入れる。溶剤が沸騰し始めてから約40分間煮沸する。
(b) 冷却管を取り付けたまますり合せ三角フラスコを加熱水槽から外し,約5分間,そのまま放冷の後,
ドラフトチャンバの中で溶剤蒸気を吸入しないように注意しながらガラスフィルタ(質量W2)でろ
過し,ガラスフィルタ上で集めた炭素繊維を室温の約300mlのMEK又はTHFで洗浄しながら吸引
ろ過する。
げ 間,乾燥機中で乾燥し,デシケーター中
(3) ろ過後,炭素繊維をガラスフィルタごと,105100
で45分間以上冷却する。
(4) 炭素繊維が入ったままのガラスフィルタ(質量W3)を0.001gまで量り,記録する。
(5) 3個の試験片について,(1)(4)の操作を繰り返す。
5.1.6 計算
(1) 単位面積当たりプリプレグ質量,単位面積当たり炭素繊維質量,樹脂質量含有率及び繊維質量含有率
は,次の式(1)(4)によって算出する。
WP=W1×100 (1)
WC= (W3−W2) ×100 (2)
W1 (W3 W2 )
WRP 100 (3)
W1
W3 W2
WFP 100 (4)
W1
ここに, WP : 単位面積当たりプリプレグ質量 (g/m2)
WC : 単位面積当たり炭素繊維質量 (g/m2)
WRP : 樹脂質量含有率 (%)
WFP : 繊維質量含有率 (%)
W1 : プリプレグ試験片質量 (g)
W2 : ガラスフィルタ質量 (g)
W3 : 残留繊維を含めたガラスフィルタ質量 (g)
(2) 揮発分を考慮したプリプレグ試験片の場合には,式(3)及び式(4)の代わりに次の式(5)及び式(6)によっ
て算出する。
VC
W1 1 (W3 W2 )
100
WRP 100 (5)
VC
W1 1
100
W3 W2
WFP 100 (6)
VC
W1 1
100
ここに, VC : 揮発分 (%)
なお,式(1)から式(6)における結果は,すべて整数位まで算出する。
5.1.7 報告 報告には,次の事項を記録する。
(1) 試料の明細
(2) 試験片3個の試験結果及びその平均値。用いた試験方法,試薬,処理温度及び時間
(3) 揮発分を考慮した場合の試験結果並びにその平均値及び揮発分試験の硬化温度
5.2 揮発分

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5.2.1 試験方法の概要 この試験は,幅方向から均一に取り出した試験片を乾燥機中で乾燥させ,揮発し
た成分の質量の割合を求めるもので,成形中の流動性,成形物中の気泡の発生などについて推定できる。
5.2.2 装置及び器具
(1) 裁断用型板 100±1mm×100±1mmの金属又はセラミック板を用いる。金属は鋼のような硬い材質の
ものを用いる。板厚は,約5mmとする。
(2) 裁断用ナイフ 片刃のもの。
(3) 化学はかり 感量0.001gのもの。
(4) 時計 60分以上計測できるもの。
(5) 目玉クリップ つかみ代100mm以上のもの。
(6) 乾燥機 200℃まで昇温可能で±3℃の範囲に温度調節ができるもの。
(7) 試験片をつるすジグ 例えば,図1のようなもの。
(8) 離型フィルム 例えば,四ふっ化エチレン樹脂 (PTFE) フィルムのようなもの。
(9) デシケーター JIS R 3503に規定するもの。乾燥剤として,シリカゲル,塩化カルシウム,五酸化り
ん,濃硫酸などの乾燥剤が入っているもの。
図1 試験片をつるすジグの一例
5.2.3 試験片 試験片の寸法は,100×100mmとし,厚さは,試料の厚さとする。
5.2.4 操作
(1) 試験片の質量を0.001gまで量り,このときの質量をW1とする。
(2) 乾燥機の温度をあらかじめ所定の硬化温度±3℃に保持しておく。
(3) 試験片を目玉クリップで挟む。この場合,試験片の樹脂が目玉クリップに付着することを防ぐために
試験片と目玉クリップとの間に離型フィルムを挟む。
(4) 試験片をジグにつるし,ジグごと素早く乾燥機内に入れる。
(5) 乾燥機の温度が所定の硬化温度に回復した時点で計測を開始する。
間乾燥した後ジグごと乾燥機内から取り出す。
(6) 試験片を所定の硬化温度で1550
(7) 試験片をデシケーターへ移す。
(8) 試験片をデシケーター内で45分間以上冷却した後,質量を0.001gまで量りW2とする。
(9) 3個の試験片について,(1)(8)の操作を繰り返す。
5.2.5 計算 揮発分は,次の式(7)によって算出する。

――――― [JIS K 7071 pdf 5] ―――――

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