JIS M 8246:2015 マンガン鉱石―マグネシウム定量方法 | ページ 2

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M 8246 : 2015

5.6 検量線の作成

a) 100 mLの全量フラスコ7個を用意し,それぞれにマグネシウム標準液(Mg : 10 μg/mL)(5.2.12)を0,
2.0,4.0,6.0,8.0,10.0及び15.0 mLを添加し,更に塩化ランタン(III)溶液(La : 100 mg/mL)(5.2.10)
5 mL及びバックグラウンド溶液(5.2.9)20 mLを加え,水で標線までうすめて検量線溶液とする。
b) 5.4.4に従って,検量線溶液の吸光度を測定し,得た吸光度と加えたマグネシウム量との関係線を作成
し,その関係線が原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.7 計算

5.7.1  マグネシウム含有率の算出
マグネシウム含有率の算出は,次のいずれかによる。
a) 試料中のマグネシウム含有率が0.05 %(質量分率)未満の場合 5.6で作成した検量線に,5.4.4及び
5.5で得た吸光度を挿入して,それぞれのマグネシウム量を求め,試料中のマグネシウム含有率を,次
の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
A1 A2
Mg= 100
m1
ここに, Mg : 試料中のマグネシウム含有率[%(質量分率)]
A1 : 測定溶液中のマグネシウム検出量(g)
A2 : 空試験液中のマグネシウム検出量(g)
m1 : 試料はかりとり量(g)
b) 試料中のマグネシウム含有率が0.05 %(質量分率)以上の場合 5.6で作成した検量線に,5.4.4及び
5.5で得た吸光度を挿入して,それぞれのマグネシウム量を求め,試料中のマグネシウム含有率を,次
の式によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
A3−A4
Mg= 100
1 V1
m2
10 100
ここに, Mg : 試料中のマグネシウム含有率[%(質量分率)]
A3 : 測定溶液中のマグネシウム検出量(g)
A4 : 空試験液中のマグネシウム検出量(g)
V1 : 希釈した溶液の分取量(mL)
m2 : 試料はかりとり量(g)
5.7.2 酸化マグネシウム含有率の算出
酸化マグネシウム含有率[%(質量分率)]として表す場合は,5.7.1で算出した値から,次の式によっ
て算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
MgO 1.6583
ここに, MgO : 酸化マグネシウム含有率[%(質量分率)]
Mg : 5.7.1で算出した値[%(質量分率)]

6 ICP発光分光分析法

6.1 要旨

  試料を塩酸,硝酸及びふっ化水素酸で分解し,過塩素酸を加え,過塩素酸の白煙を発生させた後,ろ過
する。不溶解残さはろ紙とともに強熱し,融解合剤又は二硫酸ナトリウムで融解してろ液と合わせる。こ
の溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,マグネシウムの発光強度を測定する。

――――― [JIS M 8246 pdf 6] ―――――

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6.2 試薬

  試薬は,次による。
6.2.1 塩酸
6.2.2 塩酸(1+1,1+50)
6.2.3 硝酸
6.2.4 過塩素酸
6.2.5 ふっ化水素酸
6.2.6 過酸化水素
6.2.7 二硫酸ナトリウム
6.2.8 亜硫酸水素ナトリウム溶液(100 g/L)
6.2.9 融解合剤(炭酸ナトリウム2,ほう酸1)
6.2.10 マンガン溶液(Mn : 25 mg/mL) マンガン[マグネシウム含有率0.005 %(質量分率)以下]6.25
gをはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,時計皿を少しずらして塩酸(1+1)80 mL
及び硝酸10 mLを少量ずつ加え,加熱してマンガンを分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水
で洗って時計皿を取り除き,250 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
6.2.11 鉄溶液(Fe : 10 mg/mL) 鉄[マグネシウム含有率0.005 %(質量分率)以下]2.5 gをはかりと
ってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,時計皿を少しずらして塩酸(1+1)50 mLを少量ず
つ加え,加熱して鉄を分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,250
mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
6.2.12 マグネシウム標準液(Mg : 1 mg/mL) 調製方法は,JIS K 8001のJA.3(標準液)の表JA.4[標
準液(原子吸光法,炎光光度法及びICP発光分光分析法用)]による。保存方法は,JIS K 8001のJA.3 d)
[標準液(1 mg/mL,0.1 mg/mL及び0.01 mg/mL)の保存]に従って,ポリエチレン製の容器に保存する。
6.2.13 マグネシウム標準液A(Mg : 500 μg/mL) 使用の都度,マグネシウム標準液(Mg : 1 mg/mL)(6.2.12)
を必要量だけ水で正しく2倍にうすめる。
6.2.14 マグネシウム標準液B(Mg : 50 μg/mL) 使用の都度,マグネシウム標準液(Mg : 1 mg/mL)(6.2.12)
を必要量だけ水で正しく20倍にうすめる。

