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L 1940-3 : 2019 (ISO 14362-3 : 2017)
1 コイル形冷却器
2 引っ掛けフック
3 丸底フラスコ
4 試験片
図1−抽出装置の例
注記 同様の結果が得られるのであれば,類似の装置が使用可能である。
8.2 超音波浴
8.3 反応容器 密閉性形の耐熱ガラス製で,容量20 mL50 mLのもの。
8.4 熱源 40 ℃±2 ℃の温度を保持できるもの。
8.5 ロータリーエバポレーター 真空制御及び水浴を備えたもの,又は他の種類の蒸発装置も使用する
ことができる。例えば,液体上の窒素の制御された流れを伴う水浴。
8.6 遠心分離機 3 000回転/分以上の能力のもの。
8.7 ピペット 適切な大きさのピぺット又は可変量ピペット。
8.8 振とう器 相の効率的な混合を保証するもの。
注記 1秒間に5周期が可能で,かつ,振り幅が20 mm50 mmのものが使用可能である。
8.9 クロマトグラフ 8.9.18.9.4から選択したもの。
8.9.1 薄層クロマトグラフ(TLC)又は高性能薄層ク口マトグラフ(HPTLC)装置 関連検出器を付帯
するもの。
8.9.2 高速液体クロマトグラフ(HPLC) 勾配溶離,ダイオードアレイ検出器(DAD)又は質量選択検
出器(MS)付きのもの。
8.9.3 ガスクロマトグラフ(GC) 水素炎イオン化検出器(FID)又は質量選択検出器(MS)を装備した
もの。
8.9.4 キャピラリー電気泳動装置(CE) ダイオードアレイ検出器(DAD)付きのもので,ポリテトラフ
ルオロエチレン製メンブレンフィルタは,孔径が0.2 μmのもの。
注記 クロマトグラフィー条件の詳細を,附属書Aに示す。
――――― [JIS L 1940-3 pdf 6] ―――――
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L 1940-3 : 2019 (ISO 14362-3 : 2017)
9 試験手順
9.1 一般
JIS L 1940-1の試験でアニリン及び1,4-フェニレンジアミン又はアニリンだけが検出された試験片は,こ
の規格を適用する。JIS L 1940-1の10.1(キシレンを用いた分散染料の抽出)によって検出された場合は,
9.3を適用する。また,JIS L 1940-1の10.2(顔料で着色された繊維製品及び/又は分散染料以外の色素で
染色された繊維製品)によって検出された場合は,9.4を適用する。
9.2 試験片の準備
多色の繊維製品の場合は,それぞれの色について,可能な限り色ごとに別々に試料を採取しなければな
らない。複数の繊維部品で構成されている繊維製品は,それぞれの繊維部品の繊維の種類ごと及び/又は
色別に試験しなければならない。
試料から全質量が1 gになるように試験片を切り取る。分散染料の色素の抽出(9.3)に供する試験片で,
8.1に規定する装置を用いる場合は,細長くひも状に切り,その他の装置を用いる場合又は還元分解だけに
供する試料については,細かく切断する(9.4及び9.5)。
9.3 分散染料の色素の抽出-抽出による調製
JIS L 1940-1の10.1でアニリン及び1,4-フェニレンジアミンが陽性となった場合,同じ組成の別の試験
片を使って,試験片から滴下する溶媒が無色になるまで25 mLの沸騰キシレンによって30分間40分間
抽出装置(8.1)に保持する。キシレン抽出物を抽出器から取り出す前に,室温まで冷却する。試験片は,
抽出器から取り出し廃棄する。
抽出液を,ロータリーエバポレーター(8.5)で45 ℃75 ℃で濃縮した後,メタノール(7.3)7 mLを2
分し,2回に分けて残さに加え,1回ごとに超音波浴(8.2)を用いて色素を分散溶解する。
続いて,還元分解(9.5)を行う。
複数の段階を経て移すのがよい。例えば,4 mLのメタノールを添加し,ガラスフラスコ中の残さを超音
波浴で溶解する。次に,溶解液をピペットで定量性を確保しながら反応容器に移す。引き続き,1 mLのメ
タノールで3回洗浄し,定量性を確保しながら洗浄液を反応容器に移すのがよい。
4-アミノアゾベンゼンを放出する分散染料(例えば,C.I.Disperse Yellow 23)を直接定量する場合は,メ
タノール溶液の一定量を直ちにLC-DAD-MSで分析するのがよい。
9.4 分散染料以外の染料で染色された繊維製品-非抽出による調製
JIS L 1940-1の10.2(顔料で着色された繊維製品及び/又は分散染料以外の色素で染色された繊維製品)
でアニリン及び1,4-フェニレンジアミンが陽性となった場合は,試験片を直接反応容器に入れる。
9.5 還元分解
