JIS Q 10001:2019 品質マネジメント―顧客満足―組織における行動規範のための指針 | ページ 2

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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム−基本及び用語
注記 対応国際規格 : ISO 9000:2015,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2015によるほか,次による。
注記 ある特定の文脈において特別の意味に限定されている概念は,その定義の前の<>内に主題の
分野を示した。
ISO及びIECは,次のURLにおいて,標準化に用いる用語データベースを維持する。
− ISO Online browsing platform: https://www.iso.org/obp
− IEC Electropedia: http://www.electropedia.org/
3.1
顧客満足行動規範(customer satisfaction code of conduct),規範(code)
顧客満足(3.5)を高めるための,組織(3.9)の行為に関する,顧客(3.4)への約束事項及び関連事項。
注記1 関連事項には,目標,条件,制限,連絡先の情報及び苦情対応手順を含むことがある。
注記2 “顧客満足行動規範”を,以下,“規範”という。
(JIS Q 9000:2015の3.9.5を変更。許容用語としての用語“規範”を追加した。また,注記2を置き換
えた。)
3.2
苦情申出者(complainant)
苦情(3.3)を申し出ている人,組織(3.9)又はそれらの代理人。
3.3
苦情(complaint)
<顧客満足>製品若しくはサービス又は苦情対応プロセスに関して,組織(3.9)に対する不満足の表現
であって,その対応又は解決を,明示的又は暗示的に期待しているもの。
注記1 苦情は,組織が顧客(3.4)と相互に作用する他のプロセスに関して申し立てることもできる。
注記2 苦情は,組織に直接的に又は間接的に申し立てることができる。
(JIS Q 9000:2015の3.9.3を変更。注記1及び注記2を追加した。)
3.4
顧客(customer)
個人若しくは組織(3.9)向け又は個人若しくは組織から要求される製品・サービスを,受け取る又はそ
の可能性のある個人又は組織。
例 消費者,依頼人,エンドユーザ,小売業者,内部プロセスからの製品又はサービスを受け取る人,
受益者,購入者
注記 顧客は,組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。
(JIS Q 9000:2015の3.2.4参照)

――――― [JIS Q 10001 pdf 6] ―――――

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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)
3.5
顧客満足(customer satisfaction)
顧客(3.4)の期待が満たされている程度に関する顧客の受け止め方。
注記1 製品又はサービスが引き渡されるまで,顧客の期待が,組織(3.9)に知られていない又は顧
客本人も認識していないことがある。顧客の期待が明示されていない,暗黙のうちに了解さ
れていない又は義務として要求されていない場合でも,これを満たすという高い顧客満足を
達成することが必要なことがある。
注記2 苦情(3.3)は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,苦情がないことが必ずしも顧
客満足が高いことを意味するわけではない。
注記3 顧客要求事項が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満足が高い
ことを保証するものではない。
(JIS Q 9000:2015の3.9.2参照)
3.6
顧客サービス(customer service)
製品又はサービスのライフサイクル全般にわたる,組織(3.9)の顧客(3.4)との相互関係。
(JIS Q 9000:2015の3.9.4参照)
3.7
フィードバック(feedback)
<顧客満足>製品,サービス又は苦情対応プロセスへの意見,コメント,及び関心の表現。
注記 フィードバックは,組織(3.9)が顧客(3.4)と相互に作用する他のプロセスに関して与えるこ
ともできる。
(JIS Q 9000:2015の3.9.1を変更。注記を追加した。)
3.8
利害関係者(interested party),ステークホルダー(stakeholder)
ある決定事項若しくは活動に影響を与え得るか,その影響を受け得るか,又はその影響を受けると認識
している,個人又は組織(3.9)。
例 顧客(3.4),所有者,組織内の人々,提供者,銀行家,規制当局,組合,パートナ,社会(競争
相手又は対立する圧力団体を含むこともある。)
(JIS Q 9000:2015の3.2.3を変更。注記を削除した。)
3.9
組織(organization)
自らの目標を達成するため,責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ,個人又はグループ。
注記 組織という概念には,法人か否か,公的か私的かを問わず,自営業者,会社,法人,事務所,
企業,当局,共同経営会社,協会,非営利団体若しくは機構,又はこれらの一部若しくは組合
せが含まれる。ただし,これらに限定されるものではない。
(JIS Q 9000:2015の3.2.1を変更。注記2を削除した。)