6.3 試料はかりとり量

  試料はかりとり量は,0.50 gとし,0.1 mgの桁まではかる。

6.4 操作

    警告 過塩素酸の蒸気は,アンモニア,亜硝酸蒸気又は有機物が存在すると爆発する危険があるので,
過塩素酸を使用する場合には,過塩素酸を使用しても安全な排気設備を備えた場所で処理しな
ければならない。
6.4.1 試料の分解
試料の分解は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとってポリテトラフルオロエチレン(以下,PTFEという。)製のビーカー(200 mL)に
移し入れ,少量の水で湿した後,PTFE製の時計皿で覆う。
b) 時計皿を少しずらして,塩酸(1+1)20 mL及び硝酸5 mLを加え,加熱する。反応が治まったら,
ふっ化水素酸10 mLを加え,引き続き加熱して分解する。
c) 放冷した後,時計皿の下面を水で洗って,時計皿を取り除く。過塩素酸15 mLを加え,加熱して過塩
素酸の濃厚な白煙を約10分間発生させた後,放冷する。

――――― [JIS M 8246 pdf 7] ―――――

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d) 塩酸15 mL及び水1015 mLを加え,かき混ぜながら,マンガン酸化物が溶けるまで亜硫酸水素ナト
リウム溶液(100 g/L)又は過酸化水素を滴加し,時計皿で覆い,加熱して亜硫酸又は過酸化水素を分
解する。
e) 放冷した後,時計皿の下面を水で洗って,時計皿を取り除き,ろ紙(5種B)を用いてビーカー(300
mL)にろ過する。ビーカーに付着している不溶解残さは,ポリスマンを用いてこすり落とし,水でろ
紙上に移し入れる。ろ紙及び不溶解残さを塩酸(1+50)で4,5回,次いで温水でろ紙の黄色が消え
るまで洗浄する。ろ液及び洗液は主液として保存する。
6.4.2 不溶解残さの処理
不溶解残さの処理は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1 e)で得た不溶解残さをろ紙とともに白金るつぼ(30 mL)に移し入れ,徐々に加熱してろ紙を灰
化した後,約600 ℃で加熱する。放冷した後,融解合剤(炭酸ナトリウム2,ほう酸1)2.0 g又は二
硫酸ナトリウム2.0 gを加え,白金製の蓋をして,始めは徐々に加熱して融解し,続いて,約1 000 ℃
で約5分間加熱する。
b) 放冷した後,6.4.1 e)で保存していた主液に白金るつぼ及び蓋を入れ,加熱して融成物を溶解する。白
金るつぼ及び蓋を少量の水で洗ってビーカーから取り出す。
c) 常温まで冷却した後,250 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。この溶
液を試料溶液とする。
なお,沈殿が生成した場合は,乾燥したろ紙(5種A)を用いて乾燥した100 mL全量フラスコに必
要な分だけろ過して使用する。
6.4.3 測定溶液の調製
測定溶液の調製は,次のいずれかによる。
a) 試料中のマグネシウム含有率が0.1 %(質量分率)未満の場合 6.4.2 c)で得た試料溶液を測定溶液と
する。
b) 試料中のマグネシウム含有率が0.1 %(質量分率)以上の場合 6.4.2 c)で得た試料溶液を25 mL分取
して100 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線までうすめ,測定溶液とする。
6.4.4 発光強度の測定
6.4.3のa)又はb)で得た測定溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,マグ
ネシウムの発光強度を測定する。マグネシウムの分析線として,例えば,波長279.55 nm,279.64 nm,280.27
nm,385.29 nmなどがある。

6.5 空試験

  PTFE製のビーカー(200 mL)に,試料に含まれるマンガン及び鉄と同量のマンガン溶液(Mn : 25 mg/mL)
(6.2.10)及び鉄溶液(Fe : 10 mg/mL)(6.2.11)をとり,PTFE製の時計皿で覆う。以下,6.4.1のb) e)
及び6.4.26.4.4の手順に従って,試料と同じ操作を,試料と併行して行う。この溶液を空試験液とする。

6.6 検量線の作成

  検量線の作成は,次のいずれかによって行う。
a) 試料中のマグネシウム含有率が0.1 %(質量分率)未満の場合
1) 数個のPTFE製のビーカー(200 mL)を準備し,それぞれに試料に含まれるマンガン及び鉄と同量
のマンガン溶液(Mn : 25 mg/mL)(6.2.10)及び鉄溶液(Fe : 10 mg/mL)(6.2.11)をとる。
2) マグネシウム標準液B(Mg : 50 μg/mL)(6.2.14)010 mLを段階的に正確に加え,PTFE製の時計
皿で覆う。

