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附属書2 原子吸光法
附属書としてのまえがき
この附属書は,1992年第1版として発行されたISO 4688-1 (Iron ores−Determination of aluminium content−
Part 1 : Flame atomic absorption spectrometric method) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更するこ
となく作成したものである。
なお,この附属書で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
この附属書は,鉄鉱石中のアルミニウムをフレーム原子吸光法によって定量する方法について規定する。
この方法は,天然鉄鉱石,精鉱及び焼結鉱を含む塊成鉱のアルミニウムの含有量0.1% (m/m) 以上5.0%
(m/m) 以下の範囲のものに適用する。
参考 この方法は,硫化鉄焼鉱,スケール及びダスト又はこれらの粉粒状のものを加工した団鉱など
の鉄原料にも適用できる。
2. 引用規格
次に記載する規格は,本附属書の本文中で引用するのでこの規定の一部を構成する。本規格発行の時点
ではそれぞれの規格の発行版表示は正しいものであるが,国際規格はすべて改正されるものであるので,
本規格を使用することに合意した当事者は,常に最新版の規格を参照するよう努力されたい。IEC及びISO
のメンバーには最新の国際規格のリストが配布されている。
ISO 648 : 1977 Laboratory glassware−One-mark pipettes
ISO 1042 : 1983 Laboratory glassware−One-mark volumetric flasks
ISO 3081 : 1986 Iron ores−Increment sampling−Manual method
ISO 3082 : 1987 Iron ores−Increment sampling and sample preparation−Mechanical method
ISO 3083 : 1986 Iron ores−Preparation of samples−Manual method
ISO 7764 : 1985 Iron ores−Preparation of predried test samples for chemical analysis
3. 原理
試料を塩酸と少量の硝酸で処理して分解する。蒸発して二酸化けい素を脱水した後,希釈して,ろ過す
る。
残さを強熱し,ふっ化水素酸と硫酸とともに加熱,蒸発して二酸化けい素を除去する。炭酸ナトリウム
で融解し,冷却した後融成物をろ液に溶解する。
この溶液を一酸化二窒素バーナーを使用して原子吸光光度計のフレーム中に噴霧する。
アルミニウムの吸光度を測定し,検量線溶液の吸光度と比較して定量する。
4. 試薬
分析の際は,分析用保証試薬 (recognized analytical grade),蒸留水又はこれと同等の純度の水を使用する。
4.1 無水炭酸ナトリウム (Na2CO3)
4.2 塩酸(密度1.19g/ml)
――――― [JIS M 8220 pdf 11] ―――――
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4.3 硝酸(密度1.4g/ml)
4.4 塩酸(密度1.19g/ml),希釈液1+9
4.5 ふっ化水素酸,40% (m/m),(密度1.13g/ml)又は48% (m/m),(密度1.185g/ml)
4.6 硫酸(密度1.84g/ml),希釈液1+1
4.7 バックグラウンド溶液
アルミニウム含有量0.002% (m/m) 未満の高純度鉄10.0gを塩酸(4.2)50mlに溶解し,硝酸(4.3)を滴加して
酸化する。蒸発してシロップ状まで濃縮する。塩酸(4.2)20mlを加え,水で200mlに薄める。炭酸ナトリウ
ム(4.1)17gを水に溶かして加え,全量フラスコ (one-mark volumetric flask) を用い水で1 000mlに薄める。
4.8 標準アルミニウム溶液,500 最 一
