この規格ページの目次
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3.7
細胞変性効果[cytopathic effect(CPE) aused by virus]
細胞内でウイルスが増殖することに起因する細胞の形態変化又は細胞破壊。
3.8
ウイルス感染価(infectivity titre of virus)
単位体積当たりの感染性のあるウイルスの数。
3.9
プラーク(plaque)
一つの感染性ウイルス粒子が細胞に感染・増殖することによって,半固体培地下の単層細胞中で形成さ
れる細胞溶解部分。
注記 溶解部分は染色されないため透明な斑点として観察できる。
3.10
プラーク形成単位,PFU(plaque forming units)
単位体積当たりのプラーク数。
3.11
プラーク測定法(plaque assay)
ある希釈濃度でのプラーク数から求められるウイルス感染価測定方法。
3.12
TCID50測定法(TCID50 method)
培養細胞の50 %に細胞変性効果が認められる希釈倍率から求められるウイルス感染価測定方法。
注記 TCID50は,“Median tissue culture infectious dose”の略称である。
4 原理
抗ウイルス性は,ウイルスを試験片に接触させ,特定時間後の試験片のウイルス感染価を測定し,その
減少の度合いを抗ウイルス試験布と対照試料とのウイルス感染価の常用対数値の差によって求める。ウイ
ルス感染価測定方法は,プラーク測定法(3.11)及びTCID50測定法(3.12)とする。いずれの測定方法を
使用するかは,その試験機関の経験及び利便性による。
5 対象ウイルス及び宿主細胞
使用するウイルスは,附属書Aに規定するインフルエンザウイルス及びネコカリシウイルスとする。ま
た,附属書Aには,ウイルスに対応して使用する宿主細胞を規定する。試験に使用するウイルスは,繊維
製品の最終用途に応じて,いずれか一方又は両方を選定する。
6 安全上の警告
この規格は,取扱い方によっては,健康及び環境に害を及ぼす感染性ウイルス及び薬品を使用する。こ
の規格は,単に技術的に適切な方法を規定しているものであり,この規格の使用者は,この規定に従って
いても,試験のどの段階においても健康及び環境に関する法的義務を免除されるものではない。
さらに,次の重要な注意事項がある。この規格で使用するウイルスは,世界保健機関(WHO)の実験室
バイオセーフティ指針にあるバイオセーフティレベル2に該当するものである。試験の担当者は,ウイル
ス学的技術の訓練を受け,十分な知識と経験をもって実施する必要がある。また,我が国の安全基準に従
――――― [JIS L 1922 pdf 6] ―――――
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い,適切な安全対策をとることが義務付けられる。
7 装置
抗ウイルス性試験に用いる装置は,次による。
7.1 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ) 121 ℃±2 ℃,圧力103 kPa±5 kPaでの使用が可能なもの。
7.2 乾熱滅菌器 180 ℃±2 ℃及び160 ℃±2 ℃での使用が可能なもの。
7.3 メスフラスコ 容量が1 Lのもの。
7.4 天びん(秤) 計測値の許容範囲が±0.01 gの精度をもつもの。
7.5 ガラスメスピペット ガラス製で,50 mL±0.5 mL,25 mL±0.25 mL,10 mL±0.1 mL及び5 mL±0.05
mLの容量のもの。
7.6 プラスチックピペット 50 mL±0.5 mL,25 mL±0.25 mL,10 mL±0.1 mL及び5 mL±0.05 mLの容
量のもの。
7.7 ピペッター ガラス製又はプラスチック製のピペットを装着可能なもの。
7.8 マイクロピペット ガラス製又はプラスチック製のチップが装着可能で,この試験に最も適した容
積をもち,許容誤差が0.5 %以下のもの。
7.9 ウォーターバス 37 ℃±2 ℃,50 ℃±2 ℃及び56 ℃±2 ℃の温度を保つことができるもの。
7.10 ボルテックスミキサー 微生物試験用のもの。
7.11 冷凍庫 −80 ℃及び−20 ℃の温度を保つことができるもの。
