JIS K 7244-2:1998 プラスチック―動的機械特性の試験方法―第2部:ねじり振子法 | ページ 2

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K 7244-2 : 1998 (ISO 6721−2 : 1994)
9. 手順
9.1 試験雰囲気
JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) の9.1による。
9.2 試験片断面積の測定
JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) の9.2による。
9.3 試験片の取付け
試験片を上下のクランプの間に取り付け,試験片の縦軸が振動系の回転軸に一致するようにする。軸の
不一致は,試験片の横振動の原因となり,正常な振動を妨げるので,特に注意すること。
試験片取付け,クランプ間の長さ (L) を±0.5%以内の精度まで正確に測定する。恒温槽内に振動系を取
り付けるときに,試験片に応力がかかっていないことを確認する。
試験片を含めた振動系を完全に組み立ててから,その直線性を確認し,昇温又は降温を開始する(9.4
参照)。
9.4 温度依存性の測定
JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) の9.4による。
9.5 試験の実施
振動発生装置を使用して,振子をねじることによって,自由振動を開始する(5.4)。
振動周波数及び振幅の減衰を記録する。その際,振動の減衰が装置の可動部と固定部の間の摩擦や試験
する材料の非線形性に起因するものでないことを確認する[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) の附属書B(参考)
を参照]。
温度依存性の測定中に,周波数を一定に維持するには,必要に応じて,慣性円板を交換しなければなら
ない。
10. 結果の表示
10.1 記号及び補正係数
b : 試験片の幅 (m)
h : 試験片の厚さ (m)
L : クランプ間の試験片の長さ (m)
I : 慣性円板の慣性モーメント(必要に応じて,クランプと接続ロッドも含む。) (kg−m2)
fd : 減衰振動の周波数 (Hz)
f0 : B法での振子の振動周波数(試験片なし) (Hz)
振子の対数減衰率(試験片あり)
B法での振子の対数減衰率(試験片なし)
Fg : 試験片の形状係数 (m−3)
断面が長方形の試験片については
Fg=3L/bh3Fc (1)
ここで,Fcは形状補正係数で,次の式で与えられる。
0h/b0.6のとき
Fc=1−0.63h/b (2)
0.6h/b1のとき
Fc=0.843/ (1+h2/b2 (3)

――――― [JIS K 7244-2 pdf 6] ―――――

6
K 7244-2 : 1998 (ISO 6721−2 : 1994)
断面が直径d (m) の円形の試験片の場合は,
Fc=32L/ (4)
Fd : 減衰補正係数(次の式にて求められる)
Fd=1− ( 一 (5)
G'to : 試験片のねじり貯蔵弾性率 (Pa)
G''to : 試験片のねじり損失弾性率 (Pa)
備考2. 附属書B(参考)に記載の理由で,減衰補正係数Fdの添字については,この国際規格の前の
版,ISO 537 : 1989 (9) とは異なっている。
3. 式(2)及び(3)は近似式であるが,その最大誤差は0.9%となっている[附属書C(参考)参照]。
4. 形状係数には,締付けによって生じる試験片の長さの補正は含まれていない。
したがって,同じ厚さで,しかも幅と長さの比が同じ試験片同士で測定した場合だけ
に,その結果を比較できる[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) の表1及び備考7.を参照]。
10.2 対数減衰率の計算
対数減衰率 次の式にて算出される。
ln (Xq/Xq+1) (6)
ここで,Xq, Xq+1は,同一方向の連続する振動の振幅とする[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) , 3.10参照]。任
意の同一方向の振動pとqの振幅から 侮 次の式が適用される。
1
lnXqX/ p (7)
p q
ここで,Xpはp番目の振幅,Xqはq番目の振幅である。
図3に示すように,正弦減衰曲線のベースを正確に規定できない場合には,次の式を適用する。
1
ln Xq* / Xq*1 ln Xq* / Xp*

(pdf 一覧ページ番号 )

                                         p  q
ここで,Xp*, ······, Xq*, Xq+1*は,連続する正の振幅と負の振幅の差である。すなわち,
Xq*=Xq*−Xq−
備考5. 式(8)の補正は,測定中のベースラインシフトが一定であるような結果に適用でき,測定中ベ
ースが変化するものでは適用できない。このようなベースラインドリフトは,振動の開始を
単一パルス(シングルパルススタート)にて行うような応用でみられる,試験片の緩和過程
での非振動部分に起因することもある。そのような場合には,異なる方向にそれぞれ単一の
パルスを与える(ダブルパルススタート)を適用するとドリフトを減少させることができる。