高純度アルミニウム [99.9% (m/m) ] 0.500 0gを塩酸(4.2)25gに溶解する。冷却し,1 000mlの全量フラス
コへ移し入れ,水で標線まで薄めて混合する。
4.9 アルミニウム検量線溶液
標準アルミニウム溶液(4.8)2.0ml,5.0ml,10.0ml,20.0ml,40.0ml及び50.0mlを200mlの全量フラスコ
に分取する。約100mlに薄め,塩酸(4.2)6mlとバックグラウンド溶液(4.7)60mlを加える。バックグラウン
ド溶液(4.7)60mlを200mlの全量フラスコへ移し入れ,塩酸(4.2) 6mlを加えてアルミニウムを含まない検量
線溶液を調製する。水で標線まで薄め,混合する(高感度な装置の場合には標準溶液の分取量を少なくし
てもよい。)。
5. 装置
通常の分析用器具及び以下の物を使用する。
5.1 白金るつぼ 容量30ml
5.2 マッフル炉 1 100℃まで昇温可能なもの
5.3 原子吸光光度計 一酸化二窒素・アセチレン用バーナーを備えたもの。
注 爆発事故を防ぐため,一酸化二窒素・アセチレンフレームの点火と消火は,製造業者の指示書に
従って行う。フレームが点火しているときは,常に色つきの安全眼鏡をかける。
この方法で使用する原子吸光光度計は,以下の装置基準を満足しなければならない。
a) 最低感度−検量線最高濃度の溶液(4.9参照)で,吸光度が少なくとも0.3あること。
b) 検量線の直線性−検量線の上部20%範囲のこう配(吸光度の変化で表す。)と,同じやり方で算出し
た下部20%範囲のこう配の比が,0.7以上であること。
c) 最小安定性 (minimum stability) −検量線最高濃度溶液とゼロ検量線溶液をそれぞれ十分な回数の繰
返し測定をして,得た標準偏差がそれぞれ最高濃度溶液の平均吸光度の1.5%,0.5%以下であること。
参考 最小安定性の求め方
最高濃度の検量線溶液をn回噴霧し,個々の吸光度の読みAAiを求めて,平均値 Aを計算す
A
る。
最低濃度の検量線溶液(ゼロ検量線溶液を除く。)をn回噴霧し,個々の吸光度の読みABiを
求めて,平均値 Aを計算する(nは10回以上)。
B
最高及び最低濃度の検量線溶液の各々の標準偏差sA及びsBを,次の式で計算する。
(AAi−AA ) 2
sA=
n−1
――――― [JIS M 8220 pdf 12] ―――――
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(ABi−AB ) 2
sB=
n−1
最高及び最低濃度の検量線溶液の各々の最小安定性は, sA /
100A A 及び sB /
100A A の式で求
める。
注1 上記の装置基準の評価及び/又は以下のすべての測定には,チャート式記録装置とデジタル表
示装置の併用又はいずれか一方を用いることが推奨される。
注2 測定条件は装置ごとに変わる。以下に示す測定条件は,数箇所の分析室で支障なく用いられた
条件であり,操作の指針として用いることができる。測定溶液は,プレミックスバーナーの一
酸化二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧される。
アルミニウム中空陰極ランプの電流,mA 25
波長,nm 396.2
一酸化二窒素の流量,l/min 13.8
アセチレンの流量,l/min 6.6
上に示したガス流量が適用できない装置においても,一酸化二窒素とアセチレンのガス流量の比率は操
作の有効な指針となるであろう。
参考 装置基準については,JIS M 8202(鉄鉱石−分析方法通則)の解説を参照すること。
6. サンプリング及び試料
6.1 分析用試料 (laboratory sample)
分析には,ISO 3081又はISO 3082に従って採取され,ISO 3082又はISO 3083に従って調製された粒度
−100 析用試料を用いる。化合水又は酸化しやすい化合物の含有量が基準より高い (significant
contents) 鉱石の場合には,粒度−160 いる。
注3 化合水及び酸化しやすい化合物の基準含有量 (significant contents) についてのガイドラインは,
ISO 7764に記されている。
