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K 7252-2 : 2016 (ISO 16014-2 : 2012)
附属書A
(参考)
ユニバーサルキャリブレーション法の補足
A.1 方法の適用性(箇条1参照)
ユニバーサルキャリブレーション法は,1967年ブノワ(Benoit)ら[1]によってSECに導入された。この
方法は,ユニバーサルキャリブレーションで用いる[η]Mが,流体力学的体積に関連しているという概念に
基づいている。SECにおいて,溶出時間t又は溶出体積Vに対して各ポリマーのlog([η]M)をプロットする
とき,多くのランダムコイル形ポリマーの結果が,同一の曲線,すなわち,ユニバーサルキャリブレーシ
ョン曲線に合致する。それゆえに,狭い分子量分布をもつ分子量標準物質,例えば,ポリスチレン,ポリ
メタクリル酸メチルなどを用いてユニバーサルキャリブレーション曲線を作成すれば,マーク・ホーウィ
ンク・桜田式を用いて高分子試料の絶対等価分子量及び分子量分布を求めることができる。
この方法は,高分子試料とカラム充剤との間に相互作用がある場合には,正しい結果は,得られない。
また,長鎖分岐がある場合又は分析対象とする分子量域においてK及びaの値が一定でない場合にも,再
現性はよいが,信頼できる結果は得られない。粘度若しくは光散乱の測定を同時に行うSECを用いて直接
分子量を求めるか,又はSECによって分画して固有粘度を測定して間接的に分子量を求めるか,いずれの
方法を用いるかは,使用者の判断である。
SECが適用できない場合の説明は,JIS K 7252-1のA.1(試験方法の適用範囲)を参照する。
A.2 ユニバーサルキャリブレーション法の原理(箇条4参照)
A.2.1 校正曲線
ユニバーサルキャリブレーション法では,tに対してlog([η]sMs)をプロットすることによってユニバーサ
ルキャリブレーション曲線を作成し,分子量を求める。ここにt,[η]s及びMsは,それぞれ溶出時間,固
有粘度及び分子量である。
ユニバーサルキャリブレーション曲線を用いる代わりに,tに対してlog Mをプロットすることによって
分子量校正曲線を作成して,分子量を求めることもできる。この場合Mは,式(A.1)式(A.4)を用いて計
算する。固有粘度と分子量との関係は,マーク・ホーウィンク・桜田式(A.1及びA.2)で示される。
s] aS
分子量標準物質 : [ KsMs (A.1)
a
高分子試料 : [] KM (A.2)
同一の溶出時間では式(A.3)の関係が成り立つ。
[ ] s Ms[ ]M (A.3)
それゆえに,Mは次の式(A.4)で示される。
1 Ks 1 as
log M log log Ms (A.4)
1 a K 1 a
ここに, Ms,M : 分子量標準物質及び高分子試料の分子量
[η]s,[η] : 分子量標準物質及び高分子試料の固有粘度
Ks,K : 分子量標準物質及び高分子試料のマーク・ホーウィン
ク・桜田式の定数
as,a : 式(A.1)及び式(A.2)の指数
さらに,より正確な校正曲線を作成するためには,高分子試料と溶媒との相互作用による固有粘度[η]に
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K 7252-2 : 2016 (ISO 16014-2 : 2012)
対する影響を補正した式(A.5)及び式(A.6)によって計算する[2]。
Ms []s M[ ]
(A.5)
f( s) f( )
2
ここに, f( s) 1 .263s .286s
s 2(as 3/)1
as : 式(A.1)の指数
2
f( ) 1 .263 .286
2(a 3/)1
a : 式(A.2)の指数
それゆえに,Mは次の式(A.6)で示される。
1 )
Ks f ( 1 as
log M log log Ms (A.6)
1 a Kf (s) 1 a
A.2.2 固有粘度
箇条4で記載した分子量Miと固有粘度[η]との関係は,ユニバーサルキャリブレーション法の基本であ
る。固有粘度[η]は,高分子溶液粘度を溶液濃度の関数で表したときの微分係数として定義される。実験的
には,数点の濃度の溶液粘度の測定を行い,ηsp又はηrelの対数を濃度で除したデータを求め,濃度に対し
てプロットを行い,式(A.7)及び式(A.8)に示すように,濃度ゼロに外挿して[η]を求める。
寰 lim sp/c (A.7)
c 0
又は
寰 lim ln /c
rel (A.8)
c 0
ここに, ηrel : (溶液粘度)/(溶媒粘度)で定義する相対粘度
ηsp : ηrel−1で定義する相対粘度増分
c : 高分子溶液の濃度
A.3 ユニバーサルキャリブレーション曲線の作成(9.1参照)
9.1に規定するユニバーサルキャリブレーション曲線の代わりに,ユニバーサルキャリブレーション法に
基づく高分子試料校正曲線を作成してもよい。この場合,高分子試料の分子量は,式(A.4)又は式(A.6)によ
って求める。
ユニバーサルキャリブレーション法に基づく高分子試料校正曲線は,溶出時間tに対して分子量の対数
(log M)をプロットし,その相関を近似式(A.9)又は近似式(A.10)を用い,計算して作成する。標準的には,
溶出時間tの三次の多項式が広く用いられる。高分子試料校正曲線の近似をよくするために,より高次の
式を用いてもよい。
log M A0 A1t (A.9)
log M A0 A1t A2t2 A3t3 (A.10)
ここに, M : 時間tに溶出する高分子試料の分子量
A0,A1,A2,A3 : 係数
t : 溶出時間
ユニバーサルキャリブレーション法に基づく高分子試料校正曲線の例は,図2を参照。
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K 7252-2 : 2016 (ISO 16014-2 : 2012)
附属書B
(参考)
マーク・ホーウィンク・桜田式におけるK及びaの値
多くの高分子のマーク・ホーウィンク・桜田式におけるK及びaの値は,参考文献[3],参考文献[4]など
を参照する。
