JIS K 7152-4:2006 プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第4部:成形収縮率の求め方 | ページ 2

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K7152-4:2005 (ISO 294-4 : 2001)
備考 80 MPa以上の保圧時キャビティ内圧の場合,高い型締め力が必要であり,これは,通常の市販
装置では得られないことがある。
5.2.3 各々の選定した保圧時キャビティ内圧PCHの値に相当する保圧PHを決定し,次の追加規定を考慮
して,各圧力で試験片を作製する。
a) キャビティ内圧対時間の曲線(図1参照)において,圧力低下(曲線c参照)を注意深く避け,射出
工程−保圧工程切替え点に続く1秒間でのピークが,保圧時キャビティ内圧の10 %を超えないよう
に(曲線b参照),射出工程と保圧工程との切替え点A(曲線a参照)を選択する。
射出成形機の慣性によって,実際の切替え時間は,名目上の数値より長くなる。したがって,正確
な切替え点は,射出速度の個々の数値及び個々の試験材料について個別に調整する。
備考 キャビティ内圧における大きいピークは,キャビティへの一時的な過負荷となり,一部の溶融
物が逆流する。したがって,キャビティ中に射出された材料の質量は,明確にすることができ
ない。また,ゲート近傍の材料の配向が乱れることがある。
b) 保圧時間中は,保圧を一定に保つ。
c) 保圧時間については,JIS K 7152-1の5.2.4による。保圧時にキャビティ圧力がゼロへ減少するが,こ
れは,ゲート近傍の材料が十分に固化され,キャビティ内への流入が停止したことを示す。
d) 成形品を変形させないで金型から取り出せる最短の冷却時間を選択する。材料の冷却速度は,厚さの
逆数の2乗に比例するので,JIS K 7152-3に規定のゲート高さと板厚との比3 : 4の場合,最短の冷却
時間(キャビティ部の)は,保圧時間(ゲート部の冷却時間)の1.8倍に近いことが見込まれる。
e) IS K 7152-1の5.2.5により,定常状態を維持する。
図1中のA点近くでの曲率の変化は,流動期間から圧縮期間への転移を表す。R点では保圧時のキャビ
ティ内圧が記録される。最短保圧時間は,キャビティ圧力がゼロへ減少する点から読み取れる。

――――― [JIS K 7152-4 pdf 6] ―――――

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テ 保圧時キャビティ内圧PCH
ィ (R点)


PC
(MPa)
時間t(s)
射出時間 t I 1秒
保圧時間 t H
適正に選択したとき(A点近くで切り替えたとき,曲線aになる),遅すぎるとき(例えば,B点で切り
替えたとき,曲線bになる)及び早すぎるとき(例えば,C点で切り替えたとき,曲線cになる)の射
出時間の影響を示す。
図 1 キャビティ内圧対時間の模式的プロット

5.3 金型温度の測定

   JIS K 7152-1の5.3による。

5.4 溶融樹脂温度の測定

   JIS K 7152-1の5.4による。

5.5 離型後の試験片の処理方法

5.5.1  反りを最小にするために各々の試験片は,離型後速やかにランナーから切り離す。寸法測定に供す
る面が,切り離す作業で,きず付かないよう注意する。
5.5.2 試験片を,平たんな熱伝導性の低い材料の上に置いて,室温まで放冷する。室温まで冷却後,その
試験片を23±2 ℃で,16時間から24時間保管する。材料を湿潤雰囲気及び乾燥雰囲気で保管したときに,
成形収縮率が明確な差異を示す場合,試験片を乾燥雰囲気(例えば,乾燥剤を入れた密閉容器)で保管す
る。

5.6 成形収縮率の測定

5.6.1  角板の厚さ(特に,ゲート近傍の幅方向の中心)とキャビティの深さとを比較し,金型プレートが
十分な剛性をもつか確認する(4.1参照)。
5.6.2 基準点間の寸法が既知でない場合は,適切な相対する基準点間のキャビティの長さlC及び幅bCを
23±2 ℃で0.02 mmまで測定する。基準点としては,側面とゲート側のゲートを除いた面の中央,エッジ
の中央又は金型のキャビティに彫り込んだ点でもよい(附属書A参照)。
成形収縮率の計算に用いるために,これらの値を記録する。

