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Q 0033 : 2019 (ISO Guide 33 : 2015)
0035に記載がある。
注記3 JIS Q 0031[17]は,標準物質認証書の概念に関する指針を示している。
注記4 ISO/IEC Guide 99:2007に,類似の定義(5.14)がある。
(出典 : JIS Q 0030)
3.3
特性値(property value)
標準物質の物理的,化学的又は生物学的特性を表す量に対応した値。
(出典 : JIS Q 0030)
3.4
認証値(certified value)
標準物質認証書で特定されている,不確かさの記載及び計量トレーサビリティの記載を伴っている標準
物質の特性に付与された値。
(出典 : JIS Q 0030)
3.5
参考値(indicative value,information value,informative value)
単に参考情報として提供される標準物質の量又は特性の値。
注記 計量トレーサビリティの連鎖の過程において,参考値を使用することはできない。
(出典 : JIS Q 0030)
3.6
校正用標準物質(calibrant)
装置の校正又は測定手順に使用される標準物質。
(出典 : JIS Q 0030)
3.7
品質管理用物質(quality control material)
測定の品質管理のために使用される標準物質。
(出典 : JIS Q 0030)
4 記号
この規格で用いる主な記号は,次による。
α 第一種の誤りのリスク(第一種の過誤)
β 第二種の誤りのリスク(第二種の過誤)
χ2 カイ二乗
d 測定のかたより
k 包含係数
sw 繰返しの観測から計算された標準偏差
σwo 要求される試験所内標準偏差
u() 括弧内のパラメータの標準不確かさ
U() 括弧内のパラメータの拡張不確かさ
uCRM 認証標準物質の認証値に付随する標準不確かさ
umeas (標準物質の)測定値に付随する標準不確かさ
――――― [JIS Q 0033 pdf 6] ―――――
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Q 0033 : 2019 (ISO Guide 33 : 2015)
uprep 校正用標準物質の調製値に付随する不確かさ
xCRM 認証標準物質の認証値
xmeas (標準物質の)測定値
xprep 校正用標準物質の調製値
x 繰返しの観測の平均値
5 取決め
この規格では,次の取決めを使用する。
5.1 測定対象量は,未知であるが唯一の“真の値”が存在するように規定する。
5.2 この規格で使用する全ての統計的方法は,次の仮定に基づいている。
a) 認証値は,認証標準物質の特性の真の値の最良推定値である。
b) 全てのばらつきは,それが物質(すなわち,均質性)又は測定プロセスに関係するのであればランダ
ムであり,正規確率分布に従う。この規格に記載する確率の値は,正規性を仮定している。正規性か
らの逸脱がある場合,確率は異なる可能性がある。
5.3 この規格で用いる“認証標準物質”の概念は,計量トレーサビリティ又は測定の不確かさの表明を
伴った特性値をもつ標準物質も含んでいる。これらの特性値は,JIS Q 17034[1]及びJIS Q 0035[2]に記載さ
れている値付けを通じて得られると仮定する。
5.4 この規格で標準物質という用語を使用する場合は,記載された目的のためにいかなる標準物質も使
用できることを意味している。認証標準物質の使用は任意であるが,通常,最も経済的な選択肢ではない。
実際には,多くの場合,特性値,不確かさ及びトレーサビリティの表明なしに提供される標準物質が使用
される。
5.5 “参考値”,“参考情報”又は“情報提供のため”として与えられる値は,校正又は他の物質への値
の付与のような,測定対象量に値の付与を必要とする計量学的用途での使用には適さないと考えられる。
同様に,計量トレーサビリティ又は測定の不確かさの表明の対象ではないと明示されている値も,この用
途には適さないと考えられる。ただし,これらの値は,ある標準物質が,精度の管理又は特性値を必要と
しない他の用途に適しているかどうかを検証するために有用である。
5.6 この規格の全体にわたって,不確かさの伝ぱ(播)則を使用している。不確かさの伝ぱの他の方法
も同様に使用でき,場合によっては,用途の状況によってそうした代替方法が必要とされる。これらに関
する詳しい指針は,GUM及びその補完文書に示されている。
6 標準物質及び測定におけるその役割
6.1 標準物質の一般的用途
6.1.1 標準物質,特に認証標準物質は,次の目的のために広く使用されている。
− 機器の校正(箇条10)
− 計量トレーサビリティの確立(箇条9,箇条10及び箇条11)
− 方法の妥当性確認(箇条8及び箇条9)
− 他の物質に対する値の付与(箇条11)
− 測定又は測定手順の品質管理(箇条8及び箇条9)
− 取決めによる目盛の維持(箇条12)。
――――― [JIS Q 0033 pdf 7] ―――――
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Q 0033 : 2019 (ISO Guide 33 : 2015)
図1に,サンプリング及び試料調製を含む測定の概要を示す。認証標準物質の役割も示されている。
開始
測定の定義
サンプリング
マトリックス
試料調製
認証標準物質
校正用の認
機器の校正
証標準物質
試料の測定
データ評価
結果の計算
測定の不確か
さ評価
品質管理基準 No
が満たされて
いるか?
