5
K 7144 : 1999 (ISO 2818 : 1994)
5. 機械と工具 プラスチック材料から試験片を調製するため,また仕上がった試験片のノッチ加工のた
めには,5.15.5に規定する機械が用いられる(3.参照)。種々の試験片形状及び試験片材料に対して推奨
する機械加工条件を表1に示す。機械加工によって試験片を調製するための要求条件は,該当する材料規
格の第2部に,それぞれの材料について詳細に規定する。ノッチ加工に関して,表1に与えられた条件は,
多数の材料に対して満足な結果を与えることが知られているが,広範囲な材料が試験されるので,他の条
件が適切な場合もある。
5.1 フライス盤 フライス盤は,ダンベル形試験片及び短冊形試験片を調製するときに用いることがで
きる。それはISO 3855に示された方法の中に規定された1個の歯又は多数の歯を含み,種々の速度で切削
する(例えば,ならいフライス盤の場合は,高速で切削する)。フライス盤は,短冊形試験片にノッチを入
れるときに用いることもできる。この場合,複数の歯をもつ回転刃は,そのノッチが1個の歯を用いたと
きと同様の品質で作られるときに限り用いることができる。
5.2 スライサー又はのこ盤 スライサー又はのこ盤は,短冊形又は角板形試験片を調製するときに用い
る。それは丸のこ又は帯のこ,若しくはダイヤモンド又は立方晶窒化ほう素のような研磨材でコートされ
た刃をもつディスクを装着することができる。
5.3 チューブラー切断機 チューブラー切断機は,平板やシート材から円板形試験片を調製するときに
用いる。このような種類の工具の切れ刃は,のこ歯であるか又は研磨材でコートされたものである。
5.4 旋盤 旋盤は,5.3で示したのと同様の目的で用いる。例えば,あらかじめ粗く形づけした個々のシ
ートの束から円形試験片を切断する。
5.5 平削り盤 平削り盤は,のこ引き又はスライスされた短冊形試験片を最終的に切削仕上げをすると
き及びノッチを入れるときに用いる。
5.6 打ち抜き工具 打ち抜き工具は,適度に柔軟性のある材料で作られた薄いシートから,種々の形の
試験片を調製するのに適している。
5.7 ブローチ ブローチは,ノッチ加工に用いることができ,手動又は機械で駆動する。
6. 手順 機械加工速度は,試験される材料に依存し,材料の過熱が避けられる速度がよい。このことは
特に熱可塑性プラスチックスの場合に重要である。もし冷却剤の使用が必要ならば,これは該当する材料
規格の第2部に規定されている。冷却剤は,加工する材料に有害な影響を与えないものを使用する(表1
参照)。滑らかな仕上げを達成するには,細かな研磨材が用いられる。ダイヤモンド,立方晶窒化ほう素,
又はその他の研磨材でコートされた刃をもつ工具の場合,ISO 3017, ISO 6104, ISO 6106, ISO 6168を考慮
する。
備考2. 試験片を機械加工するときには,切紛は刺激を引き起こすことがあるので,皮膚への接触や
吸込みに注意しなければならない。
6.1 ダンベル形試験片の調製 手動フライス盤を用いた低速切削,又は好ましくは表1に示す条件によ
る高速ならいフライス加工によってダンベル形試験片を作成する。約5倍の倍率をもつ拡大鏡で仕上げた
試験片の切削表面と端面の欠陥の存在について調べる。最大500個の試験片を切断した後,50倍100倍
の倍率をもつ顕微鏡か投影機を用いて切れ刃を検査する。
6.2 研磨ディスクによる短冊形試験片の調製 この方法による詳細な条件を,表1に示す。試験片の表
面状態に関する特別な要求事項又はフライス,平削りなどの仕上げに関しての指定がない限り,この試験
片の調製はのこびきによって行う。フライス,平削り加工を用いる場合は,6.1に規定する表面状態の確認
を行う。
――――― [JIS K 7144 pdf 6] ―――――
6
K 7144 : 1999 (ISO 2818 : 1994)
6.3 円板形試験片の調製 一般的に円板形試験片は,打抜き衝撃試験に用いる。この試験の場合,機械
加工による仕上面状態は試験結果にあまり影響はしない。表1に規定する条件で平滑で,かつきずが少な
い試験片を調製する。