参考 化合水及び酸化しやすい化合物の含有量については,JIS M 8202に記載されている。
6.2 事前乾燥試験試料 (predried test samples) の調製
分析用試料を十分に混合し,容器の全量を代表するように数インクリメントで分析試料を採取する。分
析試料をISO 7764に従って105±2℃で乾燥する(これを事前乾燥試料という。)。
7. 操作
7.1 分析回数
分析は,事前乾燥試料1個について,附属書2Aに従って少なくとも独立に2回の分析を行う。
注4 “独立に”という表現は,2度目又は続いて行った分析結果が以前の結果によって影響を受けな
いことを意味する。特にこの方法では,この条件は操作の繰返しが,同一人が異なった時間に
又は,異なった人によって,いずれの場合も適切な再校正を含めて行われなければならないこ
とを意味する。
7.2 はかり採り試料 (test portion)
6.2に従って得られた事前乾燥試料から数インクリメントを採って,約1gを0.000 2gのけたまではかる。
注5 はかり採り試料は,水分の再吸収を避けるため迅速にはかり採らなければならない。
7.3 空試験及びチェック試験
――――― [JIS M 8220 pdf 13] ―――――
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1回の定量について空試験を1個と同一種類の鉄鉱石認証標準物質の1個を分析試料と併行して同一条
件で分析しなければならない。認証標準物質の事前乾燥試料は,6.2に従って調製しなければならない。
注6 認証標準物質は,分析試料と同一種類で,両者の性質が分析操作に重大な変更を必要としない
程度によく類似したものでなければならない。
参考 空試験の際には,バックグラウンド溶液(4.7)10mlを加える。
同時に数試料を分析する場合,操作が同じで同一の試薬瓶からの試薬を使うのであれば,1個の空試験
値で代表することができる。
同時に同一種類の鉱石の数試料を分析する場合は,1個の認証標準物質の分析値を使用することができ
る。
7.4 定量
7.4.1 試料の分解
はかり採り試料(7.2)を250mlのビーカーに移し入れる。水数mlで湿らせ,塩酸(4.2)25mlを加え,時計
皿で覆って静かに加熱する。沸騰直前の温度で反応が認められなくなるまで加熱分解する。硝酸(4.3)2ml
を加え,数分間分解する。時計皿を取り去り,溶液を蒸発させて乾固する。
塩類を105110℃の熱板上で30分間加熱する。塩酸(4.2)5mlを加え,ビーカーを時計皿で覆い,数分間
加熱する。水50mlを加え,沸騰させ,時計皿とビーカーの内壁を洗浄し,この溶液を一般定量用ろ紙を
用いて250mlのビーカーへろ過する。ビーカーに付着している粒子はゴム帽付きガラス棒又は湿らせたろ
紙を用いて完全に取り除く。塩酸(4.4)で3回洗浄した後,熱水でろ紙から鉄が認められなくなるまで洗浄
する。ろ紙と沈殿を白金るつぼ(5.1)に移し入れる。ろ液を加熱蒸発し約100mlとして保存する。
7.4.2 残さ処理
白金るつぼ(5.1)中のろ紙と残さを低温部 (500800℃) で加熱する。冷却し,水数滴で湿らせ,硫酸(4.6)3,
4滴とふっ化水素酸(4.5)10mlを加える。徐々に蒸発させて二酸化けい素を揮散した後,白煙を発生させ過
剰の硫酸を除去する。約700℃で強熱する。残さに炭酸ナトリウム(4.1)1.0gを加え(注7参照),るつぼに
ふたをかぶせ,バーナー又はマッフル炉(5.2)中で透明な融成物が得られるまで融解する(約1 100℃で15
分間)。
注7 この融解が困難な場合は,炭酸ナトリウム(4.1)2gを使用し,塩酸(4.2)も2倍量使用する。この場
合は,バックグラウンド溶液(4.7)も2倍量の炭酸ナトリウムと塩酸を用いて調製する。
7.4.3 試料溶液の調製
冷却した融成物を7.4.1で保存したろ液に溶解し,るつぼを取り出して洗浄し,ふたをする(注8参照)。
注8 この段階で溶液が濁っている場合は,多量のチタンが加水分解していることを示している。こ
の場合は,200mlの全量フラスコへ移す前にろ過すべきである。
この溶液を200mlの全量フラスコへ移し入れ,水で標線まで薄めて,混合する。分析試料中のアルミニ
