JIS K 7124-2:1999 プラスチックフィルム及びシート―自由落下のダート法による衝撃試験方法―第2部:計装貫通法 | ページ 2

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K 7124-2 : 1999 (ISO 7765-2 : 1994)
5.1.2 ストライカー ストライカーは,研磨した硬い,直径D1=20mm±0.2mmの半球状打撃面をもつこ
とが望ましい。又は直径D1=10mm±0.1mmの半球状打撃面を使用してもよい。ストライカーは鋼製とす
る。
ストライカーに付けたロードセルは,無関係な力の影響を小さくするため,できる限り先端近くに配置
する。例を図4に示す。
同じ材料を使用する場合,受渡当事者が同意すれば,摩擦を減らすためにストライカーの頭に滑石粉を
つけるか又は油で滑らかにしてもよい。
これによって,結果の統計上のばらつきを減らすことができる場合がある。しかし,ストライカーを滑
らかにすると試験結果にかなり影響する場合があることも考えなければならない。
ストライカー/ロードセル部の固有振動数fnは5.2に規定する値よりも大きくなければならない。
図4 試験装置(模式図)
5.1.3 試験片クランプ 試験片クランプの内径D2は,40mm±2mmとする。試験片クランプは円形の試
験片が水平に固定され,試験中しっかりと保持できるような構造とする。また,試験片クランプは試験片
に0.01%以上の放射状の延伸を掛けてはならない。これには手動又は油圧によるクランプを用いればよい。
試験片クランプ面にリング状の細かい研磨紙を置けばなおよい。推奨できる試験片クランプを図5に示す。

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図5 試験片クランプ
5.2 応力,試験片のひずみ及び厚さ測定装置 応力及びひずみを測定する装置は,最大値で5%の正確さ
で測定できなければならない。

もし,電気機器の精度がフルスケールで0.4%ならば,20%フルスケールの場合,正確さは2%である。
5.2.1 ロードセル 衝撃が非常に短時間であるため,大きい固有振動数をもつ電気的ロードセルだけが使
用できる。測定に必要な装置の最短時間間隔 minは≧5/fnとする。ここで,fnは,ストライカー/ロード
セル部の固有振動数である。
0Hzの低いバンド幅限界をもつ増幅器群(直流又は搬送周波数の増幅器)のバンド幅BTは,類推によっ
て,次のようになる。
BT≧16/△tF, min
1
n 2
BT= /1 Bj2
j 1

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ここにBjはj番目の増幅器における固有のバンド幅である。
備考6. このような測定装置の例としては,ストライカーとシャフトの間(図4参照)に,装着される
チャージ増幅器に接続した圧電式ロードセルがある。
5.2.2 試験片のひずみ測定装置 試験片の貫通方向のひずみは,電気変換装置によって応力−ひずみ線図
を得ることで直接測定される。同様に,7.4に従い応力−時間線図を記録させ,これからも,ひずみを計算
することができる。
5.2.3 厚さ計 試験片の厚さ測定装置は,ISO 4593を満足し,厚さdを1 定できなければなら
ない。
6. 試験片
6.1 サンプリング及び試験片の準備 サンプリングは,関係する製品規格による。その規定がない場合
は,試験片は,巻取状のシート又は試験するフィルムの一部から採るのがよい。試験片は,直径80mm±
2mmとする。切断したエッジは,特別な品質である必要はない。試験片は,全幅にわたってできる限り均
質になるように,フィルムの機械方向に対して,直角に切り取るものとする。不均一なエッジをもつ巻取
フィルムの試料は使ってはならない。測定値の温度依存性を測定するために多数の試験片が必要な場合は,
一連の試験片を試験前に混ぜ合わせておく。
6.2 試験片の数 最低5個の試験片を試験する(抜取検査の場合には,20個の試験片を必要とする。)。
温度,相対湿度又は他の変数に対する測定値の依存性を試験する場合は,抜取検査であっても,通常,測
定ごとに5個の試験片で十分である。試験結果が,フィルムのどちらの面から貫通するかに依存するなら
ば,必要な試験片の数は2倍になる。
6.3 試験片の条件 試験片は,材料に関する仕様書によって必要とされる条件,又は受渡当事者間によ
って取り決められた条件によって状態調節する。そうでないときは,最も適切な条件をISO 291から選ぶ。
7. 手順
7.1 試験雰囲気 試験は,ISO 291に規定する標準条件のうちの一つに従う。測定が異なった温度又は相
対湿度の下で行う場合は,その特定の温度又は湿度において,測定結果に違いが見られなくなるまで,試
験片をそれぞれの試験条件下で保持しなければならない。より高い試験温度で行う場合,状態調節時間は
短くなる。
7.2 厚さ測定 それぞれの試験片の厚さdは,ISO 4593に従い,試験片の中心付近の半径5mmの円の周
辺に等距離の3点を,1 定し,その平均値を求める。
7.3 試験片の固定 試験片は,水平に試験片クランプで挟み固定する。試験片の固定によって生じる応
力によって,半径方向に0.01%を超える伸び(試験前の伸び)を生じてはならない(5.1.3参照)。
備考7. 試験前の伸びは,顕微鏡によって測定できる。ただし,通常のクランプ装置は,上記の条件
を満たしている。
7.4 衝撃貫通試験 衝撃貫通試験は,4.4m/s±0.2m/sの衝撃速度で行う。これは1mの落下高さHoから
の衝撃速度に相当する。試験中の速度は,試験片に衝突するときの速度に20%を超える変化があってはな
らない(5.1.1ストライカー質量の条件参照)。
試験の間,応力−ひずみ線図,又は応力−時間線図を記録する。4.で規定したパラメータの値は,曲線
から得るか,又は例えば,記憶出力記録計のような記録装置から読み取る。共振効果によって,満足でき
るひずみ曲線が得られない場合は,衝撃速度を1m/sに減少させる。

