9
K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
縦軸から読み取る。
備考 実験値の解析には,最小2乗法を用いることを推奨する。
固有粘度[η]は,還元粘度(粘度数)の値の一つから,例えば,次の式からも計算できる。
η寰=
I (13)
1+kcI
ここに,k は,通常0.20.3で実験的に求められる定数である。二つの異なる濃度で還元粘度(粘度数)
を測定し,次の式を適用して,あらかじめ求めておく。
I2−I1
k= (14)
I1I2 (c2−c1 )
望ましくは,k を計算するには,幾つかの濃度を用いてI及びcをプロットし,これらの点を通る直線を
描き,この直線上の2点を選んで,それらの値をk の式に代入する。
9.2 K値
K値は,次の式から求める。
K値=1 000 k (15)
ここで,kは,3.3.6の式で定義したものである。
10. 試験報告
試験報告書には,次の事項を記入する。
a) この規格番号及び(もしある場合には)試験したポリマーに関する特定の規格
b) 種類,出所,製造業者のコード番号を含め,試験材料の完全な詳細
c) 用いた溶液中の材料濃度,溶媒についての記載及び溶液の作り方の詳細
d) 用いた粘度計の詳細
e) 試験温度
f) 試験結果
g) 試験年月日
――――― [JIS K 7367-1 pdf 11] ―――――
10
K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
附属書A(規定) 試験装置の洗浄
試験中に液と接触したすべての装置は,慎重に洗浄することが重要である。粘度計の中のちり,液のす
じ,糸くずのような汚れは,誤った結果の原因となる。
試験の前に,用いる粘度計及びすべての装置(ガラス容器,ピペット,焼結ガラスフィルタ,ゴムチュ
ーブなど)は,清浄にする。洗剤は,適切なものを選ぶ。ガラス容器から無機物の残さを除去するには,
王水(濃塩酸3容及び濃硝酸1容)が必要かもしれない。また,油分及びグリースを取り除くには適切な
洗剤が必要かもしれない。次に,ガラス器具を乾燥し,次に特別に調製したクロム酸溶液で洗浄する。ガ
ラス器具を少なくとも20 ℃で,一昼夜,この溶液に浸す。さらに積極的に洗浄するには,クロム酸を湯
浴に入れてゆっくりと加熱する。
クロム酸を取り除き,少なくとも5回蒸留水又は脱イオン水ですすぐ。電気炉に入れ,100 ℃を超えな
い温度で乾燥するか,又は蒸留精製したアセトンで少なくとも5回すすぎ,フィルタを通した乾燥空気を
ゆっくり流すか,又は望ましくは真空で,器具を乾燥する。
同種の試料の流出時間を順次測定する間でも,粘度計の液を抜き,蒸留し,ろ過した適切な揮発性溶媒
で十分にすすいで清浄にしてもよい。吸引ラインをもち,フィルタを通した乾燥空気のゆっくりした流れ
で乾燥するか,又は電気炉に入れ,100 ℃を超えない温度で装置を乾燥する。洗浄効果は,所定の溶媒と
粘度計とで流出時間が一定であることをチェックして確かめられる。
次に測定する溶液が,同種のポリマーで,粘度も近い場合には,粘度計を空にし,測定溶液で洗浄し,
同じ溶液を追加して粘度計を満たしてもよい。
シリコーン液及びフルオロカーボンに用いる粘度計は,専用とし,頻繁に校正することを推奨する。そ
れらの液体が,他の器具を直接又は間接に汚していないかどうか確かめるよう十分配慮する。
警告 王水及びクロム酸を使用するときには,特に注意する。クロム酸には毒性がある。この酸を安全に
処理するために必要な処置を取る。ゴーグル及び保護手袋を着用する。しぶきが少しでもかかった
場合には,大量の水で速やかに皮膚を洗い流す。蒸気の吸入も避ける。
参考 次に記す最近の日本国内の動向を考慮すると,これらの有害な試薬の使用を一例とはいえ,推奨す
るような記述は問題である。
− ISO 14001,グリーン購入やレスポンシブルケアなどの環境問題に対する高揚,取組み
− OHSASなどの労働安全衛生の取組み
キャピラリー粘度計の洗浄方法について実情を調査した結果,実際には,ポリマー種類ごとに専用の粘
度計を準備・使用し,洗浄は,そのポリマーの溶剤又は市販の洗浄剤で行い,汚れが取れなくなったとき
には,粘度計を交換することが一般的である。
王水やクロム酸は,環境問題及び作業者の危険性を考慮し,使用しない。
――――― [JIS K 7367-1 pdf 12] ―――――
11
K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
附属書B(規定) 誤差の要因の説明
B.1 一般 本体3. に定義しているように,希釈溶液中のポリマーの粘度特性の測定の指針を示す。それ
らの特性の測定は,器具の誤差の多くが,溶媒及び溶液双方について大体同じであり,うまく相殺される
ので,粘度の絶対測定で得られる再現性よりも,通常,良い再現性が得られる。
B.2 測定の原理 本体3. に定義する相対粘度(粘度比)及びその他の関数は,溶液と溶媒との流出時間か
ら計算する。液は,重力を受けて,懸垂型ウベローデ粘度計の毛細管を通って流れる。流出時間は,液の
粘度/密度比に比例するとする(本体4. 参照)。これは,運動エネルギー及びその他の誤差が無視でき,
溶媒の密度と溶液の密度との差が無視できることを前提としている。
B.3 誤差の原因 毛細管形粘度計の誤差の最も重要な原因は,次の項目に関係する。
a) 表面張力
b) 毛細管の端末効果
c) 排出効果
d) 粘性発熱効果
e) 粘度計の垂直からのずれ
f) 静圧ヘッドの変化
g) 液の蒸発ロス
h) 濃度及び流出時間の誤差
i) せん断効果
