JIS M 8217-2:2020 鉄鉱石―硫黄定量方法―第2部:熱分解―よう素酸カリウム滴定法 | ページ 2

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管(c)に示す位置に挿入する。
なお,吸収細管(k)の出口側は,試薬が吸収瓶(e)側へ吹き飛ばされないように石英ガラスウールを
詰めておく。
また,塩化すず(II)二水和物の溶融を避けるために挿入位置は,できるだけ低温部にする。
なお,試料中の塩素含有率が不明の場合も,この塩化すず(II)二水和物の吸収細管(k)を使用するの
が望ましい。
6.7 磁器燃焼ボート[図1中の(l)]及び磁器燃焼ボートカバー(以下,ボート及びカバーという。)
管状電気抵抗加熱炉に使用するボートは,JIS R 1306に規定するCB1とする。また,必要に応じてカバ
ーを使用する。カバーは,JIS R 1306のCBC1とする。ボート及びカバーは,使用する装置の指定する形
状及び寸法のもの,又はJIS R 1306に規定する使用温度以上のものを用いてもよい。図2 a) にボート及
びカバーの例を示す。あらかじめ使用するボート及びカバーに適した条件(例えば,空気中1 000 ℃で約1
時間)で強熱する。一度に多数強熱した場合は,放冷した後,若干の余熱をもつ状態から使用直前までグ
リースなどを塗らないデシケーター中に保存する。カバーを用いる代わりに,多孔質のカートリッジ[図
2 b)]を用いてもよい。
デシケーターからの出し入れは,ピンセットなどで扱い,直接手を触れてはならない。長時間保存した
ものは,空試験値が高くなっているおそれがあるため,再度強熱してから使用する。

7 試料のはかりとり

  試料はかりとり量は,表2による。
表2−試料はかりとり量
硫黄含有率 試料はかりとり量
[質量分率(%)] g
0.002 以上0.05 未満 1.0
0.05 以上 0.30 未満 0.50
0.30 以上 1.0 以下 0.20

8 操作

    警告1 加熱分析に関する危険は,多くはボートの事前強熱及び分析の際の火傷である。全ての場合,
トングなどを使用する。使用済のボート及びカバーは,高温になっているが,その高温に耐
え,かつ,外部に熱の影響を及ぼさない適切な容器に入れて,放冷する。
警告2 窒素ボンベの操作については,適切な安全対策をとらなければならない。分析の際に排出さ
れる窒素は,閉鎖された室内において酸素濃度を低下させる。その結果,作業者が酸素欠乏
症になることがあるので,装置から外気に効果的に排除する。
操作は,次の手順によって行う。
a) 磁器燃焼管内温度を1 200 ℃±25 ℃に保つ。次に窒素を150 mL/分200 mL/分で供給し,0.001 040
mol/Lよう素酸カリウム溶液(5.7)で滴定して吸収液が淡い青を呈するようにする。
b) はかりとった試料をひょう量瓶に移し入れ,更に酸化タングステン(VI)(5.5)1 gを加えて十分に混
合した後,ボートの中央に移し入れ,カバー又は多孔質のカートリッジをかぶせ,挿入棒で磁器燃焼

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管(c)の加熱部の中央に挿入し,栓をして密封する。
c) 1 200 ℃±25 ℃に保持された磁器燃焼管の加熱部の中央に,ボートを約1分間保つ。この間に吸収瓶
(e)を確認し,吸収液が上昇し始めた場合には,吸収液が常に元の位置にくるように,僅かに窒素(5.1)
を通気する。次に,直ちに,窒素を150 mL/分200 mL/分の割合で通気する。
なお,硫黄含有率(質量分率)が約0.3 %以上の高硫黄含有率の試料については,窒素流量を150 mL/
分に調整する。
発生した二酸化硫黄などを窒素と共に吸収瓶(e)に導き,吸収液が透明にならない程度に青を保ち
続けるように,0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液を絶えず滴加し,引き続き少なくとも5分間窒
素を流す。低硫黄含有率試料の熱分解時間は,通常,4分8分で十分であるが,高含有率試料につい
ては,10分程度の熱分解時間が必要である。
なお,熱分解終了付近では滴定始点及び終点と同程度の淡い青が保持されるように,0.001 040 mol/L
よう素酸カリウム溶液の滴加速度を調節する。
試料が多量の化合水を含む場合は,装置の内部に水が付着するので,このようなときは,滴定完了
前に外部から加熱して水を完全に蒸発させる必要がある。
d) 磁器燃焼管(c)の出口のガラス製キャップ(g)を外し,少量の吸収液で導入管(d)及びガラス製キ
ャップ(g)の内部を数回洗浄し,再びガラス製キャップをして窒素を流す。0.001 040 mol/Lよう素酸
カリウム溶液を用いて淡い青を呈するまで滴定し,終点とする。

9 空試験

  試料を用いないで,箇条8のa)   d)の手順に従って試料と同じ操作を,試料と併行して行う。
空試験値は,硫黄量として0.01 mgを超えてはならない。0.01 mgを超えた場合は,汚染の原因を調査し,
排除しなければならない2)。
注2) あらかじめ800 ℃で約2時間加熱した酸化タングステン(VI)(5.5)を用いる,又はボート及
びカバー(6.7)の空焼き時間を長くすることによって,空試験値が下がる場合がある。

10 計算

  箇条8 d)及び箇条9で得た滴定量から,試料中の硫黄含有率[質量分率(%)]を次の式によって算出す
る。
V1 V2 f
S 100
m
ここに, S : 試料中の硫黄含有率[質量分率(%)]
V1 : 試料の分析における0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム
溶液の使用量(mL)
V2 : 空試験で得た0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液の
使用量(mL)
f : 0.001 040 mol/Lよう素酸カリウム溶液1 mLに相当する
硫黄の質量を示す換算係数(g/mL)
m : 試料はかりとり量(g)

11 許容差

  許容差は,表3による。

――――― [JIS M 8217-2 pdf 7] ―――――

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表3−許容差
単位 質量分率(%)
硫黄含有率 室内再現許容差 室間許容差a)
Rd P
0.002以上 1.0以下 f(n)×[0.028 2×(S)+0.000 9]
f(n)×[0.012 0×(S)+0.000 4]
許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場
合は同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(S)は,許容差
を求める硫黄定量値の平均値[質量分率(%)]である。
注a) この規格における室間許容差は,各分析室においてJIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分
析値を用いて判定する。

――――― [JIS M 8217-2 pdf 8] ―――――

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単位 mm
注記 寸法は,概略を示す。
図1−硫黄定量装置の例

――――― [JIS M 8217-2 pdf 9] ―――――

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単位 mm
注記 寸法は,概略を示す。
a) 磁器燃焼ボート(l)及び磁器燃焼ボートカバーの例
注記 寸法は,概略を示す。
b) 磁器燃焼ボート(l)及びカートリッジの例
図2−ボート,カバー及びカートリッジの例

――――― [JIS M 8217-2 pdf 10] ―――――

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JIS M 8217-2:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4689-2:2017(MOD)

JIS M 8217-2:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8217-2:2020の関連規格と引用規格一覧