――――― [JIS K 7152-4 pdf 7] ―――――

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備考 金型のキャビティに刻印された基準点は,摩耗するので,時々確認する。
5.6.3 試験片の寸法を測定する前に,試験片を平たんな板の上に置くか,又はまっすぐなエッジに当てて,
反りを測定する。反り(すなわち,平面からの変形)が高さで2 mmを超えた試験片は捨てる。
5.6.4 金型のキャビティに対応する試験片の基準点間の長さl1及び幅b1を23±2 ℃で0.02 mmまで測定
する(5.6.2参照)。
微少な反り(2 mm未満)は,平面にするために押さえ付けて小さくしてもよい。寸法測定中の反りは,
1 mm未満でなければならない。
備考 反りによる寸法の減少は,次の近似式で表せる。
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x 4h 3x (1)
ここに, x : 試験片の寸法(長さl又は幅b) (mm)
x : 寸法の減少 (mm)
h : 反りの高さ(平面からの変形) (mm)
例えば,xが60 mmで,反りの高さhが1 mmの場合,xは0.02mmの減少となり,5.6.2
及び5.6.4での精度限界内となる。
5.6.5 各成形条件当たり少なくとも5個の試験片について測定する。

5.7 成形収縮率測定後の処理

   成形収縮率を測定した後,あと収縮率を測定するための処理条件(温度,
湿度,その他の環境)は関連する材料規格で規定されたもの又は受渡当事者間で合意されたものでなけれ
ばならない。
備考 成形後の処理条件は,受渡当事者間の保存条件又は使用条件を反映させてもよい。

5.8 あと収縮率の測定

  あと収縮率を測定するための処理終了後,再び,試験片を23±2 ℃で0.02 mm
まで測定し(5.6.35.6.5参照),基準点間の長さl2及び幅b2を記録する。

6. 結果の表し方

6.1 成形収縮率

  流動方向に平行な成形収縮率SMp及び流動方向に直角な成形収縮率SMnは,次の式によ
って算出し,百分率(%)で表す。
lC l1
SM p100 (2)
lC
bC b1
SMn 100 (3)
bC
Cl及びCb : 金型のキャビティの中心を通る長さ及び幅(mm)(5.6.2参照)
ここに,
1l及び1b : 試験片の金型計測位置に対応した試験片長さ及び試験片幅
(mm)(5.6.4参照)

6.2 あと成形収縮率

 流動方向に平行なあと収縮率SPp及び流動方向に直角なあと収縮率SPnは,次の式
によって算出し,百分率(%)で表す。
l1 l2
SPp 100 (4)
l1
b1 b2
SPn 100 (5)
b1
ここに, 2l及び2b : あと収縮率を測定するための処理終了後の試験片長さ及び
試験片幅(mm)(5.8参照)
・・

――――― [JIS K 7152-4 pdf 8] ―――――

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6.3 全収縮率

  流動方向に平行な全収縮率STp及び流動方向に直角な全収縮率STnは,次の式によって算
出し,百分率(%)で表す。
lC l2
STp 100 (6)
lC
bC b2
STn 100 (7)
bC
百分率(%)で表した,成形収縮率,あと収縮率及び全収縮率の関係は,次の式によって求められる。
SP SM
ST SM+SP (8)
100
成形収縮率及びあと収縮率は,同じ収縮前寸法からの百分率(%)ではない[それぞれ式(2),式(3),式(4)
及び式(5)を参照]。したがって,全収縮率は,厳密には成形収縮率及びあと収縮率の合計になっていないが,
式(8)の最後の項は,多くの場合無視することができる。

7. 精度

 この試験方法の精度は,試験室間データが得られていないので確認できていない。次の改正で
精度を付け加える予定である。

8. 試験報告

  試験報告書には,次の項目を記録する。
a) 規格番号 : JIS K 7152-4(ISO 294-4)。
b) lS K 7152-1の6.のb) h)による。ただし,g)の保圧PHは,保圧時のキヤビティ内圧PCHに置き換え
る。
c) 流動方向に平行及び直角な成形収縮率,あと収縮率及び全収縮率のそれぞれは,0.1 %刻みの百分率
(%)で表す。

――――― [JIS K 7152-4 pdf 9] ―――――

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附属書A(参考)長さ及び幅を測定するための基準点
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
附属書A図.1は,ゲート末端の段差及びランナーから切り離されたゲート断面(斜線部)を正面として
見た試験片の透視図である。
機械的な測定装置を使った長さ l1,l2 及び幅 b1,b2 の測定では,試験片の3面の成形面の中心S及び
ゲート側のゲートを除いた面の中心Gが適切な基準点である。
光学的な測定では,成形品のエッジの中心E又は,金型キャビティの各々のエッジから(4±1)mmの距
離に設けた刻印群Mを用いてもよい(4.1参照)(附属書A図.1には,刻印Mを1点だけ示す。)。
キャビティの測定に用いる基準点と試験片の測定に用いる基準点とを同一にすれば,一対の基準点間の
高さの違いは,収縮率の決定にほとんど影響しない。同じ基準点を用いれば,抜きこう配による影響がな
くなり,寸法の測定に異なるタイプの基準点を組み合わせて用いることもできる(例えば,一方の機械的
な基準点Sと他方の光学的な基準点E又はMとを組み合わせる。)。
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附属書A図.1 射出成形による平板試験片の透視図

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