小片に切断した試験片及び/又は抽出液(メタノール溶液)の入った反応容器(8.3)に,9 mLの水酸
化ナトリウム水溶液(7.2)を加えて密閉し,激しく振とうする。
次に,アゾ基を還元分解するため1.0 mLの亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(7.1)を加えて激しく振と
う後,密閉して40 ℃±2 ℃で正確に30分間反応させる。反応後,1分間以内に室温(20 ℃25 ℃)に下
げる。
9.6 4-アミノアゾベンゼンの分離及び濃縮
5 mLのt-ブチルメチルエーテル(7.5)又は5 mLの内部標準(IS)のt-ブチルメチルエーテル溶液(7.9.1)
を,還元処理液に加える。次に,7 gの塩化ナトリウム(7.6)を加える。
その後,混合物を水平往復振とう器(8.8)で45分間振とうする。振とう速度は,5周期/秒とする。
冷却から振とうまでの時間は5分間以内とし,完全な相分離を得るために,混合物は遠心分離器を使用
――――― [JIS L 1940-3 pdf 7] ―――――
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することが望ましい。
次に,t-ブチルメチルエーテル相の一定分量を試験用小瓶に移す。移した後,直ちに試験用小瓶を密閉
する。4-アミノアゾベンゼンの検出及び定量は,8.9に規定するクロマトグラフ分析法による。
引き続き,試験のために,溶剤の変更又は9.5の抽出液を濃縮し,それを別の適切な溶剤(例えば,メ
タノール)に移すことが必要な場合がある。制御されていない状態で,溶剤の除去(真空蒸発装置での濃
縮及び乾燥)を行った場合は,かなりの量の4-アミノアゾベンゼンを消失させる可能性がある。
必要な場合は,50 ℃を超えない条件で,ロータリーエバポレーターの真空度をあまり上げ過ぎて絶乾さ
せずに,t-ブチルメチルエーテル抽出物を濃縮し,約1 mLとすることが望ましい。その後,残りの溶剤を
真空にせず,低速流の不活性ガスで注意深く除去する。
試験の一連の工程で,マトリックス効果によって検体の損失の可能性があるため,溶剤変更は避けるこ
とが望ましい。マトリックス効果のため,4-アミノアゾベンゼンが不安定な状態を示すことがある。分析
作業に遅れが生じると,検体の多大の損失が生じる可能性がある。全試験を24時間以内に実行できない場
合は,試験片は−18 ℃未満の環境で保管する。
9.7 校正溶液
9.7.1 抽出なしの場合の校正溶液の調製
5 mLのt-ブチルメチルエーテル(7.5)又は5 mLの内部標準(IS)のt-ブチルメチルエーテル溶液(7.9.1)
のそれぞれに100 μLの4-アミノアゾベンゼンの校正溶液(7.9.2)を加える。この混合液は校正に使用する。
この試験手順による相分離で得られる4-アミノアゾベンゼンの回収率は,95 %100 %である。アミンが5
mg/kgを超えて検出された場合,その定量は,JIS L 1940-1に規定する検量線による。
9.7.2 抽出を行う場合の校正溶液の調製
100 μLの4-アミノアゾベンゼンの校正溶液(7.9.2)に6.9 mLのメタノール(7.3),9 mLの水酸化ナト
リウム水溶液(7.2),1 mLの水(7.10)及び7 gの塩化ナトリウム(7.6)並びに5 mLのt-ブチルメチルエ
ーテル(7.5)又は5 mLの内部標準(IS)のt-ブチルメチルエーテル溶液(7.9.1)をそれぞれ加える。
この混合物を水平往復振とう器(8.8)で45分間振とうし,確実に混合する。
引き続き,試験のために,t-ブチルメチルエーテル相から一定分量を採取する。採取した試験用小瓶は
直ちに密閉する。
注記 マトリックス中のメタノール含有量が高いため,異なる回収率が観察され得る。この場合,メ
タノール含有マトリックスを用いて少なくとも3点の検量線を作成する必要がある。
9.8 試験手順の検証
9.8.1 抽出なしの場合
試験手順を検証するために,100 μLの4-アミノアゾベンゼンの校正溶液(9.7.1)を9.5によって試験す
る。4-アミノアゾベンゼンの回収率は,最低でも60 %でなければならない。
注記 試験手順の検証では,9.7.1に規定する校正溶液に直接1.0 mLの亜チジオン酸ナトリウムを加
えて,還元分解することになる。
9.8.2 抽出を行う場合
試験手順を検証するために,100 μLの4-アミノアゾベンゼン校正溶液(9.7.2)に6.9 mLのメタノール
を加える。この混合液を9.5によって試験する。
4-アミノアゾベンゼンの回収率は,最低でも60 %でなければならない。
注記 試験手順の検証では,この混合液に直接1.0 mLの亜チジオン酸ナトリウムを加えて,還元分解
することになる。