j) 温度の安定性と温度測定との誤差
k) 運動エネルギー
幸いにも,それらの効果の大部分はここに挙げた方法では無視できると考えられる。
表面張力,端末効果及び排出効果は,相対的に粘度を測定するウベローデ粘度計で有機溶媒を用いた試
験では,極めて小さい[3]。粘性発熱効果は,キャピラリー粘度計が重力で操作される場合は,無視できる。
粘度計の垂直からのずれ及び静圧ヘッドの変化は,通常,この種の粘度計では極めて小さい。
溶媒の蒸発ロス及び濃度誤差は個別の試験手順に依存するので,試験方法(本体6. 参照)において考慮
しなければならない。
溶媒の流出時間は,それを再現性よく測定するためには70秒以上でなければならないが,対応する溶液
について,流出時間をあまり長くさせないために200秒を超えてはならない。
ポリマー溶液は,非ニュートン性[4]であることが多いので,せん断速度の効果が重要になることがある。
厳密にいえば,極めて低いせん断速度で,測定を行う必要があるが,一方,通常の手順ではせん断速度は
1 000 s−1又はそれ以上である。幸い,せん断速度の効果は,ポリマーのモル質量が106 g/mol以下の場合
には極めて低いこと[5]を示す。さらに,国際標準化のために,せん断速度効果を考慮するのは,実際的で
はないであろう。より良い方法は,同じポリマー試料を試験するいろいろな試験室で,せん断速度が正確
に再現できるような方法で,粘度計の寸法許容差を定めることである。
測定誤差の最も大きな要因は,運動エネルギー項であると結論付けてよいかもしれない。その値は,相
当大きくなることがある。例えば,毛細管の内径が0.58 mmの標準ウベローデ粘度計で,液がクロロホル
――――― [JIS K 7367-1 pdf 13] ―――――
12
K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
ムの場合には約15 %になる。結果として還元粘度 (粘度数) の誤差は,30 %程度になることがある。この
規格の適用範囲を外れる特殊な作業については,運動エネルギーについて補正を行うのが適切かもしれな
い。
B.4 粘度計の選択 運動エネルギーの補正をこの規格に導入するのは実際的ではないので,次のいずれ
かの方法で粘度計を選ぶ必要がある。
a) 運動エネルギー項が無視できる。
b) 運動エネルギー項が,実験室が異なっても一定で,再現性がある。
上の第二の条件は,容易には実現できない。実際,運動エネルギーとして消費される最大静圧の割合X
は,近似的に次の式によって示される。
R4hg
X= (16)
L2
64ν 2
ここに, R : 毛細管の内径
h : 静圧ヘッド
g : 重力の加速度
L : 毛細管の長さ
ν : 粘度/密度比
式(16)において,重要なことは,流出時間及び液だめの容積自体は,Xの値に影響しないことである。
0.3 mm1.0 mmの内径をもつガラス製標準毛細管の場合,内径の許容差[6]は,通常,±0.02 mmである。
これは,それぞれXの値で約±30 %及び約±8 %に相当する。一方,平均静圧ヘッドhは,120 mm±10 mm,
毛細管の長さは,90 mm±9 mmで,これはXの値で約±30 %に相当する。結論として,標準毛細管の通常
の許容差を厳密に限定しなければ,運動エネルギー項は,再現性をもたない。
そのため,運動エネルギー項を最小にする粘度計を選ぶ必要がある。
この規格で,Xの最大許容値は,0.03(還元粘度で約46 %)に固定されている。
式(16)から,h及びLの値を固定するとXの大きさを決める主要パラメータは,R2/νの比である。
式(16)に
h=120 mm
L= 90 mm
X<0.03
を代入すると,使用する毛細管の最大半径とν値との関係を得る。
R2<0.111ν (17)
又は,内径で表すと,
D2<0.444ν (18)
ここに,R及びDの単位はmm,νの単位は,mm2・s−1である。
式(18)は,平均静圧ヘッドと毛細管長さで決まる特定値に依存することが注目される。この値は,粘度
計の設計で変化し,特に,ウベローデ形とDINウベローデ形の場合は,変化は小さい。
式(18)によって,測定温度で粘度/密度比νが知られている溶媒に用いられる理論最大内径の計算がで
きる。したがって,この規格で規定する特性値を求めるためには,選んだ溶媒の粘度/密度比を知らなけ
ればならない。附属書表B1は,ウベローデ形粘度計に対する理論計算での最大毛細管径とともに,幾つ
かの通常溶媒について,25 ℃におけるνの値を示す。
――――― [JIS K 7367-1 pdf 14] ―――――
13
K 7367-1 : 2002 (ISO 1628-1 : 1998)
式(18)はまた,本体表1のウベローデ形粘度計及びDINウベローデ形粘度計の最適サイズを選ぶときに
も用いられてきた。他の粘度計の適切なシリーズやサイズは,式(16)に関連値を代入して見い出すことが
できる。
附属書表 B.1 ポリマー溶媒の粘度/密度比及び対応する理論最大毛細管径
溶媒 25 ℃での 式(18)による理論
粘度/密度比 最大内径
mm2・s−1 mm
シクロヘキサノン 2.10 0.97
ジクロロメタン 0.33 0.38
m-クレゾール (メタクレゾール) 13.10 2.41
クロロホルム 0.36 0.40
――――― [JIS K 7367-1 pdf 15] ―――――
次のページ PDF 16
JIS K 7366-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.080 : プラスチック > 83.080.20 : 熱可塑性材料