7.12 液体窒素槽 −196 ℃に保つことができるもの。
7.13 メンブランフィルタ 孔径0.22 μmのもの。
7.14 保冷庫 2 ℃8 ℃の温度を保つことができるもの。
7.15 pHメータ ガラス電極を検出器とするもの。
7.16 倒立顕微鏡 培養細胞観察用のもの。
7.17 ピンセット 滅菌処理が可能なもの。
7.18 遠心分離機 温度4 ℃に設定可能で,約9 800 m/s2(1 000 g)で使用可能なもの。
7.19 安全キャビネット 微生物試験対応のもので,バイオセーフティレベル2のもの。
注記 安全キャビネットは,JIS K 3800に適合するものか又はこれと同等の性能をもつものがよい。
7.20 バイアル瓶 ねじ口付き容量30 mLのガラス製で,パッキンが四ふっ化エチレン樹脂製又はシリコ
ン製であり,キャップがポリプロピレン製のもの。
7.21 96穴マイクロプレート TCID50測定用で,γ線滅菌1)済みのもの(図1参照)。
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図1−TCID50測定法で使用する96穴マイクロプレートの例
7.22 6穴プラスチックプレート プラーク感染価測定用で,γ線滅菌1)済みのもの(図2参照)。
図2−6穴プラスチックプレートの例
7.23 フラスコ ベントキャップ付きで,底面積75 cm2の付着性細胞培養用のもの。ベントキャップは,
0.2 μmのメンブランフィルタ付きで,無菌でガス交換ができ,γ線滅菌1)済みのもの(図3参照)。
図3−細胞培養用のフラスコの例
――――― [JIS L 1922 pdf 8] ―――――
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注1) γ線滅菌法のほか,エチレンオキサイド滅菌法によるもの及び無菌生産製品があり,いずれを
使用してもよい。
7.24 CO2インキュベーター 34 ℃±2 ℃及び37 ℃±2 ℃の温度で,炭酸ガス濃度5 %の環境を保てる
もの。
7.25 インキュベーター 25 ℃±2 ℃,34 ℃±2 ℃及び37 ℃±2 ℃の温度を保てるもの。
7.26 遠沈管 遠心分離を行うときに使用するガラス又はプラスチック製の容器。
7.27 培地瓶
7.28 試験管
7.29 ビーカー
8 使用器具の滅菌
ガラス容器,プラスチック製器具2)など細胞組織,使用薬剤,試験試料などに接触するものは全て滅菌
する。滅菌方法は,次の高圧蒸気又は乾熱のいずれかの方法による。
− 高圧蒸気滅菌法 : オートクレーブ(7.1)によって設定温度121 ℃及び設定圧力103 kPaで15分間加
熱し,滅菌する。
− 乾熱滅菌法 : 乾熱滅菌器(7.2)によって設定温度180 ℃で30分間,又は設定温度160 ℃で2時間加
熱し,滅菌する。
注2) プラスチック製器具は,耐熱性のあるものを使用するか,又は無菌生産製品を使用してもよい。
9 試薬及び培地
試薬は,分析用品質又は微生物試験に用いる品質のものとする。培養培地などの薬剤は,市場で購入可
能なものもあり,可能な限りそれら市販品の使用を推奨する。
9.1 水 ISO 3696に規定する3級のもの又は微生物学用培地の作製に使用できる分析用品質のもので,
イオン交換,蒸留,逆浸透,限外ろ過などを単独又はその組合せによって精製したもの。
9.2 イーグル培地(EMEM) 組成が附属書Dによるもの。市販品が入手可能である。市販品を使用す
る場合,附属書Dの組成で含まれていない成分がある場合は追加する。
9.3 7.5 %炭酸水素ナトリウム溶液
9.3.1 炭酸水素ナトリウム 75 gを培地瓶に入れ,培地瓶の蓋を閉めて高圧蒸気滅菌する。
9.3.2 水(9.1)1 000 mLを高圧蒸気滅菌する。
9.3.3 炭酸水素ナトリウムと水(9.3.2)1 000 mLを混合し,溶解する。
9.4 細胞固定用ホルマリン溶液
9.4.1 37 %ホルムアルデヒド溶液100 mLを準備する。
9.4.2 9.4.1の溶液に,水(9.1)900 mLを加える。
注記 ホルマリン溶液に替えて,同等の性能をもつ他の溶液を使用してもよい。
9.5 細胞染色用メチレンブルー溶液
9.5.1 1 Lのメスフラスコ(7.3)を準備し,次の成分を入れる。
− 水(9.1) 800 mL