4 基本原則

4.1 一般

  4.24.13に示す顧客重視の基本原則を遵守することが,規範の効果的かつ効率的な計画,設計,開発,

――――― [JIS Q 10001 pdf 7] ―――――

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実施,維持及び改善の基盤である。

4.2 コミットメント

  組織は,規範の採用,規範と他のマネジメントシステムとの統合,規範の普及,及びその約束事項の実
行を積極的にコミットメントすることが望ましい。

4.3 対応能力

  規範の計画,設計,開発,実施,維持及び改善のために,十分な経営資源を準備するとともに,効果的
かつ効率的にマネジメントすることが望ましい。

4.4 透明性

  規範は,顧客,要員及びその他の密接に関連する利害関係者に伝達することが望ましい。個々の顧客に
は,規範及びその顧客に適用される規範の実施に関する適切な情報を提供することが望ましい。

4.5 アクセスの容易性

  規範及び関連する情報は入手しやすく,利用しやすいことが望ましい(附属書D参照)。

4.6 応答性

  組織は,規範によって,顧客のニーズ及び期待並びにその他の密接に関連する利害関係者の期待に取り
組むことが望ましい(附属書E参照)。

4.7 情報の完全性

  組織は,規範及び規範に関連する情報が正確で,誤解を招くことがなく,検証可能であること,並びに,
収集したデータが関連していて,正しく,完全で,有意義かつ有用であることを確実にすることが望まし
い。

4.8 説明責任

  組織は,規範に関する組織の決定及び対応についての説明責任及び報告体制を確立し,維持することが
望ましい。

4.9 改善

  規範及びその使用に関する有効性及び効率の向上が,組織の永続的な目標であることが望ましい。

4.10 機密保持

  規範に関連して用いられる,個人を特定できる情報は,法令によって開示が義務付けられた場合,又は
当該個人から開示の同意が得られた場合を除き,機密として取り扱われ,保護されることが望ましい。
注記 個人を特定できる情報とは,ある個人との関係で,その人物を特定するために用いることがで
きる情報であり,個人の氏名,住所,Eメールアドレス,電話番号又はこれに類する具体的識
別情報によって検索可能な情報である。この用語の正確な定義は,国によって異なる。

4.11 顧客重視のアプローチ

  組織は,規範に関する顧客重視のアプローチを適用し,フィードバックを積極的に受け入れることが望
ましい。

4.12 力量

  組織の要員には,規範を開発し適用するために必要な,個人的特質,技能,訓練,教育及び経験が備わ
っていることが望ましい。

4.13 適時性

  規範の開発及び実施は,規範の性質及び利用される規範の実施プロセスの性質を考慮して,できる限り
迅速に行われることが望ましい。

――――― [JIS Q 10001 pdf 8] ―――――

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Q 10001 : 2019 (ISO 10001 : 2018)

5 規範の枠組み

5.1 組織の状況

  規範及びその枠組みを計画し,設計し,開発し,実施し,維持し,改善する際に,組織は,次の事項に
よってその状況を考慮することが望ましい。
− 組織の目的に関連し,かつ,規範の目標を達成する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題
を特定し,取り組む。
− 規範及びその枠組みに関連する利害関係者を特定し,かつ,それらの利害関係者の密接に関連するニ
ーズ及び期待に取り組む。
− その領域及び適用可能性を含め,組織の規範及びその枠組みの適用範囲を特定し,かつ,外部及び内
部の課題並びに先に示した利害関係者のニーズを考慮に入れる。

5.2 体制構築

  規範は,計画,設計,開発,実施,維持及び改善の各段階において,組織的枠組みによって意思決定及
び実行がなされることが望ましい。この枠組みには,規範の目標を達成するための,相互に関連する活動
を実施するために必要な経営資源の評価,準備及び配置を含む(附属書F参照)。また,枠組みには,リ
ーダーシップ及びコミットメント,責任及び権限の適切な割当て,並びに組織全体にわたる教育・訓練に
ついても含まれる。
規範を確立し,実施する際,組織は生じ得るリスク及び機会を考慮し,取り組むことが望ましい。これ
には次の事項を含む。
− リスク及び機会に関するプロセス並びに外部及び内部の要因を監視し,評価する。
− 固有のリスク及び機会を特定し,評価する。
− 特定し,評価したリスク及び機会に関する,是正処置及び改善を計画し,設計し,開発し,実施し,
レビューする。
JIS Q 9000:2015の3.7.9に規定するとおり,リスクとは,不確かさの影響で,好ましい影響又は好まし
くない影響をもち得る。規範の場合,好ましくない影響の例には,規範の約束事項を達成するための経営
資源が不十分であることから生じる,顧客の不満足がある。また,好ましい影響の例には,組織が,規範
の枠組みをレビューした結果,規範の約束事項に関係する経営資源を再考することがある。これらのリス
クには,経営資源の割当て及び開発をレビューすることで取り組むことができ,追加資源の提供又は規範
の約束事項を達成するためのより安価な方法の開発につながる。
機会は,好ましい成果を実現する可能性のある新たな方法の特定に関連していて,必ずしも組織がもつ
リスクから生じるわけではない。例えば,組織は,規範の約束事項を達成する中で顧客からの提案を受け
て,新しい製品,サービス又はプロセスを特定し得る。