Yes
報告
停止
図1−測定及びそこでの認証標準物質の役割の概要図
――――― [JIS Q 0033 pdf 8] ―――――
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Q 0033 : 2019 (ISO Guide 33 : 2015)
6.1.2 試験所の品質システムに関する規格,例えば,JIS Q 17025[4]及びISO 15189[5]は,測定結果が計量
学的にトレーサブルであること,及び測定機器が校正されていることを要求している。計量トレーサビリ
ティは,比較可能及び両立可能な測定結果を得るための必要条件である。
例 体積分率12 %のアルコールを含むワインは,体積分率13.5 %のアルコールを含む他のワインと比
較することができる。
6.1.3 一般的には,適切な単位で表現された測定結果は,比較可能であると当然のように考えられている。
測定データに対するこの期待を満足するため,各試験所は,関連する単位への計量トレーサビリティが確
保されている測定標準を用いて,全ての機器が正しく校正されていることを確実にすることが望ましい。
多くの場合,この単位は,国際単位系であるSIの一部である。
6.1.4 標準物質の一般的な用途及び相互参照できる標準物質の主要な要件の総括リストを,附属書Aに
示す。
6.2 特性値
6.2.1 一般
6.2.1.1 認証標準物質は,一つ以上の特性に関して値付けされている。これらの特性値は,次の内容を伴
う。
a) 対象とする特性の明確な仕様
b) 不確かさの表明
c) 計量トレーサビリティの表明
d) 標準物質認証書の有効期間
使用者は,この情報が全て明瞭な形式で利用できることを検証することが望ましい。
6.2.1.2 この規格において認証標準物質の使い方として示されたものには,参考値を用いることは望まし
くはない。
注記 参考値として実際に用いられる専門用語は,必ずしもこの規格と一致しているとは限らない。
6.2.2 特性の仕様
6.2.2.1 対象となる特性の明瞭な仕様は,認証標準物質が目的とする用途に適切であるかどうかを決める
ために役立つ。認証標準物質の使用者は,意図する目的に対して物質の適切さを評価する責任がある。
例 土壌中の微量元素に関して,その微量元素が全含有量であるのか,不完全な分解によって得られ
た成分なのか,ろ過できる成分なのか,又はその微量元素を含む特定の化学種なのかを明確にす
ることは重要である。
6.2.2.2 特性値は,適切な単位,好ましくはSI単位で与えることが望ましい。また,特性値の桁数は,少
なすぎると精確さが失われ,多すぎると精確さに誤った印象を与えるため,適切な桁数で与えることが望
ましい。
注記 GUM(ISO/IEC Guide 98-3:2008の箇条7)には,測定結果及び付随する不確かさの丸め方に関
する手引がある。
6.3 不確かさの表明
6.3.1 不確かさの表明は,容易に理解できることが望ましい。考慮すべきことの中で,表明された不確か
さを標準不確かさに変換するための全ての情報を利用できることが必要である。拡張不確かさが与えられ
る場合には,適切な包含係数があればよい。
例 混合ガスの校正証明書には,一酸化炭素の物質量分率は,式(1)のように記載される。
――――― [JIS Q 0033 pdf 9] ―――――
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Q 0033 : 2019 (ISO Guide 33 : 2015)
xCO = (41 122±28) μmol/mol (k = 2) (1)
拡張不確かさは,28 μmol/molである。標準不確かさは,式(2)を用いて得られる。
28
u μmol mol−1 = 14 μmol mol−1 (2)
2
6.3.2 包含区間が与えられる場合には,記載された区間の包含確率(例えば,95 %)を含めて,特性値の
