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JIS M 8218:1997 規格概要
この規格 M8218は、鉄鉱石中の銅定量方法について規定。
JISM8218 規格全文情報
- 規格番号
- JIS M8218
- 規格名称
- 鉄鉱石―銅定量方法
- 規格名称英語訳
- Iron ores -- Methods for determination of copper content
- 制定年月日
- 1953年3月28日
- 最新改正日
- 2017年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 4693:1986(MOD), ISO 5418-1:1994(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 73.060.10
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 金属分析 I 2019, 金属分析 II 2019
- 改訂:履歴
- 1953-03-28 制定日, 1956-03-20 確認日, 1958-01-31 改正日, 1960-12-17 確認日, 1963-12-15 確認日, 1964-12-01 改正日, 1968-04-01 確認日, 1971-05-01 確認日, 1971-10-01 改正日, 1974-09-01 確認日, 1978-10-01 確認日, 1983-12-01 改正日, 1990-07-01 確認日, 1997-08-20 改正日, 2003-03-20 確認日, 2008-02-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
- ページ
- JIS M 8218:1997 PDF [27]
M 8218 : 1997
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS M 8218-1983は改正され,この規格によって置き換えられる。
今回の改正では,国際規格との整合化を図るため,ISO規格の翻訳を附属書2及び附属書3として規定
している。
JIS M 8218 には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) 鉄分離原子吸光法
附属書2(規定) 2,2'−ビキノリル吸光光度法
附属書3(規定) 原子吸光法
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS M 8218 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
M 8218 : 1997
鉄鉱石−銅定量方法
Iron ores−Methods for determination of copper content
序文 この規格の,附属書1は,微量域の銅定量方法として新しい規定を作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
附属書2は1994年に発行されたISO 5418-1, Iron ores−Determination of copper content−Part1 : 2, 2'−
Biquinolyl spectrophotometric methodを翻訳し,また,附属書3は,1986年に発行されたISO 4693, Iron ores
−Determination of copper content−Flame atomic absorption spectrometric methodを翻訳し,技術的内容及び規
格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
1. 適用範囲 この規格は,鉄鉱石中の銅定量方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版を適用する。
JIS M 8202 鉄鉱石−分析方法通則
3. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS M 8202の規定による。
4. 定量方法 銅の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 鉄分離原子吸光法 この方法は,銅含有率0.001 % (m/m) 以上0.05 % (m/m) 以下の試料に適用するも
ので,附属書1による。
b) 2,2'−ビキノリル吸光光度法[国際一致規格 (ISO 5418-1)] この方法は,銅含有率0.004 % (m/m) 以
上0.8 % (m/m) 以下の試料に適用するもので,附属書2による。
c) 原子吸光法[国際一致規格 (ISO 4693)] この方法は,銅含有率0.003 % (m/m) 以上1.0 % (m/m) 以
下の試料に適用するもので,附属書3による。
――――― [JIS M 8218 pdf 2] ―――――
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M 8218 : 1997
附属書1(規定) 鉄分離原子吸光法
1. 要旨 試料を塩酸及び硝酸で分解し,乾固する。塩酸で溶解してろ過し,ろ液中の鉄を4−メチル−2
−ペンタノンで抽出除去する。残さは灰化後ふっ化水素酸で処理した後,二硫酸カリウムで融解し,ろ液
に合わせる。この溶液を,原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定す
る。
2. 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸 [10+6(1),1+1,2+l00]
c) 硝酸
d) ふっ化水素酸
e) 硫酸 (1+1)
f) 酸化鉄 (III)できるだけ純度の高い酸化鉄 (III) で銅を含有しないか,又は銅含有率ができるだけ低
くて,既知であるもの。
g) 二硫酸カリウム
h) 4−メチル−2−ペンタノン
i) 標準銅溶液A (100 最 一 ─ m/m) 以上]0.100 0 gを硝酸 (1+1) 20 mlで
常温まで冷却後1 000mlの全量フラスコに水で洗い移し,水で標線まで薄め,標準銅溶液Aとする。
j) 標準銅溶液B (10 最 一 準銅溶液Aを使用の都度水で正確に10倍に薄めて,標準銅溶液Bと
する。
注(1) 溶媒抽出に用いるので,正確に調製する。
3. 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,1.0 gとする。
