JIS M 8218:1997 鉄鉱石―銅定量方法 | ページ 4

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附属書3(規定) 原子吸光法
序文 この附属書は,1986年第1版として発行されたISO 4693 (Iron ores−Determination of copper content
−Flame atomic absorption spectrometric method) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することな
く作成したものである。
なお,この附属書で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
この附属書は,鉄鉱石中の銅を原子吸光法によって定量する方法について規定する。
この方法は,天然鉄鉱石,精鉱及び焼結鉱を含む塊成鉱で銅の含有率0.003 % (m/m) 1.0 % (m/m) の範
囲のものに適用する。
参考 この方法は,硫化鉄焼鉱,スケール及びダスト又はこれらの粉粒状のものを加工した団鉱など
の鉄原料にも適用できる。
2. 引用規格
ISO 648 : 1977 Laboratory glassware−One-mark pipettes
ISO 1042 : 1983 Laboratory glassware−One-mark volumetric flasks
ISO 3081 : 1986 Iron ores−Increment sampling−Manual method
ISO 3082 : 1987 Iron ores−Increment sampling and sample preparation−Mechanical method
ISO 3083 : 1986 Iron ores−Preparation of samples−Manual method
ISO 7764 : 1985 Iron ores−Preparation of predried test samples for chemical analysis
3. 原理
試料を塩酸,硝酸及びふっ化水素酸で処理して分解する。過塩素酸で脱水した後,希釈し,不溶解残さ
をろ過する。
空気・アセチレンフレームを使用して,原子吸光光度計で溶液中の銅含有率を測定する。
4. 試薬
分析の際は,分析用保証試薬 (recognized analytical grade) ,蒸留水又はこれと同等の純度の水を使用す
る。
注 蒸留装置は,銅を含まないものを使用すべきであり,また,イオン交換水が銅製の管又は蛇口に
接触しないようにしなければならない。
4.1 金属鉄粉 銅含有率<0.001% (m/m)
4.2 無水炭酸ナトリウム (Na2CO3)
4.3 塩酸(密度1.161.19 g/ml)
4.4 硝酸(密度1.4 g/ml)
4.5 塩酸(密度1.161.19 g/ml)の希釈液1+2
4.6 硝酸(密度1.4 g/ml)の希釈液1+1
4.7 過塩素酸60 % (m/m) (密度1.54 g/ml),又は70 % (m/m) 溶液(密度1.67 g/ml)

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4.8 ふっ化水素酸40 % (m/m) (密度1.13 g/ml),又は48 % (m/m) 溶液(密度1.185 g/ml)
4.9 バックグラウンド溶液
金属鉄粉(4.1)15 gを,塩酸(4.5)150 mlで分解する。溶液を室温まで冷却し硝酸(4.4)10 mlを加える。注意
深く加熱して窒素酸化物を除去した後,過塩素酸(4.7)250 mlを加え,白煙が発生するまで蒸発させる。10
分間白煙を発生させた後冷却し,水で1 000 mlに希釈する。
4.10 標準銅溶液
4.10.1 原液
純銅1.000 gを硝酸(4.6)30 mlに溶解する。加熱して亜硝酸ガスを除去し,冷却した後1 000 mlの全量メ
スフラスコに移し入れる。水で標線まで薄めて混合する。
この原液1 mlは,銅1.00 mgを含有する。
4.10.2 標準溶液A
原液(4.10.1)100 mlを1 000 mlの全量フラスコに移し入れる。水で標線まで薄めて混合する。
この標準溶液1 mlは,銅0.1 mgを含有する。
4.10.3 標準溶液B
標準溶液A(4.10.2)10 mlを100 mlの全量フラスコに移し入れる。水で標線まで薄めて混合する。
この標準溶液1 mlは銅0.010 mgを含有する。
参考 この溶液は,使用の都度調製する。
5. 装置
注 別に記述しない限り,ピペットと全量フラスコは,ISO 648とISO 1042で規定されたピペットと
全量フラスコを使用しなければならない。
通常の分析用器具及び次のものを使用する。
5.1 ポリテトラクロロエチレン (PTFE) 製ビーカー,容量150 ml
5.2 原子吸光光度計
使用する原子吸光光度計は,次の装置基準を満足しなければならない。
a) 最小感度−検量線最高濃度(7.5.3参照)の溶液の吸光度は,10 cmのフレーム長で測定したとき,少
なくとも0.3。
b) 検量線の直線性−検量線の上部20 %範囲のこう配(吸光度の変化で表す。)と,同じやり方で算出し
た下部20 %範囲のこう配の比が,0.7以上。
c) 最小安定性 (minimum stability) −検量線最高濃度溶液とゼロ検量線溶液をそれぞれ十分な回数の繰
返し測定をして,得た標準偏差がそれぞれ最高濃度溶液の平均吸光度の1.5 %,0.5 %以下。
参考 最小安定性の求め方
最高濃度の検量線溶液をn回噴霧し,個々の吸光度の読みAAiを求めて,平均値 Aを計算す
A
る。
最低濃度の検量線溶液(ゼロ検量線溶液を除く。)をn回噴霧し,個々の吸光度の読みABiを
求めて,平均値 Aを計算する(nは10回以上)。
B
最高及び最低濃度の検量線溶液の各々の標準偏差sA及びsBを次の式で計算する。