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備考8. 相対的にもろい材質からなるものでも,プラスチックフィルムであれば,4.4m/sの衝撃速度
は,一般的には高すぎることはないが,受渡当事者間の同意があれば,これより小さくして
もよい。
試験結果が試験片の衝撃を加える面に依存していると考えられる理由がある場合は,両面を別々に試験
しなければならない(6.2参照)。
8. 結果の報告 通常の特性試験では,応力−ひずみ曲線の最大応力点を,試験結果として用いる。応力
−ひずみ曲線,及び/又は他の情報から試験片のひび割れの発生が明らかな場合は,応力−ひずみ曲線上
でひび割れに対応する点(破壊点)も試験結果として用いることができる。
測定結果が,応力−ひずみ曲線の形である場合は,最大応力点や破壊点という特性点における応力とひ
ずみは,曲線から直接読み取ることができる。対応するエネルギー値は(面積計又はコンピュータを使う
など,他に適切な方法によって),曲線下部の面積から決定される。
測定結果が応力−時間曲線の形である場合は,最大応力,又は破壊時の応力に対するひずみsをメート
ル単位で近似の形で表す(附属書A及びISO 6603-2 : 1989, 附属書C参照)。
p
s v0 t (1)
3m
ここに, m : 落下質量 (kg)
衝突直前の衝撃速度 (m/s)
t : 最大応力に達するまでの時間,又は破壊までの時間 (s)
p : 最大応力を生じる時間,又は破壊時間までに与えられる力積
(応力−時間線図の下部面積) (Ns) で次の式によって与えら
れる。
t
p F t dt (2)
0
備考9. ひずみsの正確な計算は,二重積分を必要とする。
t t
2
s /1 m F t dt v0t (3)
0 0
最大応力までのエネルギーWM及び破壊までのエネルギーWFは,それぞれ式(4)及び(5)によって与えられ
る。
WM= 1− 一 (4
WF= 1− 一 (
ここに, Eo : 衝撃前の衝突物のエネルギー (J)
pM及びpFは,それぞれtM及びtfの積分上限を用いて,式(2)によって計算する。
4.で定義したパラメータの平均値,標準偏差及び変動係数は,それぞれ,一連の試験に対して計算する。
備考10. 曲線又はそれに付随して得られるデータに代えて,最大応力の値及び最大応力時におけるひ
ずみを電気的に記録することが可能である。これは電子積分回路で処理した後の,最大応力
に至るまでのエネルギー及び全貫通エネルギーにも当てはまる。
9. 精度 この試験方法の精度は,試験機関間の比較データがないため分かっていない。試験室間の比較
データが得られれば,次回改正時に精度が追加されよう。

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10. 試験報告 試験結果の報告には,次の事項を記載する。
a) 規格番号 例 JIS K 7124-2−ISO 7765-2
b) 試験材料の,タイプ,識別マーク,出所及び入手した日付,並びに材料について関連するデータ
c) 試験年月日
d) 試験片のサンプリング方法及び調製方法
e) 各試験片の厚さdの平均値
f) 試験条件及び状態調節
g) 試験片クランプの詳細な方法
h) ダートの直径D及びダートの表面の性状
i) 使用した試験片の数
j) 合意した破壊点(ただし,これを使用した場合)
k) 次に示す項目の平均,標準偏差及び変動係数
最大応力FM' (N)
最大応力時のひずみsM' (m)
最大応力までのエネルギーWM' (J)
全貫通エネルギーWT' (J)
さらに選択できるものとして
破壊応力FF' (N)
破壊時のひずみsF' (m)
破壊までのエネルギーWF' (J)
l) 応力−ひずみ曲線F (s) 又は応力−時間曲線F (t)
m) 固有振動数fn及び増幅器の全バンド幅BT
n) 試験後の試験片の外観(できれば,実例となる代表的な試験片を添える。)
o) 試験速度 4.4m/sでない場合)
p) 潤滑剤を使用した場合,その潤滑剤の種類,グレード,品質及び製造業者名

――――― [JIS K 7124-2 pdf 10] ―――――

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JIS K 7124-2:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7765-2:1994(IDT)

JIS K 7124-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