4. 操作
4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり採ってビーカー (300 ml) に移し入れる。
b) 時計皿で覆い,塩酸30 mlを加えて,初めは熱板周辺の低温部 (60100 ℃) にビーカーを置いて約1
時間保持した後,高温部に移して約10分間沸騰直前まで加熱して分解する。次に硝酸5 mlを加えて
鉄などを酸化し,引き続き加熱蒸発して液面に皮膜を生じさせる。放冷した後,塩酸 (1+1) 20 mlを
加え加熱して可溶性塩類を溶解する。ろ紙(5種B)と少量のろ紙パルプを用いて不溶解残さをろ過
し,ビーカー内壁をゴム帽付きガラス棒を用いてこすり,付着物をろ紙上に移す。ろ紙は約4060℃
に加熱した温塩酸 (2+100) で,ろ紙に塩化鉄 (III) の黄色が認められなくなるまで洗浄する。ろ液及
び洗液はビーカー (300 ml) に集め,主液として保存する。
c) 不溶解残さは,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,乾燥した後強熱灰化し,放冷する。強
熱残さを硫酸 (1+1) で湿し,ふっ化水素酸5 mlを加え,静かに加熱して二酸化けい素及び硫酸を揮
散させる。放冷した後,これに二硫酸カリウム1.0gを加え,ふたをして初めは徐々に加熱し,次第に
――――― [JIS M 8218 pdf 3] ―――――
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M 8218 : 1997
温度を高めて暗赤熱状に加熱し,残さを融解した後放冷する。
d) )で得た溶液を加熱して液面に皮膜が生じはじめるまで蒸発させ,塩酸 (10+6) 20 mlを加え,塩類を
溶解した後,塩酸 (10+6) を用いて分液漏斗 (100 ml) に洗い移す。これに4−メチル−2−ペンタノ
ン50 mlを加え約1分間激しく振り混ぜ,静置後下層の水相を元のビーカーに移す。更に塩酸 (10+
6) 10 mlを加え,30秒間激しく振り混ぜ静置後下層の水相を先に分離した水相に合わせる。この溶液
を静かに加熱して大部分の4−メチル−2−ペンタノンを除去した後,硝酸5 mlを加え乾固する。放
冷後,塩酸 (1+1) 20 mlで塩類を溶解する。これにc)で得た白金るつぼを入れて融成物を溶解する。
金るつぼは温水で洗って取り出す。この溶液を加熱濃縮して液量を約30 mlとして常温まで冷却し,
水を用いて50 mlの全量フラスコに移して,水で標線まで薄める。
4.2 吸光度の測定 4.1d)で得た試料溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空
気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長324.7 nm(2)における吸光度を測定する。
注(2) 装置によって,324.7 nmでの測定が困難な場合は,327.4 nmで測定を行ってもよい。
5. 空試験 試料の代わりに酸化鉄 (III) 2. f) ] 1.0gをはかり採り,ビーカー (300 ml) に移し入れる。以下
4.1 b)4.2の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行う。
6. 検量線の作成 附属書1表1の銅含有率範囲ごとに5個のビーカー (300 ml) を準備し,それぞれに酸
化鉄 (III) 2. f) ] 1.0gをはかり採って移し入れる。次に附属書1表1の標準銅溶液添加量に従って標準銅溶
液を正確に加える。以下,4.1 b)4.2に従って,試料と併行して操作し,得た吸光度と銅量との関係線を
作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
附属書1表1 標準銅溶液添加量
銅含有率 使用する標準銅溶液 標準銅溶液添加量
% (m/m) ml
0.001以上 0.010未満 B [2.j) ] 0, 1, 3, 6, 10
0.010以上 0.050以下 A[2.i) ] 0, 1, 2, 4, 6
7. 計算 計算は,次による。
a) 銅含有率の計算 4.2及び5.で得た吸光度と,6.で作成した検量線から銅量を求め,試料中の銅含有率
を次の式によって算出する。
A1 A2
Cu 100
m
ここに, Cu : 試料中の銅含有率 [% (m/m) ]
A1 : 試料溶液中の銅検出量 (g)
A2 : 空試験液中の銅検出量(3) (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
注(3) 空試験に使用した酸化鉄 (III) 中に銅が含まれている場合には,
はかり採った酸化鉄 (III) 中の銅量を差し引く。
b) 酸化銅含有率の計算 試料中の酸化銅含有率は,銅含有率から次の式によって算出する。
CuO=1.2518×Cu
ここに, CuO : 試料中の酸化銅含有率 [% (m/m) ]
Cu : a)に同じ
――――― [JIS M 8218 pdf 4] ―――――
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M 8218 : 1997
8. 許容差 許容差は,附属書1表2による。
附属書1表2 許容差
単位 % (m/m)
室内許容差 室間許容差
D (n) ×[0.0120×(銅含有率)+ 2.8×[0.006 1×(銅含有率)+0.0003]
0.0001]
n=2のとき,D (n) =2.8
n=3のとき,D (n) =3.3
n=4のとき,D (n) =3.6
参考 この許容差は,銅含有率0.0009% (m/m) 以上0.036% (m/m) 以下の試料を用いて求めたもので
ある。
――――― [JIS M 8218 pdf 5] ―――――
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JIS M 8218:1997の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4693:1986(MOD)
- ISO 5418-1:1994(MOD)
JIS M 8218:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石
JIS M 8218:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISM8202:2015
- 鉄鉱石―分析方法通則