――――― [JIS M 8246 pdf 8] ―――――

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3) 6.4.1のb) e),6.4.2及び6.4.3 a)の手順に従って,試料と同じ操作をする。これらの溶液中のマグ
ネシウム量は,0500 μgに相当する。
4) この溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,試料と同じ波長を用いて
マグネシウムの発光強度を測定溶液と併行して測定し,その発光強度とマグネシウム量との関係線
を作成して検量線とする。
b) 試料中のマグネシウム含有率が0.1 %(質量分率)以上の場合
1) ) 1)の手順に従って行う。
2) マグネシウム標準液A(Mg : 500 μg/mL)(6.2.13)010 mLを段階的に正確に加え,PTFE製の時
計皿で覆う。
3) 6.4.1のb) e),6.4.2及び6.4.3 b)の手順に従って,試料と同じ操作をする。これらの溶液中のマグ
ネシウム量は,0500 μgに相当する。
4) 以下,a) 4) の手順に従って行う。

6.7 計算

6.7.1  マグネシウム含有率の算出
マグネシウム含有率の算出は,次のいずれかによって行う。
a) 試料中のマグネシウム含有率が0.1 %(質量分率)未満の場合 6.4.4及び6.5で得た発光強度と6.6 a)
で作成した検量線とから,マグネシウム量を求め,試料中のマグネシウム含有率を,次の式によって
算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
A5−A6
Mg= 100
m3
ここに, Mg : 試料中のマグネシウム含有率[%(質量分率)]
A5 : 測定溶液中のマグネシウム検出量(g)
A6 : 空試験液中のマグネシウム検出量(g)
m3 : 試料はかりとり量(g)
b) 試料中のマグネシウム含有率が0.1 %(質量分率)以上の場合 6.4.4及び6.5で得た発光強度と6.6 b)
で作成した検量線とから,マグネシウム量を求め,試料中のマグネシウム含有率を,次の式によって
算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
A7−A8
Mg= 100
25
m4
100
ここに, Mg : 試料中のマグネシウム含有率[%(質量分率)]
A7 : 測定溶液中のマグネシウム検出量(g)
A8 : 空試験液中のマグネシウム検出量(g)
m4 : 試料はかりとり量(g)
6.7.2 酸化マグネシウム含有率の算出
酸化マグネシウム含有率[%(質量分率)]として表す場合は,6.7.1で算出した値から,次の式によっ
て算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
MgO 1.6583
ここに, MgO : 酸化マグネシウム含有率[%(質量分率)]
Mg : 6.7.1で算出した値[%(質量分率)]

――――― [JIS M 8246 pdf 9] ―――――

    8
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M8
2
附属書JA
24
(参考)
6 : 2
JISと対応国際規格との対比表
015
JIS M 8246:2015 マンガン鉱石−マグネシウム定量方法 ISO 7953:1985,Manganese ores and concentrates−Determination of calcium and
magnesium contents−Flame atomic absorption spectrometric method
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
3 一般事 JIS M 8203を引用 2 変更
ISO 4297(Manganese ores JIS M 8203の対応国際規格は −
項 and concentrates−Methods ISO 4297であるが,技術的差
of chemical analysis− 異はない。
General instructions)を引

4 定量方 a) 原子吸光分析法 1 原子吸光分析法 変更 JISでは,ISO/TC65マンガン ISOへの提案を検討する。
法の区分 マグネシウム含有 マグネシウム含有率 鉱石含有率国際アンケート集
率0.01 %(質量分 0.01 %(質量分率)以上 計表から定量上限を6.0 %(質
率)以上6.0 %(質 4.0 %(質量分率)以下 量分率)以下とした。
量分率)以下
5 原子吸 5.2.11 マグネシウ 4.11 マグネシウム標準液 変更 ISO規格は,マグネシウム標準JISは,JIS K 8001の調製方法を
光分析法 ム標準液(Mg : 1 引用した。
液の調製方法を記載している。
mg/mL)
5.3 試料はかりとり 7.1 2.0 g 変更 ISO規格2.0 gでは,試料分解 ISOへの提案を検討する。
量 時に不溶解物の発生があるの
で,JISでは0.50 gとした。
5.4.2 不溶解残さの 7.2.2 変更 JISでは加熱温度を明確にし −
処理 た。
5.4.3 測定溶液の調 7.2.3 ISO規格では,測定溶液 変更 JISでは,試料はかりとり量をISOへの提案を検討する。
製 の調製方法を表で記載 変更したため,希釈方法を変更
し,分かりやすいように2段階
に分けて記載した。

――――― [JIS M 8246 pdf 10] ―――――

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JIS M 8246:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7953:1985(MOD)

JIS M 8246:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8246:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISM8203:2017
マンガン鉱石―分析方法通則
JISZ8401:2019
数値の丸め方