(仮定した)確率密度関数を規定することが望ましい。このような区間は,非対称である可能性がある。
時には,例えば,適切な包含係数に関する追加の仮定を行うことが必要である。このような場合,GUM
(ISO/IEC Guide 98-3:2008の6.3)に従うことが望ましい。
例 ガス用炭の中の炭素含有量の認証値は,760.1 mg/gであり,その不確かさは2.1 mg/gであると標
準物質認証書に記載されている。不確かさの表明には,次のような脚注が追加されている。“不確
かさは95 %信頼区間として表されている。これは,校正目的のために標準物質が用いられる場合
に適用可能である。”例えば,ここでの認証報告書に,認証値が試験所間の実験によって得られた
ことが示されている場合,正規分布を仮定することは妥当である。95 %信頼区間の半値幅は,標
準偏差の1.96倍に等しい。しかし,95.45 %水準の信頼をもつ正規分布に対応するであろう(包
1.2
含)係数2を用いるのと実際的な違いはない。標準不確かさは,u mg/g = 1.05 mg/gに
2
よって得られる。
6.3.3 表明された不確かさは,特性値と同じ単位で与えるか,相対値(すなわち,相対不確かさ)として
表すことが望ましい。このような相対値を用いる場合には,特性値と同じ単位の不確かさへ変換する方法
を明確にすることが望ましい。
注記 百分率,千分率,百万分率(ppm)のような相対値を利用する場合,単位が不明確なため,単
位を明確にすることが望ましい。
6.3.4 認証標準物質には,認証された特性,その値及び附随する不確かさなどを記載した標準物質認証書
が添付されている(6.2.1.1参照)。特性値に付随する不確かさがどのようにして確立されたのかを説明す
ることは,この規格の範囲を越えているが,可能性のある主要因を理解することは重要である。
注記1 特性値の不確かさのバジェットの確立に関する詳細は,JIS Q 0035 [2] に示されている。
認証標準物質の特性値に付随する不確かさに対する主要因には,次が含まれる[2]。
− 値付けによる不確かさ
− 長期安定性に起因する不確かさ
− 輸送条件下における安定性(短期安定性)に起因する不確かさ
− ユニット間のばらつきに起因する不確かさ
注記2 対応国際規格では,between-bottleとしているが,この規格では,JIS Q 17034,JIS Q 0030な
どと整合させるために“ユニット間”と記載している。
6.3.5 不確かさのバジェットの個々の要因に関する情報は,特にその寄与が大きい場合には役立つことも
ある。この情報は,認証標準物質の生産者から入手できる。
6.3.6 1990年代後半までに生産された認証標準物質の標準物質認証書に記載された特性値に付随する不
確かさには,必ずしもバッチの不均質性及び不安定性の影響が全て含まれていたとは限らない。標準物質
認証書に記載された不確かさは,バッチ全体にわたる特性値の不均質性及び長期間にわたる特性値の不安
定性に起因するばらつきに影響を与える全ての要因を含むことが望ましい。最終的に,表明された不確か
さは,測定プロセスにおいて使用される個々の包装品(例えば,バイアル)に対して適用可能であること
――――― [JIS Q 0033 pdf 10] ―――――
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JIS Q 0033:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO Guide 33:2015(IDT)
JIS Q 0033:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Q 0033:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISQ0030:2019
- 標準物質―選択された用語及び定義