ウム含有量が0.1% (m/m) 2.5% (m/m) の場合はこの試料溶液をそのまま原子吸光測定に使用する。アル
ミニウム含有量が2.5% (m/m) を超える場合は,40ml(注9参照)を分取して200mlの全量フラスコへ移
し入れ,バックグラウンド溶液 (4.7)50mlと塩酸(4.2)4mlを加える。水で標線まで薄めて混合する(この溶
液を希釈試料溶液という。)。
注9 高感度の装置に対しては,試料溶液の分取量を少なくすることが望ましい。この場合には,バ
ックグラウンド溶液(4.7)と塩酸(4.2)の量を調製すべきである。
空試験溶液40mlを分取して200mlの全量フラスコへ移し入れ,バックグラウンド溶液(4.7)50mlと塩酸
(4.2)4mlを加える。水で標線まで薄めて混合する(この溶液を希釈空試験溶液という。)(注10参照)。
――――― [JIS M 8220 pdf 14] ―――――
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注10 試料溶液は空試験溶液と一緒に測定し,希釈試料溶液は希釈空試験溶液と一緒に測定すべきで
ある。
7.4.4 原子吸光光度計の調整
一酸化二窒素専用のバーナーを取り付け,製造業者の操作指示書に従ってフレームを点火する。アルミ
ニウムの波長 (396.2nm) を合わせ,吸光度が最小となるようにセットする。バーナーを10分間余熱した
後,最高濃度の検量線溶液(4.9)を噴霧しながら吸光度が最大となるように燃料ガスとバーナーを調製し,
次に5.3に定める装置基準を確認する。
水と最高濃度の検量線溶液を噴霧して吸光度の読取り値が変動していないことを確認した後,水に対す
る読み値を吸光度ゼロに合わせる。
7.4.5 吸光度の測定
始めに空試験溶液又は希釈空試験溶液を噴霧した後,検量線溶液(4.9)及び試料溶液(7.4.3参照)を吸光
値が増加していくような順序で噴霧する。各溶液について安定した応答が得られたら,その読み値を記録
する。試料溶液又は希釈試料溶液を一連の検量線溶液の測定の適切な箇所で噴霧する。検量線溶液と試料
溶液の各溶液の噴霧の間には水を噴霧する。
この測定を少なくともさらに2回繰り返す。
必要なら,各検量線溶液の読み値の平均値を吸光度に変換する。ゼロ検量線溶液の平均吸光度を差し引
いて,各検量線溶液の真 (net) の吸光度を求める。同様に,空試験溶液又は希釈空試験溶液の吸光度を差
し引いて,試料溶液又は希釈試料溶液の真 (net) の吸光度を求める。検量線溶液の真 (net) の吸光度とア
ルミニウムの 最一 係をプロットして,検量線を作成する(試料溶液,又は希釈した場合は希釈試料
溶液が最終試料溶液である。)。
検量線を用いて,最終試料溶液の真 (net) の吸光度をアルミニウムの 最一 正 算する。
8. 結果の表示
8.1 アルミニウム含有量の計算
アルミニウム含有量(質量百分率)は,次の式を用いて小数点以下4けたまで計算する。
A1 200
wA1 %(m / m)=
m 10 000
A1
= (1)
m 50
ここに, 最終試料溶液のアルミニウム濃度 (最一
m : 最終試料溶液200mlに含まれる試料の質量 (g)
8.2 結果の一般的処理
8.2.1 精度 (repeatability) 及び許容差
この分析方法の精度は,次の回帰式で表される1)。
r=.00290 X+.00230 (2)
P=.00541 X+.00703 (3)
r=.00102
X+.00081 (4)
(pdf 一覧ページ番号 )
L=.00177 X+.00241
ここに, X : 分析試料のアルミニウム含有量を質量百分率で表したもの
1) 追加の情報は,附属書2A及び附属書2Cに記載されている。
――――― [JIS M 8220 pdf 15] ―――――
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JIS M 8220:1995の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4688-1:1992(MOD)
- ISO 6830:1986(MOD)
JIS M 8220:1995の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石