――――― [JIS K 7244-2 pdf 7] ―――――

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K 7244-2 : 1998 (ISO 6721−2 : 1994)
図3 ベースライン変化のある減衰振動での振幅 時間 線図
10.3 ねじり貯蔵弾性率G'toの算出
断面が長方形の試験片のねじり貯蔵弾性率[JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) , 3.2参照]は,次の式にて算出
される。
G'to=4 fd2Fd−f02) g (9)
ここで,h/bが小さな値となる断面積の試験片については,式(1)及び(2)を適用して,式(5)を代入すると,
式(10)が得られる。
G'to=12 ( 一 (f0/fd) 2] ×L/bh3Fc (
ここで,A法の場合は,f0が0となる。
ゴムのような材料に対しては,試験片に対する重力方向の力は無視することができる[附属書A(規定)
を参照]。
10.4 ねじり損失弾性率G''toの算出
ねじり損失弾性率 2
Gto 4 Ifd 0F (11)
A法では,
B法については, 柿 h/bが小さな長方形断面積の試験片の場合,式(1)及び(2)を式(5)を代入して,
次の式(12)が得られる。
2
Gto 12 Ifd L/bh3Fc (12)
11. 精度
この測定技術の精度は,ラウンドロビンテストに参加した15の研究所による測定結果から,次のように
決定された。
各試験室間精度は,G'toについては,ガラス領域の温度では±7%,ガラス転移温度では±30%。G'toでは,
ガラス転移温度以下で±10%であった。
G'to又はG'toからガラス転移温度を決定した場合,その温度誤差は,±3℃以内であった。試験室内精度
は,各実験室間精度のおよそ半分の値になった。

――――― [JIS K 7244-2 pdf 8] ―――――

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K 7244-2 : 1998 (ISO 6721−2 : 1994)
備考6. ガラス転移温度は,logG'to対温度曲線の変曲点から,又はG'to対温度曲線の極大値から決定
した。
12. 報告
報告には,次の事項を記入する。
a) この規格のA,Bいずれの試験法を使用したか。
例 JIS K 7244-2A, 2B (ISO 6721-2)
b) m) JIS K 7244-1 (ISO 6721-1) の12.(報告)による。
n) 一定周波数の場合,使用周波数と慣性円板交換による周波数の変動範囲
o) 同一の慣性円板を使用の場合,全温度範囲における周波数の範囲
p) 法の場合は,慣性円板の質量

――――― [JIS K 7244-2 pdf 9] ―――――

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K 7244-2 : 1998 (ISO 6721−2 : 1994)
附属書A(規定) 長手方向の力−重力Wの影響について
この国際規格の前版の一部であるISO 537によれば,試験片に付加される重力Wによる余分なねじり強
さが生じ,見掛けの弾性率増加GWが生じる(ISO 537ではSEと表現されている)。この重力Wは,試験
片につながる各部品の総質量であり,円板,接続ロッド,下部クランプを試験片につり下げる方式Aでは,
それらに対する補正が必要となる。一方,方式Bでは,このWは,つり合い分銅によってバランスしてい
るので補正は不必要である(図1及び図2参照)。
弾性率の補正値GWは,次の式で求められる。
GW=Wb/4h3Fc (A.1)
実際の補正は,式(9)によって算出された貯蔵弾性率から,補正値GWを差し引く。
しかし,この補正に対して,次に述べる点について注意が必要である。
− 補正は,ゴム状弾性領域での測定にだけ必要である。
− ゴムは,“第1法線応力差”と呼ばれる特性を示すが,これは,せん断ひずみの2乗に比例して増加す
る。そのため不整合な振動が生じ,非線形性を示す結果となる。これを防ぐためには,微少振動によ
る測定を実施するとよい。
− 損失弾性率G″については,重力による影響の取扱いは,その基本式に粘弾性を考慮していないため,
まだ不明確である。
上記のような問題点を解消するために,補正項GWをG'toの1%以下になるようWを決定する。すなわ
ち,Wは,
W0.04G'toh3Fc/b (A.2)
で,厚さ一定で直径d,質量mの円板の慣性モーメントIは,
I=md2/8 (A.3)
となり,I, mはそれぞれ別々に調整可能である。

――――― [JIS K 7244-2 pdf 10] ―――――

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JIS K 7244-2:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6721-2:1994(IDT)

JIS K 7244-2:1998の国際規格 ICS 分類一覧