6.4 打抜き加工による試験片の調製 柔軟で,かつ薄いシートからの試験片の調製は,打抜き加工によ
る。シートからの試験片は,単動式のナイフエッジパンチによって,所定の形状,寸法に打ち抜かれる。
パンチの切断面は,十分に鋭利で,かつきずがないものでなければならない。このシートは,硬い平板の
上に薄いレザー,ゴムシート又は上質な厚紙などに重ねて,試料を支持する。
この方法の基準は,6.1で規定する試験片の切断面,表面の品質を確保するために必要とするものである。
6.5 フライス,ブローチによる試験片のノッチ加工 試験片のノッチ加工は,フライス盤又は旋盤で行
い,単刃を使用することが望ましい。バイトには高速度鋼,工具鋼,又はダイヤモンドを使用する。多刃
は,単刃を用いたときと同じ品質が,確保できるときに限り使用できる。試験片は,機械加工による打ち
抜きで得られるが,ノッチは後加工によって行う。
ノッチ加工に際しては,研磨材を使用してはならない。
フライス加工を行う場合,切り取りの厚さ (dS) は,0.003mm0.07mm(図2及び図3参照)であるの
で,送り速度は次の式によって求める。
ds=Vf2 (n2・R) (mm)
ここに, Vf : 送り速度 (mm/min)
n : 刃の回転速度(r/min又はmin-1)
R : フライス盤の軸と切れ刃の刃先との距離 (mm)
これらのパラメーターは,ノッチ部の応力集中の程度を決定するものであるのでノッチ部の形状及びノ
ッチ半径の正確な公差を決めなければならない。再現性のある結果を得るためには,ばり,欠けをなくす
ように注意深く切断面を研磨しなければならない。
カッター刃は,最初に使うときはもちろんのこと,およそ500ノッチを切削した後,又は非常に硬い材
料を切削した場合には,カッターの切れ味,刃こぼれ,チップの形状,刃先の半径 (R) を検査しなければ
ならない。もしRと形状が許容限界を外れている場合には,研磨した新しいチップに交換する。
このカッター刃及びノッチ部を検査する方法としては,顕微鏡又は50倍100倍の投影器が適している。
単刃の場合には,カッターチップ形状と試験片のノッチ部との形状にはっきりとした関係があれば,カッ
ターチップの形状を試験片のノッチ部の形状の代わりに検査してもよい。同じカッター刃を使用しても,
材料が異なればそれぞれのノッチ部の形状が異なることが確認されている。
透明材料の場合には,しばしば光弾性効果を用いて,望ましくない変化を検出することが可能である。
特に,射出成形による試験片の場合には,機械加工による昇温,溶融によって機械加工を行った表面近く
に干渉じま又は干渉色の変化が検出されることがある。
備考3. カッター刃は光学的観察では,適切な状態にもかかわらず,PMMA及びPCの場合には,切
削後に試験片の光学的測定値が徐々に変化している現象が確認されている。このような場合
には,標準物質を用いてカッターをチェックすることを推奨する。
7. 試験報告 試験報告には,次の事項を記載する。
a) 規格番号
b) 材料及び機械加工された試験片の説明(形状,調製の方法,配向,その他)
c) 半製品又は製品から切り出した試験片の位置及び配向の詳細な説明
――――― [JIS K 7144 pdf 7] ―――――
7
K 7144 : 1999 (ISO 2818 : 1994)
d) 試験片の寸法
e) 機械加工法
f) 機械加工条件(表1参照)
g) その他必要な事項
――――― [JIS K 7144 pdf 8] ―――――
K7
8
表1 4種類の試験片及びノッチに推薦される機械加工条件
14
材料 機械加工方法 回転速度 工具の仕様 のこ歯 工具の運動 冷却媒体
4:
n (tr/min) 直径 切込み バック サイド の数 切削速度 送り速度 送り量 切込み深さ
199
2R (mm) 刃角度 逃げ角 逃げ角 z vc (m/min) vf (m/min) mm) a (mm)
9(
愀 愀 愀
ISO2
1)ダンベル形試験片(参照6.1)
8
熱可塑性プラスチック 中速度 180500 125150 515 520 − 1016 70250 低速 − 15 なし,空気