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2 ( Ai ) 2
2 Ai
(AAi AA) n
SA
n 1 n 1
2 ( Bi ) 2
2 Bi
(ABi AB ) n
SB
n 1 n 1
最高濃度及び最低濃度の検量線溶液の各々の最小安定性は,sA×100/ A及びsB×100/
A Aの
A
式で求める。
注1 基準a),b)及びc)の評価及び引き続き行われるすべての測定に対しては,チャート式記録装置
及び/又はデジタル表示装置の使用を推奨する。
注2 銅の0.003 % (m/m) 0.010 % (m/m) の濃度範囲のために,水素又は重水素の中空陰極管の備わ
ったバックグラウンド補正装置が適切である。
注3 測定条件は装置ごとに変わる。以下に示す測定条件は,数箇所の分析室で支障なく用いられた
条件であり,操作の指針として用いることができる。測定溶液は,プレミックスバーナーの空
気・アセチレンフレーム中へ噴霧される。
銅中空陰極ランプの電流 (mA) 3
波長 (nm) 324.7
空気流量 (l/min) 10
アセチレン流量 (l/min) 2
上に示したガス流量が適用できない装置においても,ガス流量の比率は有用な指針となる。
参考 装置基準については,JIS M 8202(鉄鉱石−分析方法通則)の解説に記載されている。
6. サンプリング及び試料
6.1 分析用試料 (laboratory sample)
分析には,ISO 3081又はISO 3082に従って採取され,ISO 3082又はISO 3083に従って調製された粒度
−100 析用試料を用いる。化合水又は酸化しやすい化合物の含有率が著しく高い鉱石の場合には,
粒度−160 いる。
注 化合水及び酸化しやすい化合物の著しく高い含有率についてのガイドラインは,ISO 7764に記載
されている。
参考 化合水及び酸化しやすい化合物の含有率については,JlS M 8202に記載されている。
6.2 事前乾燥試験試料 (predried test samples) の調製
分析用試料を十分に混合し,容器の全量を代表するように数インクリメントで分析試料を採取する。分
析試料をISO 7764に従って105±2 ℃で乾燥する(これを事前乾燥試料という。)。
7. 操作
7.1 分析回数
分析は,事前乾燥試料1個について,附属書3Aに従って少なくとも独立に2回実施する。
注 “独立に”という表現は,2度目又は続いて実施した分析結果が以前の結果によって影響を受け
ないことを意味する。特にこの方法では,この条件は操作の繰返しは同一人が異なった時間に,

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又は異なった人によって,いずれの場合も適切な再校正を含めて行われなければならないことを
意味する。
7.2 安全に関する注意
爆発事故を防ぐため,空気・アセチレンフレームの点火と消火は装置の製造業者の指示書に従って行う。
バーナーに点火しているときは,常に着色安全眼鏡を着用する。
7.3 空試験及びチェック試験
一連の定量ごとに,1回の空試験と,同一種類の鉄鉱石認証標準物質の1個を,1分析試料(1個又は数
個)と併行して同一条件で分析しなければならない。認証標準物質の事前乾燥試料は,鉱石の種類に適合
した方法(6.2参照)に従って調製しなければならない。
参考 空試験の際には,バックグラウンド溶液(4.9)20 mlを加える。
同時に数試料を分析する場合,操作が同じで同一の試薬瓶からの試薬を使うのであれば,1個の空試験
値で代表することができる。
同時に同一種類の鉱石の数試料を分析する場合は,1個の認証標準物質の分析値を使用することができ
る。
注 認証標準物質は,分析する試料と同一種類で,両者の性質が分析操作に重大な変更を必要としな
い程度によく類似したものにすべきである。
7.4 はかり採り試料 (test portion)
6.2に従って得られた事前乾燥試料から数インクリメントを採って,約0.5 gを0.0002 gのけたまではか
る。
注 はかり採り試料は,水分の再吸収を防ぐため迅速にはかり採るべきである。
7.5 定量
7.5.1 試料の分解
はかり採り試料(7.4)を150 mlのPTFE製ビーカー(5.1)に移し入れる。水数mlで湿らせ,塩酸(4.3)15 ml
を加え,時計皿で覆って静かに加熱する。沸騰直前の温度で反応が認められなくなるまで加熱分解する。
硝酸(4.4)5 mlを加え,10分間加熱する。時計皿を取りふっ化水素酸(4.8)3 mlを加えて,さらに10分間加
熱する。
水でビーカーの内壁を洗浄し,過塩素酸(4.7)5 mlを加える。ゆっくり加熱して過塩素酸の濃厚な白煙が
発生するまで蒸発させる。引き続き23分間白煙を発生させる。
溶液を冷却した後,水50 mlを加え,ゆっくり加熱して塩類を溶解する。
ち密なろ紙で溶液をろ過し,ろ液と洗液を100 mlの全量フラスコに入れる。ろ紙と残さは温水で十分に
洗浄する。最終溶液を冷却した後,水で標線まで薄めて混合する(これを試料溶液という。)。
注 この分解過程で多量の残さが出たとき又は残さの中に相当量の銅が含まれると思われるときは,
このような残さは無水炭酸ナトリウム(4.2)で強熱融解し,硝酸 (1+50) で融成物を溶解して別に
銅含有率を定量しなければならない。適切な空試験溶液もまた調製すべきである。不溶解残さ中
の銅含有率は,主溶液からの銅の結果と合算しなければならない。
参考 “ち密なろ紙”には,5種Cが相当する。
7.5.2 溶液の処理
もし,銅介有率が0.2% (m/m) [又は高感度の装置の場合は0.1% (m/m)]を超える場合,試料溶液は次
のように希釈する。
一定量(Xml,Xは20 ml未満であってはならない。)を分取して100 mlの全量フラスコに移し入れる。こ

