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K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
4. 原理
3.3で定義した関数の評価に必要なデータは,毛細管形粘度計を用いて得る。同じ粘度計を用い
て,一定の温度及び大気圧で,既定の体積の溶媒の流出時間t0と溶液の流出時間tとを測定する。液の流
出時間は,ポアズイユ−ハーゲンバッハ−クエット(Poiseuille-Hagenbach-Couette)の式で粘度に関係づ
けられている。
ηkt− A (10)
ν= 2t
ρ
ここに, ν : 粘度/密度比(3.2.2参照)
k : 粘度計の定数
A : 運動エネルギー補正用のパラメータ
ρ : 液の密度
t : 流出時間
この規格では,運動エネルギーの補正項A/t2 は,溶媒の動粘度の3 %より小さい場合には無視できる。
したがって,式(10)は,次のようになる。
ν= η =kt (11)
ρ
さらに,溶媒の密度ρ0と溶液の密度ρとの差が0.5 %以下になるように溶液の濃度を限定すると,粘度
比 η/η0は,流出時間の比t/t0で与えられる。
これらの制約の必要性及びこれを守らなかった場合の結果については,附属書Bによる。
5. 装置
5.1 キャピラリー粘度計(懸垂ウベローデ形)
図1又は図2に示す寸法の粘度計を用いるよう強く推
奨する。さらに,その他の主な寸法は,表1から選ぶよう強く推奨する。選び方は,表1に示すように測
定温度での粘度/密度比によって決まる。選んだ寸法より小さい粘度計も使用できる。
上記のウベローデ形粘度計と同等な結果が得られる場合には,ISO 3105に記載のその他の種類の粘度計
を用いてもよい。しかし,意見が分かれる場合には,ウベローデ形粘度計を用いる。
特殊な計時装置の付いた自動化装置を用いると,表1の溶媒粘度/密度比から求めた寸法より大きい毛
細管を用いても同等の結果が得られることがある。
5.2 粘度計の支持台
恒温槽中に粘度計を垂直に固定するのに適切なもの。
5.3 恒温槽
測定中,試験液のどの部分も恒温槽液面より20 mm以上深く没し,槽底より20 mm以上に
なるような深さの槽で,透明な液又は蒸気を熱媒とする。
温度調節は,粘度計の全長において又は,幾つかの測定を同時に行う場合は,粘度計相互で,恒温槽の
温度が25 ℃から100 ℃の範囲内で,許容差は,規定温度0.05 ℃以内とする。
100 ℃を超える温度の場合には,許容差は±0.2 ℃とする。
5.4 温度測定装置
使用する範囲で0.05 ℃目盛まで読める,校正状況の分かった,液封入ガラス製棒状
温度計(全浸没形)が必要である。精度が同等又はそれ以上であれば,他の温度測定装置を用いてもよい。
5.5 計時装置
時計は,0.1秒まで読み取ることができ,精度が15分当たり0.1 %以内のもの。
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K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
単位 mm
図 1 ウベローデ形粘度計
――――― [JIS K 7367-1 pdf 7] ―――――
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K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
単位 mm
図 2 DINウベローデ形粘度計
――――― [JIS K 7367-1 pdf 8] ―――――
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K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
表 1 ポリマーの希薄溶液粘度の測定に推奨するウベローデ形粘度計
測定温度における ISO 3105 : 1994 表B4の ISO 3105 : 1994 表B9の
溶媒の粘度/密度比 ウベローデ形粘度計 DIN ウベローデ形粘度計
サイズ番号 毛細管直径 サイズ番号 毛細管直径
mm2・s−1 mm(±2 %) mm(±2 %)
0.150.30 0 0.24 0 0.36
0.310.50 0C 0.36 0c 0.47
0.510.75 0B 0.46 0a 0.53
0.761.50 1 0.58 I 0.63
1.512.50 1C 0.77 Ic 0.84
2.515.00 1B 0.88 Ia 0.95
5.0115.00 2 1.03 II 1.13
6. 溶液
6.1 溶液の調製
ポリマーサンプルを溶媒に溶解させて,実質的にミクロゲル及び会合高分子のない“真
の”溶液を作製する。ポリマーの劣化も最小にする。そのために,溶解手順を正確に規定することが必要
である。次の要素を規定するよう推奨する。
a) 溶媒及び(用いた場合には)前処理
b) 装置及びかくはん方法
c) 溶液調製時のシステムの温度範囲
d) ポリマーの劣化なしに又は一定の劣化で完全に溶解するのに必要な時間