18:
熱硬化性プラスチック フライス盤 − − − − − − 70250 低速 − 15 又は水
19
熱可塑性プラスチック 高速度 8 0003 0000 520 1015 520 − 48 1252 000 低速 − 0.2 空気又は
94
熱硬化性プラスチック ならいフライス盤 20 000 1520 1015 520 − 48 1001 500 低速 − 0.5 水
)
2)短冊形試験片(参照6.2)
熱可塑性プラスチック 丸のこによる 1 0002 000 50150 − − − 30100 1501 000 中速 − − なし又は
熱硬化性プラスチック 切削 1 0002 000 50150 − − − 50150 1501 000 中速 − − 空気
熱可塑性プラスチック 帯のこによる − − − 丸のこと 315 中速 − − なし又は
熱硬化性プラスチック 切削 − − − 同様 315 中速 − − 空気
熱可塑性プラスチック 研磨ディスクによる2 00013 000 50150 − − − − 1 0002 000 低速 − − 空気又は
熱硬化性プラスチック 切削 2 00013 000 50150 − − − − 1 0002 000 低速 − − 水
3)円板形試験片(参照6.3)
100200
熱可塑性プラスチック サーキュラーカッター(の 40100 − − − 30100 10100 中速 − − なし又は
熱硬化性プラスチック こ歯タイプ)による切削
100200 40100 − − − 30100 10100 中速 − − 空気
3001 500
熱可塑性プラスチック サーキュラーカッター(研 40100 − − − − 100200 低速 − − 空気又は
熱硬化性プラスチック 磨タイプ)による切削3001 500 40100 − − − − 100200 低速 − − 水
100200
熱可塑性プラスチック 単刃フライス盤カッター 40100 515 520 − 1 10100 低速 − − なし又は
熱硬化性プラスチック による切削 100200 40100 515 520 − 1 10100 低速 − − 空気
熱可塑性プラスチック 旋盤による 5001 000 20100 515 520 − 1 30300 低速 − − なし又は
熱硬化性プラスチック 切削 5001 000 20100 515 520 − 1 30300 低速 − − 空気
4)打抜き試験片(参照6.4)
熱可塑性プラスチック 薄いシートからの − − − − − − − 低速で − − なし
熱硬化性プラスチック 打ち抜き − − − − − − − 加圧 − − なし
5)ノッチ(参照6.5)
熱可塑性プラスチック 中速度 2001 000 6080 27 27 27 1 50250 0.072 12 0.22 空気又は
熱硬化性プラスチック フライス盤 2001 000 6080 27 27 27 1 50250 0.072 12 0.22 水
熱可塑性プラスチック ブローチ盤 − − 27 27 27 1 1220 低速 0.10.3 空気又は
熱硬化性プラスチック − − 27 27 27 1 1220 低速 0.10.3 水
――――― [JIS K 7144 pdf 9] ―――――
備考 機械加工の条件は,個々の材料や使用する工具に依存する。試験片が規定された寸法に適合し,規定された拡大検査できずがないことが確認できる機械加工条件を
用いる。材料に関する特定の機械加工条件は,材料規格の第2部に規定している。
K7 144:1999(ISO2 818:1994
9
)
――――― [JIS K 7144 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS K 7144:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 2818:1994(IDT)
JIS K 7144:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.01 : プラスチック一般