JIS K 8110:2012 酢酸エチル(残留農薬・PCB試験用)(試薬) | ページ 2

4
K 8110 : 2012
d) 定量法 各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114の11.5(面積百分率法)によって純度(CH3COOC2H5)
(GC)を算出する。

6.3 密度(20 ℃)

  密度(20 ℃)の試験方法は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)又は7.3(振動式密度計法)による。

6.4 水分

  水分の試験方法は,JIS K 0068の6.3(容量滴定法)又は6.4(電量滴定法)による。容量滴定法の場合,
試料10 g(11.1 ml)をはかりとり,溶媒は,メタノールとする。電量滴定法の場合は,試料5 g(5.6 ml)
をはかりとる。

6.5 不揮発物

  不揮発物の試験方法は,JIS K 0067の4.3.4(1)(第1法 水浴上で加熱蒸発する方法)による。ただし,
この場合,試料500 g(556 ml)をはかりとり,用いる蒸発皿などの容量に応じて数回に分けて入れ,試料
の全量を同一の蒸発皿などで蒸発させる。

6.6 残留農薬・PCB試験適合性

  残留農薬・PCB試験適合性の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験溶液類 試薬及び試験溶液類は,次のものを用いる。
1) ヘキサン(残留農薬・PCB試験用) JIS K 8825に規定するもの。
2) 1,2,3,4,5,6-ヘキサクロロシクロヘキサン標準液(γ-HCH標準液)
2.1) γ-HCH標準液(0.1 mg/ml) 1,2,3,4,5,6-ヘキサクロロシクロヘキサン(γ-HCH)(質量分率99 %
以上)10.0 mgを正確にはかりとり,全量フラスコ100 mlに入れ,ヘキサン(残留農薬・PCB試
験用)を加えて溶かし,ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)を標線まで加えて混合する。
2.2) γ-HCH標準液(4 ng/ml) 調製は,次による。
2.2.1) γ-HCH標準液(0.1 mg/ml)10 mlを,全量フラスコ100 mlに正確にはかりとり,ヘキサン(残留
農薬・PCB試験用)を標線まで加えて混合する(A液)。
2.2.2) 液2 mlを全量フラスコ100 mlに正確にはかりとり,ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)を標
線まで加えて混合する(B液)。
2.2.3) 液1 mlを全量フラスコ50 mlに正確にはかりとり,ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)を標
線まで加えて混合する。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次のとおりとする。
1) マイクロシリンジ又は試料導入装置 6.2 a) 2)による。
2) マントルヒーター 電熱線をガラス繊維製の布などで覆い,器具の形状に応じて密着する加熱器具。
3) ロータリーエバポレーター 減圧下でフラスコを加熱し,回転させて蒸発濃縮を行う装置(必要な
場合に用いる。)。
4) クデルナダニッシュ濃縮装置 例を図2に示す。
5) ガスクロマトグラフ 6.2 a) 1)による。
c) 分析条件 分析条件は,次による。
なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用
いてもよい。
1) 検出器の種類 電子捕獲検出器
2) カラム充剤 粒径150180 浄・シラン処理けい藻土を担体に用い,それにフェニルメ
チルポリシロキサン系固定相液体を2 %含浸させたもの,又はこれと同等の分離能をもつもの。

――――― [JIS K 8110 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
K 8110 : 2012
注記 酸洗浄・シラン処理けい藻土には,クロモソルブW,AW-DMCSなどがあり,フェニルメ
チルポリシロキサン系(シリコーン系)固定相液体にはOV-17,OV-1などがある。
3) カラム用管の内径及び長さ 24 mm,23 m
4) 設定温度 カラム槽 190210 ℃
試料気化室 240260 ℃
検出器槽 240260 ℃
5) キャリヤーガスの種類及び流量 JIS K 1107に規定する窒素,4060 ml/min(γ-HCHの保持時間が
2.5分になるように調整する。)
6) 試料溶液及びγ-HCH標準液(4 ng/ml)の注入量 5
7) 検出器の所要感度 γ-HCH標準液(4 ng/ml)5 スクロマトグラフに注入し,得られたクロマ
トグラムにおいて,γ-HCHのピークの高さが記録紙の有効幅の5 %以上になるように感度を調節す
る。
d) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料溶液の調製は,表2の採取量の試料をはかりとり,蒸留フラスコ1) に入れ,クデルナダニッシ
ュ濃縮装置で減圧濃縮する。減圧濃縮は,マントルヒーターなどを用いて加熱するが,激しく沸騰
させてはならない。また,試料のほとんどが蒸発し,蒸留フラスコ内の試料が少量(10 ml以下)
になったときに加熱をとめ,余熱で試料が1 ml以下に濃縮されるまで放置する。濃縮された溶媒の
入った受器を取り外し,ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)を加えて1 mlとする。受器に栓をし,
よく振り混ぜる。
注1) 試料の採取量に応じた容積の蒸留フラスコを用いる。
なお,あらかじめ試料をロータリーエバポレーターなどで濃縮して蒸留フラスコに入れ
てもよい。
表2−種類及び試料の採取量
単位 ml
種類 濃縮300 濃縮1 000 濃縮3 000 濃縮5 000
試料の採取量 300 1 000 3 000 5 000
2) 試料溶液,γ-HCH標準液(4 ng/ml)それぞれ5 μlを,マイクロシリンジ又は試料導入装置を用いて
ガスクロマトグラフに注入し,60分間のクロマトグラムを記録する。ただし,γ-HCH標準液(4 ng/ml)
の場合は,γ-HCHのピークが記録されるまででよい。
なお,あらかじめ酢酸エチル(残留農薬・PCB試験用),ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)及
びγ-HCHの保持時間を確認しておく。
3) ピーク高さの測定は,JIS K 0114の11.2(ピーク高さの測定)によって,試料溶液のピーク高さ(h1),
γ-HCH標準液(4 ng/ml)のピーク高さ(h2)を測定する。
4) 試料溶液の示すピーク高さh1を,γ-HCH標準液(4 ng/ml)の保持時間の1/2から60分間の間に示
す,γ-HCH標準液(4 ng/ml)ピーク高さh2の1/2の高さ(=0.5×h2)と比較する。
e) 判定 d)によって操作し,次に適合するとき,“残留農薬・PCB試験適合性 : 試験適合”とする。
試料溶液の示すピーク高さh1は,γ-HCH標準液(4 ng/ml)のピーク高さh2の1/2の高さを超えるも
のはない。

――――― [JIS K 8110 pdf 7] ―――――

6
K 8110 : 2012
A : 蒸留フラスコ 5002 000 ml
B : 濃縮物の受器 15 ml
C : 毛細管
D : 冷却器
E : トラップ
F : 留液だめ 5002 000 ml
G : 共通すり合わせ
H : 水浴又はマントルヒーター(ジャッキ式)
図2−クデルナダニッシュ濃縮装置の例

7 容器

  容器は,気密容器とする。

8 表示

  容器には,次の事項を表示する。
a) 日本工業規格(日本産業規格)番号
b) 名称 “酢酸エチル(残留農薬用・PCB試験用)”及び“試薬”の文字
c) 種類
d) 化学式及び式量
e) 純度
f) 内容量
g) 製造番号
h) 製造業者名又はその略号

9 取扱い上の注意事項

  酢酸エチル(残留農薬用・PCB試験用)は,引火性が強いので火気を避け,また,有害なので蒸気を吸
入しないように注意し,皮膚,粘膜などに付着しないようにする。

JIS K 8110:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8110:2012の関連規格と引用規格一覧