− メチレンブルー 0.375 g
− 1 mol/Lの水酸化ナトリウム溶液 62.5 μL
9.5.2 9.5.1の成分を溶解,混合し,水(9.1)を加えて全量を1 000 mLとする。
――――― [JIS L 1922 pdf 9] ―――――
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9.6 非働化済ウシ胎児血清
9.6.1 凍結保存されたウシ胎児血清を37 ℃の温度に設定されたウォーターバス(7.9)によって解凍する。
9.6.2 ウォーターバスによって56 ℃で,30分間加温し,非働化する。
9.6.3 適量ずつ試験管に分注し,−20 ℃以下の温度に設定された冷凍庫(7.11)に入れ,保管する。
9.6.4 使用直前に,37 ℃の温度に設定されたウォーターバスによって解凍する。
9.7 細胞培養に使用する増殖培地
9.7.1 1 Lのメスフラスコ(7.3)を準備し,次の成分を入れる。
− 水(9.1) 800 mL
− カナマイシン硫酸塩 60 mg
− イーグル培地(EMEM) 9.53 g又はロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI) 10.4 g
注記 RPMIは,Roswell Park Memorial Instituteに由来する。
9.7.2 9.7.1の成分を溶解,混合し,水(9.1)を加えて全量を1 000 mLとする。
9.7.3 9.7.2の混合溶液を,孔径0.22 μmのメンブランフィルタ(7.13)によって,ろ過滅菌する。
9.7.4 次いで,9.7.3の混合溶液に7.5 %炭酸水素ナトリウム溶液(9.3)15 mL及び非働化済ウシ胎児血清
(9.6)100 mLを加える。
注記 市販品のEMEMにL-グルタミンが含まれていない場合は,附属書Dに規定する組成によって
混合し,使用するのがよい。
9.8 細胞培養に使用する維持培地
9.8.1 1 Lのメスフラスコ(7.3)を準備し,次の成分を入れる。
− 水(9.1) 800 mL
− カナマイシン硫酸塩 60 mg
− EMEM 9.53 g
9.8.2 9.8.1の成分を溶解,混合し,水(9.1)を加えて全量を1 000 mLとする。
9.8.3 9.8.2の混合溶液を,孔径0.22 μmのメンブランフィルタ(7.13)によって,ろ過滅菌する。
9.8.4 9.8.3の混合溶液に,7.5 %炭酸水素ナトリウム溶液(9.3)15 mLを加える。
注記 市販品のEMEMにL-グルタミンが含まれていない場合は,附属書Dに規定する組成によって
混合し,使用するのがよい。
9.9 2倍濃縮維持培地(9.8)
9.9.1 1 Lのメスフラスコ(7.3)を準備し,次の成分を入れる。
− 水(9.1) 800 mL
− カナマイシン硫酸塩 120 mg
− EMEM 19.06 g
9.9.2 9.9.1の成分を溶解,混合し,水(9.1)を加えて全量を1 000 mLとする。
9.9.3 9.9.2の混合溶液を,孔径0.22 μmのメンブランフィルタ(7.13)によって,ろ過滅菌する。
9.10 0.01 mol/Lのりん酸緩衝生理食塩水[PBS(-)]
9.10.1 1 Lのメスフラスコ(7.3)を準備し,次の成分を入れる。
− 水(9.1) 800 mL
− 塩化ナトリウム 8g
− 塩化カリウム 0.2 g
− りん酸水素二ナトリウム12水和物 2.9 g
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JIS L 1922:2016の引用国際規格 ISO 一覧
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JIS L 1922:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1922:2016の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
- JISK3600:2000
- バイオテクノロジー用語
- JISK8008:1992
- 生化学試薬通則
- JISL0803:2011
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