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れに0.2 (100−X) lのバックグラウンド溶液(4.9)を加え,水で標線まで薄めて混合する(これを希釈試料
溶液という。)。もし銅含有率が0.2 %(m/m)[高感度の装置の場合は0.1 %(m/m)]より少ない場合は,主溶
液の吸光度測定を希釈なしで行う。
希釈試料溶液を使うときは,希釈空試験溶液を次のように調製する。
X mlの空試験溶液を分取して100 mlの全量フラスコに移し入れ,0.2 (100−X) mlのバックグラウンド
溶液(4.9)を加え,水で標線まで薄めて混合する。
注 高感度の装置では,もし銅含有率が0.1 %と0.2 % (m/m) の間にある場合,この希釈溶液をつくる
必要がある。もし高感度の装置で銅含有率が0.5 %と1 % (m/m) の間にある場合は,Xの値は10 ml
未満であってはならない。
7.5.3 検量線溶液の調製
試料中の予想銅含有率によって,標準溶液A(4.10.2)又は標準溶液B(4.10.3)を使用して検量線溶液を調製
する。銅が0.01 % (m/m) 1 % (m/m) の濃度範囲のときは,標準溶液A(4.10.2)を使用し,銅が0.003 %(m/m)
0.02 % (m/m) の濃度範囲のときは,標準溶液B(4.10.3)を使用する。
適切な標準溶液1.0 ml,3.0 ml,5.0 ml,7.0 ml及び10.0 mlをそれぞれ100 mlの全量フラスコに移し入
れ,バックグラウンド溶液(4.9)20.0 mlを加える。各溶液を水で標線まで薄めて混合する。別に100 mlの
全量フラスコにバックグラウンド溶液(4.9)20.0 mlを加え,水で標線まで薄め混合してゼロ検量線溶液を調
製する。
注 適応できる銅含有率の範囲は,装置によって異なる。(5.2)で示した装置基準の最低の値に注意を
払わなければならない。高感度の装置については,検量線は必要なだけ増加した量を用いれば標
準溶液Bだけで作成できる。
7.5.4 原子吸光光度計の調整
銅の波長 (324.7 nm) を最小吸光度が得られるようにセットし,読取り値を吸光度ゼロに合わせる。空
気・アセチレンフレームを点火する。10分間バーナーを予熱した後,水を噴霧し,もし必要ならば再度読
取り値を吸光度ゼロに合わせる。最大銅濃度の検量線溶液(7.5.3)を噴霧し,最大吸光度が得られるように
燃料ガス流量及びバーナー位置を調整する。吸光度ゼロが維持できる状態をチェックし,5.2の装置基準を
確認する。
水と最大銅濃度溶液の噴霧を繰り返して,吸光度の読取り値が変動しないことを確認した後,水に対す
る読取り値を吸光度ゼロに合わせる。
7.5.5 吸光度の測定
ゼロ検量線溶液と空試験又は希釈空試験溶液から始めて,検量線溶液,試料溶液又は希釈試料溶液を吸
光度が増加していくような順序で噴霧する。各溶液について安定した応答が得られたら,その読取り値を
記録する。各検量線及び試料溶液の噴霧の間には,水を噴霧する。測定は,少なくとも2回以上繰り返す。
必要ならば,各検量線溶液の読取り値の平均を吸光度に変換する。ゼロ検量線溶液の平均吸光度を差し
引いて,各検量線溶液の真 (net) の吸光度を求める。同様に,空試験又は希釈空試験溶液の吸光度を差し
引いて,試料溶液又は希釈試料溶液の真 (net) の吸光度を求める。
銅の濃度 最一 歛地替 検量線溶液の真 (net) の吸光度をプロットして,検量線を作成する。
検量線を用いて,試料溶液又は希釈試料溶液の真 (net) の吸光度を銅の濃度 最一 歙 換する。
8. 結果の表示
8.1 銅含有率の計算

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JIS M 8218:1997の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4693:1986(MOD)
  • ISO 5418-1:1994(MOD)

JIS M 8218:1997の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8218:1997の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISM8202:2015
鉄鉱石―分析方法通則