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9.9 クロマトグラフによる分析
4-アミノアゾベンゼンの検出は8.9に規定するクロマトグラフによる。有効性が証明されればその他の
方法も使用できる。
一つのクロマトグラフィーによる試験で4-アミノアゾベンゼンが検出された場合は,他の一つ以上の試
験方法で確認を行う。両方の方法で検出が確認された場合だけ,試験結果を有効とみなす。
10 評価
10.1 計算
4-アミノアゾベンゼンの量は,通常ソフトウェアのプログラムによって計算する。計算は手動でも可能
で,その方法を,附属書Bに示す。
注記 4-アミノアゾベンゼンの定量は,試料1 kg当たりのアミン量(mg)を算出し,計算結果は四捨
五入によって整数位に丸めるのがよい。
10.2 試験方法の信頼性
試験方法の信頼性については,附属書Cを参照する。
11 試験報告書
試験報告書には,少なくとも次の事項について記載しなければならない。
a) この規格の規格番号
b) 試料の種類,生産国及び表示(該当する場合は,試料の部位)
c) 試料受領日及び試験実施日
d) サンプリング手順
e) 検出方法及び定量方法
f) 試験結果,4-アミノアゾベンゼンの検出及び検出限界(mg/kg)
4-アミノアゾベンゼン濃度が30 mg/kg以下で検出された場合は,解釈には注意する。結果の解釈を,附
属書Dに示す。
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附属書A
(参考)
クロマトグラフ分析法
A.1 予備的所見
分析機器(8.9)は,試験機関によって異なるため,クロマトグラフ分析全般に適用可能な説明は不可能
であるが,次のパラメータは,実際の試験で良好に使用できる。
A.2 薄層クロマトグラフィー(TLC)
プレート(HPTLC) : 蛍光指示薬F254配合シリカゲル60,200 mm×100 mm
注入量 : 2 μL5 μL 点状に注入
移動溶媒1 : クロロホルム/酢酸 容量比で,90 : 10
展開 : 飽和形展開槽
検出 : 1 蛍光指示薬F254のTLCプレート
2 UVランプ 試薬1及び試薬2の連続処理の後,反応時間は約5分間とする。
両方又はいずれか一方の条件で検出する。
試薬1 : 窒素酸化物(NOx)発生には,硫酸約1 mLを入れたビーカーに,固体亜硝酸ナ
トリウム少量を加える。即座に,チャンバーを閉じて反応させる。
チャンバー内に乾燥したプレートを置き,5分間後にそれを取り出して冷たい
空気流中で乾燥する。
試薬2 : 次に,乾燥したプレートに1 molの水酸化カリウム(KOH)及びメタノールで
調製した0.2 %のα-ナフトール溶液を噴霧する。
プレート(TLC) : 蛍光指示薬F254配合シリカゲル60,200 mm×100 mm
注入量 : 10.0 μL 線状に注入
移動溶媒2 : クロロホルム/酢酸エチル/酢酸 容量比で60 : 30 : 10
移動溶媒3 : クロロホルム/メタノール 容量比で95 : 5
移動溶媒4 : n-酢酸ブチル/トルエン 容量比で30 : 70
展開 : 飽和形展開槽
移動溶媒2及び3 : 連続的に注入しプレートを乾燥させない。
検出 : 1 蛍光指示薬F254のTLCプレート
2 UVランプ 試薬1及び試薬2の連続処理の後,反応時間は約5分とする。
両方又はいずれか一方の条件で検出する。
プレート(TLC) : シリカゲル60,200 mm×200 mm
注入量 : 10.0 μL 線状に注入
移動溶媒2 : クロロホルム/酢酸エチル/酢酸 容量比で60 : 30 : 10
移動溶媒3 : クロロホルム/メタノール 容量比で95 : 5
移動溶媒2及び3 : 注入は連続的に行い,プレートは乾燥させない。
展開 : 飽和形展開槽
検出 : 試薬1及び試薬2での連続した処理を行う。反応時間は約5分間とする。
――――― [JIS L 1940-3 pdf 10] ―――――
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JIS L 1940-3:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14362-3:2017(IDT)
JIS L 1940-3:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS L 1940-3:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISL1940-1:2019
- 繊維製品―アゾ色素由来の特定芳香族アミンの定量方法―第1部:繊維の抽出及び非抽出による特定アゾ色素の使用の検出