K及びaの幾つかの例を,表B.1に示す。
表B.1−マーク・ホーウィンク・桜田式におけるK及びaの例
高分子 溶媒 温度 K×102 a 参考文献
℃ cm3/g
ポリスチレン テトラヒドロフラン 25 1.4 0.70 [5]
ポリスチレン クロロホルム 30 0.49 0.796 [6]
ポリスチレン o-ジクロロベンゼン 135 1.38 0.70 [7]
ポリスチレン 1,2,4-トリクロロベンゼン 135 1.21 0.707 [8]
ポリメタクリル酸メチル テトラヒドロフラン 25 1.28 0.69 [9]
ポリメタクリル酸メチル テトラヒドロフラン 23 0.93 0.69 [10]
ポリエチレン o-ジクロロベンゼン 135 4.77 0.70 [11]
ポリエチレン 1,2,4-トリクロロベンゼン 135 4.06 0.725 [12]
ポリプロピレン 1,2,4-トリクロロベンゼン 135 1.37 0.75 [8]
ポリプロピレン o-ジクロロベンゼン 135 1.30 0.78 [13]
ポリ塩化ビニル テトラヒドロフラン 25 1.63 0.766 [14]
ポリ酢酸ビニル テトラヒドロフラン 25 3.5 0.63 [15]
ポリカーボネート テトラヒドロフラン 25 4.9 0.67 [16]
ポリイソプレン テトラヒドロフラン 25 1.77 0.735 [17]
ポリジメチルシロキサン クロロホルム 30 0.54 0.77 [6]
注記 参考文献[3]では,粘度式のKの値として“K×103 (mL/g)”で表記されている。
――――― [JIS K 7252-2 pdf 13] ―――――
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K 7252-2 : 2016 (ISO 16014-2 : 2012)
参考文献 [1] GRUBISIC, Z., REMPP, P., BENOIT, H., Polymer Letters, p.753 (1967)
[2] PTITSYN, O. B., EIZNER, Y. E., Sov. Phys. Tech. Phys., 4, p.1020 (1960)
[3] Polymer Handbook, Fourth edition, Volume 2, edited by J. Brandrup, E. H. Immergut and E. A.
Grulke, John Wiley & Sons (1999)
[4] MORI, S., BARTH, H. G., Size Exclusion Chromatography, Springer (1999)
[5] STRAZIELLE, C., BENOIT, H., VOGL, O., Eur. Polym. J., 14, p.331 (1978)
[6] DAWKINS, J. V., J., Macromol. Sci. Phys., B2, p.623 (1968)
[7] DAWKINS, J. V., MADDOCK, J. W. D., COUP, J., J. Polym. Sci., Part A-2, 8, p.1803 (1970)
[8] COLL, H., GILDING, D. K., J. Polym. Sci., Part A-2, 8, p.89 (1970)
[9] RUDIN, A., HOEGY, H. L. W., J. Polym. Sci., Part A-1, 10, p.217 (1972)
[10] GRUBISIC, Z., REMPP, P., BENOIT, H., J. Polym. Sci., Part B-5, p.753 (1967)
[11] TROTH, H. G., 5th International Seminar for GPC (1968)
[12] SCHOLTE, Th. G., MEIJERINK, N. L. J., SCHOFFELEERS, H.M., BRANDS, A. M. G., J. Appl.
Polym. Sci., 29, pp.3763-3782 (1984)
[13] YAU, W. W., KIRKLAND, J. J., BLY, D. D., Modern Size Exclusion Liquid Chromatography, John
Wiley & Sons, p.252 (1979)
[14] PROVDER, T., ROSEN, E. M., Separ. Sci., 5, p.437 (1970)
[15] GOEDHAR, D., OPSHOOR, A., J. Polym. Sci., Part A-2, 8, p.1227 (1970)
[16] MOORE, W. R., UDDIN, M., Eur. Polym. J., 5, p.185 (1969)
[17] KRAUS, C., STACY, C. J., J. Polym. Sci., Part A-2, 10, 657 (1972)
JIS K 7252-2:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16014-2:2012(IDT)
JIS K 7252-2:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.01 : プラスチック一般
JIS K 7252-2:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK7252-1:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第1部:通則
- JISK7252-3:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第3部:常温付近での方法
- JISK7252-4:2016
- プラスチック―サイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の平均分子量及び分子量分布の求め方―第4部:高温での方法