e) 安定剤及び/又は保護雰囲気(例えば,不活性ガスによる置換)
f) 溶液のろ過条件(適用した場合)
6.2 濃度
関連する規格がない場合には,溶媒及び溶液濃度の選び方に十分注意する。溶液の濃度は,
溶液の流出時間と溶媒の流出時間との比が1.2以上,2.0以下になるように選ぶ。
備考 流出時間の差を十分な精度で測定するためには,溶液と溶媒との流出時間の比は,1.2を下限値
とする必要がある。分子量が大きい場合には,濃度に関連してせん断効果及び非線形性が生じ
るので,上限値2.0を推奨する。
したがって,所定のポリマー/溶媒系について,試験するポリマーの分子量によって複数の濃度を用い
ることができる。
溶液の濃度は,kg/m3又は103 kg/m3,すなわち,g/cm3溶液で表すのがよい。
7. 測定温度
温度は,十分な溶解度やその他の技術的要求事項を満足するように選び,所定のポリマー
/溶媒系に対して一定に保つ。温度許容差を規定する。可能な場合には,25 ℃±0.05 ℃とする。その他
の温度を選ぶ場合には,ISO 3205で推奨する値から選び,報告に記載する。
8. 手順
次の手順を用いて,同一の粘度計で溶液及び溶媒の流出時間を続けて測定する。
8.1 粘度計の準備と液の注入
恒温槽を規定の試験温度に保つ。
乾燥した,清浄な粘度計(洗浄については附属書Aを参照。)を垂直から約30°に傾け,管Lを通して
十分な量の液を注入する。この場合,粘度計を垂直に戻したとき,液のメニスカスが注入用標線GとHの
――――― [JIS K 7367-1 pdf 9] ―――――
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間にあるようにする。粘度計内に気泡が滞留しないようにする。最初の注入は,恒温槽から出して行って
もよい。
恒温槽内の支持台に粘度計を取り付け,管Nが垂直であることを確かめる。液を入れた粘度計が恒温槽
の温度に達するまでそのまま放置する。25 ℃で測定を行う場合には,通常,15分間で十分であろう。更
に高い温度では,もっと長い時間が必要かもしれない。最も安定した測定結果は,新しく注入して温度平
衡に達した直後に得られることが分かっているので,不必要に長い時間をかけない。
この手順は,粘度計にすでに入っている溶液に溶媒を加えて希釈し追加の測定をする場合にも用いる。
追加の溶媒は,使用する前に規定の試験温度でなければならない。
自動化装置では,粘度計は,恒温槽内に垂直に固定されており,この位置で粘度計に溶液を充てん(填)
する設計となっている。恒温槽を,規定した温度に保ち,平衡温度に達するまでの時間をこの項の第3パ
ラグラフに従って選ぶ。
8.2 流出時間の測定
図1及び図2参照。管Mを閉じ,管Nを吸引するか,又は管Lを加圧して液面が
標線Eより約5 mm上にくるようにする。管Nを閉じて液をこのレベルに保つ。
管Mを開放して,毛細管Rの下端から液を滴下させる。
液が毛細管Rの下端,管Mの下端まで空になったときに,管Nを開放する。流出時間を,メニスカス
の底が標線Eの上端から標線Fの上端まで通過する時間として0.2秒きざみで読み取る。少量の細かく砕
いた顔料,例えば,カーボンブラックを含むポリマー溶液の場合には,メニスカスの上端で読むことが必
要かもしれない。顔料が多量に含まれている場合には,操作前に,溶液を遠心分離することが必要な場合が
ある。
管の開閉は,糸くずなどの汚れが管内に混入しないよう注意して,清浄で柔軟なチューブに栓又は挟み
具を管端に付けて行うと,便利かもしれない。
1回目の流出は,流出時間の測定には含めない。直ちに流出時間の測定を繰り返す。液を空にしたり,
再注入をしない。連続して2回の流出時間が,0.25 %以内で一致するまで繰り返す。2回の測定値の平均を
流出時間とする。
溶媒の平均流出時間の連続2回の測定値が0.4秒以上異なっている場合には,粘度計を洗浄する(附属
書A参照)。
粘度計の溶液に溶媒を追加して得られる新しい溶液の流出時間は,この方法では別な溶液の値とする。
9. 結果の表し方
9.1 還元粘度(粘度数)及び固有粘度(極限粘度数)
結果は,還元粘度で表すのがよい。
還元粘度I(単位10−3 m3/kg,すなわち,cm3/g)は,次の式によって算出する。
t t0
I= (12)
t0c
ここに, t : 溶液の流出時間(s)
t0 : 同じ粘度計による溶媒の流出時間(s)
c : 濃度(103 kg/m3,すなわち,g/cm3)
結果は,例えば,平均分子量が異なり,そのために異なる濃度(6.2参照)を用いる必要がある共重合体
を比較するために,固有粘度 [η] としても表すことができる。
約1 : 2 : 3···の比となる濃度c1,c2,c3···についてインへレント粘度を求める。濃度を横軸にインへレン
ト粘度を縦軸にして各値をプロットし,その直線をゼロ濃度まで外挿して固有粘度を求める。固有粘度は,
――――― [JIS K 7367-1 pdf 10] ―――――
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