5.3 他のマネジメントシステムとの統合

  規範の枠組みは,該当する場合には,組織の品質マネジメントシステム及びその他のマネジメントシス
テムに基づき,かつ,それらと統合的であることが望ましい。

6 計画,設計及び開発

6.1 規範の目標の決定

  組織は,規範によって達成しようとする目標を決定することが望ましい。
規範の目標は,その達成状況が,組織が識別したパフォーマンス指標を用いて判定可能なように明瞭に
表明されることが望ましい。

――――― [JIS Q 10001 pdf 9] ―――――

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6.2 情報の収集及び評価

  次の事項に関する情報を収集し,評価することが望ましい。
− 規範が取り組もうとしている課題
− これらの課題がどのように発生しているか
− これらの課題にどのように取り組むことができるか
− これらの課題が,規範に関連のない組織の活動にどのように,また,どの程度影響を及ぼしているか
− 他の組織は,これらの課題にどのように取り組んでいるか
− 規範の使用を通じて,これらの課題に取り組むために見込まれる経営資源及びその他の影響
− 規範の使用を通じてこれらの課題に取り組むことに関連する,適用可能な法令・規制要求事項
− 規範の開発,評価及びレビューに関わるリスク及び機会
注記 これらの情報は,組織が規範の目的を明確にし,かつ,組織の他の活動と整合した規範の開発,
評価及びレビューに対する適切なアプローチを決定することを支援することになる。他の組織
(例えば,業界団体,職能団体)が作成した規範を採用するときに検討すべき要因に関する手
引を,附属書Gに示す。

6.3 利害関係者からのインプットの入手及び評価

  密接に関連する利害関係者(例えば,顧客,供給者,業界団体,消費者団体,関連行政機関,要員,所
有者)から規範の内容及び使用に関するインプットを入手し,評価することが,組織にとって重要である
(附属書E参照)。組織は,関連する顧客の期待及び認識を理解することが望ましい。

6.4 規範の作成

  組織は,収集した情報及びインプットに基づいて規範を作成することが望ましい(附属書H参照)。規
範は,明瞭,簡潔,正確で誤解を招かず,平易な言葉で書かれ,かつ,次の内容を含むことが望ましい。
− 組織及びその顧客の双方に対して,適切な規範の適用範囲及び目的
− 組織が顧客に対して示す,達成可能な約束事項及びこれらの約束事項に関する制限
− 規範に用いた主要な用語の定義
− 規範に関する問合せ及び苦情の申出方法及び申出先
− 規範の約束事項が達成されない場合に,どのような対応がなされるかについての記述
注記 問合せ及び苦情は,規範の内容及びその使用の,いずれに対してもあり得る。手引として,JIS
Q 10002及びJIS Q 10003を参照するとよい。
規範の作成において,組織は,規範が効果的に実施でき,かつ,その規定が,欺まん(瞞)的又は誤解
を招く宣伝及び競争を阻害する活動に対する禁令に違反していないことを確実にすることが望ましい。組
織は,関連するその他の規範及び規格をも考慮し,規範の規定がそれらと整合していることを確実にする
ことが望ましい。
組織は,規範を調整する必要があるかどうか判断するために,規範の試行を検討することが望ましい。

6.5 パフォーマンス指標の作成

  組織は,規範がその目標を達成しているかどうかの判断を容易に行うための,定量的又は定性的パフォ
ーマンス指標を作成することが望ましい。
注記 顧客満足に関する規範に関連するパフォーマンス指標には,顧客満足度調査による格付け若し
くは順位付け,又は苦情及びその解決に関する統計が含まれる。附属書Aに例を示す。

6.6 規範の実施,維持及び改善のための手順の作成

  組織は,問合せ及び苦情をどのように取り扱うかを含む,規範の実施,維持及び改善するための手順を

――――― [JIS Q 10001 pdf 10] ―――――

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JIS Q 10001:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10001:2018(IDT)

JIS Q 10001:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Q 10001:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称